水野の図書室
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2020年03月25日(水) 北村薫『ゴースト』

北村薫「遠い唇」(角川文庫)は謎解きの短編集だと思っていたら、
6番目の『ゴースト』を読んで、ん?

これまでと雰囲気が変わりました。
付記を見たら、
『ゴースト』は「八月の六日間」の主人公の心を描く習作─とのこと。
うーん、それではと、「八月の六日間」を先に読むことに。
「八月の六日間」は、文芸雑誌の副編集長をしている“わたし”が山歩きの魅力に出会うお話。
“わたし”とは、『ゴースト』に登場する朝美なんですね。

小さな行き違い、気持ちとは裏腹の作り笑顔……あぁ、わかります。

『ゴースト』の冒頭に引用されている短歌が印象あざやか。

「鬼などは来ぬやもしれぬ恍くわうと身をおしつつみ菜の花ばかり」
〜河野裕子

感性を刺激されます。いろんな意味で、北村薫は刺激的。


水野はるか |MAIL
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