日記

2005年06月01日(水) 『幸福な夢追うひとをくるむ天球はねぶとん』



ドラゴン十匹計画細々と進行中。どれだけの時間で書き上げられるでしょう……。
それ以前の問題として、どれだけの方が分かってくださるのでしょう(笑)


こんばんわ、こりもせずに。もえぎです。
バハラグ再プレイ初めて一ヶ月弱というところでしょうか。
体調とかその他はメタメタだったりしますが書いています。
バハラグ二周目も、見たいイベントは大体見終わるところまで行けましたしね。
イベント見たさに三周目に入りましょうか(笑)スパイ大作戦まで!

でもバハラグ終わったら次にすべきはFF6のクリアなのですよね。もう一息なので。
そしてその後は。どういう風の吹き回しなのか、FF4がしたいのです。
スーファミ版は結局未クリアのままですし……。
バブイルの巨人内部、という途方も泣く中途半端な場所で放棄しました。
『もうイヤだー!!』と半泣きになりながらコントローラーを投げたのです。
月から戻って途端にあれで。耐え切れなくなった模様です。
そしてこっそり申し上げますと、ライブアライブもしてみたいなあとか今更考えてみたり。
かと思うと夢にロマサガ風味のFF6ラストバトルとかが出てきて。
ラスボスまでの前哨戦で何故かアルテマウェポンが出てきて。
慌てて『リレイズ!リレイズ準備!!』とか思っている間にアルテマ発動。
メンバーばたばた倒れて二軍メンバーが代わりに参戦。
何故かロックとオルちゃん(味方なのかオルちゃん)
でもロックが何も魔法を覚えていない状態で、且つ装備無しの状態なのが、
非常にわたしらしいと思いました。どれだけロックに仕返しする気ですかもえぎさん。
そのくせオルちゃんはメテオが使えたりとかして大変感心しつつ目が覚めると。
友人M子から『ロマサガのミンスト貸そうか?』とのメールが来ていました。
何かの前兆だったのでしょうかこの夢。

……まあそれはともかくとして本日のお話。バハラグドラゴン十匹計画。
第二段は、ムニムニこと当家のうにむ、うにくんです。
うにくんの見た目って、ご覧になられた方ならすぐに思い浮かべることが出来るのですが。
相当に斬新なビジュアルをしたドラゴンなので、説明が難しいです。
気になる方はプレイをお勧めします(笑)いやあ本当に斬新です。
しかも鳴き声を擬音化するのが一番簡単な子です。『わん』って鳴きます。
力が強くて成長率もぴかいち、なのにとってもあまえたさんでちょっぴりおばかさん。
そんな子。可愛くて仕方がありません。
うちの編成では、神竜召喚部隊に、常につけていました。
しょうかん×2とアサシンズのパーティ。
アサシンを入れていたのは、万が一直接バトルを挑まれた際の警護の意味。
それと移動力を補足する人員としてです。
召喚は破壊力が破壊力だけに、人間の攻撃としてはかなりの戦力となります。
ので、魔法使い系のジョブなのに、よく敵の真っ只中に放り込んだりで(笑)
ある程度の移動力が欲しかったのです。でも前線送りはどうかなあと自分でも思います。
すぐさまナイト隊やらヘビーアーマー隊が盾に入れるようにはするのですが。
結構ずけずけ前に出してしまいますので、きちんと守らないとなのです。
とまれこうまれ。今日はうにくんのお話です。
おばかさんであまえたさん。けれどふと気付いた、この子の無言のかなしいこと。
それをこっそり書いてみることにしました。
あとあと、もう一つこっそり、こないだの十匹計画第一段に修正入れておきました。




『幸福な夢追うひとをくるむ天球はねぶとん』
(バハラグ。ドラゴン十匹計画。隻眼のあまえたさん)

 空を舞っていた。ほんの。ついさっきまで。ぼんやりと風を切る感覚を思い出す。その子はよく、偵察任務を課せられていたものだから。そして今回も危険な飛行を終え、異世界の魔物による侵攻の程度を確認し、帰還してきた。なので今は、漸く翼を休めて休憩中。けれどその子は、ただぼんやりとしているだけだった。元来ひとつきりしかない大きな瞳を、瞬きもせず、ただ空を見やっていた。
 いつもならば、任務を終えたその子に誰もが声をかけ、労をねぎらう筈なのに。このたびに限っては誰も声を発しようとはせず、またその理由を訊ねようとはしなかった。
 偵察飛行に出たのは一人と一匹。戻ったのは。一匹。


「うにむ」
 さくり、と軽く草を踏む音。優しくかけられるその声は、いつもならその子がすぐに飛びつきかかるくらいに、大好きな人のもの。だのに今、その子は、まるでまどろんだように霞んだ視線を、けだるそうに彼へと向けただけだった。ビュウはそれに気付かないわけがないのに、やんわりとした微笑をそのままにしていて。ただ少し、ちくりと一瞬眉をひそめただけだった。
「偵察ご苦労様。報告もきちんと受け取ったよ。よく頑張ったな」
 ビュウにだけ出来るのだろう、どんなドラゴンでもついつい擦り寄ってしまう撫で方でゆっくりさすってやっても。そしてどれだけ柔らかな口調で包んでやっても。どうしてもムニムニは自分から甘えてこようとはしなかった。普段なら、全てのドラゴンの中でも一、二を争うあまえんぼうなのに。
 ただただ、その子は。遥かに茫洋とした空を見つめるばかり。

 そんな様子を見て、ビュウは遂に、感情を隠し通すことが出来なくなってしまった。穏やかな笑みをはらりと脱ぎ捨てて、苦渋と哀惜に満ちた蒼い眼を痛ましげに伏せた。
 そして彼は、出来うる限り両腕を大きく広げて、ムニムニを抱き締めるようにしてやると、力強く、一言口にした。
「お前は悪くないよ」
 たったそれだけの言葉に。短くも、鋼の剛健さをもってドラゴンを護ろうとするような声音と腕に、ムニムニはかあっと大きく隻眼を見開いた。
 おおきなおおきな、ひとつきりの視界に。その子がただ見ていたものは。


『いつか、ドラゴンになるのが夢なんだ…!約束するよ!お前と!』
 ちょっと照れくさそうに、秘密めいて話してくれた、明るく笑う人。どういう意味なのか、その子には正直よく分からなかったけれど、ただクルーがとっても楽しそうに約束してきたものだから、その子もうきうき嬉しくてたまらなかった。
 約束以後、その子とクルーはとても仲良しになり、度重なる偵察任務にも一緒に赴いた。一人と一匹きりで空を舞うたび、彼は繰り返しわくわくしながら夢を語った。その内容はやっぱりよく分からなかったかもしれないけれど、それでもその子もどきどきしていた。
 だからムニムニもこっそり約束していた。
『キミがドラゴンになれたなら、ボクと一緒にたくさん飛ぼうね……!』と。
 人と、竜では。なかなか上手に言葉は通じない。だからお互い、それは擦れ違いな遣り取りだったのかもしれない。けれどもおかしな一人と一匹は、とびきりの仲良しだった。

 けれど今日。いつものように翔けて行った空。偵察任務。未知の敵の趨勢を探るため。そこで一人と一匹は、苛烈な追撃を受けた。全てが謎に包まれた敵の術や技、それに翼。たった一匹のドラゴンで倒すことが出来るような相手でも数でもなかった。その状況を打破する唯一の方法は、ただ一心にその場から逃げ去ることだった。
 危険なのはいつものことだったから。一人は、一匹を駆ったまま、そっと呟いた。その子は必死に翼を動かし、風を読み、降りかかる魔法の刃をかわし続けていた。偵察の内容は、万が一の事態に備えていつも紙に記されていた。もしクルーが口頭で報告できないような状況に陥った場合でも、支障をきたさないように。そのことをぽつり、とムニムニに対して再度確認してきたクルーに、その子は気が気ではなかった。そんな命令なんて、はなからないものだと思っているのだから。その子はただ、何とかしてこの一方的な戦闘を回避し、安全なおうちに戻ることだけを考えて飛び続けていた。自分の体に少しずつ傷が増えていっても、そんなのどうでも良かった。
 ぐんぐん速度を増して、仲間の待つ艦へまっしぐら。もうすぐ。もうすぐ。その言葉だけがぐるぐると頭の中を回って、他のことは分からなくなってきた。あと少しで、あの雲を抜ければ、遠くに艦影が見える筈。そしたらこんなやつらすぐにやっつけて、それから、それから――
 その子の翼のすぐ側で、空が爆発した。

 途端に風が向きを変える。羽が気流に持っていかれそうになる。体が揺らぐ。
 次の瞬間、背中にいた筈の仲良しが、目の前の宙に浮かんでいた。

 それはそれは不思議な光景だった。根無し草のラグーンが浮かぶ、果てない空。オレルス。その只中に、翼持たない人間がぽっかりと飛んでいるのだから。
 けれど翼無きものが空に飛び出してどうなるのかなんて、結果は明らかで。
 今までにないくらい、限界まで開かれた大きな瞳が、瞬間、クルーと視線を繋げた。感覚が痺れたように動けない一匹の仲良しに、一人の仲良しは、微笑んで見せた。いつも彼が空で夢をきらきらみつめていた、あの笑みだった。ギャアギャアと耳障りな鳴き声が、彼の影から膨らむように響いてきた。
 唇が動いた。微笑をそのままに、幸せそうに目を細めて。仲良しに向かって。
『いけ』

 それからどうなったのか、その子はぼんやりとしか思い出せなかった。いくら考えようとしても、記憶の糸をたぐろうとしても、浮かぶのは仲良しとの楽しい時間だけだった。
 だからその子は知らない。世界がひっくり返るような速度で、倒れるようにファーレンハイトまで帰り着いたことも。空が裏返しになるような速度で、仲良しが落ちていったことも。すぐさま視界から消えたはずのその体が、大きすぎるその子の瞳には、無慈悲な爪が貫き、切り裂き、真っ赤な華がぱあっと飛び散るように開くのまで見えてしまったことも。
 何も知らない。分からない。分かりたくない。

 そんなドラゴンに、大好きな人は囁いた。きつくきつく抱き締めて、強く強く言い聞かせるように。
『お前は悪くないよ』
 その言葉に、漸くムニムニは、全てを理解した。


 ほとほとと大粒の涙が次々と零れ落ちてくる。ひとつきりの瞳だから、一度に零せる涙は一粒きりだけれども、尽きることなく溢れてくるころころとしたものは、すぐさまビュウの金髪を濡らしてしまうくらいだった。
「――よく頑張ったな。よく、我慢してたな」
 もしボクがれらんみたいに速ければ、落ちてゆく仲良しを拾い上げられたかもしれない。
「でも悲しい時はうんと泣くんだ。それで、その後は、少し元気になろう」
 もしボクがるあろすみたいに賢ければ、あの時咄嗟に動けたかもしれない。
「佳い子だ。佳い子――お前は佳い子だよ」
 もしボクがぱさいるみたいに力が強くってとるらみたいに魔法が得意でひいゆみたいに――
「お前はお前。佳い子。お前は絶対に、悪くない」
 なおもぽろぽろと声もなく泣き続けるドラゴンを、ビュウはしっかりと抱き締め続けていた。人間に対してすっかり甘える癖のあるこの子が、よく見えすぎる目を持ってみてしまった、残酷な別れ。それによりどれだけ傷つき、悲しみ、突然のことに悲しみ方さえ分からないでいたことを、ビュウは痛いほど感じていた。彼自身の行為と声が、どれだけ愛竜にとって慰めになるのかなど知る由もないけれど。どうしても。こうしないではいられなかった。
 繰り返し、繰り返し佳い子だと呼び。小刻みに震える体を撫で続け、お前は悪くないのだと言い聞かせ続けた。それはビュウの嘘偽りの無い本心であったから、自信を持ってそう口に出来た。
 それはゆっくりではあったけれど確かに効果を見せて。少しずつ、少しずつ涙はおさまっていった。ほのかにあたたかな腕と、その子の大好きな声が、幾度も幾度もだいすきだと告げてくれているようだったから。その感覚は、あまえたさんな子にとって、やっぱりとんでもなく嬉しいものであるから。限りない愛情に包まれて、やっと安堵出来たその子はまたぼんやりと考えた。今度はちょっと、赤くなった目を細めて。


 ねえ、もしキミがドラゴンになって帰ってくることが出来るのなら。ボクと一緒にビュウの側にいようね。ビュウならきっと、ボクらにうんとうんと優しくしてくれるから。たくさんしあわせに飛んでいられる。約束どおりに。
 ほんとだよ。ビュウの側なら、ボクらみんなしあわせにいられるから。
 だから今はお空の雲をおふとんにして、ちょっとだけおやすみしてさよならね?


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