日記

2005年06月05日(日) 『だいすきをおしえて』



ひょろひょろ留守にしまして申し訳ありません。
それでもドラゴン十匹計画はなおも進行中なのです(笑)


こんばんわ、まあ色々とメタメタなわけで。もえぎです。
先週にえっらいダメージを食らう事件があったのですよ。
それが既に起こされていた撃鉄なところにきたものですから。
引き金がひかれたら後は……というわけです。
そんなこんなでケルパーもガイストもめっためただったりします。
ひしひしとダメージが後を引いて、今にも続いてしまっているみたいですね。
あと他に、多分あれもあると思うのです。
ほら。今月は六月じゃあ、ないですか。六月なのですよ。
去年の六月に何がありました?
―…あったでしょう?

もう細かな日にちさえ覚えていませんが六月でしたね。あの日。
熱い熱い朝の陽射しの中、白いスモックを着ていました。
気温によるものか、予感によるものかのか分からない汗が、
背骨の曲線に沿って冷たく滑り落ちる感覚さえ覚えています。
そうしてお店の開店を待っていて。扉が開くと同時に駆け出して。
エレベーター使えば良いのに、一番に飛び出すとエスカレーターを駆け上がった。
六階ぐらいまであるのに走り続けて、到着する頃には息も上がっていて。
そんな風にして手に入れ胸に抱き締めたものに打ちのめされた日から一年。

だから、多分あれなのです。指輪物語のバギンズさんもそうだったです。
(何故か映画版はフロドくんと呼ぶくせに原作だとバギンズさんと言いたくなる)
黒の傷から一年後とか、シェロブの毒から一年後とか伏せったりしてらしたでしょう。
その痛みを受けたのと同じ日に。
わたしが受けたものは幽鬼から受けたような大層なものではありません。
それでも……かなし。かった。な。
一言でみもふたもなく言っちゃえば思い出し凹みでしょうか(笑)
体と精神がそれをおぼえているから、撃たれてしまう。
わたしを包囲したままの銃は一体何丁あるのやら?


さあてそんな気配を打ち砕くべくドラゴン十匹計画いってみましょう(笑)
第三段の今回は、ツインヘッドこと当家のひいゆです。ひーちゃんです。
実はこのお話、とっくに完成していたのです。
ただここ数日わたしがメタメタすぎてネットに繋ぐことが出来ませんでして。
そのためここまで流れてしまいました。ごめんよひーちゃん。
さてさて、ツインヘッドなひーちゃんを、わたしは女の子だと思っています。
公式設定で『ドラゴンに雌雄の区別はない』とか言われてるのに。勝手に(笑)
まあそれはおいておくとしても、この子は女の子だと思っているのです。
しかも、ちょっとおすまし顔の似合う、おねえさん気質な子。
そのくせちょっとてれやさんで、はずかしがりやさん。
自分でもそんな性格を承知しているので、それを隠すべく更におねえさんであろうとする。
そして実際頭は良いし、能力値も高いし、見た目も綺麗。まさにおねえさん。
今更言うのもなんですがわたしドラゴン捏造しすぎでしょうか。
でも『ひーちゃん』って愛称は漢字表記だと『姫ちゃん』になって可愛いと思うのです。

ひーちゃんをこんな性格だと思うようになったのは、編成の影響が多分にあります。
ミストさん、ネルボさん、ジョイさんの万能隊につけていたのです。
(残り一名はゾラのむすこだったりビッケバッケだったりします)
この『綺麗なお姉さんは好きですか?』なパーティの専属ドラゴンだったのです。
おかげでこんな性格だと思い込んでしまうようになりました。
ジョブがばらばらで使いにくいと思いがちのパーティなのですけれど。
以外にも、それなりに便利だったりするのです。
わたしはドラゴンが少しでも怪我したりするのをとても嫌います。
そんなとき。わざわざプリースト隊にLV30のホワイトドラッグをして貰わなくても。
この隊にいるジョイさんの、LV10のホワイトドラッグで間に合うわけです。
あと、HP残り少しで生きてる敵パーティへのトドメにネルボさんの魔法とか。
むずかしいダンジョンにおいては宝箱捜索チームとして大活躍ですし。
しみじみライトアーマーがいると便利だなあと思います。
女の子至上のわたしとしては、女の子は絶対二軍にしたくないのです(笑)
もともとはその一心で誕生したパーティなのですけれど。
まさかこんなに使い勝手がよくなるとは思いませんでした。

さあてそんなわけでして。
本日のお話は、ちょっとてれやさんなおねえさんドラゴン。
ツインヘッドと隊長のお話です。
……書いてて楽しいのですが、一個気付いたことがあります。
なんか書いてるうちに、書き方がレンダーバッフェと似ていることに気付きました(笑)
性格の方向性も似ている気がします。
ではいつかツインヘッドとパルパレオスで書けたりするかもですね。
とまあ、そんなウダウダ話はおいといて、お話をどうぞです。





『だいすきをおしえて』(バハラグ。ドラゴン十匹計画。菫の清らな双頭)

 少し視線を逸らしているのは、別につん、とすましているわけではないのだけれど。明後日の方向見やる二つの頭と四つの眼は、時折ちらちら何かに吸い寄せられるみたいになって。彼女は、そんな自分の思い通りにならない気持ちと首を、そのたび慌てて元に戻す。最初みたいに。涼しげな顔でおすましして。
 でもでも。どうしても聞こえてきてしまう風の音と、楽しげな声には、やっぱりやっぱり気を取られてしまう。そしてついつい、その聡明さをもって、観察してしまう。ちらちらこっそり。気付かれないように。


 仲間のドラゴンたちが、皆群がるようにして、たった一人の人間に押し寄せている。彼はそれを嫌がる素振りもなく、さも楽しげに微笑みながら腕を伸ばし、声をかける。そして彼がそうしてくれるだけで、どのドラゴンも例外なくすっかりご機嫌になってしまうのだった。
 流石に真緋の不死鳥たるサラマンダーは一番付き合いが長いだけあって、正面から擦り寄るとあからさまに甘えてみせる。普段は冷静なアイスドラゴンだって、彼といる時はうきうきと胸躍るのを隠しきれない。長い体を上手く利用して、軽く尻尾を絡ませながら撫でるのを催促する。いつもおとなしくもじもじしたモルテンは、自分の体がふわふわと心地良い羽毛にくるまれているのを知っているので、彼の後ろから隠れるように頬擦りを。そしたら、彼が突然のやわらかさに蒼い瞳を細めながら構ってくれるのを理解しているから。豪快さんな性格であるサンダーホークは、甘え方も豪快さん。特に戦法もない。真正面からどかーんとぶつかっていって、どかーんと彼を飛ばしてしまわないようにだけ気をつけながら、どかーんと抱き締めて貰えることを望む。加入時期は最後ながら、生来のあまえたさんな気質から、ムニムニの甘え方も他のドラゴンたちに負けてはいない。と言うよりも、彼と出会ってからの時間がまだ短いので、より一層構ってもらおうと必死。ぐりぐり体を押し付けると、一生懸命あそんであそんでと訴える。
 そんなドラゴンたちを、一匹として無碍に扱いもせず。それぞれに深い愛しさと慈しみを持って、ビュウは接する。時には淡い微笑を灯して、時には大きな笑い声を上げて、時には厳しく叱ったり諫めたりもしながら、優しく指を伸ばして撫でてやる。
 だからこそドラゴンはビュウが大好きでたまらない。もうそれは例外なく。けれどこんなことを、考えるドラゴンも、いるわけで。

――私は、皆よりお姉さん。あんなに子供っぽくなんてないわ。だから子供っぽいことなんてしないの。だって私はお姉さんなのだから――

 まだ彼と会って日の浅い、優美な菫の肢体に怜悧な頭脳をも兼ね備えた、一匹のドラゴン。彼女はいつもそんな風に考えていて、考えすぎていて、いまだにどうやって彼に接したものかと二つの頭を抱えていた。
 彼女を育ててくれたパパは、ビュウに対して『てれやさんだから!』なんて紹介をするものだから、内心きゃあと悲鳴を上げそうになったものだった。初対面がこんな具合だったので、余計にどうしたら良いものやらと考えあぐねていた。
 実際ツインヘッドは他のドラゴンたちに比べて、多少はずかしがりやさんでてれやさんなところがあったりするけれども。それは他の子たちがあけっぴろげすぎるのだと彼女は理解している。それに、そんな性格を分からなくしてしまうくらい、彼女はとても頭が良くて優秀で、申し分の無い能力を持っていた。他のドラゴンたちからも、お姉さんみたいに扱われることも多々で。だから、私はお姉さんだとずっと考え込んでいて。そのため、こういう時、どうしたら良いのかわからなくなってしまう。


 どうしたら。どうすれば。
 考えれば考えるほど、彼には近寄りにくくなってしまって。思わずおすまし顔なんてしてしまう。そしてふと我に返ると、目の前にいつの間にやら彼女をすぐ側で見上げる、ビュウの姿があって。一瞬飛び上がりそうにびっくりしてしまった。最初の時みたく、きゃあと喉の奥に悲鳴を押し込めると、四つの瞳を真ん丸にして彼から後ずさりしそうになる。けれども。
「おいで、ひいゆ」
 びくりと強張りかけた体を、あたたかく撫でさするように。両腕をいっぱいに伸ばしたビュウが、彼のあの声で。あまく、穏やかで、胸の奥にぽ、と快いぬくもりを灯す声音で彼女の名前を呼ぶ。勿論、あのたまらないくらい優しい微笑ををたたえて、やわらかに細められた碧眼で見つめてきながら。
 それはもう彼女だって大好きで大好きでたまらないビュウの仕草であったから。遂に『おねえさん』な留め飾りはぴん、と自然に外れて。
 甘えた鳴き声も、ビュウを挟むようにしてやおらゆるゆると下ろされた二本の首がおそるおそる頬擦りするのも、ごく当たり前のように流れ出た動作だった。
 よしよしと優しく撫でてくれる手の平の感触に目を細めながら、彼女は自分の行動に驚きながらも、もう飛び退ろうとはしなかった。ただ居心地良くて、ここでずっとこうしていて欲しくて。こころが溢れるように満たされる、あまい幸福感をおぼえた。それはもう二度と忘れられない、陶然とした感覚だった。
「甘え下手なんだな」
 ビュウの微苦笑するような声が、すぐ側で聞こえる。低く、囁くようなトーンは、なおも彼女をうっとりさせるものだった。だから自然に、もっともっとと二本の首を使って、甘えてみせる。そんな『おねえさん』に、他の子たちはちょっぴり抗議するように、不平そうな鳴き声を上げてくるけれど。彼女は悪戯っぽく目を眇めてみせるだけ。『佳い子』と呼びながらやさしく撫でさするそのやさしい指は、いまだけは彼女のもの。

――今までこんなの、知らなかったの。私は皆のお姉さん。けれどもビュウの前でだけは、お姉さんじゃあ、なくなるのよ――

 この後、今までの分を取り戻さんばかりの勢いで甘えてくるひいゆと、それに対抗するがごとくますます甘えてくる五匹のドラゴン。ありあまる熱烈なあまえたさんたちの攻勢に、やっぱりビュウは大きく腕を広げて、待ち構えてやるのだった。当然、いつもの淡い微笑を忘れないで。


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