| 2005年05月30日(月) |
『極光水鏡ぽろぽろり』 |
ドラゴン十匹計画発動ー(笑)まったく、何してんでしょこの人。 第一弾は、アイスドラゴンこと当家のるーくんです!
こんばんわ、やめられねえとまらねえ。もえぎです。 もしうちのサイトで『人外フェス』とか開くとします。 そしたらすぐさま『いつもとやってること変わらねえよ』とのツッコミが雨あられの予感。 人間書く気がないとかそんなわけではないのですけれど。 まあサーガの場合だと、カラフルチルドレンも広義では人外ですけれど……。 そもそも今まで書いてきたのはどんなものか。 ゾイドだとAIやらオーガノイズ、それにゾイドそのもの。 ポップンでもやっぱりAIとかバーチャルチャイルドとか。 サーガが最も顕著な気もしますがラインの乙女とかレアリエンとかカラフルチルドレン。 ……やっぱり人間少ないですかこのサイト。 や、で、でも。それらを埋め尽くす勢いで接触者対存在は多い筈です。 その筈です。お願いですそうだと信じさせてください。 でもやっぱり、ラインの乙女書き始めた辺りから何かのたがが外れてますか。 モルゲンレーテ含め、彼女たちって書いてて凄く楽しいのですけれどね。
そんなわけでドラゴン十匹計画こそこそ始めました。 まだ十匹分、全て構想がまとまったわけではないのですけれど。 多分かなしめのお話とのんびりなお話が交互になると思います。 で、今日は、昨日のレンダーバッフェが切なかったのでのんびりなお話。 つまり次回はややかなしめのお話になるということですが。 予定としてはうにくん(注:ムニムニ)とビュウのお話です。 その次はひーちゃん(注:ツインヘッド)とビュウののんびりなお話かなあ……。 さてさてそれで。今日のは。 勝手にわたしが『この子は男の子で頭が良くて一人称が僕で冷静沈着な子』 と思い込んでいる、これだけみるとドラゴン版トゥルースみたいなアイスドラゴンです。 うちでの名前はるあろすと言いますので、愛称はるーくん。 ジャンヌさん率いるウィザード隊についている後方支援を得意とする子です。 因みにジャンヌさんの隊はアナスタシアさん、メロディア、エカテリーナさんです。 ライトアーマーの機動力を活かし、あちこちで大活躍するウィザード隊。 わたしはいつもるーくんをここに配備しています。 もしかしたらわたしの編成っておかしい気もしますが……。 でも強いのですよこの部隊。LV30ハレーゲイザー万歳。 いつもこんな編成なものですから、お話も自然と、ジャンヌさんと絡めることに。
るーくんは余り派手なドラゴンではありませんし、能力的にもやや困ったさんとされます。 何せ攻略本で『もうすこしがんばりましょう』とか言われてしまうくらいです。 でもまあ、出来の悪い子ほど可愛いと申しますか……(笑) や、この子は本当に頭が良いと思うのですよ。直接バトルでもよく支援にきてくれますし。 セイントウェポンの姿も好きですし、バーストゲイルもあんこくのひかりも好き。 戦闘中の技の使いどころが上手いのです。 ゆえによく『いい子ねるーくん…!おかあさん嬉しいわ…!!』 とかってなってます(笑)すっかり『うちの子』状態。ああ可愛い。 二軍落ち確実だとか、打たれ弱いだとか、言われまくりのるーくん。 でもうららかひよりのファーレンハイトの甲板で。 うとうとしながらその子は愛されています。 それにしてもこの題名、後日すっごい変えそうです(笑)
……と、その前にー。 拍手のお返事、させて頂きますね。お言葉ありがとうございます! >三十日 ・0時の方 バハラグアンソロ、作られるのだそうですね。ちらちら気になってます(笑) とてもうきうきです。是非是非欲しいなあと思います! こっそり一ファンとして楽しみにしています。 お話の感想もありがとうございます。唐突にバハラグ話を書き始めましたのに…。 寛容なお客様はそれでも読んでくださる。ちょっと涙ぐみそうです。 今日もまた調子に乗って書いてしまいましたが、この子たちはもう少し、書きたいのです。
『極光水鏡ぽろぽろり』(バハラグ。ドラゴン十匹計画。瑠璃紺のまじめさん)
うららか陽気にぬくぬくおひさま。そんな日和のファーレンハイトの甲板は、実にほこほこ心地良い。うとうとお昼寝にはうってつけ。ごうごうとなる風の音にもすっかりなれっこだし、ぽかぽかとそよぐ草の葉のそよぎは、おねむな気分を助長するばかり。 だから彼も、例に漏れずうつらうつらしていたのだけれど。時折思い出したように、毛づくろいするようなさまをしてみたり、軽く尻尾をぱたりと動かす程度で、その双眸は深く閉ざされていた。 でもふいに。さくさくと草を踏みしめる足音がして。耳慣れた足音がして。それがぴたりと自分の前で止まった時。彼はなんだろうと瞳を開こうとした。しかしその前に、明朗な声が冴え渡った空に響いた。 「あんたって、綺麗だねえ!」 きょとん、と真ん丸く見開いてしまった瞳の前で、この空よりもなお晴れきった声を放った黒髪の女性が、快活な笑みを浮かべて彼を見上げていた。
咄嗟のことに、彼は思わずきょときょとと周囲を見回してしまった。ついつい考えてしまったのだった。確かに彼女の言葉は、彼の真ん前で放たれたけれど、どうしても彼にはその内容が、自分に向けられたものとは思えなかったのだ。 だから、誰だろう。誰に向けて言ったのだろう、と。他のドラゴンたちの姿を探してみる。よく『綺麗』だとその美しさを褒められているのは、めにもあやなとりどりの炎を綺羅のごとく身にまとった、真緋の不死鳥たるれらんだし。やわらかな雪白の羽毛に包まれた癒し手であるとるらもまた、光の加減で真珠色の光沢と帯びるさまを、感嘆と共に見つめられていたりする。そのことを、彼はよく理解している。確かにあの子たちはとても綺麗だと。そしてその言葉をかけられるのは、自分ではないと。 けれども、いくら辺りを探しても、その子たちの姿は見えなかった。空の偵察に出ているのかもしれない。甲板にいるのは、間違いなく彼と、黒髪のライトアーマーだけだった。 「あんたよ、あんた」 余りに落ち着きのない、というか、すぐに言葉を受け止められずにいるアイスドラゴンに、ジャンヌは再確認するように繰り返す。 「あんたのことよ。そう。るあろす」 遂に名前を呼ばれて、その言葉をかけられたのが間違いなく自分であると理解した彼が、きょろきょろするのをやめ、正面にいる彼女をまじまじと見つめる。その澄み切った眼には、明らかな驚きを見て取ることが出来た。 普段は、ドラゴンたちの中でも真面目で頭の良い部類に入るこの子が、すっかりきょとんとしてしまっているさまを眼前にして、ついついジャンヌは笑みを深めてしまった。 「もしかして、自分が『綺麗』って言われたことに、びっくりした?」 腰に手を当て、笑みをそのままに見上げてくる彼女に、るあろすはこくりと長い首を縦に振る。ぱちくりとした瞳は変わらず、ただ彼女の言葉をすんなりと肯定するその有り様が、なんとも微笑ましく見えてならなくて。ジャンヌはとうとう声を立てて笑ってしまった。彼女自身であるような、闊達な声が風に吸い込まれた。
彼女はそっとるあろすに近づくと、そのひんやりとした青い肌に優しく指を滑らせた。彼の大好きなビュウとはまた違う、それでもやっぱり快い、そんな撫で方だった。ふ、と彼は思わずジャンヌに頬擦りをしたいな、と感じて目を細めた。 「まあね。確かに、れらんやとるらは綺麗だよ。うちの戦竜を見た時、大体の人はあの二匹を『綺麗だ!』って、しきりに褒めるし」 ゆっくり、ゆっくりるあろすを撫でる手の平は、戦いの日々ですっかり荒れていて。華奢な指のあちこちには硬いたこが出来ている。それでも彼は、その手の平を素敵だと思った。だから撫でる手を嫌がるでもなく、そっと身を任せてそのままにしておく。 「でもさ。あたしには、あんたが一番、綺麗に見えるんだよ。とびっきりにね……」 言葉の最後は、消え入るようで。と言うよりも、何か別のものに思いを馳せているようで。彼女はふいに黙り込むと、動かし続けていた手をふいに止め、無言のまま、るあろすの体に身をうずめるように、顔を伏せた。短く切り揃えられた黒髪が、風を浴びてさらりと頬を流れる。 「―…きらきら舞い降る飛沫。太陽を映してさんざめく湖面。淡い青を折り重ね続けて織り上がったタペストリーみたいな瀑布……水……虹」 独り言めいて語られる断片に、頭の良い彼はすぐにぴんときた。そんな言葉が似合う場所など、このオレルス広しといえど一つしかない。そんな、奇跡のような美しい情景の似合うラグーンなんて、ただ。あそこのみ。 ジャンヌの故郷であり。つい先日、帝国の支配から解放された。奇跡の大陸。 煌く水面は鏡のよう。澄明な水がつきることなく滾々と湧き出し、やさしく降りしきり、穏やかなしぶきは貴婦人のヴェールめいてラグーンを包む。時として虹をも織り成すそのきらきらしくも、淑やかな美しさ。それはまるで彼の宿す。 「……あんたは、マハールと同じ色をしてる」 囁くように漏れ出た声に、彼は、そっと尻尾を伸ばして彼女をくるむようにした。どうしてだかは、彼自身にもよく分からない。ただ、今はジャンヌにそうするべきだと、本能的に思っただけだった。 だが、驚いたのはジャンヌのほうだった。まるでドラゴンが彼女を労わるように、護るように、彼女を包もうとしてきたのだから。はっと顔を上げると、やんちゃな少女のように活発な笑みを浮かべた。 「やだな、違う違う!ホームシックとかじゃあないんだ!たださ、あんたを見てると、マハールを思い出して、何とも言えない、ほっとした気分になるんだよ」 凄く安心出来るんだ、と付け足して言うと、また彼を撫でる。静かな湖めいた、派手さなどない、それでも慎ましく優美なドラゴンを。お利口さんで、優しくて、控えめで。懐かしいあの水のラグーンを思い出させる、可愛い子を。
「これからも、よろしく頼むね」 佳い子。小さくそう囁くと、彼女は照れくさそうにこつん、と額を押し付けた。かけがえのない、たった一匹のドラゴンは、それに応じるように、彼女の頬へ甘えるみたいに擦り寄った。 それは。少し。ほんのちょっぴり、くちづけに似ていた。
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