日記

2005年05月24日(火) 『ミミックティアーズプロジェクト』


昨夜、戦いを終えました…やっと、終わりました。
ありがとう、と思います。素敵な四十二時間をありがとう。と。


こんばんわ、勢いのまま書き上げました。もえぎです。
バハラグ漸く終わりましたー!四十二時間くらいでした。
むちゃくちゃ苦労をしたわけではないのですが、疲れましたです……。
あのラスボス戦は無駄に緊張してしまいます。しかし曲がまた良いのです!
あれちゃん(注:アレキサンダー。ラスボス)は攻略がややっこしいので。
性格悪そうですしあの子。

で。なんとかかんとか終わりまして。EDを迎えて。
―…おぼえていましたし、覚悟していましたけれど。それでも。
色々と嬉しく、つらく、苦しいこともありました。
けれどスタッフロールを眺めてひたすら思うのは『ありがとう』でした。
ありがとうございました。バハラグチームの方々。
最高に楽しい時間をありがとうございました。

勝手な思い込みなのですけれど。
バハラグはFF6の弟ぶんで、ゼノのおにいさんだと思うのです(笑)
ゼノとは年が二つ違いで、しかもお誕生日も二日違いなのですよ。
この三つに共通するのは、どれもこれも台詞が素晴らしいということ。
たくさんの印象的な台詞を次々に思い出すことが出来ます。
なかでもバハラグは、結構コミカルに話が進んだりするぶん、
時折出てくる台詞にどきりとさせられることが多かったりします。
因みにゼノはその逆ですが(笑)時々おかしな台詞にくすりとさせられる。
乱暴にひっくるめて言ってしまいますと。
わたしはどの作品もそれぞれの特徴ごとにとってもとっても大好きです。

でもまあバハラグはドラゴンなのですよ。とにもかくにもドラゴンなのです。
あの子たちの愛らしさときたら本当に何度でも語りぬく所存ですよ。
思わずクリア後の勢いのまま一本書き上げちゃいましたが、えらくがたがたです。
きちんとあの子たちや、あの空の色を表現しきれていません。
後日きちんと直しますが、今日はクリア後の勢いということで目を瞑って頂ければと。
ああ、それにしてもあの空の表現ってどれだけ難しいのでしょう!

読まれる前に一つご注意を。
以前の日記でも言っていたと思うのですけれど。
わたしはドラゴンたちの名前をデフォルトから変えています。
そのまま九年間やってきてしまいました。
ので、お話を書くにあたり、『公式の名前じゃないと締まらないなあ…』と考え。
デフォルト名で書き始めたのですが……まあなじまないことなじまないこと(笑)
わたしのつけた名前だって、ひらがなな上に意味はなくいっそ擬音語みたいな名前。
(あの頃からわたしの擬音語好きは始まっていたようです)
それでも、慣れ親しんだその名前でなければ書き出すことが出来ませんでした。
ゆえに今回は敢えてわたしのつけた名前で書いてあります。
『読みにくいんじゃー』というお声がありましたら直します(笑)
ドラゴンの名前一覧はこちらです。

サラマンダー=れらん(後半の響きに面影がありますね)
アイスドラゴン=るあろす(この子は男の子だと思っています)
サンダーホーク=ぱさいる(ぱさくんも男の子のイメージ)
モルテン=とるら(そこはかとなく分かる感じ…しませんよね?)
ツインヘッド=ひいゆ(鳴き声参照?この子は女の子!てれやさんなおねえさん)
ムニムニ=うにむ(ややうにうじに響きがかぶる気が今更してきました)

本っっ当にイメージのみで名付けてますね、わたし。
でもこの名前をくつがえすことなんてもう出来ません……。
れーちゃんもるーくんもぱさくんもとるちゃんもひーちゃんもうにくんもわたしの子。
可愛い可愛いドラゴンたち。
怪我でもさせようもんならLV20バハムートとLV30ハレーゲイザーとLV30ビッグバーストがお相手します。
未完成ラブドラゴン話。あるのは愛のみです。

ああ。因みに。
現在二周目の真っ最中ですv(笑)





『ミミックティアーズプロジェクト』(バハラグ。ラブドラゴン。)

 くすん。くすん。どうしてこっちへ来てくれないの?
 くすん。くすん。どうして名前呼んでくれないの?
 ねえ。ねえ。
 ……くすん。くすん。

 果てなく広がる空は、今日も快晴。やんちゃな絵師のパレットめいた、ありとあらゆる蒼がありとあらゆる彩をもって、彼らを取り巻く全てを成す。濃淡を描き深く浅く、それでもやはり青く、その世界に住まう誰もが、口の端に笑みをもって見上げる空。
 そのオレルスの空をふいに横切る飛行機雲と、緑の艦影ひとつ。

 柔らかな草に覆われた、小作りな大地のような甲板に、風を浴びて立つ青年の姿がある。しかしその顔つきは、どちらかというとまだ少年の面影を色濃く残し、そっと微笑を浮かべるさまなどは、彼の表情を更に幼く見せていた。それでも彼は、軍を統率するリーダーであり、艦長代理の任にあり。戦場においては鬼神のごとき剣技を繰り広げる、誰もが認める実力者だった。
 そんな重責を担う彼も。空の海を舞う艦で、葉ずれのささやく甲板で。マフラーと金髪を風になびかせながら、愛竜たちと共にある時は、ほっと重い息を吐き出すことが出来た。それぞれのドラゴンたちの世話をしてやることは、彼の大きな楽しみであるのだし。
 今日も今日とて。ドラゴンたちの世話。淡い笑みを灯しながら作業する彼は、気付かなかった。ちろちろと横目で遠目にさも気になって仕方がないといった様子で彼の動向を伺ってくる、一匹の子を。
 ビュウはドラゴンたちに対し、いつもの優しい声音で呼びかける。
 勿論、ドラゴンたちも嬉々としてそれに応える。

「とるら、プリーストの皆がお前にお礼を言ってたよ。癒しだけでなく戦う力も貰ったって」
 贈り物だってさと言いながらロッドを差し出すと、すり寄ってくるドラゴンのほっぺたあたりをそっと撫でてやる。エサをぺりぽり食べながらご機嫌なライデンのしっぽがぱたぱた振れる。
「そうだ、るあろす。ジャンヌさんがおさがりのシグルーンくれたよ。是非お前にだそうだ」
 随分な巨体を器用にくねらせながら、きらきらしく輝く湖面めいたたてがみも見事なセイントウェポンが甘えるように顔を突き出した。長い首にゆったり手を添えてやると至極嬉しそうに小剣を頬張る。
「ぱさいる。あんまりビックカーニバル連発しちゃいけないぞ。すぐ疲れるんだから」
 幾つもの首を持つドルムキマイラのそれぞれの顔が、構って構ってと訴えてくる。体全体で抱きかかえるようにしてやると、こちらの体が宙に浮いてしまう。それでもきちんとお薬をやるのは忘れない。
「お前はもうすぐだな、ひいゆ。ほら、こないだアイスブランド沢山手に入れたんだ」
 上からばさりと覆いかぶさるように頬擦りしてくるラストギガンテスには、ゆるゆる背中をさすってやりながら武器類を。この子はそんな風に触られるのがとても好きで、心地よさげに目を細める。
「うーにーむー…。こらこら、そんなにくっついちゃ、ご飯食べられないぞ?」
 隻眼の神オーディンと同じ名を冠したドラゴンであっても、その実は誰よりもあまえたさん。ぐりぐりと体を押し付けてくるのを微苦笑まじりに構ってやりながら、防具類を口に運んでやる。

 そんな風にして、様々に優しく語り掛ける彼の声音は、ドラゴンたちの大好きなもので。そしてビュウ自身がドラゴンたちにとって大好きで大好きでたまらない存在で。
 何よりビュウにとっても、愛竜たちの世話は大きな楽しみであり喜びそのものだったから。
 けれど。
 吹きすさぶ風の中、どこからともなく、こっそり聞こえてくるのは。

 くすん。くすん。
 くすん。くすん。

 先程からビュウは、その声に気付いていた。断続的に響くそれは、時折ちろりと背中に視線が向けられたと感じるたび、ぴたりとやんだ。そして暫くするとまた聞こえてきて、やっぱり視線と共にやむのである。まるで、こちらの様子を伺うように。
 五匹のドラゴンの相手をしてやっている間中聞こえてくるそれに、彼はわざと気付かないふりをして。けれどもついつい、おかしげに上がってゆく口角は押さえようがない。だから世話が一段落すると、彼はふうと息一つつき、体をくるりと半回転させた。それと同時に声もやむ。
 ビュウは無言のままつかつかと歩みを進めると、目の前にいる真紅のドラゴンの鼻づらをきゅうと押さえた。それはドラゴンにとって、余り快いとは言いがたい仕打ちで。けれどもその子は、きゅうんと小さく声を漏らして顔をしかめただけだった。痛みはなかった。そもそも、ビュウが痛いことなんてしたことはなかった。
「こら。れらん」
 叱るような口調。仕草だってそう。なのにその言葉には、隠しようもないくすくすとしたものが零れ落ちていた。それに、その子は喜んだ。だって、やっと彼が名前を呼んでくれたのだから。
 ビュウはいたずらっ子をあやすように、とうとう溢れてしまった微笑をそのままにして、せめて言葉くらいはしかつめらしく、続けた。
「嘘泣きしたって、すぐ分かるんだぞ?」

 てへ、とおいたをした子供がにまりと笑うように、マスタードラゴンたる不死鳥は小首を傾げてみせた。どれだけ強くなったって、どれだけ大きくなったって、やはり根本であるあまえたさんな所はそのまんま。それに今更気付いたように、ビュウは声の質を変えて、そっと呼んだ。
「おいで。れらん」
 やさしい、やわい、あまやかなトーンに、真紅のドラゴンはきょん、と目を丸くした。けれどそれを嫌がるわけなんて当然なく、ゆっくり、ゆっくり彼に近づいていった。
 戦竜隊でしつけられるドラゴンは、まず三種の命令『いけ』『こい』『まて』を教え込まれる。これらは戦場でのみ用いられるのではなく、日常生活や普段の世話などでも徹底して使われている。
 しかし『おいで』は。いつも厳しく育てられているドラゴンたちを、唯一目いっぱい甘やかして、可愛がるときのみ発せられる言葉。命令ではなく。純粋に愛情を込めた。
「おいで」
 もう一度、口にすると、おそるおそる近寄ってきたれらんの首に腕を回して、ぎゅうっと抱き締めてやる。そっと、瞑目したまま囁く。

「ごめんな。お前が最初に、マスタードラゴンになっちゃったもんだから…それ以来なかなか構ってやれなくって」
 ドラゴンのほうでも、頬をすり寄せてそっと目を閉じている。彼の背中に顔をおしつけて、ぴったりそうして離れないように。そう。ドラゴンは…とても繊細で、豊かな感受性を宿す心を持っていて。大好きな人が、自分を嫌いになったからではない、ただ忙しいからという理由で構ってくれないだけでも、すっかりしょんぼりしてしまう。思わず分かりやすすぎる嘘泣きなんて方法を取ってしまうくらいに。
「寂しい気持ちになっちゃったのか?気付いてやれなくて悪かったよ」
 ぐりゅぐりゅと喉を撫でてやると、くすぐったさと心地良さの入り混じった、笑い声のような鳴き声をあげる。その表情はまるで、満面の笑みを浮かべた子供のようで。どうやら機嫌をなおしたらしいその様子に目を細めると、ビュウはそっとポケットに手を入れた。そして音量を落とすと、人差し指を唇に。内緒の合図。ひたと相手の瞳を見据え、それからやわく相好を崩した。
「だから。ほら。皆には秘密でな?」
 さっと取り出だしたるは小さな壜。きゅぽん、とコルクの抜かれる音に、れらんのぽふぽふとした耳がぴん!と立ち上がった。だって、その音が意味するものは。つやつや煌く黄金色や、ないしょなひみつが意味するものは。
「壜の、半分だけだからな!」
 めったにくれないあまいあまい。あまあまハニー。ちょっぴしだけを、特別にだから!と小声で念を押してくるビュウの制止も、もしかしたら半分くらいは既に聞こえていない。何せドラゴンというものは、あまいものがだあいすきなのだから。
 余りに中身をせっつく様子についつい微苦笑を誘われ、やれやれと思っていた彼も、ふいに背後へ感じた多数の視線に一瞬背筋が冷えた。ぎょっとしてビュウが振り返る頃には、あまい香りをいち早く嗅ぎつけた五匹のドラゴンたちが、一斉に壜持つ彼にのしかかろうとする影だけが視界に映った。
「ま、『まて』ーっ!全員、『まて』ぇーっ!!」
 悲鳴じみて放たれた命令も、六匹のドラゴンたちの熱烈な愛情表現により、空へと掻き消えた。

 暫く後、漸く収拾のついた大騒動。そこに残されたのは、うんと構って貰っておなかもいっぱい大満足ですやすや眠るドラゴンたちと。ややぼろぼろになりながら、そして明らかにドラゴンのよだれまみれになりながら、それでもなんとなく幸せそうに疲れ果ててまどろむ戦竜隊隊長の姿だったそうな。

 うとうとする、大好きな人をちろりと眺めながら、真紅のドラゴンは満ち足りた様子で、蜜の最後のひとしずくを、ぺろりと壜から舐め取った。


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