| 2004年05月13日(木) |
『クッキーカラーバリエ』 |
ひどい雨でした。まさに豪雨でした。台風並み。 そんな中わたしはうとうとおひるね中でした。駄目人間。
こんばんわ、また部屋の改造したいな…もえぎです。 カプセルさんが新しいアルバムの先行アナログ盤を出されるようで。 前のidol fancyと並べてディスプレイしたら可愛いだろうなあ。 レコードプレイヤー持ってないくせに(笑) いもうとぎみのお宅でカプセルさんのお名前をみつけてなぜか嬉しいのです。 あのセンスは凄いです。というか中田さんは色々と反則だと思います。 まあ、カプセルさんは語りだすと長いので今日はやめときます。 ぐあー、アルバム発売記念ライブ、また関西こられないかなあ! 今回もfeatボーカルにEeLさんがおられるのですし。 もっぺん生でこしじまさん見たいです。でももっとゆっぱさんが見たいです。 紺堂嬢は延々『おれはわんたさんがー』と叫んでいますが。 確かにidol fancyプロモは犯罪的な可愛さでした。 そんなこんなで本日のお題BGMはカプセルさん『CUTIE CINEMA REPLAY』で。
お題の内容、やる気なさすぎますか。 確かにかなり刹那的な書き方してますから……季語考えよう季語。 本日は『クッキー』。例によって見直し無しできっと誤字脱字満載。 ふう。昨日はお花色々調べるので大変でしたが今日は平気。 でも調べ物が少ない分なぜか長くなってしまいかかった時間はこっちのが長。 ちくしょう。でもこれでお題残り七つ。 ありとあらゆる表現無視した不親切極まりないお話がどんどん続きます。 しかし本当に独り言みたいなお話ばっかですね(苦笑) あと題名変えそうですこれ。
『クッキーカラーバリエ』
自分の背丈よりほんの少し高い位置にある戸棚を、彼女は軽く爪先立って眺めてみる。ぱん、と開け放たれた明るい色の扉はたくさんの宝の存在をあきらかにする。 きれいな壜につめられたつやつやマーマレード。いやしんぼみたいにおっきな口をあんぐとあけた丸チーズ。宝石を織り込んだタペストリーみたいにぎっしりきっちり並んだ極彩色はジャムの列。乾燥果物、木の実ごろごろマホガニーの籠。香草の束はリネンでくるんで。こんなたくさん、たくさんの。 なのに彼女はこころもちむつかしい顔で、その宝の山とにらめっこ。暁色のかみをくるりとまとめた三角巾が、お料理準備スタンバイなようすをものがたるけれど。むむう、としかつめらしい顔をしている理由にあたるものは、どうもみあたらない。だからふいに、彼はひょこりと彼女のまうしろに姿を現すと、一緒になって戸棚をみやる。もっとも彼は爪先立つ必要これっぽっちもなしで。
「何をそんなにしかめっつらしてるんだ?」 「クッキーの種類が決まらないの」 「いろいろあるじゃいか」 「いろいろありすぎるのよ」 言うと、彼女はふうとちいさな溜め息ひとつ、白い指先を伸ばして、戸棚の中身を次々と取り出しては並べてゆく。それはもう本当に次から次へとひっきりなしで。きりのない魔法のポケット大行進のような様相を呈するほど。そしてほんのしばらくの後には、おもしろそうにそれらを眺めていた彼の前に、どっさりとクッキーの味付け候補が行列をつくったのだった。 その、余りにも有無をいわせぬどっさり具合に、思わず彼は苦笑交じりにふきだした。 「はは、確かに。これは悩むな」 「そうよ。しかもね、どれもこれも量が微妙なのばっかりなの」 「成る程。チョコレートのきれっぱしに、レモンのはしっこ」 「半分こしたりんごでしょう。それに、ほんのぽっちりのいちごジャムに―…」 「てんでばらばらごった煮ナッツ。くるみもピーカンナッツもピスタチオもあるけど全部少しずつ」 「干したレーズンやブルーベリーはてのひらひとつぶんにも満たないし」 「申し訳ばかりにたぷたぷ言うメイプルシロップは哀れなくらいだな」 「クリームチーズはこないだのグラタンの余りよ」 「そのアーモンドスライスなんて枚数数えられるくらいじゃないか?」 「こっちのドライクランベリーだって同じような状況ね」 「ココアは…一人分あるかないかの瀬戸際か」 「お抹茶もきな粉もひとさじくらいしか残ってないわ」
一通りふたりで、ああでもないこうでもないと調べてゆくけれど、やっぱりどうにもこうにも全部が全部ちょっぴしずつだった。どこからか湧き出してでもこないかと、残り少ないいちごジャムの壜をためつすがめつ眺めていた彼がストックはないのかと問うと、彼女は心外だとばかりにぷんすか言う。 「もちろんあるわよ!でも、でもほんの少しはあるのに、それなのに新しいのを取り出してふたをあけるのがなんとなく悔しいの」 どうせ新しい壜をあけるなら、清々しい気持ちであけたいわ、とだだっ子のように付け加える。からっぽになった壜をぴかぴかに磨いてから、さっそうと取り出した新しい一壜をぱかん、と誇らしげな音を立ててあけるのじゃなきゃ彼女的にイヤらしい。でもふたりの前でどっちゃりわあわあゆう群集は、そんな彼女の計画をさまたげるばかり。 あっちも、こっちも。どれかひとつを選んでクッキーのメインにしようにも、やっぱり絶対足りなくなってしまう。少なすぎるのだ。そりゃストックは置いてあるけれども、新しくあけて、このきれっぱし軍団のひとつが無くなったところで、後続はまだまだいるのだ。 イヤなところをガマンしてストックを開封すべきかどうか、譲歩を検討するあまりやたらとしかつめらしい顔になってしまっている彼女の横で、彼もどうしたものかと思案顔。しかしふいに、その表情にぴかりとひらめきが走った。おとがいに当てていた指をはなして、ううむううむと考え込む彼女に、エリィ、と呼びかけると振り返る彼女にやわらかな提案。 「全部、いれちゃったらどうだ」 「そんな。フェイ、パンデピスじゃないんだから」 「いや、いくらなんでも全部『混ぜろ』とは言わないって。そうじゃなくて」 「『混ぜる』のではなくって、『入れる』…の?」 「そう。それなら全部使えるだろ?」 「……ようし」 穏やかに笑う彼のいわんとするところを汲み取って、アーモンド色の瞳にくすぐったいくらいのいたずらっ子をみつけて、彼女はきゅ、と三角巾のリボンを結びなおした。
その日の午後、お茶に訪れた友人連中に、焼きたてのクッキーは問答無用に大好評だった。なにせ、皿の覆いを取ったとたん、卓の周囲にわっと歓声が巻き起こったくらいなのだから。けれどもその反応も無理のないこと。 上品な水色の文様が描き込まれた大皿に整然と並べられたちいさな四角いクッキー。それだけならたいして驚くようなことでもないのだけれど、問題なのはその彩りと種類。同じ形同じ大きさ、そしておそらくベースとなる生地も同じなのだろう。プレーンとして焼き上げたならきっとみんな同じ味だ。なのにそこに整列しているのは、あまたの種類のいくたの味。チョコレートがあるかと思えばそのお隣は赤いベリー。くるみとメイプルシロップが手を組んでいるかと思うと、抹茶とマカダミアナッツが同盟を結んでいたりする。レモンの風味、クリームチーズの芳醇さ、それにきな粉のいざないときたら! たくさんのたくさんの種類。たくさんたくさんのクッキーだけれど、ひとつの味はほんの数個しかなくって。だからあっちもこっちも血で血を洗わない決死の争奪戦。大絶賛の嵐を浴びて、ふたりは視線を交わして、ふたりにしかわからない理由でくすくす笑いあった。
『なんて名前のクッキーなの?』 問われて。答える声音は笑みをたたえた二重奏。 「「『戸棚の大掃除』」」
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