| 2002年07月31日(水) |
祭りの花火。遅れたバスで |
駅に着くと、盛大な音と光が待ちかまえていた。 花火が上がっている。 そういえば、7月の末日は、駅の近辺でお祭りがあったっけ。 出店があって、人混みがあって、にぎやかなんだろうな。 …少し歩いてみるか。 人が集まっている。 浴衣を着た女性、金魚を下げているお父さん、綿菓子を持ってはしゃぐ子供。 夏祭りは、昼の暑さを引き継ぎ、熱気にあふれていた。
家に帰る途中の交差点。 人を流すため、この日はいつも渋滞していたっけ。 その交差点の手前で、バスが捕まっていた。 バス停すぎているけど、乗せてくれるかな? 運転手にジェスチャーしてみる ダメ 首を振る運転手。
次まで待つ? ん、それも長くかかりそう 次のバス停まで走っていったら、間に合うかな? ここで止まっているバスより先に、たどり着けるかな? 競争心がわき上がってきた。
走る。 上り坂を。 走る。 人の流れに逆らって。
たいした距離じゃないけど、息切れをしてしまう速さで走った。 バスは私の背の方に。 ちょっとだけ満足。 何となく、勝った気分。 けれど、汗が止まらない。 暑い、暑い。 流れ落ちる汗は、そこだけ負けた気分になった。
降りる1つ前のバス停で、降りがけに老人が両替をした。 「渋滞に止まっている間にしてくれれば」 ほとんどの人はそう思っただろう。 口に出していった人もいた。 バスの運転手だ。 ただでさえ遅れているのに、これ以上遅くなる要因を作りたくないんだね。 投げつける言葉、老人にはトゲと同じ、痛みを引き出してた。 バスを降りた後も、老人はにらんでいた。
ゆっくりと進みだす、15分遅れのバスを。
バスの中、運転手が愚痴った。 「まったく、(渋滞して)止まっている間に両替すればいいのに」 マイクのスイッチが入ったまま 少ないとはいえ、残りの乗客全員に聞こえるように 不快だ。 みんなが思ったことだとしても、運転しているあなたが言ってはいけないことだ 誰にも聞こえないように言うことはかまわない。 でも、他の客の前で、客のことをけなしている姿。 次にけなされるのは自分じゃないかと、言いようのない不安が襲ってくる 人の気持ちを考えてくれない運転手。 そんな人が行き先を決めるハンドルを握っているかと思うと、どこか違うと子に連れて行かれ手しまわないか。
そうだ、このバスに乗って一番違和感を感じたことがあった。 乗ったとき、そして、各バス停に止まったときに感じていた。 遅れたことにふれていないことを。 「本日は遅れまして、申し訳ありません」 その一言、1度も聞かなかった。 遅れることが当然、遅れたのは俺のせいじゃないから、祭りがあることくらい承知してろ。 そんな傲慢さが感じさせられる、バスの後ろ姿。 見送りながら、歩き出した。 汗はまだ止まっていなかった。
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