世の中には言葉で確定されていなくても決められたことがある。 ルールであるかどうか知らないが、野球のバッターは逆立ちしてバッターボックスには入らない。 もし、 「4割を超える打率で打てる」 と言われたとしても、逆立ちしてバッターボックスに入る選手は皆無だろう。 法則として、やってはいけないことがある。それを、私たちは肌で知っているのだ。 一例で、超能力者が曲げるものというと、スプーンなのだ。 時にひねくれていて、フォークや鍵を曲げる人がいるが、それでも多数はスプーンを曲げるのだ。 別に見ている人にとっては、フォークだろうと、ナイフだろうと変わらないような気もするが、スプーンでなくてはいけないらしい。 私はスプーンを曲げられないので、なぜそれでないといけないのかわからない。 別のもので考えてみよう。
力自慢のプロレスラーが、リンゴを握力で搾り取るパフォーマンスがあったと聞く。 冷静に考えれば、ジュースを飲みたければ、わざわざ握りつぶす必要など無く、そこいらに買いに行けばいい話だ。実質、120円もかからない話なのだ。 でも、手で握りつぶすことに意味があるのだ。
もし、脇で握りつぶしたらどうなるのだろうか?
私は見たことがないのだが、手で握りつぶすのと比べてすごいことのような気がする。 それでも、そんなパフォーマンスは聞いたこと無い。 ひとえにそれは、「脇で絞ったジュースなど誰も飲まない」からではないか? 手なら、すごいと思いつつ、飲んでみるかもしれない。しかし、脇では、さすがに、ねえ。
どんなにすごかろうと、やってはいけないことだというのが想像できる。
もしかしたら、スプーンでないといけない理由はそこなのかもしれない。 太い鉄パイプをふれるだけで曲げてしまったら、それは超能力でなく、暴力のような気がする。 スプーン程度なら普通の人でも曲げられそうだが、それ以上のものを曲げてしまったら、近寄ったら何されるかわからない恐怖を覚える。 だから、スプーンなのかもしれない。 まあ、超能力者が曲げるているもの、それはスプーンというちっぽけなものではない。 倫理や常識、押し固まった考えを見事に曲げてくれるのだ。
もっとも、一番曲げるのは超能力を使い人たち自身のへそだと言うこと。これも公然の秘密だということはルールなのである。
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