| 2002年07月13日(土) |
情熱と憂鬱で出来た冬の夕闇の話。 |
あるところにアカちゃんという可愛い女の子がいました。
アカちゃんにはアオくんというお友達がいました。
アカちゃんはアオくんの瞳が好きでした。いつも、すいこまれてしまいそうだ、と思っていました。 アオくんはアカちゃんの笑顔が好きでした。泣きながらでも笑ってしまうアカちゃんを切なくて愛しい子だと思いました。
二人はとても好きあっていました。
アカちゃんはいつでも愛を語りました。 アカちゃんは情熱的だったのです。ましてはじめての恋だから。
アオくんはいつでもそれを拒否しました。 アオくんは臆病になっていました。終わった恋の辛さを知っていたから。
たいせつな人だから、キスをしたかったのです。 だいじな人だから、終わることが怖かったのです。
二人はとても好きあっていました。
アオくんの物憂げな瞳を。 アカちゃんの天真な笑顔を。
お互いの全てを。
いつの日か、アカちゃんはおとなの女性になりました。 アオくんもおとなの男性になりました。
それでもお互いはそのままの関係で。 子供のままの関係で。
アカちゃんもアオくんもそれなりに恋をしました。他の人とも恋は出来たのです。 でも忘れる事が出来ませんでした。 思い出にもなりませんでした。 二人のなかでは今も続いていたから。
そしてようやく二人はそれを「愛」だと知ったのです。
アカちゃんは1秒でも早くアオくんに会いたいと祈りました。 アオくんは1秒でも長くアカちゃんと一緒にいたいと願いました。
そうして二人はやっと愛に堕ちたのです。
情熱的な言葉も、憂鬱な気持ちも。 裸の想いの前では無力でした。
手を合わせたところから。 アオくんが触れた部分から。 アカちゃんが口付けた部分から。
まるで溶けていくようでした。
溶けて混ざり合って。
二人は一つになってしまいました。
ふたりは夜の入り口夕闇色のむらさきになりました。
−−−−−−−−−−−−−−− きーこは夕方の空の色がとっても好きなのです。 特に寒い寒い日の夕焼け色が。自分の呼吸も形を成す寒い日。そんな日の夕焼けの赤と、夜の蒼が混ざっていく刹那の色。すごく好きです。 それをぼんやりと考えていたら、こんな話を思いついてしまいました。
昼間がアカちゃんの時間。天真爛漫さ。朗らかさ。少々の子供っぽさ。そして赤は情熱の色。直球しか知らないという感じで。
夜がアオくんの時間。冷静沈着。深み。考えすぎる大人っぽさ。そして蒼は憂鬱の色。どうしても終わりを考えてしまう。
これが全体のイメージで。
でも夕方は二人が歩み寄る時間。 冬という季節は昼が短く、夜が長いから。 アカちゃんは早くアオくんに会いたくて。アオくんはアカちゃんと一緒にいたい。 そんな気持ちの象徴で。
これを絵本にしたいなぁ。水彩で。 美術部の友達に頼んでみようか。
昼から夜の移り変わりが子供から大人への転換期と捉えるなら。
どちらにも染まってしまいどちらにもなじめない夕方は、まさに今くらいの年齢なのかなぁ。え?無理?
感想いただけると嬉しいです。
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