これから。〜卵巣腫瘍闘病記〜
chobi



 2003年 検診(1)

なんとか新しい年を無事に迎えることができた。

年末年始は家族とゆっくり過ごせて病気になるのも悪くないかなと思ったりもしたが、生活があるのでそうそうのんびりもしていられない。
今までの経過からいって白血球ももとに戻っているだろうし、そろそろ仕事復帰について具体的に考えなくてはいけない。

今日は今年はじめての検診。
年末に治療が終了したという事でいろいろ検査をしていたので、その結果を聞きに行くことになっている。
午後3時の予約なので10分前につけばいいやとゆっくり家を出る。
病院に来たのは3週間ぶりくらいで、とりあえずもう入院の予定もないと思うとなんだかたまに来るお客さんになったみたいな気がする。
連休明けのせいか患者が多かったようで、呼ばれたのは予約の時間から1時間半ほど過ぎてからだった。
「数値の上では特に問題ないね〜、再発の兆候はなし。」
担当のN先生がカルテに貼りつけられた検査結果をめくりながら言う。
ほっとして顔が赤らむのが自分でもわかった。
でも次の瞬間先生の口から出た言葉にがっくり。

「まだわかんないけどね」

・・・そんなに再発の可能性が高い状態なんだろうか。一気に暗〜い気持ちになる。
「それじゃ、診察してみようね。」
今日は内診はないと思っていたのでタイツなんかはいてきちゃったので、慌てて支度をして診察台へ上がる。
「特に変わったことはないでしょう〜?」
先生の言葉に、外出すると疲れるくらいですねと言ったら、それは筋力が落ちているからしかたないねぇ、との返事。
さっき聞きそびれた仕事の復帰のことも聞いてみたが、少しづつなら始めていいんじゃない?と言われる(内診を受けながらいろいろ話すのも慣れたなぁ)。
診察が終わってから少し中待合室で待たされた。その間さっきの疑問で頭の中いっぱいになったが、聞くのは怖いしどうしようかと考えこんでしまった。

しばらくしてまた診察室へ呼ばれる。
「うん、いいんじゃない?」
何が?と思ったが「いいですか?」と答える。
「仕事も初めは半分くらいから始めて、あとは自分の体調と相談だね。普段の生活は普通どおりでいいけど、便通はよくしておかないと腸閉塞の心配があるから注意してね。次の検診は3月11日にしましょう。はい、いいですよ。」
・・・結局、内診をしてみるまでは「まだわからない」という意味だったのかな?
次の検診までの間も二ヶ月空いたし、今すぐどうこうって訳ではないようでちょっと安心した。

でも考えてみれば、お医者さんだって今の状態は診察できても、この先どういう経過をたどるかなんてはっきりとわかる訳じゃないんだよなぁ。
そういう意味では、まだわからないっていうのは正直な意見だと思う。
楽観していて厳しい現実に突き落とされるよりは、いくらかの可能性を考えてその時その時を大事にする方が、結果的にいい生き方ができそうな気がする。

次の診察も曜日からいって多分N先生である。覚悟を決めておいた方がよさそうだ。






2003年01月14日(火)
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