原初

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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年07月12日(土)
まだすきで、いたいんだちょっと。


長い事放置していたドラマCD『LIFE IS SPIRAL』をこの度聴き終えました。購入したのも発売してからかなり経った後で、取り寄せてから年単位で放置されたそれを聴き始めたのは何も特別な理由では無く、電車移動の時間を有効に使って買ったものの積みっ放しだったそれらを消化していこうという極く有り触れた運動の中触れたものであり、つまりそうした移動時間とかでないと、それを聴く為の時間を取ろうともしなかったこれまでの怠惰は、もうお前買うなよと当然の非難に繋がりますが。
話自体はなんて事ないささやかな日常で、結末を知りそれに胸を打たれた者としてはその穏やかさが逆にぎゅっと胸を締めつけ泣きたくなりもしますが、歩スキーとしてはまどかさんのバカバカとか本気で泣きそうです。でもまぁ、泣きませんけど。車中で突然泣き出されたら皆様迷惑でしょう。
で、やたらと分厚い本が挿入されていまして、これまでにも幾つか、例えば『WORKING!!』なんかは書き下ろし四駒も入るので説明書や特典にしては感じのいい冊子も見受けましたが、全編文字で書かれたこの本は量も然る事ながらカノン編の途中までではありますが原作者解説が細かく入っていたりなんかして、思わずがっつり読む、本当に一冊の読みもので、連載進行中の為途中で終わった各話解説を他の場所で続き書いていないのだろうかと貪りたくなるような、読み応えのあるものでした。

本作が推理ものであるというのもそうですが、作品を愛していると必要以上に勘繰りたくなるもので、しかし案外とタイトルやキャラクタの命名が投げ遣りいやいや適当いやいやインスピに依るものも多いと裏事情を知れたのは楽しくもあり、深読みし過ぎた面があるなと反省? したり。
又作品作りに対しての真摯だったりそうじゃなかったりの態度にも二、三、含みや遊びがあったりして、本当にこの原作者はなんて捻くれ者で意地が悪いんだろなんてにやり笑いながら読み進めていくと、見習いたい取り入れたいと思う面も多く、その姿勢や思想をトレースするなんて烏滸がましい事を考えはしませんが、どのようにすれば身に付くようになるかなと真剣に考えたりも。
ただ単純に憧れたりではやがて霧散してしまいます。それについての自身での見解を元に何かを創り上げたり意識していかないと到底。そしてそれは言う程容易くはありません。
ので覚書のようなつもりで、心構えというか、そんな風に感じたよとここにでもしたためておけば、ただただ頭の中で反芻するよりは現実味が増すんじゃないかと、そんな実験的な試みに振り回されてもなぁ。

あ、作品について感想を述べるなら、まどか姉さんの回避法は推理素人の自分にさえ明確に把握出来てしまったので、一番最後の逃げ口上さえ、その伏線が出た瞬間に嗚呼これそう使うんだろうななんてぴんと来たぐらいですから、鳴海歩に対抗しようというのならもそっと手を考えた方がいんじゃないでしょうかって、これは果たして感想なのか。


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