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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年04月30日(水)
時に屍よりも甘く。


本当にこう、人と言うのはこう、どうして駄目なんだろう。駄目な人がいつまでも駄目だった場合進歩が無いとか血筋だとか言うけれど、多分なんだかだで周囲が手を貸したり或いは免罪符を出してあげているせいでもあるんじゃないか。
相変わらず漫画出典ですが、ももたまの九世の言葉が蘇ります。いや詳細は思い出せませんが、要するに絶体絶命大ピンチの土壇場でも誰かが助けてくれるだろうという甘えの入る隙を自分に生ませたお前を許さない、的な。
そうなんだよ。結局仕方が無いなってため息吐きながらでもいやな顔しながらでも延々の小言を繰り返してでも手を差し伸べる人がいるなら、その時だけを我慢すればいいんだって別の方向の納得を得てしまうだけで、自力で何とかしようとする機会を奪う事にはなるんだ。
なんてまるで偉そうな視点だけれど言いたい事はおれに迷惑掛けるなよってな類いなので全く以てこれも自分勝手な話。だけどそれだって、相手にも寄るんだ。
無条件でいいから助けてあげたいと思う相手でもなく、これまで幾度と無く手を貸してもその場凌ぎの感謝のみで見返りや相当する礼を貰った訳でもなく、その何度もの埋め合わせだってありもしない。
慣習で甘やかすなんて癖が付いていないのは良い方向だと思いますが、その度、つまりは素直に助力しない面で文句を聞き流す度量も自分が付けておかなければいけないというのは、理不尽じゃなかろうか。
後何回、同じような事を繰り返すんだろう? 都度理由が違っても、内容が変わらないならやっぱりそれは変化が無い証拠で、それに対するちょっとした皮肉、ちょっとしたというのは主観に他ならないので実際にちょっとしたなのかは判りませんが、文句であるとか苦言でさえ許されないなら、見返りが無い以上に手を貸す気になんてなれない。
だってどうして、学習しないんだろう。いつも喘いで苦しんでいるのに、その為の前準備をしておかないんだろう。さんざ自分にも他の人にも助けられっ放しな上耳に痛い言葉を浴びせ掛けられているのに、それをいやだと思うなら、恥じる気持ちがあるのなら、何故? 改善を知らないままで、さも己が不幸の最先端だとでもいうような顔で振舞っていられるんだ。
確かに痛い言葉だと理解しているのは悪いと思っている証で、だからより一層聞きたくはなくて、判り切っているから黙ってくれとも感じるし、それでも聞かなければならない時がある。心構えが、後々大切だからちゃんと耳に入れようなのか、取り敢えず聞いたふりしてやれば満足するべなのかで、大いに違うけれど。
それでも何処かで、放置すれば不機嫌が続いて厄介だとか、長引くの面倒だからさっさと終わらせようか、そんな気持ちもあって、全く純粋ではないその動機で一旦だけの安息を得ようとするのなら、主旨がどうであれ甘やかす者達と大差無く、やがてそう遠くない未来で再び同じ騒動を巻き起こす為の種にしかならない。
その為に悪者になったっていい。守銭奴だとか罵られたって構うもんか。進化を願うより先の不穏を拭う為に、幾らだって撥ね付けてやる。唯一、無責任に付き返せる存在としてあれるのだから。誰かのように養わなくちゃいけない訳でも、誰かのようにきらわれたくない訳でも、無いんだから。
口汚く罵倒されたって例えばFF9が頓挫したって、引き換えにするだけの価値があるのかは不明でも、もう、いやなんだ。そんな風に、生臭い繋がりで保つだなんて、真っ平御免なんだ。


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