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re-invention



 縁の下の誇り

今日も朝から静岡駅へ。
この夏の移動距離は,おそらく過去最高。
元気な生徒と共に,富山県砺波市へ。
米原までの新幹線に比べて,特急しらさぎは時間が掛かる。
新幹線を熱望するわけを,利用してみて感じる。
駅からはレンタカーで。
大会会場の下見と,離れた場所にある練習会場を下見する。
明日からの大会に向けてのリハーサルで,
たくさんのボランティアの中学生が動員されている。
どの生徒も,元気なあいさつを返してくれ気持ちいい。
大きな大会を,1人1人の心で支えようとしている姿勢,
岐阜での錬成会でも感じたものに通じる。
おそらくは,県内の剣道部の生徒達か。
あこがれの晴れ舞台を,一試合も見ることなく,
仕事に従事する生徒もいることだろう。
縁の下で支える誇りを持っていなくてはできないこと。
そんな心も育てていきたい。

一番近くの練習会場で,明日に向けての練習。
2人での練習は,メニューが限られる。
幾つかの学校の練習を見る。
強豪校もいるが,決して敵わない相手ばかりではないことも知る。

たかが素振り,されど素振り。
一振りに賭ける思いの強さ。
同じ中学生,おそらくは2年生か。
決して飛びぬけた筋力やスピードがあるわけではない。
けれど,はっきりと違うものがある。
一本に賭ける思い。
何としても日本一になるのだという強い意志からの振りは,
このぐらいでいいやという妥協がない。
振りに魂が入り,結果として大きな差になっていくのだろう。

帰りに2つの駅を下見する。
一つは無人駅で,タクシーは当然いない。
もう一つの駅も,閑散としている。
一時間に一本あるかないかの電車が頼りで,
ホテルまでのアクセスの悪さは何とも。
明日以降の移動が思いやられる。

夕飯までの時間に,古城公園を散策。
思いがけず西村公望氏の観世音菩薩を拝観。
高岡は,前田利長公の居城があったことところらしく,
利長公をお祭りするものがいくつか。

緊張感の中,明日に向けて,今日は早めの就寝。

2007年08月20日(月) 大自然の中で戸惑う
2006年08月20日(日) 夏の大地を行こう
2005年08月20日(土) メディアとのつきあい方学習セミナー
2004年08月20日(金) SPP事業 2日目


2008年08月20日(水)



 学び合いを学んで

いつもより随分ゆっくり起床できるのは,上原さんのお陰。
バスで行ったら,どのぐらい掛かったのだろうか。
期待していた佐藤学先生の講演は,
さすがに満席で立ち見状態とのこと。
別会場でスクリーンを通して聞かせていただく。

「講演では学校は変わらない。」
講演を普段はしないわけからスタート。

「授業を3000時間ぐらい見たあたりから,
見えるようになってきた」
と言われると,
自分はおそらく100時間も見ていないことだろう。
1年で600時間ぐらいは授業をしているのだから,
もう10000時間ぐらいは授業していることになる。
その割には上手くないのが恥ずかしい。
「自分ぐらい学校改革を失敗してきた者はいない」
と言えるのは,今はそうでない自信があるから。

「1人残らず,すべての子どもの学ぶ権利を保障する。
 そんな野望が,本当に可能なのです。」

繰り返される力強い言葉。
混迷の日本において,すがりつきたくなる存在のお1人。

「研究紀要のような文を読んでも
 その学校のことがわからない。信用できない。
 だから,教師にはだまされません。
 子どもたちや教室の事実からは裏切られたことはない。」
「授業が見えるかどうか,
 これは職人芸的なことがある。」

さすがに痛いところを突いてきている。

これまで自分は発表を重ねているが,
そんなにうまくはいかない。
失敗を山ほどしている。
だからこそ,朝露のようなきらめく一滴の光が見えたとき,
これを広げていきたいという一念で,
ここまで来ているのだと思う。

学び合いに関しては,
馬場先生のメールの内容がそのまますとんと落ちる話。
わかっているようでいて,分っていなかったことがあり収穫。
「何でも自力解決から集団解決だと思っていないか。
 小グループの中で暗黙の了解のような知が生まれ,
 それをそれぞれが自分のものとして
 自分の言葉で理解していく学びもあるのだ。」

スタンドアップとは,当然のことながら違う。
でも,そんなことが生まれる瞬間を自分も見ている。
今の生徒のスタンドアップは,
一方的な教え合いではない。

小グループで,互いの持つ力を合わせて,
問題を解決し,新しい何かを生み出していくのは,
オランダのA-lympiadやB-dayのような感じか。
そんなことを自分も経験してみたい。

学ぶという字の
成り立ちを知り,
感動。
「師匠のいないところに,
 学びは成立しない。」

岡本先生のお顔が浮かんできた。

同時に,自分も
生徒にとっての師匠であらねばならないという
責任の重さを感じる。

すべてのグループで学びが成立するのか?
そのための手だては,何か?
ゴールまで到達する時間差には,どう対処しているのか?
小グループから先は,どうするのか?
といった疑問もある。
何とか本年度中に実際の授業を見ようと思う。

午後からの発表は,
学び合いをテーマにしたものが多かったけれど,
助言者を含めて佐藤学理論とは大きく異なるもの。
発表原稿は予め用意されたものとはいえ,何とも。

発表会の在り方も,さしずめ博物館並み?
どうしたら,一方通行でない関わり合いから
何かを生み出す会にできるのかを考えたい。
プロジェクター等の見せる物を使わない発表が多いのも,
この10年間が停滞した10年だったことの表れか。

ケーブルがあまりに短く困っていると,
上原さんに持ってきていただき,助けていただく。
質問が出て,二乗に比例の事例も紹介できた。
何とか責任を果たし,ほっとする。

これまで関わってきた生徒を初め,
多くの方に支えられて今がある。
歩みを止めることなく,次に向けてスタートしなくては。


2007年08月19日(日) 科学的な思考を
2006年08月19日(土) 強気で勝負できるのは
2005年08月19日(金) 現実に戻って
2004年08月19日(木) SPP事業 1日目


2008年08月19日(火)



 念願の富弘美術館へ

朝から新幹線で品川,京浜東北線を経由して高崎線。
この夏3回目の東京。
群馬へ行くのは20年ぶりぐらい。
考えてみると,以前も関東都県の大会を見るためだった。
集中したせいか,時間が長かったからか,
列車の中で数学教育の原稿が仕上がり,ホッとする。

今日は,上原先生に半日つきあっていただくことに。
何ともありがたい。
今年は,川上先生に倉敷を案内していただくなど,
考えてみると,なんとも贅沢な夏休み。

夏休みが群馬も短いとのこと。
移行措置で数学の授業時数が増えるのはうれしいが,
これ以上に休みが削られるのは何とも寂しい。

念願だった星野富弘美術館へ。
新採当時の自分を支えていた絵と言葉が,懐かしくも新鮮。
未熟で何もできない苦しさに負けそうなとき,
自分の持っているものを出し切った生き方をしていないと,
思わせてくれた珠玉の言葉。
壁伝いに進んでいくと,
ちゃんと全部を見せてくれる丸い部屋の暖かさ。
美術館の方も,見ている人の息づかいも,
心が洗われる思いにさせてくれる何かがある。

父についての特集が組んであり,
当然のことながら,自分の亡き父を思い出す。
随分お世話になったのだが,それをきちんと言葉にもできないまま。
教員になることを決めた夜の落胆した顔。
とはいえ,それ以降一切そのことにはふれなかった父。
親として,どんな思いで自分を見ていたのか,
一度は聞いてみたかった。

赤く色づいている草木もあって,何とも不思議な感じ。
昨日から,群馬は涼しいとのこと。

どうせならと,さらに足を伸ばしていただき,日光東照宮へ。
一度は見たいものだと思っていたが有り難い限り。
さすがに久能山とは違うけれど,どこかに相通じる部分がある。
3代将軍家光と,2代将軍秀忠との親子のつながりについて,
もう一度本を読みたくなった。








宿へ戻って,もう一度原稿やGCのチェック。
グラフ電卓を使っての授業の発表なのだが,
グラフ電卓を直接は見せられないことを忘れていた。
さっそく,GCで関連ファイルを作成する。


2007年08月18日(土) きつい一言が
2006年08月18日(金) 親としても辛いところ
2005年08月18日(木) T^3Japan大阪大会2日目
2004年08月18日(水) 良い問題とは


2008年08月18日(月)
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