doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 Lightnin' Hopkinsの「Let's Pull A Party」の映像

うら若き女性への下心ゆえか、生ギター1本で気合いの入ったブルーズをかます、当時47or48歳のライトニン・ホプキンスがえぐい。
昨日(10/18)付のエントリーに書いたライトニンのDVD『Rare Performances 1960-1979』における白眉の映像は、ボーナス・トラックの4曲目「Let's Pull A Party」だろう。1960年のニューヨークのTV番組からの白黒映像で、自分の隣の椅子に座る微笑む女性を意識している様が、熱演するライトニンからありありと窺える。クレジットにはないが、女性はおそらく「フォークの女王」ジョーン・バエズ。当時19歳か? YouTubeでこの映像を探したけどないみたい。

10/15(水)22:00からNHK総合テレビで放映された『その時歴史が動いた』は、「神々のうた 大地にふたたび 〜アイヌ少女・知里幸恵の闘い〜」
番組では、アイヌ民族の中本ムツ子さんの3枚組CD『「アイヌ神謡集」をうたう』に収録されているカムイユカラ(アイヌ民族の口承叙事詩)の一部が、何回か流れた(シマフクロウ神の謡「コンクワ」)。
だが、公共放送ゆえ宣伝につながるおそれがあるためか、視聴者が中本ムツ子さんのCDの音源からとわかるクレジットや紹介はなし。知里幸恵さん(1903-1922)著の『アイヌ神謡集』をアイヌ語で物語ったCDが存在することを広く知っていただく良い機会なのに残念だった。ちなみに、『その時歴史が動いた』の公式HPでは、番組で使用した音源として中本ムツ子さんのCDがきちんと紹介されている。
『アイヌ神謡集』をうたう / うた: 中本ムツ子 (『doo-bop days』2004年8月26日)

10/17(金)、HMVから身に覚えのない封書が届く。まさか何かの請求?などと善からぬ心配をしながら開封したところ、10/30(木)に新宿文化センター大ホールで行われる古謝美佐子さんの『廻る命』発売記念公演のチケット引換券が入っていた。
10/25発売予定の新作『廻る命』の予約者を対象としたHMVのプレゼント企画に当選したのは嬉しいが、残念ながらこの日は都合が悪い。チケット引換券は会社の元同僚にあげる予定。

2008年10月19日(日)



 トップページに掲載した作品 Vol. 35

ランディ・ニューマン(Randy Newman, 1943-)の約9年ぶりのオリジナル・アルバム『Harps And Angels』(8/5発売のUS盤, Nonesuch, Produced by Mitchell Froom and Lenny Waronker, 配信シングルの動画
ジョン・ゾーンのプロジェクト、Masadaの曲を様々なアーティストがカヴァーするシリーズの第11弾で、メデスキ、マーティン&ウッド(Medeski Martin And Wood)の新作『Zaebos: The Book Of Angels Volume 11 - Medeski Martin&Wood Plays Masada Book Two』(8/4?にTZADIKから発売のUS盤, 試聴, MMW来日決定@「WISM2008」10/31&11/1恵比寿ザ・ガーデンホール)
弘田三枝子が1965年7月のニューポート・ジャズ・フェスティヴァル出演後、NY滞在中にビリー・テイラー・トリオを迎えて録音したジャズ・アルバム『Miko In New York ニューヨークのミコ ニュー・ジャズを唄う』(8/20発売, 1966年1月発表, リマスター盤, 試聴
ブライアン・ウィルソンの新作『That Lucky Old Sun』(9/1発売のEU盤, Capitol/EMI, DVD付き日本盤は9/17発売予定)
ライトニン・ホプキンス(1912-1982)の1960年から1979年までのパフォーマンス映像集で、1960年テキサス州ヒューストンの路上&バーでのブルーズ弾き語りや、1967年ワシントン大学とシアトルでの演奏、1970年と1979年のTV番組出演時の映像を収録したDVD『Rare Performances 1960-1979』(7/18にP-Vineから発売の直輸入盤, 海外盤は2002年発売, Stefan Grossman's Guitar Workshop, NTSC, 日本語字幕なし, 本編約57分+ボーナス映像約11分=1960年のNYのTV番組での4曲【ボーナス映像4曲目「Let's Pull A Party」を演奏するライトニンの横で微笑む若い女性は、“フォークの女王”ジョーン・バエズ?】, Tr.6&7の動画の視聴
Mats Gustafsson(bs, slide sax, electronics)、Massimo Pupillo(elb)、Terrie Ex(elg)、Thurston Moore(elg)、Jim O'Rourke(electronics)、Paal Nilssen-Love(ds, per)の6人組インプロ・ユニット、Original Silenceの2ndアルバムで、2005年9月28日の「Rome Europe Festival」でのライヴ録音作『The Second Original Silence』(8/11?にSmalltown Superjazzzから発売, 試聴

米国生まれのジンバブエ人女性ポップ・アーティスト、チウォニーソ(Chiwoniso Maraire)の通算4作目となる初のインターナショナル盤『Rebel Woman』(8/31にライス・レコードから発売の直輸入盤, 英文ライナーの対訳付き, myspace.com
作曲家・柴田南雄(1916-1996)の1970年から1978年録音の12作品を収録した3枚組CDで、Tower Records Victor Heritage Collection Vol.5のNo.3『柴田南雄の音楽』[5/16発売, 1948〜1975年作曲, 「1978年発売のLPボックス(SJX9526〜30)のオリジナル・ジャケットを使用」, 演奏会「柴田南雄の遺したこと」@9/26(金)東京文化会館&9/28(日)大阪]
アルジェリア出身の歌手/ヴァイオリン奏者、Akim El Sikameyaの3rdアルバム『Introducing Akim El Sikameya イントロデューシング:アキム・エル・シカメヤ〜現在に生きるアラブ・アンダルース音楽』(8/24発売の直輸入盤, 英文ライナーと歌詞の対訳付き, 試聴, 動画
スーダンのヌビア出身のウード奏者で、日本に15年間滞在してアラブ音楽を紹介したことで知られるハムザ・エル・ディンHamza El Din, 1929-2006)が1990年に発表した『Lily Of The Nile』(7/13発売の直輸入盤, ライス・レコード, 1989年6月録音, 試聴, YouTube
モロッコ出身の「アラブ歌謡の女王」、サミーラ・サイード(Samira Said)が約4年ぶりに発表した通算33作目のオリジナル・アルバム『Ayaam Hayati 我が人生の日々』(9/7にライス・レコードから発売の直輸入盤, myspace.com, 動画:本作の2曲目のPV)
“砂漠のブルース”を代表するバンド、ティナリウェンの元メンバー2人が中心となって結成したテラカフト(Terakaft)の2ndアルバム『Akh Issudar アハ・イスダール 〜ミルクは生きる糧』(8/24発売の直輸入ドイツ盤, 日本先行発売, myspace.com, 動画

キューバを代表する女性歌手、オマーラ・ポルトゥオンド(Omara Portuondo)の約4年ぶりのソロ・アルバム『Gracias』(9/14にライス・レコードから発売の直輸入盤, 日本先行発売, myspace.com, 10/1に東京厚生年金会館で来日公演
レバノン出身のアラブ歌謡の若手歌手、ナンシー・アジュラム(Nancy Ajram)の約2年ぶりの新作『Betfakkar Fi Eih? 何を考えているの?』(8/31発売の直輸入盤, ライス・レコード, 試聴, myspace.com, YouTube:本作の1曲目のPV)
オーティス・レディング(1941-1967)の1967年3〜4月の「Stax/Volt Revue」ヨーロッパ・ツアーにおける2公演を収録したライヴCD『Live In London & Paris』(9/23発売のUS盤, Stax, 約67分:3/17ロンドン+3/21パリ, 試聴
King Crimsonのロバート・フリップとSoft Machine Legacyなどへの参加で知られるテオ・トラヴィス(alto flute, soprano sax)によるアンビエント系のデュオ・アルバム、Travis&Frippの『Thread』(9/23発売のUS盤, 試聴
リカルド・ヴィラロボス(Ricardo Villalobos)の『Vasco』(Disk Unionから10/4発売予定直輸入盤, 9/30先行発送, Perlon, 全4曲・約70分, 試聴
ジョー・ザヴィヌル(1932-2007)の75歳の誕生日ライヴを収録したJoe Zawinul&The Zawinul Syndicateの2枚組CDで、ジョー・ザヴィヌルが皮膚がんの宣告を受けてから約2か月後&亡くなる約2か月前である2007年7月7日のスイス公演を収録した『75th』9/24発売日本盤, ウェイン・ショーターがゲスト参加した「In A Silent Way」のみ2007年8月2日のハンガリー公演からの音源, 約94分, 本作の動画:ディスク2のトラック3)

ミッジ・ユーロ率いる第2期ウルトラヴォックスが、プロデューサー/エンジニアのコニー・プランクを迎えて制作した2作品のDefinitive Edition(ボーナス・ディスク付きリマスター盤)、1980年発表の『Vienna』と1981年発表の『Rage In Eden』(両作品とも9/29発売EU盤, Chrysalis/EMI, YouTube:「Vienna」「The Voice」のPV)
作曲家・諸井 誠(1930-)の1970年と1971年録音のピアノ&尺八作品を収録した初CD化となる2枚組で、Tower Records Victor Heritage Collection Vol.6のNo.2 『諸井誠の世界』(10/3発売, 約48+51分, リマスター盤, 1,500円)
1920年代にグラモフォン社がバグダッドで録音した約900曲のイラク音楽の一部を収録した英国Honest Jon'sによる編集盤『バグダッドの恋歌 1925-1929 / Give Me Love:Songs Of The Brokenhearted - Baghdad, 1925-1929』(8/24にライス・レコードから発売の直輸入盤, 約78分, ライナーと歌詞の日本語訳付き, 試聴
ロバート・フリップとブライアン・イーノによる「知的で即応的な最少単位のユニット」(R.フリップ)の実験&非商業的アルバム第1弾と第2弾のリマスター盤、Fripp&Enoの1973年発表作『No Pussyfooting (日和見主義に走るな)』と1975年発表の『Evening Star』(両作品とも9/29発売EU盤, 前者はボーナス・ディスク付き2CD, 日本盤紙ジャケ仕様HQCDは10/22発売予定

Medeski Martin&Wood「実験的アルバム・シリーズ」3連作の第1弾『Radiolarians 1』 (9/30発売のUS盤, Indirecto, myspace.com, 来日公演:「WISM2008」10/31&11/1恵比寿)
第1期ウルトラヴォックスのリーダーでテクノ・ポップ/エレクトロニック・ポップを代表するアーティストの1人、ジョン・フォックス(John Foxx)の2nd&3rdソロ・アルバムの2CDデラックス・エディション、1981年発表作『The Garden』と1983年発表の『The Golden Section』(両作品とも10/6発売EU盤, Edsel, ソロ4作目『In Mysterious Ways』も同時発売, myspace.com
「Jazz Icons DVD Series 3」全7作品のうちの2枚、ローランド・カークの『Live In '63 & '67』とニーナ・シモンの『Live In '65 & '68』(両作品とも9/30発売のUS盤, Reelin' In The Years, All Regions, 視聴:前者後者, ボーナス・ディスク付きの8枚組DVDボックス・セットはこちら

2008年10月18日(土)



 ウメ子フチに学ぶ / 小助川 勝義

アイヌ文化の伝承者で、ウポポ(アイヌ語で歌の意)とムックリ(アイヌ民族の口琴)の第一人者として知られる故・安東ウメ子さん(1932-2004)。安東ウメ子さんをムックリ奏者として世に送り出し、北海道幕別町教育委員会から発売されたウメ子さんの2枚のCDとDVD1枚を制作・監修したのが、小助川 勝義氏である。

小助川氏は、北海道十勝管内の小・中学校の元教員及び校長。現在、マクンベツアイヌ文化伝承保存会会長などを務める小助川氏が、約1年前に「ウメ子フチに学ぶ」と題して語った1時間半の講演を文章化したPDFファイルが下記で読める。今月あるいは先月?アップされた模様。
[PDFファイル] ウメ子フチに学ぶ 講師 小助川 勝義(2007年8月29日札幌および同年9月28日函館 18:30〜20:00, 「アイヌ文化振興・研究推進機構」のアイヌ文化普及啓発セミナーにて)
安東ウメ子さんが小学校に通わなくなったある出来事や、作曲家・伊福部 昭先生をお招きしてのウメ子さんのDVD『けうとぅむ』完成記念公演の計画といった、小助川氏ならではの知られざるエピソードの紹介もあり。安東ウメ子さんのファンの方必読といえよう。

個人的に最も着目&初めて知ったのが、大腸がんを患った後もトンコリ奏者のOKIとの音楽活動(北海道から遠く離れた地でのライヴなどで、2003年秋以降を指すと思われる)を続けるウメ子さんに対し、小助川氏は止めるべきとの「忠告」をしたこと。
だが、30年以上にわたるウメ子さんの良き理解者で、最も間近にいた小助川氏の「忠告」に従わず、ご自分の信念を貫かれたウメ子さん。そのおかげで、私はウメ子さんの『ウポポ サンケ』発売記念ライヴ(2004年1月31日, 東京・浅草)を観るという貴重な音楽体験ができたともいえるのだろう(音楽雑誌で読んだ記憶によると、このライヴの控え室でのウメ子さんは、本番直前まで体を横たえ、立ち上がるのもやっとの状態だったらしい)。

「アイヌの歌とムックリを伝えるのが今の私の使命」とおっしゃり、覚悟のうえで音楽活動に臨まれた安東ウメ子さんに改めて感謝申し上げたい。

安東ウメ子×OKI インタビュー (1)(『Wired Vision』, 初出『Hotwired Japan』2004年1月6日)
安東ウメ子さん死去 アイヌ楽器ムックリ演奏第一人者(『WEB TOKACHI』2004年7月16日)
アイヌ民族伝統の音楽を現代に伝承した安東ウメ子さん 7月15日死去、71歳「京都新聞 2004年9月2日 夕刊」(「paetok puyar BBS」2005/04/04)
ウメ子フチから学んだ民族の心〜けうとぅむ〜 / 小助川 勝義(『doo-bop days』2006年7月21日)

2008年08月28日(木)
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