余談だが、八丈島から70キロ近く南方にある青ヶ島在住の浅沼キミ子さん(83 or 84歳)の私家版CDもいつの日か入手したい&浅沼キミ子さんらが出演した2007年の『青ヶ島の神事と芸能』が映像として記録されているならば、DVD化に期待している(公演を観に行くか検討していたものの見送ってしまい、2007年の音楽関係で最大の後悔となっている)。
■Various Artistの『Gnawa Home songsグナーワ・ホーム・ソングス』 グナワの聖地モロッコのタメスロットで録音された、グナワの名人たちの共演集。儀式における祈りのような歌とチャント。それらに手拍子とゲンブリ(ベースっぽい音の3弦楽器)、カルカベ(鉄製カスタネット)などが加わって織りなす地味なトランス・ミュージックに、「音楽の根源にあるもの」を感じる。
■バセク・クヤーテ&ンゴーニ・バ(Bassekou Kouyate & Ngoni Ba)の『Segu Blue』 西アフリカの音楽大国マリのグリオ(世襲制の職業音楽家, 口承伝承人)の家系出身で、グリオの伝統的な弦楽器であるンゴーニ奏者のバセク・クヤーテが、グリオの語り継ぐ口承伝承などを、マリ初の試みとされるンゴーニのカルテット編成によって取り上げた意欲作。ンゴーニの絡みを中心としたアンサンブルに、グリオの伝統的なヴォーカルや手拍子、パーカッション、バラフォンなどが加わった穏やかなグルーヴと素朴なサウンドが心地よい。「BBC Radio 3 Awards for World Music 2008」のアルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。
■マシュー・ディアー(Matthew Dear a.k.a. Audion)の『Asa Breed』 デトロイトのクリック/ミニマル・ハウス・アーティストによる本人名義の3rdアルバム。ダークで変態チックなエレクトロ・ポップ風の小品で構成された異色&意欲作。マシュー・ディアー本人による高橋幸宏っぽいヴォーカル入り。 本作を選ぶか、それともフリー/インプロ系ピアノ・トリオのTrio M(Myra Melford, Mark Dresser, Matt Wilson)の『Big Picture』 or クリック/ミニマル・ハウスの最先端を行くリカルド・ヴィラロボス(Ricardo Villalobos)のミックスCD『Fabric 36』にするかで、最後の最後まで迷った。
◆リイシュー/発掘音源&映像◆ ■アレサ・フランクリンの『Rare & Unreleased Recordings From The Golden Reign Of The Queen Of Soul』 “ソウルの女王”がアトランティック時代の1966年から1973年に録音したレア&未発表トラック集。2枚組CD。10月下旬にディスク1の最初の3曲を何の予備知識もなく聴いてぶっ飛び、アレサ熱が何年かぶりに再燃。最近までアトランティック時代のオリジナル・アルバムを中心に聴き直していた。レア&未発表トラック集ながら、重要性ではオリジナル・アルバムに引けを取らない傑作。
■フランコ&TPOKジャズの『黄金の20周年 20eme Anniversaire 6 juin 1956−6 juin 1976』 アフリカ音楽最大の巨人、フランコ(1938−1989)率いるT.P.O.K. Jazzの代表作。陽気でまろやかなサウンドと同じフレーズの執拗な反復のある長尺曲ばかりで、当初は聴き進むにつれ苦痛すら覚えるほどだったが、某サイトで詳細なレビューを読ませてもらったおかげか、3回目くらいに聴いた時から何もかもすんなりと受け入れることができた。フランコ絶頂期の1976年にT.P.O.K. Jazz結成20周年記念盤として発表された2枚組LPの復刻盤2CD。
■サン・ラの『Disco 3000 Complete Milan Concert 1978』 1978年1月23日のイタリア・ミラノでのライヴを収録したアルバム『Disco 3000』の初CD化&未発表音源を追加したほぼ完全版。約130分収録の2枚組CD。白眉は、チープなリズム・ボックスによるループの渦に、サン・ラのアブストラクトでノイジーなシンセ・ソロが炸裂するナンバーで、ぶっ飛び度が異常に高い。