doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 伊福部 昭 作曲の「ウポポ」の再現演奏

伊福部 昭先生(1914−2006)が作曲した、北海道のHBCラジオのオープニング&クロージング・テーマ曲「ウポポ」の再現演奏が、『You Tube』で見られる。数日前に知った。伊福部先生作曲の「ウポポ」という曲自体、この動画によって初めて聴いた。

Ifukube 伊福部昭 HBCラジオ「ウポポ」再現演奏(1分26秒)

1952年にHBCラジオが開局することになり、作曲の依頼を受けた伊福部先生は、木管、ホルンなどによる約35秒の室内管弦楽曲「Thema JOHR」こと「ウポポ」(アイヌ語で歌の意)を作曲(1943年に作曲した「吉志舞」からの転用あり)。「ウポポ」の録音時には自ら指揮をとったという。

「ウポポ」は、HBCラジオ開局の1952年から2002年2月までの約50年間、HBCラジオの放送開始&終了を告げる曲として朝5時と深夜(未明)に流されたが、レコード及びCD化はされていない。
『You Tube』で見られる「ウポポ」の再現演奏は、2007年3月27日にチェコのリトミシェル市のスメタナ劇場においてHBCジュニアオーケストラが演奏したもので、2007年4月22日にHBCテレビで放映されたらしい。「ウポポ」の楽譜は散逸しているため、テープ音源から楽譜を書き起こし、原音に忠実に再現したそうだ。

伊福部 昭氏と音更 −2− アイヌ文化との出合い 「土俗的」音楽世界に影響(『WEB TOKACHI』2005.11.16)
伊福部 昭音楽祭オフィシャルサイト

2007年12月08日(土)



 平家(平曲)演奏家・今井 勉「たった一人の検校として」

『平家物語』に節をつけ、琵琶の伴奏で物語る――この語り物の音楽を平家、近世では平曲あるいは平家琵琶ともいう。平家(平曲)は、およそ800年前の鎌倉時代に琵琶法師が語り始めたとされ、当道座(盲人男性の互助組織)に所属する盲目の音楽家(僧侶ではない)によって伝承されている。

平家琵琶検校、今井 勉氏(1958−)。検校(けんぎょう)とは、当道座における最高の官位のこと。4歳から地歌・筝曲を学んだ今井 勉氏は、12歳の時に平家(平曲)演奏家・三品正保(1920−1987)に弟子入り。1992年に国風音楽会の検校の官を受けている(【注】当道座は1871年に検校などの階級制廃止)。

当道の伝統を今に伝える平家(平曲)演奏家・今井 勉氏の話と平家(平曲)が下記で聴ける。
ネットで聴けるラジオ番組「たった一人の検校として」(約30分, NHKラジオ第2『視覚障害者のみなさんへ』)

なお、右上の画像の上は『平家物語の音楽』(1991年, 廃盤)、下は『萩野検校没後200年 当道の平家−名古屋三代の系譜』(2001年)。どちらのCDにも今井 勉氏による平家(平曲)が収録されている。
いつの日か今井 勉氏の平家(平曲)を生で聴きたい。

【今井 勉氏による平家(平曲)の動画2件】
ウェブで見る「平曲」今井検校の語り(『萩野検校顕影会』)
「宇治川」平家琵琶/今井 勉(『文化デジタルライブラリー』の「日本の伝統音楽 歌唱編」)

高田瞽女(ごぜ)の杉本キクイさん(1898−1983)の5CDセット『瞽女唄』(1991年に新潟県上越市が発売, 15,000円, 1997年改訂版)を最近入手。本作の存在は3年以上前に知っていたものの、すでに廃盤or品切れになっていると思い込んでいたので、上越市が今でも販売しているとは思いも寄らなかった。
5CDセット『瞽女唄』は、国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されている杉本キクイさんの瞽女唄を保存し、後世に伝えるため、上越市が1978年から1980年にかけて録音した瞽女唄・全346分を収録。CDの購入・問い合わせは、『上越市』のトップページ下にある「その他」→「刊行物(書籍・CD等)販売」→「生涯学習推進課」にて。

2007年10月21日(日)



 アイヌ民族の子守唄

アイヌ民族の故・山本多助エカシ(長老)と、帯広カムイトウウポポ保存会の中心的存在で、十勝地方における最後のアイヌ語話者であった上野サダさん(1921−2007)の「イフンケ」(子守唄)が、ネットで試聴できる。知ったのはともに2か月くらい前。
個人的なブックマーク、備忘録として、アイヌ民族の子守唄が聴けるサイトの一部を簡単にまとめておく。

山本多助エカシ(1904−1993)の「イフンケ」『STVラジオ』「アイヌ語ラジオ講座」2002年5月4日 Lesson5)
「イフンケ」のコーナーの開始は7分23秒あたりから。2004年10月24日にテレビ東京で放映された『坂本龍一 の日本再発見 - ぼくの未来を探す旅』(『doo-bop days』2004年10月24日)において、山本多助エカシが歌う「イフンケ」のカセット・テープ音源が約40秒ながれたが、それと同一ヴァージョン?

樺太アイヌのトンコリ奏者・西平ウメさん(1901-1977)の「イフンケ」(『小泉文夫記念資料室』の「所蔵音響資料(オープンテープ)」→「Web試聴可能データ」→DAT番号:0366-1などと入力して「検索」→試聴「DAT番号: 0366-1 曲・解説順番号: 11」, 約40秒)
【関連】アイヌ民族の西平ウメさんによるトンコリ演奏の音源(『doo-bop days』2005年6月8日)

上野サダさんの「イフンケ」(『STVラジオ』の「アイヌ語ラジオ講座」2001年3月18日 11回)
上野サダさんは3つの異なる「イフンケ」を聴かせてくれている。そのうち、最初に歌う「イフンケ」は、同郷の安東ウメ子さんの「イフンケ」と歌詞は大体同じ。旋律も似通った所がある。だが、ウメ子さんの「イフンケ」とは随分と異なる印象を受ける。実に興味深い「イフンケ」である。
【関連】「アイヌ語講座」始まる 帯広の上野さんが講師(『十勝毎日新聞』2001年1月13日)

安東ウメ子さん(1932−2004)の「イフンケ」約1分15秒(『AINU: SPIRIT OF A NORTHERN PEOPLE』トップページ中央の「ENTER」→「イフンケ」自動再生)
OKI featuring 安東ウメ子名義のCD『Hankapuy』(1999年)収録のヴァージョン。

安東ウメ子さんの「イフンケ」1分29秒(『FAR SIDE MUSIC』
アイヌ文化伝承者・安東ウメ子さんの“アーティスト”としてのベスト・パフォーマンスの一つ。安東ウメ子さんのCD『Ihunke』(2001年)収録のヴァージョン。ウメ子さんの「イフンケ」は、姑の安東よしのさんや十勝・本別町のアイヌ歌謡の伝承者、清川ネウサルモンさん(1871?−1966)が遺した「イフンケ」に似ているらしい(安東ウメ子さんのDVD『けうとぅむ』の解説より)。

「イフンケ」の歌詞: テタ マクタ マクン フチ 中川郡幕別町白人(チロット)(『NPO法人 日本子守唄協会』

2007年10月20日(土)
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