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しもさんの「気になる一言」
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2022年05月11日(水)
誰よりも前を走ろうとして人生を忘れ・

映画「グッド・ワイフ」
(アレハンドラ・マルケス・アベヤ監督)から。
「2019年メキシコ・アカデミー賞で主演女優賞など
4部門を受賞した社会派ドラマ」の解説に期待したが、
視聴者の私たちに何を伝えたかったのか、わからなかった。
また、セレブ妻たちのタバコのシーンが多くて、
なぜか観ている私も、煙たくなったことを記しておきたい。
さて、この映画を思い出すために、
フリオ・イグレシアスの歌う歌詞をメモにした。
♪「先を急ぐばかりの人生だった。
一瞬一瞬を生きることを忘れていた。
誰よりも前を走ろうとして人生を忘れ、
ささやかな幸せを忘れていた」かな・・と。
しかしこの内容が、どうして邦題「グッド・ワイフ」なのか、
私の違和感が尽きることはなかった。
さらに、主人公の女性が、母親に言われたセリフ、
「顔を上げ背筋を伸ばして立ちなさい。
あなたは『ソフィア・デ・ガライ』なんだから」の字幕が
どうしても気になって調べてみたら、
「ソフィア・デ・ガライ」は「特別な人間」という意味らしい。
字幕で「あなたは『特別な人間』なんだから」とあれば、
意味が通じたのになぁ、と驚くばかりであった。



2022年05月10日(火)
意味を探れば体験は違う姿で戻ってくる

映画「キャッツ」(トム・フーパー監督)から。
個人的に「猫より犬が好き」だからではないが、
世界的ミュージカル「キャッツ」を観たことがない。
猫って、何を考えているかわからないから、怖い。(笑)
しかしこの作品を見て、少しだけ「猫」が好きになった。
当然だけど、猫にもいろいろな境遇に置かれた猫がいて、
猫にもいろいろな人生というか、猫生を経験してきている。
そんな視点で、観ることができた気がする。
どんな生き方をしても、新しい人生を生きることを許される、
たった一匹の猫を選ぶ長老の猫がこう呟く。
「幸せの瞬間を体験したのに意味を見失っていた。
意味を探れば体験は違う姿で戻ってくる。
どんな幸せの意味もこの体験には及ばない。
意味の蘇った過去の体験は既にもう1人の体験でなく、
続く何世代にもわたって忘れ得ぬ、
何か言葉では言い難い(イネファブル)ものとして」
辛い体験も、その体験の意味をしっかり捉えれば、
今の幸せがあるのは、その辛い体験があったから・・、
そんな投げかけにも取れた。
字幕をメモしていて「イネファブル」という単語が
2回も登場してきた。
「ineffable」とは「言葉では言い尽くせない、
言葉で言い表せない、言語に絶する、 言いようのない」
という意味。作品のキーワードかもしれないなぁ。



2022年05月09日(月)
引っ越しは戦でござる、勝って錦を飾りたい

映画「引っ越し大名!」(犬童一心監督)から。
本当にあり得そうな話を、シリアスに描くのではなく、
コミック調に、軽快に笑い飛ばす展開で面白かった。
戦国時代の参勤交代、国替え、借金、減棒の苦労は、
事実としては知っていても、なかなか現代の社会と重ねて
想像することは難しいので、こういった楽しい作品があると、
歴史の苦手な人たちにとっても、受け入れやすい気がする。
さて「引っ越し奉行」なる奉行が存在したかはどうかは不明でも、
やはりどの時代でも、それを取り仕切るリーダーの存在は、
必要なんだな、と思う。(もちろん、影の力も大切であるが)
そして、引っ越しを効率良くこなすためのマニュアルも。
なぜか、このノウハウを詰め込んだマニュアルの存在は、
デジタルになったとはいえ、今の時代でも、役に立つ。
今回の主人公の前任者 (板倉重蔵)が残した「引越しの指南書」
「道具見切之術會得」「整理整頓之法會得」などと書かれたもの。
作品の中で紹介されているのは、3つの項目。
(1)歌こそ人々の心を1つにするものなり
(2)整理とは捨てることなり
(3)身体を保て、たどり着くまで
もっともっと知りたくなった「引越しのノウハウ」。
今で言う「断捨離のすすめ」とも言える。
成功の秘訣は、引越しをただの作業と捉えるのではなく、
「引っ越しは戦でござる、勝って錦を飾りたい。
共にたどり着こうぞ」と鼓舞したり、
「これは合議の理不尽に対する我らの戦でございます」と
「戰」というのは単語を使ったところにあるなぁ。

P.S
作品中「引越し奉行」という単語は頻繁に出てくるが、
「引越し大名」という単語は、一度も出てこなかった。
どうして、タイトルは「引越し大名!」なんだろうか。(笑)



2022年05月08日(日)
誰かが頑張って守ってくれてる秘密のお陰

映画「ゾッキ」(竹中直人・山田孝之・齊藤工監督)から。
う〜ん、楽しいことは楽しいが、映画作品という視点で捉えると、
これは評価が分かれるんだろうなぁ・・と思いながら、観終わった。
メモを眺めると「秘密」ってキーワードで括られる。
作品冒頭に「最近俺は思うんだが、生き物と言うものは
秘密がなくなると死ぬんじゃないだろうか?」
「秘密は大事にしろ、なるべくたくさん持て」という会話で始まり、
作品ラストに「牧田くんってさ、秘密ある?」「あるよ」「いくつ?」
「墓場まで持ってく覚悟のが1個ある」「何か重いね」
「でも、そうやって誰かが頑張って守ってくれてる秘密のお陰で
世の中うまく回ってるんじゃないのかな」
「そう思う?」「時々ね」という会話が用意されている分、
全体のつながりは「秘密」なんだろうと思う。
多彩な、そして豪華なキャストが揃ったのも、
3人の俳優の共同監督の力と言わざるを得ないのかもしれない。
秘密って、やっぱり謎めいた単語だよなぁ。

P.S
個人的には、冒頭に映し出された習字の2作品が気になる。
「太鼓と私」「絶望の光」・・この意味は?



2022年05月07日(土)
運命共同体ってわかるか?

映画「野性の呼び声」(クリス・サンダース監督)から。
主人公は「パック」という名の、表情豊かな犬。
前半は、秘境アラスカへの郵便配達に使う犬ぞり、
その犬ぞりの先導犬として活躍するまでを描いている。
面白かったのは、郵便配達人が犬に話しかけるシーン。
「バック、俺たちが運ぶのは手紙じゃなく人生だ」と。
さらに、まだ仕事に慣れずカーブで失敗したバックに、
「運命共同体ってわかるか?」と真剣に話す。
「犬には通じないって・・」という女性の言葉に、
「通じるさ」と言い放った後、またバックに話しかける。
「いいか、俺たちは全員で一つだ。
転ぶ時も、起き上がる時も。さぁ、やり直しだ」
彼のこの熱い思いが犬たちに伝わって、目標をなし遂げる。
手紙を受け取って喜ぶ人たちを見ながら「わかるか?、
運ぶのは手紙じゃない。大勢の人生と希望と愛を届けてる」
後半は、初老のハリソン・フォードとともに、冒険に出て、
苦労しながら、一緒の時間を過ごすことにより、
人間と同じような友情が芽生えて、気持ちが通じ合っていく。
人間と犬、やっばり「運命共同体」って感じだな。



2022年05月06日(金)
俺の故国じゃこう言う

映画「ワンダーラスト」(マドンナ監督)から。
ポップ・ミュージック界の女王、マドンナの初監督作品。
物語の主人公が、語りのように口にするフレーズ。
それが「俺の故国じゃこう言う」
その諺みたいに台詞がまた面白い。
「ナイフのジャムを舐める者は舌も切る」
「空に届きたけりゃ、とにかく飛べ」
「悪魔が力を失ったら美女をあてがえ」・・
どうやら「ウクライナの諺」らしい。(汗)
「故国」を辞書で調べてみると、
「古くからあった国・昔あった国。 
自分の生まれた国・母国・ふるさと・故郷」の意。
翻訳者が、どうして「俺のふるさとでは・・」とか
「俺の母国では・・」と訳さなかったのか、
ちょっぴりわかるような気がした。
先述した諺、もう一度、読み直して欲しい。
何かの教訓なんだろうか・・なかなか味わいがある。



2022年05月05日(木)
陰で陽を制すれば攻略できる

映画「SHADOW 影武者」(チャン・イーモウ監督)から。
白黒を基調に、映像美はさすがだったが、
気になる一言をメモしている私にとっては、
期待が大きかった分、消化不良として観終わった。
相手の絶対的な力強さの前に、
「楊家(ヤン)の刀術は豪壮な陽の質だ。
女人の動きで傘を使い、雨水で滑らせ、
陰で陽を制すれば攻略できる」と戦術を立てるのだが、
これもまた、戦いにありがちな作戦ではないか。
相手の力をまともに受けるのではなく、
力を逃して、その力を利用しながら、戦うこと、
それが「白と黒」の映像に通じるものかもしれない。
とにかく「剛・柔」「主・影」「男・女」など、
全体的な構成に「対」を意識したものとなった。
反対の立場になってみることの大切さ、
そんなことを教えてもらった気がする作品だった。



2022年05月04日(水)
君は進めたのか?

映画「ランボー ラスト・ブラッド」
(エイドリアン・グランバーグ監督)から。
ランボーのいつ戦闘が始まるのか楽しみにしていたが、
残り30分を切ってから・・でちょっと残念。
何もかもが、中途半端な感じがしたのは、私だけ?
何人か登場した人物の役割もそうだし、
伏線になるような会話とか、メモするシーンが少なかった。
物語の冒頭、ランボーが古い友人の孫娘、ガブリエルに
「レターナイフ」を贈るが、若い彼女は
「悪いけど今どき手紙は書かないから」とつれない返事。
そこでランボーが「なら男から身を守るために」と、
冗談めいて「何かに使える」と手渡すシーン。
また、ある女性に復讐の手伝いを頼む「手を貸してくれ」と。
しかし、あっさり断られ「なぜ?」と聞き返す。
彼女は「何か変わる?、何も変わらない。
悲しくても前に進むしかない」とつれない返事。
そこで一言「君は進めたのか?」と。
この一言、今の私にもけっこう響いたなぁ。(汗)



2022年05月03日(火)
1人で海を渡るってどんな感じ?

映画「アドリフト 41日間の漂流」
(バルタザール・コルマウクル監督)から。
実話の映画化ではあるが、何かドラマ的な展開を期待した。
アクシデント、ハプニング、トラブル・・なんでもいい、
観ている私たちが想像できないようなことが起きるのかと。
しかし期待は裏切られ、淡々と物語は進み、終わった。
邦題で「41日間の漂流」だとわかってしまうし、
「漂流2日目」の字幕を目にするまで、37分かかり、
あとは省略かな、と思えるような流れで、夢中になれなかった。
冒頭で、こんな主人公の2人の会話がある。
「1人で海を渡るってどんな感じ?」
「惨めだ、冷えるし、ひどいものさ」
「そんな・・本当に?」
「日焼け、不眠、船酔いのどれかに苦しめられる。大抵3つ同時だな。
空腹だし、体も濡れっぱなしだし、数日で幻を見始める」
「見ても楽しくないやつ?」「全然ね」
この会話をメモしてしまったので、流れが読めてしまった。
感動的な話なのだろうが、ドキュメントではないのだから、
もう少し、何か工夫が欲しかったなぁ。



2022年05月02日(月)
HOTEL DE POLICE・・字幕は「警察署」

映画「シティーコップ 余命30日?!のヒーロー」
(タレク・ブダリ監督)から。
物語の最初から最後までコメディがウケた。
しかし、お笑い芸人が演じているのではなく、
俳優が真面目な顔して、ずっこけまくる。
下ネタも満載で・・フランスらしいな、と拍手した。
この映画に変なレビューはいらない。
スベりまくるネタに「くだらねぇ・・」と言いつつ、
ただただ笑っていればいい・・そんな感じだ。
冒頭にメモした単語は、警察署の看板。
「HOTEL DE POLICE」・・字幕は「警察署」
予告映画でも「フランスNo.1 大ヒット!!」の文字、
最近観たフランス映画は、眉間に皺を寄せるような、
人間関係が難しい作品が多かったから、
たまには、こんな映画もいいんじゃないか、と思う。
遊ぶ時は遊ぶ、泣く時は泣く、笑う時は笑う。
いろいろな要素を詰め込まなくても、いい。
ツッコミどころ満載・・これがコメディの真髄かな。