初日 最新 目次 MAIL HOME


しもさんの「気になる一言」
しもさん
MAIL
HOME

My追加

2017年08月05日(土)
特別天然記念物は「国宝」と同じだと思っています

先進地視察で訪れた「魚津埋没林博物館」(富山県)。
2,000年の歴史に想いを馳せるには充分すぎるほど圧巻の
「埋没林」であるが、観覧しながら気になったのは、
博物館のいたるところに掲示されている、
「特別天然記念物」の7文字。
「埋没林」は、単なる「天然記念物」じゃない、
「『特別』天然記念物」なんだよ、と主張しているようだった。
「埋没林は、特別天然記念物なんですね」と、
施設案内をしてくれた方に訊ねたら、こんな返事が返ってきた。
「天然記念物は『重文』(重要文化財)と同じ価値を持ち、
特別天然記念物は『国宝』と同じだと思っています」。
だから、私たちはこの「国宝」を大切にする義務があるんです、
そんな意味にも理解できる会話だった。
私たちも「重文」(重要文化財)と等しいとされる、
「天然記念物・柿田川」をもっと大切にしなくちゃなぁ。(汗)



2017年08月04日(金)
おいらは「火種さん」って言ってんだけどさ。

映画「じんじん」(山田大樹監督)から。
今や、北海道上川郡剣淵町は「絵本の里」として知られているが、
それは、1989年(平成元年8月)に、
世界各国から絵本の原画を集めた国際絵本原画展を開催したことに
端を発している。
私の関心は、それを仕掛けた人だが、約30年前に、
絵本でまちづくりをすることを考えた人は、最後まで登場しない。
作品では、修学旅行(農村体験)で訪れた高校生らが、
歳を重ねたおじさんたちが一所懸命に、子供たちに読み聞かせする
一風変わった風景を目にして、こう訊ねる。
「おじさんたちが運動したんですか?」(絵本でまちづくりをしようと)
読み聞かせの中心人物、佐藤B作さん演じる「高峰庄太」が、
こう言い返す。「火つけたのは別にいるんだけどな」と前置き話して
「おいらは『火種さん』って言ってんだけどさ」。
このフレーズが妙に気になり、メモをした。
映画というより、まちづくりのヒントをいただいた講演会のようだった。

P.S.
絵本「もったいないばあさん」で有名な絵本作家・真珠まりこさんも、
審査員として、映画に出演していて嬉しかったなぁ。



2017年08月03日(木)
あなたの腐った時間につき合っていると思うとヘドが出る

映画「湯を沸かすほどの熱い愛」(中野量太監督)から。
突然、余命宣告を受けた人間が、必死で生きようとし、
その姿を見せることで、周りが変わっていく設定は、
今までに何度も観てきたので、ストーリーとしては普通。
それを、どう表現していくかによって、印象が違う。
今回は、余命宣告を受けた、宮沢りえさん演じる「幸野双葉」と
ヒッチハイクで全国を旅する、松坂桃李さん演じる「向井拓海」の
何気ない会話の中に、その想いを感じてメモをした。
「この旅は、どこへ向かっているの?」「いや、決めてないです。
目的とか、目標って、決めたらそこに向かわなきゃいけなくなるでしょ」
「じゃあ、旅はいつまで続くの?」「う〜ん、どうだろ。
そのうち飽きたってやめるのか。まあ、時間は腐るほどあるんで・・」
「は〜あ、最低な人間、乗っけちゃったな」「言いますね」
「あなたの腐った時間につき合っていると思うとヘドが出る」
末期のガンで、残された時間が僅かな女性と、
まだまだ時間がたっぷりあると感じる若者との人生観がぶつかり合い、
静かな会話の中に凝縮されていた。
「自分は、末期ガンなの、もう残された時間は少ないのよ」と、
口に出さず、若者に「時間の大切さ」を伝えるシーンは、よかった。
言葉としては、汚い表現だが、インパクトが強いフレーズ、
「あなたの腐った時間につき合っていると思うとヘドが出る」を
記憶に留めたい。



2017年08月02日(水)
「ただの魚」から「ただならぬ魚」へ

「本願清水イトヨの里」(福井県大野市)の視察は、
わが町と共通点が多くあり、メモは増えた。
特に、町民への意識付け、気運の盛り上げ方法は、
行政が意識的に、仕掛けなければならないことも学んだ。
それを「戦略・戦術」と呼ぶのかもしれない。
「イトヨ保護施設整備の機運が一気に高まった」という
説明に、具体策を訊ねたところ、約3,000万円をかけて
「庁舎ロビーに水槽設置」したことを教えてくれた。
市民には無駄使いだという批判もあっただろうけれど、
それが話題になるとともに「イトヨ」という魚が、
「『ただの魚』から『ただならぬ魚』へ」と認知された。
その「ただならぬ魚」を大野市民がまちを挙げて守る、
という、意識啓発、意識高揚がなされたに違いない。
柿田川も「ただの川」ではなく「ただならぬ川」という
意識付けができた時、その川の情報をすべて集めた
ヒジターセンター建設の気運が盛り上がるのだろうか。
知れば知るほど「ただならぬ川」なんだけどなぁ。

P.S.
「魚津埋没林」も「ただならぬ根っこ」なんだけど、
市民は「ただの根っこ」と思っていると悩んでいたっけ。



2017年08月01日(火)
イトヨは、環境のバロメーターなんです

ビジターセンター先進地視察で、北陸の地に足を運んだ。
2日日は「本願清水イトヨの里」(福井県大野市)。
「イトヨ」は、環境省レッドデータブックのカテゴリーでは、
「絶滅危惧種」に指定されている「希少魚」。(トゲウオ科)
大野市も、水のきれいな街として、我が町同様に
「水」をキーワードにまちづくりをしているが、
その徹底ぶりには、驚かされた。
「大野の水を世界に発信」「地下水の定期預金」
「湧水文化を継承」など、メモするフレーズも増えた。
特に注目は「名水百選のきれいな川を護ろう」ではなく、
「イトヨという絶滅危惧種の希少魚を護ろう」としたところ。
「イトヨ」を護るということは、水環境を護ることに繋がる。
だから「イトヨは、環境のバロメーターなんです」。
施設担当者は、大野市の水環境を説明しながら、そう語った。
この視点は、わが町に必要な発想だと思う。
「柿田川の湧水・自然を次世代に残そう」ではなく、
「ミシマバイカモを護ろう」の方が具体的だし、
そのためには何をすべきか、が鮮明になる気がする。
行動すべきことがわかりやすいこと、これに尽きるな。



2017年07月31日(月)
星が死に存在しなくなった後も、その姿を見続ける。

映画「ある天文学者の恋文」(ジュゼッペ・トルナトーレ 監督)から。
どうしても、有名な天文学者とその教え子との恋愛に目がいってしまい、
不倫関係に嫌悪感を示す人も多いが、だからこそ、
この作品を通して、監督が伝えたかったことを探りたくなった。
ヒントは、主人公の彼女が書き上げた論文のタイトル。
「客星から超新星へ:死せる星との対話」
「客星」とは「常には見えず、彗星や新星など一時的に現れる星」
それは「星の不滅性」について触れている。
今現在、私たちが見上げている星の光も、
実はもう何年も、いや何億年前に死んでいる星の光かもしれない。
天文学者は、それヒントに、愛する彼女に対して
人間の世界でもどれくらい生きていると思わせることが出来るか、を
実行していたに違いない。
ちょっと長いが、彼女の論文の一部を何度も巻き戻しメモしたので、
書き記しておきたい。
「別の状況で間違いを恐れずに言うなら、天体物理学の歴史において、
宇宙に対する知識は「死ぬる星」の研究によって得られた。
星の最後に起きる大参事は、超新星爆発であれ、重力崩壊であれ、
極超新星であっても同様だが、それらによって理解できるのは、
星の不滅性というものは、想像を超えて遥かに不可解であるということだ。
数千億もの恒星の地球からの距離と、光の速度との関係によって、
星が死に存在しなくなった後も、その姿を見続ける。
それこそがまさに、星の悲惨な最後であると言える。
その姿が見えるのは、数世紀、数か月、または数秒間。
それは数十億年前に起きた、死の顕れ(あらわれ)なのである。
科学者の研究とは、もはや存在しないものとの対話である」
死んで、彼女の想い出に残るだけではなく、できることなら
いつまでも一緒に時を過ごしたい、と願う気持ちが伝わってきた。
星好きの私にとっては、ちょっぴり切ない映画だったなぁ。



2017年07月30日(日)
日本は、自動販売機で迷うよね。

ある外国人と話していて、文化の違いの話題になった。
特に「自動販売機」のネタは、話が尽きないらしい。
まず、すぐそこにコンビニがあるのに、
その近くに清涼飲料水の自動販売機がある光景に驚くようだ。
また、国を挙げて温暖化防止といいつつ、
高熱を発する大型冷蔵庫を、屋外に大量に設置する不思議さ、
悪さをする外国人には、盗んでください、壊してください、と
言われているくらいの無防備さ。(汗)
でも、一番盛り上がったのは、飲み物の種類が多いこと。
私たち日本人でも、どれにしようか迷うくらい種類が多い。
だから、彼らからしてみれば驚きを通り越して、
どうしてこんなに種類があるの?ということらしい。
言葉にすると「日本は、自動販売機で迷うよね」。
これって、どれも美味しいから迷うんだろうなぁ、きっと。



2017年07月29日(土)
糸をつなげることも、人をつなげることも、時間が流れることも

映画「君の名は。」(新海誠監督)から。
映画レビューの記念すべき1000作品目をこの映画に決め、
DVD発売まで、しばらく映画を観ない期間があったからか、
何気に目にした作品に関する前提知識が溢れてしまい、
真っ白な状態で鑑賞ができなかったのは残念であった。
予告編の数々を始め、多くの断片的な映像がイメージとなり、
それが、本編ではどう繋がっているか、の確認になってしまったから。
それでも「ムスビ」に関しては、メモが増えた。
主人公「三葉」の祖母「一葉」、彼女の言葉が説明している。
「土地の氏神様をな、古い言葉で産霊(ムスビ)って呼ぶんやさ。
この言葉には、ふか〜い意味がある。糸をつなげることもムスビ。
人をつなげることもムスビ。時間が流れることもムスビ。
全部神様の力や。わしらの作る組紐も、せやから神様の技。
時間の流れ、そのものを表わしとる。
より集って形をつくり、ねじれて、からまって、時には戻って途切れ、
またつながり、それがムスビ、それが時間。」
中島みゆきさんの歌「糸」が思い出されたのは私だけではないだろう。
あの歌をモチーフに、物語(ドラマ)にすると、こんな感じかな?
そんな感想を待って観終わった。

P.S.
客観的には、Z会のCM「クロスロード」を思い出された。
「言の葉の庭」の雪野先生が、ユキちゃん先生として登場していて、
嬉しかったなぁ。



2017年07月28日(金)
現場をそのまま「展示館」にしてしまう発想

ビジターセンター先進地視察で、北陸の地に足を運んだ。
初日は「魚津埋没林博物館」(富山県魚津市)。
「埋没林」とは、文字通り地中に埋もれた林のこと。
かつての森林の様子を現在に伝える貴重な資料として、
工夫の凝らされた展示方法に、メモは増えた。
圧巻は「水中展示館」と称する「埋没林水中展示」。
「ここは2,000年前に巨木がそびえていた場所。
出土した場所そのままに、発掘現場に地下水を満たして保存」
そう文字で説明されてもイメージができなかったが、
地下水の中で、保存されている巨木の埋没林を目にしただけで、
久しぶりに「感動する光景」として記憶された。
多くの方に見せたい貴重な「埋没林」を、
「発掘・保存・(博物館に)移動・展示」という順ではなく、
現場をそのまま「展示館」にしてしまう発想。
これは、非常に新鮮であり、その光景は目に焼き付いた。
柿田川の魅力も、作られた展示ではなく、本物をみせる、
それこそ、私たちに与えられた課題なのかもしれない。



2017年07月27日(木)
6歳の誕生日は一生に1回だけだよ

映画「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」(トム・ムーア監督)から。
アニメと言えば、ディズニー、ジブリを中心に、
そして、最近では新海誠作品ばかり観ていた私にとって、
外国のアニメは、予想以上に面白かった。
それも「製作国」が「アイルランド・ルクセンブルク・ベルギー・
フランス・デンマーク合作」と知り、興味が沸いた。
ヨーロッパ5つの国の合作の意味を考えながら、
最初のナレーションをメモして読み直した。
「人間の子よ 行きなさい。海と自然の中へ
妖精と手を取り合って この世界は涙で満ちあふれているから・・」
さらに、母親から伝えられる「海のうた」の一節。
「この場所からこの瞬間にかけて 北から南にかけて」
「東から西にかけて 時間から空間にかけて」
このあたりに、ヨーロッパ諸国の親が子どもたちに伝えたい、
子育てのヒントが隠されている気がした。
それは「親子愛」「兄弟愛」の大切さを中心に、
「冒険」のドキドキ感、「涙・苦しみ」に対する考え方など、
「絵本の読み聞かせ」に近い形で、伝えられているのだろう。
しかし、私が今回選んだのは、ちょっと違う。(汗)
孫の誕生日を祝う、おばあさんの台詞。
「誕生日にそんな格好じゃみっともないよ。
6歳の誕生日は一生に1回だけだよ。きちんとした服を着なきゃね」
この考え方、日本でも伝えていかなくちゃ・・と感じたから。
作品全体を包み込む、リズムとトーンが心地よかったなぁ。