空虚。
しずく。



 突然の。

言葉の意味も、重みもわかってはいる。
だけど、…永遠に、理解する事は、出来ない。

電話の最中、何かが割れたかのように醒めた。
それはあまりに突然で、当人であるというのに、
反応する事が出来なかった。

考える事が、痛い。
これ以上言葉を交わしたくない。
明るさを装った声だけが上部を滑る。

今も、冷や汗が止まらない。
不調もいまだに、治らない。

苦しい。

2005年12月31日(土)



 たとえそれが前兆であっても。

言葉の力を、思い知っている。
幸せを、何度でも噛み締める。
「想われている」それだけが自分を繋ぎ止める。

…組み伏せられるのは、嫌いじゃない。
昔じゃないのだから、笑って流せる。そう思っているけれど。
…「あの人の望む」反応を考えてしまう自分が、嫌だから、戸惑う。
触れられる快感は、感じこそすれ、浸透はしない。
僅かに瞳を伏せ、顔を作り、声を漏らす。
気付かれないだろうかと、冷や汗を流しながら。

ざあざあと、血の気が引いていく。
全身から冷や汗が噴出すけれど、身体の熱は上がらない。
手足が痙攣を起こす。頭がぼんやりとし、意識が、遠のいていく。

なんら異常はない。けれどおさまらない。

…これが、あなたの言う「前兆」であるとするなら。
私は今、あなたを殺したい、と思う事すら朧気になっているということなのだろうか。
快楽を得、笑い、泣く事は出来ずとも、痛みを感じ、
ちゃんと、生きているのに、常に何かが欠けている、この、感覚は。

私が認識していないだけで、徐々に侵食していると言う事なのだろうか。

恐怖も、痛みも、何もない。
それに、私には何より大切な「約束」がある。
それを叶えるまで、死ぬわけにも、殺すわけにもいかない。

願う、それだけで強くなれる。
だから、私は「大丈夫」そう言い続ける。

2005年12月26日(月)



 悪い癖。

エレベーターには、乗りたくない。
誰かといる時なら、大丈夫だけれど。
独りの時は、絶対に乗れない。

接する分には、何の問題もない。
触れたくはないし、知りたくもないけれど。

それは、他人でも、家族でも同じこと。


…彼女、に対しても私は怯えてしまう。
自分に出来る事などないくせに、過剰な心配ばかりしてしまう。
知らなければいいのに、と思いながら、知ることを望んでしまう。
ゆらゆらと、落ちたりあがったりを繰り返す。

自分が知っているから、怖い、のだと、思う。
こんなのは傲慢だとわかっているんだけど、やっぱりダメだ。

…いつだって杞憂なのに。少しなら自惚れたって許されるのに。

あの日からずっと、私は「人間」に向き合っていない。

2005年12月17日(土)



 「   」

酔う、事は、気持ちがいいから、好きだ。
映すもの全てが、朧気になるようで、
少しだけ逃げる事が出来るから、好きだ。

綺麗な言葉を、使うのが好きだった。
愚かな想いも、逃げている自分も、すべて、
覆い隠してくれるから。

立ち上がる事が出来ないだけなのに、
動き出す事が出来ないだけなのに、
それを正当化する事が出来たから、好きだった。

不安で、不安で仕方なくて、
でも、度を越えた束縛は愛ですらなくて。
ただ、あの人を「所有物」として見る、だけのことで。
わかっているのに、その思考から抜け出せないのは。
どうして、だろうか。

いらいら、する。多分、気持ちが悪い。
何も、見えないけれど、いい、気分じゃあない。

…また、乱すのか。どこまでも、いつまでも。
座り込めもしないのに、ただ、それだけを見せ付けて。
いったい、何が、残る。何が、したいって、言うんだ。

「大したことじゃない」「もう慣れた」
それを繰り返しても、消えないのは、何故だ。畜生。

2005年12月10日(土)



 Sky。

どこまでも望み続けるのが人なのだと知る。
もう、わかりきっていることなのに。
直面するたびに、何度でも思う。
浅ましい。


終わりは何も生み出さない。
わかっているのに、終わりを望む。
もうこれ以上苦しめられるのは嫌だと、望む。
それが、人と関わるという事だとわかっているのに。

言葉はどこまでも不確かで、
私は何一つ信じられてなどいない。

あなたは裏切らない。わかっている。
…疑心など微塵もないはずなのに、信じる事が出来ない。

あなたにすべてを預ける事が信じる事なのか。
どこかで境界を引いたまま信じている、と言い続ける事が信じる事なのか。

わからない。怖くはない。なのに、出来ない。

これが、正しいのだと。
こういうものなのだと思う。
なのに、何も消えない。
私はいつまでも私のままだ。

嫌だ。関わるな。触れないで。
もう、傷つけられるのはごめんだ。

ほんの、些細な事にすら、全てが噴出しそうになる程に。

「今更…」

そう呟く事自体が、何も終わってはいない証なのだと、知った。

2005年12月08日(木)



 大切なものは。

崇高でも、綺麗でもない。
浅ましさも含んだ想いだけれど。
…とても大切で、愛しいということに。
変わりはないから。

伝わる事を信じて、「愛してる」そう紡ぐ。


どんな関係だって、不安定な事にかわりはない。
この先、がどんなに変わっていこうとも、この想いは、変わらない。
それだけを、強く願う。

あなたのそばにいる事が、私の幸せ。
痛みを受けて、吐き出しても、そばにいる。
それが、幸せだと、思える。

とても怖くて、痛くて、恐ろしいものがたくさんある。
けれど、あなただけを、愛している。

そう、何度も紡ぐ。


「愛している」「そばにいる」

それだけを、いつかあなたに信じてもらいたい。

2005年12月04日(日)



 指輪。

冗談だと、わかっている。
…中々向き合ってくれないのも、知っている。
いつだってはぐらかすのも、わかっている。
私の想いを知っていて、残酷な言葉を吐くのも、わかってる。

いつも、なら、普段、なら、ちゃんと、答えられたはずだ。
わかっているから、流せたはずだ。

余裕がないのは、してないだけじゃないようだ。
愛されているのか、不安になる。いつだって、怖い。
愛していると想っている。それだけはいつだって強く思える。
でも、私は愛されている?

あなたはいつも、「こんなことさせるのはお前しかいない」と言う。
…でも、あなたにとって、それはさして問題じゃない。
大事なのは、精神的な繋がり。…それは、私も同じ。
だからこそ、怖い。それは、形にならないとわかっているのに。

あなたの中に、私はいるだろうか。
どれだけ、いるだろうか。
その存在が、知りたい。怖い。

そんなことばかり、思う。

私の中にはこんなにあなたがいるのに。
あなたの中には同じだけ私がいない。

そんな身勝手な、ことまで、思う。

…あの人の前では、指輪を外すのだろうね。
他の人と会う時は、いつも。
私は、一度たりとも外した事がないのに。

私といる時だって、薬指にはしてくれないよね。
それは、いつかその指に別の指輪をはめるから?

…子供じみてるって、わかってる。
こんな証明、なんの意味もないって。

でも、たったそれだけの事が、本当に、嬉しい、んだよ。


感覚が、変なんだ。痛みが、鈍くて。
意識が、どんどん胡乱になっていくようで、怖くて。
私は確かにここにいるのに、世界が離れていくように、感じて。

こんな時だから、逢いたい、って強く願うのに。
私がそれを許せないのは、自分を保てる自信がないからかな…

誰の目にも触れさせたくない。壊したい。
って、かなり、本気で、考えてしまってるからかな…

やだな、どうしてこんなことばっかり考えちゃうんだろう。
どうして、こんな愛し方しか出来ないんだろう…

ちゃんと、出来てたはずなのに。いつから、こうなっちゃったんだろう。

痛い…

2005年12月02日(金)



 うえ。

少し、落ち着いた気がする。
頻度が大分、下がった。痙攣もしない。
ふとした時に、襲っては来るけれど。
この程度なら、大丈夫。

背中を預けて、ぼんやりと上を見るのが好きだ。
思いに囚われることなく、何も考えることなく、
ただ、無を装える時間が、好きだ。

言葉が、ひどく遠いのと、
フィルターを通したかのように不明瞭な視界さえ除けば、
ふつう、だ。多分。


2005年12月01日(木)
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