空虚。
しずく。



 ツミと、ヨロコビ。

あなたは、どこまで優しいんですか。


どんな言葉も痛みでしかないなら、

言葉などいらないように、私に溺れさせてあげる。

この手に、全ての想いを込めて。


予感すらしていなかった。

ありえないと思っていた。

こんな日が、くるなんて。


だけど、忘れられない。

私の幸せは、あなたの痛みの上にあるということ。


求められた歓びに、また、罪が重なる。

それでも私は、君が…欲しい。



2003年01月30日(木)



 君に、私を見た。

手に入れた、なんて思わないよ。

私はあなたに一番近いところにいる人のような、

"ただ一人"にはなれないから。

代わりなんて、いくらでもいるんだから。

だけど、嬉しかった。

『君を、好きになっていたらよかった』

それは、叶わぬ想いだけれど。

私は、幸せだよ。

あなたの中に、"私"を見たから。

あなたの中に、"私"を残せたから。

2003年01月23日(木)



 違うんだ。

そのことで泣いたんじゃないよ。

もう、ちゃんと整理ついてる。

体はもう綺麗にならない。

でも、心があるなら、いい。

汚れは、初めてのあの時にもう落ちなくなっているんだから。

今更、そんな事思わないよ。

だから、私が泣いたのはね・・・?


あなたのこと、なんだよ。


好きだから欲しい。

欲しいから好きだ。

あなたへの気持ちがわからなくなってきてる。

「愛してる」って言えるのに、

わずかな戸惑いがそれに嘘を含ませる。


何がしたいのか。

何を望んでいるのか。

何が、欲しいのか。


すべて、満たされない。と―――

わかっていて、それでも「欲しい」と思うのは、


・・・違う?


どうすれば、私は楽になれるの。

それは、私にしか出せない答えなのに。

あなたに、何かを言って欲しいよ。

何度も、同じ事を言われているのに。

それでも、ダメだから望んだのに。


「ねぇ、私は何がしたいの?」


やればできる、なんて嘘だ。

頑張れば何とかなる、なんて嘘だ。

出来ないことの方が多いじゃないか。

頑張ったってなんにもならないじゃないか。


『世の中は希望に満ち溢れている』

もう、言えないね。

知ってしまったから。


残ったのは、絶望と、涙だけ。

だから言ったのに。

「この世はそんなに綺麗じゃないよ」


それでも、手をさし伸べて欲しいの?

2003年01月17日(金)



 今、出来ること。

あの人に、言いました。

ものすごく、勇気がいったけれど。

あの人は、言いました。

「どうしてもっと早く言わなかったの。」

・・・滅茶苦茶に、泣きました。

あの時は、ちっとも涙なんか出なかったのに。


絶対、死なないんだ。と誓いを立てました。

あんな男に負けてたまるか、って。


親は、ダメでした。

でも、一人でもやっていきます。

独りじゃ、ないから。


今度あの人と、警察に、被害届を出してきます。

思い出すのは辛いけれど、泣き寝入りはしたくありません。

2003年01月11日(土)



 

… …こんな戻り方なんて、ないよ

しずくは、腕を切ってた
血を塗りたくりながら、笑ってた
少しだけ、泣いてた
『気持ち良くなるのは、あなただけじゃないですか』
それだけを、繰り返してた

「助けて」の一言が言えなかった
私からどう言えばいいんだろう。
あの人に私はどう思われるんだろう
以前なら、考えもしなかったのに

二人のしずくに共通しているのは
あの人、の名前をただひたすらに呼ぶことだけ

… 私まで、どうにかなっちゃいそうだよ

ねぇ…傷が深すぎて、どこから癒せばいいのかわからないよ

2003年01月08日(水)



 7

今日で一週間になる。
なんだか、あっという間だった。

抜け殻の"しずく"は
あいかわらず座ったまま、暗い目で先を見てた。
「えりな」と名乗った彼女に触れられても声一つ上げなかった
子供の"しずくは"
景色全部拒むかのように目を閉じてた
「この子はまだ、怯えてるんだ」
泣きじゃくりながら、首を振るばかりだ

みんな、疲れている。
私も、ため息が多くなった

友達と繁華街に出かけて気を晴らした
誰かが傍にいると、少しは落ち着くような気がしたから。
カラオケで好きな曲をめいっぱい歌った。感情もこめて。

"しずく"は、
私が久し振りに歌った
Janne Da Arcの「桜」を聞きながら泣いてた。

無表情なまま、涙だけ流してた。

… …とても、つらくなった。
この子の心は、いつ戻ってくるんだろう。

2003年01月07日(火)



 五日たって

今日で五日目。
あの日以来、しずくは出て来ない。
こんなこと初めてで、私はどうしたらいいんだろう?

目が覚めて、「なか」の白い天井じゃなくて、
「そと」だと実感してしまう蛍光灯を見るのが一番嫌。
そして、この体に違和感がないのがもっと怖い。

『"しずく"は、もう主人格としてやっていけないよ』

十七年よく頑張ったね、って褒めてあげようよ。

誰かがそんな風に言って、泣いてた。


こんな日が来るなんて考えてなかった。
しずくはしずくのままだと思ってた。

完全に二つに分かれてしまった。
感情だけを閉じ込めた子供と、その抜け殻に。
今はもう、悲鳴と喘ぎ声しか聞こえてこない。
なのに、私にはどうすることも出来ない。
助け出す事も出来ない。
触れることも出来ない。

「あのひと」の名前を呼ぶ幼い声が聞こえても。
助けを求める声が聞こえても。

あのときのように、見ていることしか出来ない。


… …私も、少しつらいよ。
平気な顔で親や友達に笑うのって。

ねえ、なんでこんなことになっちゃったんだろうね…

普通に生きたいって、願って笑ってた日も…
しずくも…、すごく遠くなっちゃったね…

2003年01月05日(日)



 正月からこれって

やっぱりしずくはどこかおかしい。
久し振りにあんな冷めた目を見た。
… …不安定にも、ほどがある。


帰り道。
あきらかに挙動不審な男がいた。
いや、駅からつけられてた。
絶対やばいと思った。

…当たって欲しくなかったが、勘は当たってしまった。


正直、怖かったのは男よりもしずくの方だった。
キスされてる間、ぼーっと空を見ていた。
指を突っ込まれても、あれを銜えさせられても、
何もされてないみたいに空ばっかり見てた。
声もあげなかった。

目を覗き込んで、ぞっとした。

感情を一切遮断してる、目だった。

「自分の、体だろ」
望がそう絶句していた。

男は執拗にキスを繰り返し、指を突っ込んでは息を荒げた。

私はとにかく逃げないと、と必死になった。
… …なのに、しずくはそれも遮断していた。

「このまま犯されてもいいのか!?」
一番近い所にいる望の声も届いてないみたいだった。

…その後どうなったのかは、知らない。

しずくは、
「どうして私なんか欲しがるんだろうね」
と、言って笑った。

その笑顔もやっぱり、怖いと思った。

2003年01月01日(水)
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