doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 「Antony at Carnegie Hall, 10.13. 2005」掲載の画像

左上: Antony And The Johnsonsの『I Am A Bird Now』、右上: Lou Reedの『The Raven』、下: Jimmy Scottの『Lost And Found』ルー・リード、デヴィッド・ボウイ、ローリー・アンダーソン、ベット・ミドラー、アントニー、そして中央にはジミー・スコット。

「Antony at Carnegie Hall, 10.13. 2005」で見た。
私の今年一番のお気に入り画像となるかもしれない。
デヴィッド・ボウイのオフィシャル・サイト掲載版はこちら

ちなみに、アントニーは傑作アルバム『I Am A Bird Now』(今年5月に日本盤発売)で、「UK/アイルランド出身のアーティストに与えられるもっとも権威ある音楽賞」である「マーキュリー・ ミュージック・プライズ」を受賞している。
アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズの作品の試聴はこちら

アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズが、「マーキュリー・ ミュージック・プライズ」を受賞(『blues interactions』)

2005年10月31日(月)



 企画展『西平ウメとトンコリ』10/29〜翌年1/23 北海道で開催

樺太出身のアイヌ民族である西平ウメさん(1901-1977)と、樺太アイヌの弦楽器トンコリの企画展『西平ウメとトンコリ』が、アイヌ民族博物館(北海道白老郡白老町)の特別展示室 において、10/29(土)〜翌年1/23(月) まで開催される(『アイヌ民族博物館』10/21付より)。

藤村久和 著『アイヌ、神々と生きる人々』(1995年, 小学館ライブラリー)『アイヌ民族博物館』のトップページにある「チラシ(PDF 1.1MB)」によると、「ウメさんが使っていたトンコリ」、「ウメさんの手による、美しい刺繍の施された衣装や、帽子、靴なども展示」する一方、「ウメさんの演奏を試聴するコーナーを設置」とのこと。
トンコリ奏者のOKIが今年5月に新作『TONKORI』を発表したことにより、樺太アイヌの伝承曲が一部の音楽ファンの間で注目されているようだが、その正真正銘のオリジナル音源が何曲か聴けるかもしれない。
さらに「チラシ(PDF 1.1MB)」によると、西平ウメさんの「演奏風景を収録した映像もあります」とのこと。まさか、トンコリを演奏する西平ウメさんの映像が残っているとは。しかも、公開してくれるなんて実に素晴らしい。

『アイヌ民族博物館』のトップページと「チラシ(PDF 1.1MB)」 に掲載されている、西平ウメさんの鮮明な写真にも驚かされる。いずれも私が初めて見る写真で、この企画展への関心と期待が高まってしまう(過去に見た西平ウメさんの数枚の写真は、どれも画質が劣悪だった)。
企画展『西平ウメとトンコリ』を見るために北海道まで行きたいくらいだが、関東でもぜひ開催してもらえないだろうか。

・関連: アイヌ民族の西平ウメさんによるトンコリ演奏の音源(『doo-bop days』2005年06月08日)


泉 鏡花 文学賞の平成17年度受賞作が、10/17(月)、寮 美千子『楽園の鳥 カルカッタ幻想曲』(講談社, 2004年10月)に決定した。
泉鏡花文学賞
泉鏡花文学賞に寮 美千子氏 「楽園の鳥 カルカッタ幻想曲」 来月22日に授賞式(『北國新聞』2005年10月18日)

寮 美千子の『イオマンテ めぐるいのちの贈り物』と、姉崎 等の『クマにあったらどうするか』寮 美千子といえば、個人的には安東ウメ子さんが即座に思い浮かんでしまう。
アイヌ民族の熊送りの儀礼であるイオマンテを題材にした寮 美千子の絵本『イオマンテ めぐるいのちの贈り物』(画: 小林敏也, 企画: 十勝場所と環境ラボラトリー, パロル舎, 2005年3月)では、アイヌ民族の中本ムツ子さん、「アイヌ民族最後の狩人」の姉崎 等さん、そして安東ウメ子さんなどが、寮 美千子による取材に協力

寮 美千子は2002年11月16日、神奈川の相模女子大に安東ウメ子さんをお招きし、『アイヌの歌と語り』(口承文芸研究会 主催)を催してもいる。
寮 美千子の泉 鏡花 文学賞受賞は、天国の安東ウメ子さんも喜んでおられることだろう。

・寮 美千子ホームページ『HARMONIA』
・寮 美千子 - 訃報 アイヌ文化の巨星・安東ウメ子さん逝く(「Cafe Lunatique/寮 美千子の掲示板」2004年07月15日(木))

2005年10月26日(水)



 The Velvet Underground / Gold

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Previously unreleased original mixes」による2曲が、6月にひっそりと発表されている。
ユニヴァーサルの2CDアンソロジー・シリーズ『Gold』のヴェルヴェット・アンダーグラウンド編に収録されている、「Temptation Inside Your Heart」と「Stephanie Says」の2曲がそれ。
前者はベースの音が聴き取りにくい他は、従来のヴァージョンと特別大きな違いはない。後者は、楽器が左右逆のチャンネルから聴こえるうえ、バッキング・ヴォーカルによる低音のパートがはっきり聴こえるのが印象的。
「Previously unreleased original mixes」というこの2曲への表記は、ブックレットには書かれている一方、裏ジャケットの曲目リストにはどういうわけかない。
本CDは、ヴェルヴェッツ・ファンの間でさえ何の話題にもなっていないようだが、コアなファンならチェックしておいて損はないかも。

ところで、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3枚組ブートCD『Ultimate Mono & Acetates Album』に続く第2弾が、間もなく発売される予定。EPI関係の音源を収録した1CDらしい。

記憶の彼方へと忘れ去っていた、懐かしの「ビートルズ論争」『音楽中心日記』(10/16付)経由で10数年ぶりに思い出した。
「ビートルズ論争」の数年前の1989〜90年にかけては、「中村とうようVS渋谷陽一 論争」もあったっけ。

10月某日、マイルス・デイヴィスのブートなどを買いに渋谷に行く。
タワーレコードに寄り、マーク・ドレッサーの新作CDを探していたところ、巷で評判の箏(こと)奏者・八木美知依の17絃箏による新作CD『Seventeen』(10/8発売)が目に留まる。

2002年12月8日に新宿ピットインで観た、ジョン・ゾーン / ビル・ラズウェル / 山木秀夫によるペインキラーの1stショウに、坂田 明、灰野敬二などと共に女性箏奏者がゲスト出演した。それが、今手にしているCDの八木美知依であることと、今年4/12に新宿ピットインで観たアトミックのライヴの何日か前に、アトミックのドラマー、ポール・ニルセン・ラヴらと共演ライヴを行った女性箏奏者も八木美知依であることを、レコード店によるコメントやCDの宣伝文句を読んでいるうち、突如思い出す。

裏ジャケットの3曲目「SEDNA」に「(FOR MARK DRESSER)」と記載されているのも駄目押しとなり、CD『Seventeen』を購入。CDの内ジャケ&ライナーのクレジットによると、プロデュースは、『ミュージック・マガジン』誌連載の「じゃずじゃ」の執筆者であるマーク・ラパポート(!)。
まだ少ししか聴いていないものの、八木美知依の『Seventeen』は、CD帯の「ポスト邦楽の先端を行く」に偽りなしの秀作だと思う。
なお、本CD『Seventeen』のジャケットにおけるスタイリストは、山口小夜子とのこと。近いうちに、八木美知依のライヴを観に行くつもり。

八木美知依 × 山口小夜子(『蒙古斑革命』八木美知依インタビュー)
→[10/22追記] 『ミュージック・マガジン』誌2005年11月号P.86〜87の八木美知依のインタビュー記事を読んで驚く。八木美知依の「夫」は、「マーク・ラパポート」(!)とのこと。

南インド古典音楽の声楽家・故M.S.スブラクシュミの3枚組ライヴCD『Naada Sudha Rasa』、セネガルのチョーン・セックの新作『Orientation』、トルコの少数民族ユニットのカルデス・トゥルクレールによる新作『Bahar』を、10月某日、渋谷のEL SUR RECORDSで買う。
10/16には、名盤の誉れが高いM.S.スブラクシュミの2CD『Live At Carnegie Hall, U.S.A.』(1977年録音)が、オフィス・ザンビーニャのライス・レコードから発売された(2002年発売のインド盤の直輸入国内仕様)。
M.S.スブラクシュミのCD(インド盤)の多くは、日本のレコード店では入手しにくい現状のなか、『Live At Carnegie Hall, U.S.A.』の再発は喜ばしい。

Smt. M.S.Subbulakshmi's Homepage
【追悼−南インドの古典音楽の大家、M.S.Subbulakshmi氏逝去・・・】 (『@TOWER.JP』)

2005年10月20日(木)



 トップページに掲載した作品 Vol. 12

シズラ『SOUL DEEP』(8/12発売の直輸入盤, 試聴

スーパー・ファーリー・アニマルズの『ラヴ・クラフト』(8/24発売の日本盤, ボーナス・トラック2曲追加, 歌詞の対訳付き, 10月の来日公演決定, 試聴

メンフィスのサザン・ソウル・シンガー、オリー・ナイチンゲイルの1970年代ディープ・ソウルの“幻の名盤”『スウィート・サレンダー』(8/5発売の日本盤, 1973年発表, 世界初CD化, 日本語解説付き, 試聴

キャサディ姉妹によるデュオ・ユニット、ココロージーの『ノアズ・アーク』(9/2日本先行発売, アントニー他参加)

インド、パキスタン、レバノン、エジプトなどのエキゾ・グルーヴを集めたコンピレーションCD第2弾『ヤッラー!ヤッラー!2』(8/24発売の日本盤, 監修/選曲/解説: サラーム海上, 第3弾のスピリチュアル編も同時発売)

ボブ・ディランのザ・ブートレッグ・シリーズ第7集『ノー・ディレクション・ホーム: ザ・サウンドトラック』 (9/14発売の日本盤, 日本版完全翻訳ブックレット付, 試聴

ディジー・ガレスピー&チャーリー・パーカーの歴史的発掘ライヴ音源を収録した『Town Hall, New York City, June 22, 1945』(6/21発売のCanada盤)

フェラ・ランサム・クティ & ヒズ・クーラ・ロビトスの『ハイライフ・ジャズ・アンド・アフロ・ソウル(1963−1969)』 (9/16発売の日本盤, 3CD, 日本独自の企画・編集による超レア音源集)

ジミ・ヘンドリックスの2枚組DVD『Live At Woodstock 〜 デラックス・エディション』(9/21発売の日本盤


Willi Williamsの『Messenger Man』 (9月上旬発売の直輸入盤, 試聴

セロニアス・モンク・カルテット with ジョン・コルトレーンの歴史的発掘ライヴ音源を収録した『At Carnegie Hall』(9/27発売のUS盤, 1957年11月29日のEARLY&LATEショウを収録, 日本盤はセキュアCD=新方式のCCCD, 試聴

レイ・チャールズの全盛期とされるアトランティック時代の作品を7CD+1DVDに収録した家宝物ボックス・セット『Pure Genius - The Complete Atlantic Recordings(1952-1959)』(9/20発売のUS盤, Rhino, DVDは1960年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルでのパフォーマンス9曲等を収録したリージョン・フリー, 試聴


キング・クリムゾンの4枚組CD『The 21st Century Guide To King Crimson Volume Two 1981-2003』(9/28発売の日本盤

Rip Rig & Panicの初CD化となる1981年発表の1stアルバムに、同年発表の2枚のシングルから4曲を追加した『God +』(Progressive Line, 9月下旬発売のオーストラリア盤, 本CDは正規盤ではない

2005年10月07日(金)



 コノノ・ナンバー1 来日公演決定?

リップ・リグ&パニックの1stアルバム『God』が初CD化、発売は9月下旬以降と、半月くらい前にヴィニール・ジャパンの広告で知る。
ディスクユニオンによると、発売レーベルは「PROGRESSIVE LINE」とのこと。これは、私が持っているAndwellaのCD『Worlds End / People's People』と同じレーベルで、AndwellaのCD『Worlds End / People's People』は正規盤ではない(音質も悪く、確かアナログ起こし)。
リップ・リグ&パニックのCDもPROGRESSIVE LINEレーベルであるだけに、正規にライセンスを得たCDであるかどうか怪しい。音質にも不安を抱いてしまう。しかしながら、私は買うつもり。
→[10/8追記]Rip Rig & PanicのCD『God +』(Progressive Line)は、アナログ起こしと思われる。ただ、各曲のエンディングから無音である曲間にかけての数秒間を注意深く聴かないと、それとはわかりにくい。極めて良好な盤質のアナログからコピーした模様で、CD全編を通し、針ノイズは皆無に近い。

ピーター・バラカンのFM番組を聞いた友人から、ザ・バンドのボックス・セット『A Musical History』のUS盤(9/27発売)はCCCDであるとピーター・バラカンが話していた旨聞く。
その裏付けとなる情報をネットで少し探してみたが、10/1の時点では見つからず。一方、同日本盤(10/19発売予定)は、CCCDでの発売を回避できたらしい。

何ヶ月か前から、SONYのノイズ・キャンセリング・ヘッドホンの広告を電車内でよく見る。それに対抗してか、先行発売であるBOSEのノイズ・キャンセリング・ヘッドホン、クワイアットコンフォート2の広告が、9/26(月)の新聞朝刊に大きく載っていた。

私は1年半くらい前、BOSEのノイズ・キャンセリング・ヘッドホン、クワイアットコンフォート2を購入し、通勤時に使っている。値段、音質、外界との遮音、携帯性、携帯電話による通話&メールの送受信が半径数メートル内で行われた時に生じる不快なノイズの点で、多少の不満はあるものの、クワイアットコンフォート2は総じて納得のいく商品であると思っている。

ただ、アレルギー体質の私にとって、クワイアットコンフォート2のイヤーパッドは肌に合わない。ヘッドホンを装着して1分もしないうちに、耳の皮膚にわずかながらアレルギー反応による刺激が走るうえ、クワイアットコンフォート2を使用するようになって以降、耳の一部にアトピーが常態として出来てしまっている。
ちなみに、自宅で使用しているオーディオ・テクニカのヘッドホン(ATH-W11JPN)には、そのようなアレルギー反応は起きたことがない(植毛人工皮革イヤーパッドとのこと)。
BOSEには、アレルギー対策の施されたイヤーパッドを別売りオプションとして用意する等、個人的には望みたい。

EL SUR RECORDSの「LATEST RECOMMENDED CD BEST10」9/25付によると、コンゴの“人力轟音電気ミニマル・アフロ・グルーヴ”、コノノ・ナンバー1の来日公演が決定したとのこと。公演日時、場所などの詳細は、現時点では不明。

キング・クリムゾンのオフィシャル・ブートCD『Live In Brighton』(Club30)が、Discipline Global Mobileから9/30に届いた。
キング・クリムゾンの1971年10月16日のライヴを2CDに収録。オーディエンス録音で、音質はあまり良くない。懐かしのブートCD『Schizoids』と同一音源と思われる。名曲「Islands」収録。

マイルス・デイヴィスの1970年12月16〜19日のライヴを収録した6枚組CD『Cellar Door Sessions 1970』は、海外盤が9/27の発売予定であったが、延期となった模様(発売は早くて10/27か?)。 

以前から公式発売の噂があったマイルスの1970年12月16〜19日のライヴであるが、それらを正規に収録した試聴用CD-Rが、一部の関係者・コレクターのもとに数年前から存在する一方、そのCD-Rをコピーしたオフィシャルに迫る高音質のブートも、すでに広く出回っている。
音楽評論家の『杉田宏樹のJazz Diary』8/13付によると、今回発売される6枚組CDは、ジム・アンダーソンがリミックスをし、音質がさらに向上しているらしい。

2005年10月01日(土)
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