朝の駐車場公園で蝉の声が聞こえなくなりました。夏の終わりでしょうか。
衆議院選挙が終わり、自民党の大敗が決まりました。
いわば、明治以来の政治の流れが一挙に崩れたといえましょう。
民主党が新しい時代の流れを創るための第一歩、旧体制解体の役割を担ったことになります。
投票率が7割近くという戦後最高となった事実は、いかに国民の我慢が限界に達していたかを示しています。
国民の積もり積もった怒りや悲しみ、不安や不満が、参議院選挙で大勝した民主党を利用して、変革を要求した結果です。
これからは私たち一人ひとりが、自分の生き方に選択と責任が必要となりますね。
これまでの親方日の丸的な社会体質から抜け出すときが来たようです。
午後から中野裕弓さんのトークショーが開かれました。
彼女はまさに今の時代の牽引者の1人です。
世界に向けて、東洋的「ウイン・ウイン win win みんなが倖せに!」を発信しています。
朝、風雅と名残惜しい散歩に出かけました。
彼の目の奥に刻みこむように、祇園用水の大樋から見る四方の眺めをゆっくり楽しみました。
風雅は「ふうむ!」というため息にも似た声を発して感動を表現します。なんども「ふうむ!」と言っては、満足そうな笑顔を私に向けてくれます。
2週間前、久しぶりにあった瞬間、大泣きされたことが嘘のように、すっかりジージが出す気になったようです。今日帰ってしまうで、次に会うときがちょっと心配です。
乳幼児には「今」しか時間はありません。時間の概念がまだできていないので、少し間が開くと、また一から始まります。
随分前の言葉ですが、maternal deprivation syndrome(母親離断症)という言葉が入ってきました。未熟児など色んな事情から、こどもが長い間母親から離された時に起こる、自閉的行動や虐待などのの現象を表現したものです。
母親もこどもも、長い間の離別が、情愛行動を難しくしてしまうというものです。
分かる気がします。
今日は学会日です。
「妊娠高血圧症学会」「日本生殖医学会中国地区」をはしごしました。
夜は学会に集まった後輩の先生方と心温まる小宴を楽しみました。
帰宅すると風雅たちが帰っていました。
| 2009年08月28日(金) |
やすらぎ出産リハーサル |
早朝お産がありました。
とてもいいお産をされたのですが、カンガルーケアで赤ちゃんを胸に抱きながら、「CDのおかげでとても安心してお産に迎えて、本当に嬉しかった。よかった!」と、言ってくれました。
妊娠30週前後の妊婦健診の時、当院出産予定の方に「安らぎ出産リハーサル」というオリジナルCDを渡します。
収録してあるのは、リラクゼーション、イメージリハーサル、出産用丹田呼吸法です。ナレーションは森千鶴さんというリラクソロジストの専門家です。音楽は癒しのシンセサイザーで著名なミュージックセラピスト宮下富美夫さんの音楽を、息子さんのジョディがこのCDように編曲してくれました。
このプログラムは長年暖めていた、私独自のものです。丹田呼吸の息の音は私自身のものです。
収録は長野にある宮下富美夫音楽事務所から機材を持ち込んで、アイナリーホールで行いました。
聴いてくれた多くの方が「気持ちよくって寝てしまいます!」と言われるのですが、眠らなくなるまで聴いて練習してくれることが安産につながります。
そんな私の思い入れがあるものですから、冒頭のお母さんの言葉は私をとても喜ばせるものでした。
午後からつがる健生病院の産科医、齋藤美貴先生が見学に来てくれました。感謝!
また少し暑さがぶり返してきました。
午後からエンジョイ育児サークルがありました。
新型インフルエンザの影響か、参加者が15組ほどと、いつもに比べ随分少なかったようです。
その分ゆったりと楽しい時間をすごしておられました。
夜は柔整師の卵君たちへの講義に出かけました。
この2ヶ月ほど、パーソナリティと意志、志などについて勉強してきたので、今日は総集編のつもりで中村文昭さんのDVDを見ました。
彼の熱く語る世界に、一同感動しておりました。
「なんのために」、「返事は0.2秒」、「頼まれ事は試され事」などユニークな言葉がぼんぼん出てきました。
いつきいても感動します。
| 2009年08月26日(水) |
ダイコンにも血液型? |
定期的に通院されている方が、面白いファックスがきましたと1枚の紙を見せてくれました。
ある機関の情報提供書で、血液型は人間だけのものではなく、動物はもちろんのこと(血液がありますから)、なんと植物にもあるというものでした。
植物の中には、糖タンパクからなる血液型類似物質があって、人間の血液を凝固させることができるのだそうです。
ダイコン、ブドウ、キャベツはO型、ソバ、バラはAB型だそうです。
面白いのは、カエデの紅葉で黄色に染まるのはAB型、紅く染まるのはO型ですって!
変わった研究をするものですね。
でも、パーティジョークに使えるかも!
| 2009年08月25日(火) |
壁磨きスクワット効果 |
明け方、お産のために家をでると、薄明かりの空にすじ雲が刷毛ではいたようでした。
1時間おきに二人の赤ちゃんがやってきました。
このところ、妊娠中、100回以上のスクワットを勧め、皆さんが熱心に励行してくれています。
今日出産されたお二人もその成果があってか、とてもスムーズな経過でした。
お二人目の方は、お父さんが海外出張なので、残念ながら立ち会えませんでした。赤ちゃんは軽い呼吸障害が出て、手当てが必要でしたが、無事回復してほっとしました。
昼、OHKテレビが新型インフルエンザについての取材に入りました。
妊婦がかかると重症化しやすいとWHOが勧告を出し、日本もそれを受け入れたからです。
アメリカのデータでは1ヶ月間に34人の妊婦の感染が報告され、11人が入院、6人が呼吸障害で亡くなったというものです。
そんなわけで、ニュースに取り上げようということでした。
幸いに、岡山県は他県に比べ、感染者は少ないようです。
急に秋風が吹き出しました。
朝、風雅と散歩にでると、日は昇っているのですが、冷気を含んだ風に二人とも一瞬身をすくめました。
秋は予想外に早く来そうです。
この季節、高校時代によく歌っていた歌があります。
秋
秋だ 秋だ 風にゆれてなびくススキ 風に揺れて光るススキ 秋は野原に響く
秋の野の情景が目に浮かびます。
夕飯にサンマが食卓を飾りました。
銀色に輝く新サンマがふっくら焼けて、食欲をそそる匂いが辺りを包みます。夏大根の辛さと、生醤油が味を引き立てます。スダチを絞り、ガブッとほおばるとに、この季節ならではの至福の瞬間がやってきます。
まさに秋です。
2週間ぶりにブローグラスクラスへ出かけました。
暑いのも極限を過ぎると結構平気になるのですが、問題は終わった後の滝のような汗です。
これはいつまでもとどまるところを知りません。
これさえなければもっと楽しいのにとは思うのですが、それがあってもなお行きたくなるというのもまた面白いものです。
夜、法則史学研究会岡山例会が開かれました。
今回は「安岡正篤(やすおか まさひろ)に学ぶ」を林英臣先生より講義されました。
その中で「情理」を重んじるという言葉が私をとらえました。
最近の医学用語では「ナラティブとエビデンス」ということになるでしょう。
ナラティブは個人の人生に添ったケア、エビデンスは科学的根拠に基づいたケアということになります。
日本ではまさに随分昔から医療の大原則を一言で表現した言葉があったのです。
新型インフルエンザがついに牙をむき始めました。
妊婦検診で受診された方々から、もし感染したらどうなるのか?、どうすればいいのか?、治療は受けられるのか?など質問が相次いでいます。
WHOの勧告を受け、日本産婦人科学会は、妊婦は重症化する可能性が高いので、感染が疑われたら速やかにタミフルなどの抗ウイルス薬を服用するように勧めることに方針を変更しました。
しかしここからが問題です。
同時に、妊婦間の感染拡大を防ぐ目的で、風邪症状のある妊婦、もしくは産後のお母さんは、直接産婦人科を受診しないよう呼びかけています。
それをするには、受診されているすべての方々に、この方針を伝えなけれなりません。
それにしても、日常的に風邪症状を訴えてこられる妊婦さんや授乳中のお母さんの数はかなりの数に上ります。 明らかに発熱している方はまだ注意のしようがありますが、発熱をともなわない場合は防ぎようがありません。
混乱は始まったばかりです。
うす曇の気持ちのいい朝、6時過ぎに風雅を抱いて散歩を楽しみました。
朝寝をしている猫にあい、庭仕事をしているおばあちゃんに挨拶し、犬の散歩をしているおじさんと立ち話です。
笑顔を向けられると、思わずニコッと笑顔を返します。それをほめられて、またにこっとします。
こどもにとってなんと冒険に満ちた世界でしょう。
川にたくさんの水が流れ、田んぼに青々とした稲が、あぜにはところどころに花が咲いている風景が、原風景の一つになることを祈りながら家に帰ると、やはり緊張していたのか、手を広げる母親に向かって大きなため息をしながら身を預けていました。
午後の「共に育つ会」を終え、夜、歓送迎会がありました。
会場は柳川交差点近くのイタリア料理店、「テンダロッサ」です。ここは以前から時々お世話になるので、オーナーシェフのご主人フロアマネージャー奥様をはじめ、スタッフの方々がとてもよくしてくれます。
長い間共に働いてきたスタッフを見送る仲間の気持ちは、退職と結婚が重なるので、悲喜こもごもです。
私にとっては娘のようなものですから、幸せになることを祈るばかりです。
それにしても、感動創造委員会活動はしっかり根付いた感があります。
担当の人たちのまさに心のこもったおもてなしのありようには感心してしまいます。
12:50ころから、毎週木曜日の同じ時間帯でRSKラジオの「生命はぐくむ人たちへ」というサン・クリニック専用番組の収録がありました。
今回は更年期?それとも還暦症候群?というお話をしました。 もちろん還暦症候群などという病名はありません。いま私が勝手につけたものです。
その内容は、先日2〜3人続けて、60歳を過ぎて心身の不調をかかえた方が、もしかしたら更年期障害ではないかと外来を受診されました。
気分の落ち込み、疲れやすい、頭痛、肩こり、不眠などの不定愁訴はまさに更年期症状とよく似ていますが、還暦を過ぎては更年期とは言いません。
還暦はまさに人生の一周期(十干十二支)を終え、人生の始まりに帰るときですから、新しい人生(一般的には残された人生)をどう生きるかを突きつけられているのです。
肉体的には衰えていくのですが、考え方や、行動は、それまで生きてきたさまざまな癖をそのまま残しています。
それどころか、よく頑固になるといわれるように、その癖があたかも自分のアイデンティティのように、それにしがみついてしまうのですね。
そうなると、毎日が楽しくなくなる一方です。 その結果が自律神経失調状態をきたすのだと思います。
古いからをすっぱり脱いで、肉体ではなく、知恵を使って楽しく生きることを目指すことがいいですね。
還暦は一通りの人生を終えて、生まれなおす、つまり赤ちゃんになることかもしれません。乳幼児期の子どもには時間という観念がありません。まさに「今」を「快?不快?」で過ごしています。
還暦がきたら楽しく人生を送るために時間を忘れ、我を忘れてすごしたいものです。魔法の言葉、わずらわしい事が起こったら、「よきにはからえ!!」はいかがでしょうか。
ダライ・ラマは「生きる目的は幸せになること」といわれました。
その目的を果たして、次の世界にワープしたいものです。
いかがでしょう。
朝6時前、快晴。もう秋晴れという季節感です。
すっかり明るくなっている青空を、朝日に赤く身を染めた白鷺がつぎつぎと6羽、東にむかって飛んでいきました。紅の色が実にきれいです。
夜を惜しむようにコロコロと鳴くこおろぎの声と、数匹のすずめのさえずり、時を告げるお寺の鐘の音などが、風一つなく静まり返った庭に彩をそえています。
涼しい空気に身をゆだねていると、ふいに小学校のころの記憶がよみがえってきました。
私の故郷、北海道の西の果て岩内は、当時夏といえども朝夕は火の気がほしくなるほど寒いものでした。
夏休みのラジオ体操で6時集合の広場では、集まった小学生たちが、三々五々グループを組み、しゃがんで身を縮め、寒さをしのいでいたものでした。
孫の風雅が起きだして、少し覚醒しきれない顔をむけ、にこっとしました。
徐々にじいじの存在に慣れて生きます。
赤ん坊がいる朝はなんと賑やかなことでしょう。
家族が次々と孫の風雅の周りに集まり、一挙手一投足に笑いや歓声がわきあがります。
娘もあやしてが多いのと、実家の気安さで、随分ゆったりした気分のようです。
今日はお盆休みあけですので、クリニックもなかなかの混雑です。
朝8時過ぎ一晩中夫婦で陣痛に耐え抜いた出産がありました、
陣痛の合間に声をかける私につらそうな視線を向けます。いきみが入るこの時期は陣痛を耐える時間に比べると少し苦痛が少なくなります。そしてもうすぐ赤ちゃんに会えるという気持ちもまた、耐える勇気を与えてくれることもあります。
赤ちゃんが生まれた瞬間、お母さんの顔がパッと明るくなりました。「赤ちゃん!」と叫んだお母さんの声に呼応するように、お父さんの顔がくしゃくしゃになり、張り付いたように緊張していた顔が一気に崩れ、涙があふれました。
部屋中を感動が包みます。
夜は久しぶりに家族全員が集まり、娘のイタリア料理に舌鼓を打ちました。
食後、風雅をつれて散歩に出ると、暗闇に緊張した面持ちでしばらく我慢していましたが、ついに泣き出してしまいました。
感性が研ぎすまされている乳幼児期は漂う雰囲気をよく感じるのでしょうね。
朝から、帰省している息子とドコモショップへ出かけました。よく混み合っているので、開店と同時に入ろうと意気込んで行ったのですが、あにはからんや、かなりすいた状態でした。
おかげでこれまで困っていたことや、分からなかったことに丁寧な応対を受けて、気分よく帰りました。
夕方、長男と長女、そして孫の風雅が帰ってきました。
もう忘れているかなと予想したとおり、私の顔を見た瞬間泣き出しました。 正常な発達をしているのですが、“すぐ慣れる、すぐなれる”の妻のなぐさめを聞きながらも、一抹の寂しさを感じました。
ぐっすり眠っている孫の顔を見ながら、倖せ気分で一緒に眠ってしまいました。
盆と正月、親族一同が集まります。
今年も孫たちを交え、賑やかに近況を語り合い、絆を確認する大切な行事を楽しみました。
日本には本家と分家という制度があります。
私は北海道で育ちました。 北海道は国内では例を見ない、いわば開拓の歴史刻んできました。 幕末の戦いで敗れた各藩の流刑の地ともいえるのかもしれません。 あるいは訳ありの人々の行き着く先でもあります。
そんな中でも本家筋、分家筋がありました。 食糧難の時代、野菜の収穫時、農家の親戚にお裾分けをもらいに行くのが楽しみでした。 冠婚葬祭、盆・正月、波乱含みの親戚の集まりに、何か少しスリルを感じながら、大人の中で過ごした記憶があります。
今日から当院もお盆休みです。15日が土曜日ですので、16日まで4連休です。
皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご容赦ください。
朝、退院診察など、少し仕事をするため出勤しました。もちろん当直医はもうクリニックに入っています。
息子が帰り、久しぶりに家族で食事に出ました。
ビュッフェ方式のイタリア料理をおいしく頂きました。
ジオジオーノというヘルシーな食材にこだわったイタリア人シェフがいるお店ですが、夏休み特別企画だそうで、家族連れでにぎわいました。
明日からお盆休みのためか、外来が混み合いました。
連休中は海へ山へと出かけるのでしょう、特に小児科は今日のうちに来ておかねばという子どもとお母さんで満杯状態でした。
午前中、退院のお見送りに出ますと、たくさんの子どもたちと旧交を温めることができます。私のことを覚えている子もかなりいるので、走り寄ってくる子どもとスキンシップを交わすのはとても嬉しい瞬間です。
ところで、スキンシップというなじみ深い言葉は平井信義先生が日本に広めたということを知り、驚きました。
平井信義先生は「こころの基地はおかあさん」をはじめ、多くの育児書を出された育児学の大御所です。直接にはお会いしていないのですが、心友の故山口茂嘉岡山大学教授が師事されて、私に先生の深い教えを伝えてくれました。
日中、前期破水のため長期入院していたお母さんが無事出産にこぎつけました。 お母さん、お父さんほはじめ、家族の皆さんが安堵の涙でいっぱいでした。
なにより私自身ほっとしました。
先日の台風による大雨で、兵庫県佐用町でたくさんの犠牲者を出しました。
友人が開業しているのでお見舞いの電話をしたところ、診療所は高台にあるので無事だったということで胸をなで下ろしましたが、クリニックに幼い頃から通っているこどもが避難する途中に、鉄砲水に巻き込まれて犠牲になったと、つらそうに語っていました。
一度講演に呼んでいただいたのですが、町内の主要箇所がほとんどすべて水に浸かったということです。テレビに映し出される惨状は目を覆うばかりのものでした。
岡山でも美作町で大きな土砂災害がおこり、犠牲者を出しました。
そして今日は東海地震です。
震度6強という激しい揺れで、東名高速が静岡で崩れ、通行止めが続いているので、お盆の帰省ラッシュは大変なものでしょう。
夕方、甲賀に住む若き友人夫婦が訪ねてきてくれました。結婚前にあったきりなのに、もう元気な二人のこどもたちの親になっていました。懐かしい限りです。
夕餉のメインディッシュは今年の初物、サンマ(秋刀魚)でした。
40cmもある、脂ののった見事な姿と、焼き上がりの香ばしいにおいは、いやが上にも食欲をかきたてました。
豪勢にかぶりついた瞬間のその味は至福そのものでした。
個人的に明るいニュースです。
夜8時、クリニックを出ると久しぶりに月をみました。
木々の間から聞こえる虫たちの鳴き声も、随分大きくなりました。
日を惜しむように、時折セミが鳴いています。
今日も密度の高い一日でした。
お盆休みの前なのでしょうか、ハイリスク妊娠・出産が集まっています。看護スタッフの仕事もなかなか終われません。
午後7時を過ぎても残務処理に追われている看護スタッフたちに、「充実した一日を過ごすと、名残惜しくて、なかなか帰れないね」と冗談を言うと、一斉にグッとにらまれました。
看護スタッフのみならず、けっして多くはない陣容で、骨身を惜しまずがんばっているスタッフのみなさんに、心の中で手を合わせています。
朝から体温に近い気温に包まれています。
午後遅くブローグラス教室へ行きました。
溶けたガラスを取りに窯の口に近づくだけで顔が焼けるほど熱い。
取ってきたばかりの溶けたガラスは水飴ほどの柔らかさですが、数分で固まってしまいます。固まってしまうとふくらませたり、形を整えたりできなくなります。
逆に、ガラスの玉をつけた吹き棒を回し続けなければ、ぐにゃっと、形がくずれてしまいます。
固くなれば焼いて、吹いて、形を整えて、の繰り返しをするのですが、この間ずっと回し続けます。
集中力との戦いですが、不思議にこの間は汗が出るのを感じません。出来上がった器を鉄の棒から落とし、除冷機に無事入れた瞬間、汗が噴き出します。
2時間ほど工房にいますと、全身が水につかったようになりますが、爽快な気分です。
この2~3日間は晴れていますが、夏の果物の糖度が少しは上がったでしょうか?
暑い日が続きます。
昨夜は1年ぶりで陶芸作家、山本教行先生ご夫妻と心豊かな時間を過ごしました。
鳥取県岩美にある岩井窯で仕事をされています。 岩井窯は周囲を山に囲まれた、広く静謐な広場を囲むように登り窯、工房、資料館、展示即売展、食事処などが並んでいます。
そこに立っただけで、大きな手に包まれている気分になります。
バナードリーチ、河合寛次郎といった民芸の巨匠たちの薫陶を受けた作風は、力強く、しかも優雅です。シルクロードに栄えた陶磁器を思わせるどっしりとした存在感を感じさせるのも、私の好きな作品群です。
現在、岡山天満やデパート5階美術画廊で個展が開かれており、昨日が初日で、12日(水)までです。一見の価値があります。
午後、回診をしていますと、賑やかな声が聞こえました。
初孫に会いに来たおばあちゃんの喜びにあふれた感嘆符です。
お祝いをいう私に向かって、「私は自分の主治医の先生に宣言したんですよ。孫が生まれても可愛いなんて絶対思わないというと、苦笑いした先生は“それは困りました”と言われたんです。私は大間違いしていました。なんとかわいいでしょう!信じられません。私の初孫です。」
娘であるお母さんは、少し困惑しながらも、嬉しそうな笑みを浮かべていました。
| 2009年08月06日(木) |
オランウータン母性スイッチ |
やっと梅雨明け宣言。にもかかわらず朝からムシムシが続いています。
午後2時佐賀駅に着きました。
時折台風の前触れのような天候の岡山とうってかわってカンカン照りです。 暑い。
先日の大雨で浸かったという北口の大通りをタクシーで文化会館へ案内されました。日本看護学会での講演が目的です。
女性の運転手さんが佐賀地方の特徴について教えてくれました。
農業、特に米作りに特化しているようですね。今月半ばには日本で最も早い新米が出回るということでした。
講演は「いのちと倖せをつむぐ子育て・孫育て」という題で、対象は母性看護に関わる方々と、市民講座を兼ねていましたので、一般の方々や、子育て支援の方々などのようでした。
内容はこどもが豊かに育つためのお母さんスイッチはもちろん、こころの深い部分に、お父さんや祖父母などに役割スイッチが入る必要性、そのためには母性といういのちの仕組みに関わる医療者に立志が必要なことを柱にお話ししました。
その中で、昨日書いたライオンの母性本能スイッチの続き、オランウータンの母性についてお話ししました。
動物園で飼育されている動物たちは野生と違って、大型獣ほど子育ての世代間伝達がありません。妊娠・出産・育児の現場にふれるチャンスがないからです。
旭山動物園のめすオランウータンのもとに、年配のおすオランウータンが婿入りしました。年の功か、ユーモアあふれる紆余曲折を経て、うまく若いお嬢さんのこころをとらえ、妊娠しました。
お嬢さんが信頼を寄せている飼育員の努力もあって、無事出産となったのですが、生まれたばかりの赤ちゃんオランウータンを見て新米お母さんはビックリ動転してしまいました。
そばにあった南京袋を頭からかぶり、イナイ、イナイを決め込んでしまいました。
小菅園長は飼育員に母乳をすわせることを命じました。何とか無理矢理赤ちゃんをおっぱいにつけると、信頼の厚い飼育員に逆らわずなされるがままになっていました。
人間以外の哺乳動物は赤ちゃんがお母さんの乳首を探し、それに吸いつくのですが、この育児拒否にあった赤ちゃんオランウータンもやっと吸いつくことができました。
これで母性本能スイッチが入ったかと思ったらそうはいきませんでした。
そこで次の策、抱かせなさいと命じました。
嫌がるお母さんの腕を取って一生懸命抱かせました。
驚いたことに、徐々に母性行動が始まり、全身で赤ちゃんを抱きかかえ、一時も話さなくなりました。
そして、二人目の赤ちゃんが生まれたときには、すっかりベテランの母親ぶりを発揮したというのです。
霊長類になると、はじめて乳房が胸に発達し、抱くという行為から母性本能スイッチが入ると小菅園長は語りました。
では、人間は?いかがでしょう。
| 2009年08月05日(水) |
ライオンの母性スイッチ |
先日の母乳育児シンポジウムでは旭山動物園の元園長、小菅正夫さんの特別講演がありました。内容は動物によって異なる母性スイッチ・オンという、とても興味深いものでした。
動物園に飼われている大型獣たちの妊娠出産は、観察が行き届いていてほとんどきちんと管理できているそうです。
ある時まったくノーマークだったライオンが突然出産になりました。
居室を何気なくのぞいたら、なんと4匹の赤ちゃんが生まれていました。産んだ当の母さんライオンは何事もなかったかのように平然と歩き回っていました。最近太ったかなと思う程度の体型だったのに、なんということでしょう。
すわ一大事とばかりに、外へのドアを開けると、幸いにスタスタと出て行きました。大急ぎできれいなわらを敷き、人間の匂いがついてはいけないので、いつも使っている掃除用具でそっと赤ちゃんライオンをわらの上に置きました。
再びドアを開けると、新米母さんライオンは普通にはいってきてわらの上に横たわりました。4匹の赤ちゃんは匂いをかぎつけたのか、次々とオッパイに寄っていって吸い付きました。
その様子を窓からじっと見ていると母さんライオンも普通にこっちを見ていました。
3時間後、様子を見ようと窓に顔を近づけました。
目があった瞬間、さっきは平気だった母さんライオンが猛然と窓に向かって飛びかかってきました。その目は闘争心に満ちていました。仔を守る母に変身したのです。
ライオンは授乳することで母性本能にスイッチ・オンというお話でした。
暑い大気が身にまとわりつくのを感じます。
蝉時雨、絶好調です。
月の初めだけあって、昨夜は4人の未来からの使者たちがやってきました。
午後2時過ぎにWHOの「赤ちゃんにやさしい病院」担当官である来日中のランダ・サーディ氏が国立岡山病院小児科医山内先生の案内で来院されました。
とてもチャーミングな方で、1時間足らずの短い時間でしたが、かなり細部にわたり、観察されました。
スタッフ一同、緊張感もありましたが、楽しい時間を共有できました。
世界中を飛び回っているとはいえ、スイスに住んでいるせいか、日本の暑さと、個人の家の小ささに驚いたようです。
そういえば、一時日本の住居は「ウサギ小屋」という言葉がはやりました。欧米の住居環境から見ると、かなり小さいのでしょうね。
ランダさんはフランス語の方が流ちょうだと聞きましたが、日本の住居「ウサギ小屋」の最初の表現はフランス語のようです。
そのことが書かれている一文を紹介しましょう。
「ウサギ小屋」については調べると、初めて登場した際、EC(欧州共同体)の報告書に「日本人はウサギ小屋のような住居に住んでいる」との趣旨のことが書いてあるとのことでした。当時の新聞を調べてみると「ウサギ小屋と変わらぬ住宅環境に生息している働き気違いの国」というように表現されています。 そこで、英語ではどのように表現されているか調べてみると、「日本は西欧人から見るとウサギ小屋(rabbit hutches)とあまり変わらないような家に住む労働中毒者(workaholics)の国」となっています。但し、問題の箇所以外を読んでも、日本に対して批判的ではない。その上、文法的な誤りがいくつかあるなど、英語としてあまり出来がよくないのです。 おかしいな、とよく読むと、原本はフランス語で、英語に翻訳されたと注釈があります。ウサギ小屋については原文では「cage a lapins(カージュ・ア・ラパン)」。辞書で「lapin」を調べると「cage a lapins」で一つの成句になっていて、「画一的な狭いアパルトマンの多くから成る建物」と定義してある。つまり、都市型の集合住宅のことを表す俗称で、別にほめる意味はないが、侮辱する意味で使ったものでもないようだ、ということに気付きました。フランス人の住むパリの集合住宅もこう呼ばれます。何も特に日本を揶揄するために新たに作った表現という訳ではないのです。
昨夜札幌から帰りました。
母乳育児シンポジウムに参加して、新千歳空港午後5時発JALを利用したのですが、なんとコンピューターのチェックインシステムが不具合を起こし、人力でチェックイン手続きをしているではありませんか!
最初なんのことやら分からないまま、じっと待つのみでしたが、繰り返し放送されるアナウンスでやっとそのわけを飲み込むことができました。
空港スタッフの人たちの緊張感あふれる行動は見ていて同情に値するものでしたが、コンユーターに依存しているこの便利社会のもろさを露呈したものでした。
コンピューターを管理しているのは別のコンピューターですし、次世代コンピューターを産み出すのもそれ以前のコンピューターであることを思うと、もうすでに我々の日常がコンピューター管理に入っていることを実感します。
結局2時間ほど遅れて無事帰宅することができました。
ニュースではなんと、この不具合は朝の羽田空港のシステムチェックに端を発して、日本中の空港に広がったらしいですね。
| 2009年08月01日(土) |
母乳育児シンポジウム |
母乳育児シンポジウムの初日です。午前9時実行委員長、服部司氏による開会挨拶で始まりました。
全体のタイトルは、「ひびけ、ひろがれ、母乳育児」です。
今年の参加者は約800人くらいと予測されています。
会場は1000人のイス席が用意され、ゆったりとしています。午前中2/3ほどうまっていましたが、午後のランダさんの講演、それに続くシンポジウムにはほとんどいっぱいになりました。
嬉しいことに今年も盛会です。
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