子育て情報交換
sunclinicの日記

2005年02月28日(月) ママのスリッパ

つぶらな目をした、かわいい1才半位の男の子が、外来のトイレに通じる通路を走っていきました。大人にとってはほんのわずかな距離でも、幼い頃はとても長く大きな空間に感じます。お母さんから離れて遊べるようになるのはとても大事なことで、お母さんとの間に目に見えない信頼の糸が納豆のネバのように出来ると、そのネバが切れない距離でお母さんから離れ、友達と遊んだり、一人遊びができるようになります。
その男の子は小さな声で[ママ!ママ!]とつぶやきながらお母さんを探しているようです。トイレの前に一足の外来用スリッパが置いてありました。お母さんがきっと中にいるのでしょうか。片方のスリッパをさっとつかむと、胸に抱っこするようにして、「ママだ!ママだ!」と言いながらロビーのほうに戻っていきました。そのスリッパの片方を抱えながら遊んでいるのですが、離そうとしません。そのうちにやはりお母さんがトイレから出てきました。スリッパの片方だけを履いています。子どもがスリッパを持っているのを見て、「あら、あら、あなたが持っていたのね。ママにちょうだい!」と声をかけると、スリッパを抱えたままうれしそうにお母さんの前をぐるぐる回っていました。



2005年02月27日(日) 展望レストラン

今日は助産師のための母乳セミナー2日目です。「食育」の講演の後、「赤ちゃんにやさしいことへのチャレンジ」という演題で講演させていただきました。450人くらいの方々にBFH(赤ちゃんにやさしい病院)認定への道のりとその役割の継続についてお話しました。ありがたいことにかなり熱心に聴いてもらえたようです。
講演終了後、会場があるプラザホテル9階展望レストランで家族とともに昼食をとりました。ここは以外にも穴場でした。うっかりしていたことにもう30年岡山に住んでいるのに、しかも数え切れないほどホテルに来ているのに展望レストランは利用していませんでした。展望という名にふさわしく、後楽園を一望の下に見回せます。私は3500円の松華堂弁当を食べたのですが味も良く、かなりのボリュームでした。2000円あまりのエビフライ、タン・ハンバーグシチュウもなかなかのものでした。少し得をした気分になりました。



2005年02月26日(土) 感動から生き甲斐へ

今日助産師のための母乳育児セミナーが岡山プラザホテルで2日間の幕を開けました。夜の懇親会では久しぶりにお会いする人たちとお互いの絆を確認するような、心温まる時間を持つことが出来ました。セミナーの参加者は、北は北海道から南は奄美大島に至る広範囲にわたりました。
その中に佐賀県から内野産婦人科医院のスタッフが院長夫人とともに総勢5人で来られていました。一年くらい前にお会いした方々で、同医院は昨年「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されました、佐賀を代表する母乳育児推進の先頭に立っています。スタッフは母乳育児がしたくて集まったほど、全員一丸となって取り組んであられます。
母乳育児推進は多くの感動ストーリーを体験します。この感動が生き甲斐になったとき、その行動は本物になり、継続性を持ちます。このような施設が増えることで、日本の母乳育児率が向上します。
懇親会の後、親しい人たちとともに暖炉を囲んでゆったりした時間を過ごしました。感謝。



2005年02月25日(金) 皇太子様の子育てコンセプト

昨日、皇太子様が子育てに関するご意見を語られた際、ドロシー・ロー・ホルトの「子ども」という詩を引用された記事が新聞に載りました。妻がそれを読んで、いつも彼女がプレゼント用に持ち歩いている詩であることの教えてくれました。確かに最後の一節は子育ての王道で、この一説を説明するために残りの言葉があるのでしょう。

子ども          ドロシー・ロー・ホルト

批判ばかりされた 子どもは
非難することを おぼえる
  殴られて大きくなった 子どもは
  力にたよることを   おぼえる
笑いものにされた 子どもは
ものを言わずにいることを 覚える
  皮肉にさらされた 子どもは
  鈍い良心の もちぬしとなる
しかし、激励を受けた 子どもは
自信を おぼえる
  寛容にあった 子どもは
  忍耐を おぼえる
賞賛をうけた 子どもは
評価することを おぼえる
  フェアプレーを経験した 子どもは
  公正を おぼえる
友情を知る 子どもは
親切を おぼえる
  安心を経験した 子どもは
  信頼を おぼえる
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じることを おぼえる

子育て経験者には胸を刺されるような言葉もあります。つらいけど、こころにしみる言葉です。



2005年02月24日(木) 小泉首相の子育て観

今日昼食時のテレビで小泉首相が特別番組に出演していました。当然のことながら、郵政民営化など国政の様々な問題についての質問が飛び交いましたが、最後の方で俳優の江成氏が小泉首相の子育て観についての国会答弁にふれたとき、我が意を得たりとばかりに「子育てはしっかり抱いて、そっと降ろして、歩かせる」と自らの育児論を披露しました。その内容は、“すくなくとも3才まではしっかり抱いてかわいがり、大切にそばに置いて育てるべきで、こどもに自分は愛されている、認められているという意識をしっかり持たせるべきだ。そうすればその後は自分で、人を愛し愛される世界を築いていける”というものでした。全くその通りと思うのですが、少子高齢化や教育政策をみていると、首相の意見があまり生かされていないような気がするのですが、いかがでしょうか。



2005年02月23日(水) お餅効果

健診に来られた二人目妊娠のお母さん、基準体重をどんどん超えていくことに「太らないようにと食事に気をつけてはいるのですが、普段すぐおなかがいっぱいになるのに、最近はいくらでも食べられるのです。お餅もきな粉餅がとっても美味しく、3個くらいツルッと入ってしまいます。これってご飯3杯分ですよね、どうしましょう?」と、ニコニコしながら話してくれました。
確かにお餅はよくかんで食べるようには出来ていません。まさにツルッとのどを越して行きますね。確かに腹持ちはいいのですが、消化もよく、それだけにカロリーは高い食品です。普段低カロリー食であった昔は、産後に赤飯やお持ちを食べることで、母乳をたくさん出すことをしていました。高カロリー食が一般的である現代では、お餅がおっぱいをつまらせる原因になることがあるので、むしろ控えめがいいようです。
そんなことをお話した後、「ひょっとしてお子さんの残り物を“もったいない”と食べていないでしょうね。もったいないお化けが出ますよ」というと「あたってるかも!」と肩をすくめていました。



2005年02月22日(火) 階段遊び

今日も外来待合ホールは子どもたちのさまざまな声で賑わっています。のぞいてみますと、走り回ったり、ビデオを見たり、ワクチンの後泣いていたりする中に、歩けるようになったばかりの子どもがお母さんに付き添われて階段を一心に登っていました。よく見る光景です。
子どもは登るのが習性のようです。生まれたばかりの赤ちゃんでもカンガルーケアで見られるようにお母さんのおなかの上、そしておっぱいへと上っていきます。腕の力もなかなかのものです。はいはいが出来るようになるとつかまり立ちをしようとします。これも上に登る行動です。
階段を上りきるとお母さんにおろしてとせがみます。抱っこしておろしてあげると、早速また登り始めます。何度でもこれを繰り返します。きっと本能を満足させる行動なのでしょうね。
そういえば私も小さかった頃、よく木登りをしていましたし、ポプラの木に基地を作ってはターザンごっこなどをしていました。まさに猿真似ですね。



2005年02月21日(月) インフルエンザ騒動

最近のインフルエンザの猛威は半端ではありません。今日も外来が始まるや否や、3人の妊婦さんが小部屋を占領してしまいました。次々とインフルエンザの検査を行い、陽性を確認しては漢方薬「麻黄湯(まおうとう)」を中心に処方し、生活の注意を説明し、速やかに帰っていただきます。他の受診客にうつさないためです。
今年は流行がかなりずれて、もう下火になっているはずの2月になって猛威をふるっています。ワクチンもあまり役に立っていないようで、簡単にうつってしまいます。特効薬「タミフル」は妊娠中胎児への影響がはっきりしないため、積極的には使いにくいですし、授乳中も乳児への影響がはっきりしないことから同じことが言えます。以前にも書いたかもしれませんが、前記の麻黄湯がかなり有効です。2日ほどで随分改善します。
いずれにしても予防は手洗い、うがい、マスクということになります。それと普段から身体をよく動かし、血行を良くすることと、しっかり息を吐き出してから十分におなかに息を吸い込む腹式深呼吸を一日何度もして肺をきれいにすることが、感染予防に役立ちます。ここしばらく収まりそうもない状況ですので、気を抜かずに生活してください。



2005年02月20日(日) うたた寝

昨日までの雨と打って変わって穏やかな晴れとなりました。午前中、瀬戸内市長船町へ母親学級の講師で行ってきました。
瀬戸内市は最近邑久郡3町(牛窓町、邑久町、長船町)が合併して出来た新しい市です。役場のスタッフは業務が落ち着くまで大変のようですが、皆さん張り切って仕事に取り組んでおられました。よかったのは、いままで長船町住民に限られていた出席者が他町村まで広がったことです。今日も新しい保健師さんと長船町以外の方が出席され、熱心に親子の絆のお話を聴いてくれました。
午後からは久しぶりに家に居りましたが、次第に寒さが強くなり、ついにはコタツへもぐりこみ、うたた寝の幸せな時間を持つことが出来ました。めったに入ることはないのですが、コタツは気持ちいいものですね。感謝!



2005年02月19日(土) 達人の生き方

今日の楽しみは今年最初の“すこやか健康講座”に赤枝先生をお招きしたことです。赤枝郁郎先生は大正12年生まれの82才、外科、皮膚科を専門にされているのですが、今もお元気でお仕事をされています。日本の性教育の草分け的存在です。20年あまり前、得度され、お坊さんでもあります。泥仏の作者としても知られています。年140回あまりの講演をこなされています。
今日の講演は実に楽しいものでした。ふくよかな仏様のような風貌から繰り出される歯に衣を着せぬ世評の風刺は、最後まで笑いの渦を巻き起こしていました。しかし、生い立ちを加えた自作の語りと童謡「母を思う」のCDを聴いたときは一転して、こころに深くしみてくる、育てのお母さんへの感謝と追慕は涙亡くしては聴けませんでした。
お帰りになるとき「これから2日間の山篭り、自炊しながら一人だけの時間は、なかなかいいものですよ!」と笑みを浮かべ、颯爽と車中の人となりました。



2005年02月18日(金) 葉酸サプリメントは必要?

妊婦検診が終わり、気になることはありませんか?という問いかけに、待ってましたとばかりに「いろいろなところから妊娠中は葉酸のサプリメントを飲むべきだというアドバイスを受けるのですが、飲んだほうがいいのでしょうか?」と尋ねられました。日本はもともと野菜中心の食卓なので、普通に食事が取れていれば必要はないです。しかしこのところすっかり欧米化している若い世代では少し心配です。料理をしない人たちが増えているようなのも気になります。最近、アメリカの食傾向のほうが和風化しているニュースがよく流れています。
葉酸は緑の野菜、つまり葉のものにたくさん含まれています。でも調理をする時間を持たない人が増えているのは確かで、外食や弁当類、パン食にともなう野菜サラダの常用などでは十分な量の野菜を取れません。野菜サラダはボリュームがたっぷりの様でも、煮浸しにするとほんの一握りの量です。話題の葉酸やビタミンの補給にはとても足りません。和食と言いますと、魚を食べることと勘違いしている方も少なくないのですが、基本は根菜と葉野菜の煮浸しです。春が近いこのごろです。ぜひ生命力の強い旬の野菜の煮浸しを毎日の食卓に乗せてください。旬のものはスーパーに行くとわかります。一番安く、たくさんあって、積み上げているコーナーがそれです。
経済的で、料理簡単、健康的な野菜の煮浸しを食卓にどんどん乗せましょうと、その方にお話しました。



2005年02月17日(木) 転ばぬ先の杖?

「先生、私の年で妊娠してもいいですか?」と、受診された方が私の前に座るなり言いました。「もちろん、あなたはまだ若いし、3人目も大丈夫です」と言いながらカルテを見ますと、予想を上回る37歳でした。そのことを言うと、「夫も周りの人たちも、仕事を持っているのに高年齢の出産は大変だし、子どもが一人前になる前に命がなくなったらどうする?っておどかすんです。本当に無理なんでしょうか?」と真剣なまなざしです。
当然ですが、人はみんなそれぞれの立場で自分の考えを言います。たとえ40才を超えようとも、母体の健康への影響と言う点では医学的には十分出産や子育ては可能です。あとはその人自身の人生観というか、思いの程度になるでしょう。もちろん、家族の助けを考えると厳しいこともあるでしょう。子育ての最中に夫の定年を迎えることもあるでしょう。あるいは両親の介護などの出来事が始まるかもしれません。しかし、いずれにしてもまだおこっていないことです。先の心配をしても何も得るものはありません。出来るだけの準備は必要ですが、もっとも大切なのは、“私がどうしたいか”だと思います。
お話を聞いてくれたその方は少し元気が出たようでした。



2005年02月16日(水) 髪の毛電話

今日心温まる光景を見ました。
受診されたお母さんについてきた1才半くらいのお子さんが、お母さんのおひざの上でお母さんと私の会話をじっと聞いていました。お母さんはふとその子の指しゃぶりに困っているお話をされたので、指しゃぶりの指はこころの杖、という平井信義先生のお話をして、指しゃぶりはやめさせる必要のないことの説明をしました。その子の顔がなんとなくほっとしているように見えました。その後です。
「それとこの子がよくするのは私の髪の毛を触るのが大好きで、髪の毛を自分の耳の穴に入れるんです。おかしいですね!」とお母さんが言うと、子どもの顔がぱあーっと明るくなりました。「もしかしたら糸電話のように髪の毛電話で、お母さんとつながっているのかもしれませんね!」と私。子どもの手がさっと伸びてお母さんの髪をつかみ、自分の右耳にすっと入れました。とてもいい表情でした。



2005年02月15日(火) アメリカの母乳事情

アメリカのレベルの高い小児科専門雑誌に「母乳育児と人乳の使用」という論文が、小児科専門医の集まりであるAAPというところからの勧告という形で出されました。この「PEDIATRCS]という雑誌は日本を含めほとんど全世界で読まれるもので、かなりの権威を持っています。そこには激しい口調で、いくつかの母乳を飲ませられない場合を除いて、乳児にとって母乳育児こそ必要不可欠のものだと論じていました。現在アメリカの母乳育児率は出生早期で70%、6ヶ月時で33%、1歳児で18%ですが、2010年を目標にそれぞれ、75%、50%、25%まで引き上げたいとしています。「健康人々2010ゴール」という取り組みのようです。本文では最近の216の論文を引用しながら、お母さんのおっぱいを直接吸わせる母乳育児がいかに子どもの健康と発育・発達に有用であるか、そのことが一般によく理解されていないのはどこに問題があるか、どんなにミルク会社がメディアを使ってあたかもミルク瓶保育が育児法の標準であるかのような印象を与えているか、両親に母乳育児の大切さをどのように理解してもらい、広めていくか、そのために小児科医やこの仕事にかかわる人たちは何をすべきかなどを、事細かに説明しています。おそらくこの論文は近い将来、育児現場に少なからず影響していくことは間違いありません。
日本の学会や厚生省にはとてもまねの出来ない勇気と、権威ある行動です。



2005年02月14日(月) バレンタインデー

昨夜出産のために入院された方が、そろそろ産まれるという中で、ふっと目を壁の時計に向けました。思わずつられて目を移すと、まさに日が変わったばかりでした。傍らで同伴している夫を見上げにっこり微笑んで、「過ぎました!」と小声で言いました。ご主人も「うん」とうなずいて笑顔を見せました。そう、今日はバレンタインデーでした。まもなくかわいい女の子が生まれました。スイート、ビッグプレゼントですね。



2005年02月13日(日) 母乳育児は大事だよ

今日は朝から夕方まで、今年の日本母乳の会シンポジウム開催のための第五回実行委員会がありました。現在岡山市の母乳率は47%前後です。最近新聞、テレビを賑わしているノロウイルスによる感染性胃腸炎や、インフルエンザの流行などがあると、免疫物質を沢山含んで、病気から子どもの身体を守る母乳育児は特に大切になります。先日明治乳業から「母乳サイエンスミルクーほほえみ」が売り出されました。いかにも母乳に近づけているようにみえますが、牛の乳と母乳はどんなにビタミンやミネラルを加え、塩分を調節したとしても全く違うものです。また、母乳育児のように直接お母さんのおっぱいを吸うのと哺乳びんを吸うのとでは赤ちゃんにとって決して同じではありません。
いろいろな事情で母乳育児が出来ないことはあります。それはやむを得ないのですが、可能な限り母乳で育てたいものです。母乳の会シンポジウムは母乳育児を進めるために様々な育児関連職種とお母さんが集まって行う情報伝達のイベントです。8月6〜7日岡山国際ホテルで開かれます。7日はお母さんの交流会や講演があります。会費は1000円です。是非ご参加ください。



2005年02月12日(土) すき焼き

すき焼き
数日前から帰省していた息子が帰るというので、昨夜は久しぶりに家族がそろい、すき焼きを楽しみました。すき焼きはカレーライスと肩を並べる日本人が大好きなメニューですね。それだけに田舎の漬け物のように、その家独特の味があるようです。我が家のように子どもたちが家を出て様々な外の文化に触れるようになると、一人一人が独自のすき焼き文化を身につけます。凝り性の息子はそれにあったご飯を炊き、娘は彼女流のだし汁をつくり、家族みんながそれぞれのうんちくを語りながら鍋をつつきます。その話を聞きながら食事を楽しむのもなかなかいいものです。
皆様のご家庭のすき焼きはどんな味でしょうか?



2005年02月11日(金) 北の零年

吉永小百合主演の映画「北の零年」を観てきました。2時間半あまりの映画でしたがだれることなく一気に時間が過ぎたのはストーリーもさることながら、渡辺謙、豊川悦司などの豪華俳優人がたくさんの見せ場を作ってくれことによるでしょう。淡路の小藩稲田家が明治維新の混乱のさなか、北海道開拓に従事する物語です。北海道生まれの私にとって厳しい冬の、荒々しい姿はとても懐かしい光景でした。
しかしなんと言っても吉永小百合の魅力です。年齢を重ねる人間の美しさを見事に見せてくれました。素晴しい方ですね。



2005年02月10日(木) 中華三昧

昨日の日本対北朝鮮のサッカーは手に汗握るいい試合でしたね。10年間表舞台に姿を見せず、訓練に訓練を重ねてきた成果が見事に花開いたように思えました。試合全体の流れは、私のような素人目には、北朝鮮の方に勢いがあったように見えました。彼らはまさに戦士でした。競技場は戦場のようでした。血が燃えたいい試合でした。
今日は夜半からお産が続き、外来、手術、イベント、会議と密度の高い一日でした。夜、家族で久しぶりに中華料理を味わいに行きました。場所は市内西川沿い、後楽ホテル筋向かいにある「桃源郷」というお店です。外観に朱を使った中華風の店構えです。のれんをくぐると1階には何もなく、「2階にお上がりください」という案内があるだけなので、初めての客は何となく気が引けて入りにくい印象を受けるかもしれません。ご主人にお聞きすると、居抜きで買って改築したので、構造上やむを得なかったようです。古くからよく知っている店主なのですが、腕前は超一流です。酢豚、麻婆豆腐、焼き豚、焼飯、麺類、餃子、春巻などの家庭料理から蟹やアワビ、ナマコなどを使った高級料理や宮廷料理までメニューは実に豊富です。どんな料理にも情熱を込めて、工夫を凝らしていますので、実に安く、美味しく味わうことが出来ます。また、老酒は中国から直輸入のカメからくみ上げるもので、まさに絶品です。
家族で満腹・満足・感動・感謝のひとときを過ごしました。揚げ物の中にあった小さい唐辛子の素晴らしい辛さを味わって、「さすが本場の唐辛子はうまい」と言うと、すかさず「それは地のものです」と返されました。
私の、岡山一押しの中華料理店です。



2005年02月09日(水) 上の子からのプレゼント

妊娠確認のお母さん。「普段から月経不順なので、まさか出来るとは思っていませんでした。じつは上の子が不思議な行動をしたのです。いまもそうなのですが、寝るときは私がいないと絶対だめな子なのに、あるとき突然おばあちゃんの家に泊まりに行くと言い出して、さっさと行っちゃったんです。その日だけでまた元に戻っているのですが、どうやらそのときの受胎みたいです。偶然でしょうか?」
こどももお母さんもすごい感性だと思いますが、みなさんはどう思いますか? 



2005年02月08日(火) 妊娠には肥満大敵

今日も妊婦検診で何人かの方がウエイトオーバーの状態でした。順調に経過している妊婦さんを悩ませるのが体重管理です。現在推奨足される妊娠中の体重増加は出産までに8kgとされ、10kgまでが許容範囲です。時間軸を短くすると、2週間で1kg以内にとどめることを目安にします。
妊娠中太りすぎるといろいろな心配が出てきます。妊娠性糖尿病、巨大児、子宮内胎児発育遅延(小さい子)、妊娠中毒症、などなど影響が大きいのです。妊婦検診はまさに肥満との戦いと言っても言い過ぎないくらいです。でも、ほとんどは生活習慣ですから、ご本人には余り意識がありません。自分ではかなりがんばってダイエットに励んでいるようなのですが、あまりうまくいかないようです。
基本的には、和食にすること、子どもの残り物を食べない(もったいないお化けに注意)、甘いものや菓子パンには手を出さない、外食を控えめに、こまめに料理、などを留意するだけでかなりコントロールできます。
一番は意識です。今日もお話のときにっこり笑って“あら、こんなに増えているなんてびっくりです。”とあまり意に介さない様子でした。むなしさを感じます。



2005年02月07日(月) 花粉襲来

チラッとテレビを眺めると花粉症特集をしていました。皆様もとっくにご承知のように、今年は例年に比べ特別に花粉が多く飛来するようですね。関東地方のスギ花粉開花は2月10日だそうです。映像に不気味に赤く色づいた杉の花芽が山をおおっていました。山の管理人さんが語っていたところでは、彼がその仕事にかかわってきた20年来、こんなことは初めてだそうです。別の機関の予測では昨年の20倍だそうです。
数年前から私にも花粉症が出るようになり、外来中マスクをしたりで、かなり見苦しいのですが、いかんとも仕方ありません。治療は抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬、血管収縮剤、ステロイド、減感作療法などが一般的ですが、私は漢方薬を使います。これが意外と効果があります。食事はできるだけ動物性蛋白を控えて、火を通した野菜、つまり和食をとるように心がけます。
もともと花粉に対する抗体が身体にたまっていき、許容範囲を超えたとき花粉に対する拒絶反応としてさまざまな症状が出るものですから、大人の病気と思われてきました。しかし最近の特徴は幼児期からの発症が増えているので、なかなか大変です。2歳超えたら漢方がのめるので、もし発症したときはぜひ試されてはいかがでしょうか。



2005年02月06日(日) ハウルの動く城

今日ついに「ハウルの動く城」を観に行ってきました。日曜は朝9時から上映していましたので、朝一番に入りました。我が家の家族は皆すでに観ていますが、決して内容は明かさないのが不文律ですので、彼らの態度から期待度がふくらんでいました。宮崎駿の世界は私には名画「風の谷のナウシカ」の印象が強く、つい他の作品もナウシカに重ね合わせてしまいます。
それにしても「ハウルの動く城」はおもしろかった。十分に宮崎駿の世界を堪能させてくれました。懐かしい顔も沢山出てきます。三輪明宏さんの声はすてきです。木村拓哉さんは新しい境地かな?確かに話題性いっぱいです。
もっとも、これを読んでくれているほとんどの方はもう観ているのでしょうね。



2005年02月05日(土) 父親気分

今日は土曜日です。他のウイークディと待合いホールの情景が少し違っています。ご夫妻で健診に来られているので、男性の姿がずいぶん目につきます。一緒に超音波を見ながら赤ちゃんの成長を楽しみます。お母さんとは違ってお父さんは体感覚として胎児を感じることが出来ません。そのため赤ちゃんが生まれてもなかなか父親としての存在感を持つことが難しいようです。超音波は妻のおなかで今動いている自分のこどもと、リアルタイムに出会う瞬間ですので、ある意味でとてもメモリアルなひとときです。胎児の説明をしながらお父さんといろいろなことについて語り合います。目的は感動の共有です。お母さんの感動にお父さんがうなずきます。お父さんの赤ちゃん不思議発見にお母さんが同調します。私の役割は感動の火付け人です。



2005年02月04日(金) 子どものお得意

愉快なカンタ君がお母さんとやってきました。お母さんが横になっている間、突然歌いだしました。「これっくらいの、おべんとばこに、おにぎり、おにぎり3こいれて、・・・・
すじのながーいフーキ」という、皆さんもよく知っているわらべ歌です。手遊びも入っていて結構長いものですが、3歳の彼は全部歌えることがうれしく、2度繰り返し歌ってくれました。スタッフとお母さん、みんなで拍手しますととても満足そうに、でもちょっと恥ずかしげにうんうんとうなずいていました。そのあとはお母さんの検診風景をじっと見ていて、少しも邪魔しようとはしませんでした。自分の存在感(アイデンティティ)が満足されるとほかのことが受け入れられるのは、大人も子どもも同じですね。



2005年02月03日(木) 親の鏡

妊婦検診にお姉ちゃんと弟君がついてきました。検診をしている間、姉は弟の面倒をいろいろみています。その仕草はまるで小さなお母さんのようです。「どうしたの?ダメダメ!貸してごらん、そうじゃないって!ほらこうでしょう!」聞いていたお母さんは苦笑いです。
子どものモデルはご両親です。お母さんは日ごろ自分が子どもに言っている口調がそっくりなので、面はゆいやら、おかしいやら、まさに苦笑という訳です。
自分が日常的に否定的な言葉が多いのに驚いたと、あるお母さんが言っていましたが、子どもは親の鏡なのですね。



2005年02月02日(水) 自殺大国

インターネット配信の医療ニュースを見ていると2003年の自殺の分析結果が載っていました。人口動態統計によると自殺は過去最多の3万2109人。国内の日本人を対象とした統計で、そのうち73%は男性でした。曜日では月曜日が最も多く、平均男性80.7人、女性27.3人ということでした。また男性は夜明けに、女性は正午ごろが多いようです。男性は50代が特に多いようです。まさに日本は自殺大国の様相です。50代は高度成長期の申し子です。現代の特徴として、男が生きる意義を見失っていることもあります。
ほとんどの人は生まれたとき「おめでとう!」の祝福を受けます。お母さんもお父さんも幸せになってほしいと思って育て始めます。当然ですが、幸せになるために私たちは生まれてきたといえます。日本は有り余る物質文明で、形だけは幸せな国に見えます。心が育っていないこのような現象を見ると胸がふさがります。
人間の本能のうち、行動のパターンは“闘うか”、“逃げるか”です。そこにはいずれも自分を守るという前提があります。自殺は誰からも犯されることのない死への逃避といえるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。
これはある意味では自分の尊厳を守っているかのように見えますが、生命を維持するという動物本来の本能を捨てている状態です。人間は、自分だけでは生きる意義を感じることが難しい、「こころ」を進化の過程で獲得してしまいました。“愛”、“志”で表現されるアイデンティティを、子どもを育てるいま考える必要があります。親自身が、なりたい自分を見つける、自分の内になりたい親を見つけるために、小さな一歩を踏み出しましょう。



2005年02月01日(火) 赤いアノラック

今日はこの冬一番の寒波が日本を覆いました。九州まで雪が降っている風景が放映されていました。その中で、深い雪に覆われた新潟の、軒下まで降り積もっている雪を、黙々と雪かきしているお母さんの姿が映し出されていました。その傍らにできた雪の山で、赤いアノラックを着た女の子が嬉しそうに笑いながら遊んでいました。それを見ながら子どもの頃を思い出していました。
私の育った北海道岩内町は海に面した古くからの漁港です。冬は始終吹雪状態で、1m先が見えないことも珍しくありませんでした。今は随分少なくなりましたが、一晩で家がすっぽり埋まるくらいの積雪も一冬に何度かありました。街中でも通りを渡れなく、凍死する人が出ることもありました。そのため冬の仕事はまず玄関周りの雪かきと屋根の雪下ろしから始まりました。大人たちが四苦八苦している傍らで、子どもたちはいつも元気でした。雪の山ができるとすぐ、そこに穴を掘って鎌倉を作ったり、ソリやスキーが滑れる坂を作ったり、積もったばかりの雪の上に2階の屋根から飛び降りたり、いくらでも遊びを見つけたものでした。よくしかられはしましたが、楽しい子ども時代でした。戦後日本の進路が定まらなく、敗戦の影を引きずって、今日食べるものを心配していた頃のことでした。


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