台風16号が日本を縦断しています。この波に乗って29日夜半から10人あまりの赤ちゃんが当院にやってきました。ベッド数が少ないお部屋はあっという間に満床になりました。 御用繁多の一日を終えて明日に迫る頃帰宅し、遅い夕食を摂りながら、相手をしてくれた息子と人生の時間軸の話になりました。息子曰く、なりたい自分への夢想力と継続的努力、そして結果という3次元の時間軸があるという。夢想力が延びていき、継続努力がそれについていき、それを結果が追って来るというややいびつな時間軸だというわけです。数式に弱い私はあまり明確な形を想像できませんが、 達成満足度=tの二乗*夢想度*努力度*結果度(tは時間、度は自己評価率) という数式で表すことが出来るかもしれない。 なるほど、そう考えるとオリンピックで活躍した野口選手も、柔ちゃんも、北島選手も、そして井上康生選手もその達成満足度は同じレベルかもしれない。
今年は異常気象続きですが、台風も異常発生です。アジアを中心に、各地に大きな被害を受け続けていますね。 今回の台風16号は岡山では久しぶりに大きなものでした。午後3時頃、いつものように遅い昼食をとりながら、目の前に拡がる田圃の緑の稲穂を見ていました。強風に波打っている緑のうねりが、次々と変化していきます。渦を巻き、流れ、はためき、時に無風状態になるなど局部的に変わっていきます。 “風の通り道”がはっきり見えるのです。稲が倒れてしまわないことを祈りながら、そのダイナミックな風の行進を感動しながら楽しんでしまいました。 この風に運ばれて5人のこどもたちが生まれました。
予告しておりました岡山道産子会の夏祭りが、岡山駅西口近くのオルガホールで賑やかに開催されました。 今年は100人を超える参加者があり、始まる前から会場は熱気に包まれていました。奥様が北海道出身で会員である関係で、石井岡山県知事ご夫妻も私人として参加され、選挙を間近に控え、御用繁多のなかのひとときを楽しんでおられました。 いろんなイベント満載でしたが、中でも「うらじゃサッポロ」という、うらじゃ踊りのチームが参加してくれたことが祭り気分をいやが上にも盛り上げました。このチームの中に当院で出産された方がこども連れで参加しておられました。舞台に立ったとき、あれ!っと思ったのですが、全員参加の踊りの時、上のお嬢ちゃんを一緒に連れてきてくれました。お父さんは?と思ったらロビーで下のお子さんを抱いて、一緒に踊っていました。 このもうすぐ3才のお嬢ちゃんがすてきなプレゼントをくれました。しばらくはいつものクリニックではない私にとまどっていたようですが、輪になって踊るとき、スッと手を伸ばしてくれました。手を結び、リズムに乗ってそれは上手に踊りました。何度も何度も手をつなぎ、高校生の頃の梅ッシュの香がするフォークダンスを思い出しました。 祭りはいいですね!
| 2004年08月28日(土) |
縁奏会(えんそうかい) |
午後2時から「第2回縁奏会」が当院のアイナリーホールで午後2時から開かれました。主催は「ハイネット株式会社」というコンサルタント企業です。 当院の経営理念の一つ、“職員一人一人が、自分の生きている価値を日々確実に感じ、さらに高めていく職場を創り続ける。”を具現化するために協力をお願いしている会社で、実際には開院以来毎月開かれるスタッフ全員参加の「サン・クリニック共に育つ会」のコーディネートをはじめ、理念経営のコンサルタントをお願いしています。 角田識之(すみだ のりゆき)社長のメルマガ、「社長のビタミン・一日一語」の購読者が1000人を越えるたびに開かれる記念講演会と志を持つ人たちの交流会などのイベントです。ネーミングはご縁を奏でる会ということで、「縁奏会」です。全国から80人あまりの方々が参加され、熱気にあふれた会になりました。 山下事務長から当院の歴史と理念活動を紹介し、講演は角田社長が「感動経営」の本筋を話され、私が当院の経営理念といのちの成り立ちについてお話ししました。参加者の皆様から、幸いにも好意的評価を頂き、ありがたい思いをしました。 終了後の交流会でも心がふれあう会話で、会場は終始熱気に包まれておりました。
妊婦健診に来られた20才の方がいろいろお話ししているうちに「怖いんです。お産ができるかどうか不安です」とほとんど泣き出さんばかりでした。 決して珍しい光景ではありません。無理もありません。それまで赤ちゃんを抱いたこともないし、子守をしたこともない人たちが妊娠という現実にとまどってしまうのは当たり前です。つらさを和らげ、感動に満ちた出産をサポートするのは当然ですが、私たちが心配するのは出産がうまくいくかどうかではなく、子育てが十分にできるかどうかなのです。 恩師、山内逸郎先生の言葉を思い出します。子どもの未来を心から案じ、母乳育児がなぜ大切かを“産む女(ひと)を母に、生まれるヒトをひとに”する、人間が動物として獲得した自然の仕組みなのだと、一言集約されました。私の医療姿勢の基本の一つです。 私たちのクリニックでは赤ちゃんがお客様です。お客様を大切に思いますので、お母さんを、お父さんを、祖父母様を大切にします。
旭川の土手をタクシーで走っていると、黄昏が迫る夕暮れの中、淡いピンクのコスモスが風に揺れているのを見つけました。今日も日中はとても暑かったのですが、秋を告げるコスモスは少し涼しい気分にさせてくれました。 コスモスといえば数年前県北で見たコスモスの群生はそれは見事なものでした。最近休耕田を利用したコスモス栽培が見られることも珍しくなくなりました。遠出をしていますとその可憐な美しさに疲れが癒されます。 もうすぐ秋ですね。
| 2004年08月25日(水) |
岡山医療センター発進! |
夜、岡山周産期懇話会がプラザホテルで開かれました。私は8時過ぎまで外来診療だったので、遅れて参加しました。 今回は国立岡山病院が、今年から国の行政改革により「独立行政法人国立病院機構岡山医療センター」と舌を噛みそうな、お役所丸出しの名称変更になったのですが、それを記念し、院長が青山興司先生になったのに続き、産婦人科医長に多田克彦先生が就任されたので、その記念講演と、久留米の聖マリア病院周産期センター長の招待講演がありました。 その後の情報連絡会で、新しい岡山医療センターが成育医療を柱の一つに据え、岡山のこどもを守るために働く決意を述べられました。 来年には母子医療センターも開設され、まさに母体・胎児の周産期から思春期にいたる成育医療センターとなるようです。医師の数も専門医が30人態勢になるようで、我々開業医にとってもなのもしい限りです。
| 2004年08月24日(火) |
私の時間(マイタイム) |
体調不良で来られた43才の女性とお話ししました。不正出血があり、月経周期も早くなったり、遅れたりで乱れがちだといわれます。子宮癌検診を行い、子宮や卵巣に異常がないことを説明したのですが、どうも表情がさえません。家族は夫と受験期のお子さんです。 月経周期の乱れは卵巣の働きを調節するホルモンのバランスがうまくとれていないことによります。その理由はいろいろありますが、この方の場合はストレスといえます。 “最近少し疲れ気味かもしれません。”と彼女。“そろそろ自分にご褒美をあげたらいかがですか。誰かのために自分を犠牲にして尽くし続けると、愛情エネルギーが無くなってしまいますよ。年齢的にも人生の節目ですから、自分にご褒美をあげる時期ではないでしょうか。”と私。“ご褒美といっても・・・?”と彼女は困惑気味です。 自分を喜ばせるといってもなかなか思い浮かばないようです。まず必要なのは自分の時間です。これには誤解があります。専業主婦の方だからといって、自分の時間はなかなか作れないものです。それは意識が何かに縛られているからです。その呪縛から解放されるような、自分がもっともやってみたかったことをするための時間を確保する癖をつけることです。それができるようになったら、次にその時間を何に使うか楽しみながら探すといいと思います。
陸上の華、女子マラソンで期待以上の走りを見せた、野口みずき選手が優勝しました。当院スタッフの多くが睡眠不足気味の目をして、でもとても満足した軽い興奮状態で感動を語っていたくらいですから、日本中に感動をプレゼントしてくれましたね。 この時テレビの解説をしていたマラソン解説者、増田明美さんがアテネのマラソンコースの難しさを話しながら、最も大切なのはコンディションを試合の時に最高にする“ピーキング(peaking)”であると言いました。その調整は非常にデリケートで難しいということだった。あの誰もが優勝候補と思っていたポーラ・ラドクリフの失速、リタイアのように。 おもしろい言葉があるものですね。これはスポーツの世界だけではなく、誰にでも当てはまります。例えば講演の時など、準備が十分かどうかはとても大事ですが、講演の中に自分を入れていく作業がもっと大切になります。それがうまくいったときは終わった後の満足感が違います。ただし、滅多に味わえないものです。 これから少し、このピーキングという意識を持ってみようと思いました。
| 2004年08月22日(日) |
全国高校野球優勝旗北海道へ |
オリンピックにややかすんだ感がありますが、今年も甲子園で全国高校野球がありました。いわゆる、夏の甲子園野球です。 予想外のメダルラッシュがオリンピックで起こりましたが、甲子園でもとんでもないことが起こりました、なんと駒大苫小牧高校がなんと、優勝してしまったのです。すごい戦いでしたね。場の妖精という言葉がありますが、今年の妖精は北海道にほほえんだようです。 私は北海道生まれ、道産子です。岩内町という小さな町でも、小さい頃から甲子園は阪神タイガースの球場ではなく、高校野球の代名詞でした。北海道代表チームにはラジオで、テレビで、みんなと一緒に毎年応援していました。私の知る限りこれまで1回だけ決勝に進み、惜しくも破れた記憶があります。娯楽が今のように多様化していなかったせいもありますが、みんなで悔しがったことを覚えています。 86回を数える夏の甲子園大会で、ついに優勝旗が津軽海峡を渡りました。信じられない気持ちでした。北海道のすみずみまで感動が拡がっていることでしょう。よくやってくれました。
いうまでもなく柔道の覇者、井上康生選手のオリンピック敗退後、インタビューに答えて語った言葉です。感想をと求められ、「ここまで精一杯やってきました。今回のことは次の人生もありますから」と、言葉少なく答えました。 柔道界の第一人者として自他共に認める彼には、有形、無形の金メダルへのプレッシャーがのしかかってきていたことでしょう。その呪縛から解放されるためには、無惨とも言えるこのイニシエーションが用意されていたように思います。オリンピック人生を卒業して、次の人生への旅立ちへの区切りが出来たとても重みのある言葉でした。 スーパーヒーローのこの言葉が、流行語のように軽々しく扱われないことを祈ります。
| 2004年08月20日(金) |
やきもちと濡れ落ち葉 |
ひところ「あっしー」、「おれも行く」、」濡れ落ち葉」などという言葉が流行しましたね。今日はそんなお話です。 先日閉経後の方が受診されました。帯下(おりもの)が気になるというのです。よく聞いてみると、性生活がうまくいかないと言われます。痛みがあって、とても夫を迎える気にはならないようです。問題は夫がとても不機嫌になり、疑い深くなり、どこにでもついてこようとするので、だんだんうっとうしくなってきたというのです。夫は定年を迎え、家で悠々自適を楽しんでいるという。 このカップルの状況は決して珍しいものではありません。女性は閉経、男性は定年が引き金になります。まさに中年の危機、人生のクライシスといわれます。時に離婚にいたることもある夫婦の間に溝を作るのが「誤解」という産物です。 女性はこの時期、卵巣の老化によって膣の萎縮や乾燥などに加え、性欲が減少します。性交痛が出てくるため、セックスが苦痛になります。 男性は体力、気力が次第に衰え、人生に魅力を失ってきます。現代社会の仕組み上、愛されているか、信頼されているか、なんのために生きてきたか、これからどんな生き方が出来るかなどに迷いが出てくる時期です。 このような状態のなかで、性生活がぎくしゃくすると信頼関係に溝が出来ていき、ありもしないことを空想し、自分で自分を追いつめてしまうことがよくあります。いきおい、不信感からくるジェラシー(やきもち)、そこからくる暴力、ついには妻についてまわる、といった行動になります。 一番の特効薬は「思いやりと傍にいてくれたことへの感謝」を心の中に日々大きくすることでしょう。妻として苦痛ならホルモン補充療法も効果があります。夫への漢方も有効です。耐えることではなく前向きに取り組みましょう。
| 2004年08月19日(木) |
意識の化学反応その後 |
7月29日の日記、「意識の化学反応」を覚えておられますでしょうか。中野裕弓さんのCDレターのメッセージでしたね。意識の化学反応の日が今日8月19日でした。ごく最近まで意識していたのですが、なぜか今日は忘れていました。朝から何故か心さわぐ日だなと感じながら、当院のスタッフ会議、「共に育つ会」を終え、コンサルタントの先生を送って外に出てお見送りを済ませてふと横を見ると、なんと見事な虹が南の空にかかっているではありませんか!滅多に見ることの無いほどくっきりと鮮やかに、台風が通過している雲をカーテンに上に円を描きながら延びていきます。根の部分は2重になっています。というよりは2本の虹がかかっているのです。チーフが「今日が化学反応の日よ!」叫びました。 何かが起こるという予告でしたがこれか!という感じでした。そういえば東京オリンピック以来最高のメダルラッシュで日本中が沸き立っています。これぞまさに意識の化学反応と言えるでしょうね。
| 2004年08月18日(水) |
下男?それとも保護者? |
産後1か月検診に来られたお母さんとお兄ちゃんのお話をしました。大分歳が離れていて、8才、小学校2年生とのことでした。高校生になっても赤ちゃん返りがあるお話しをすると思い当たるふしがあるようで、うなずいていました。大きい子の赤ちゃん返りは、お母さんのいやがることをすることでわかります。お母さんの気に入るようにしていてはなかなか認めてもらえないので、嫌がることで気を引くわけです。お母さんはまんまとそれに反応するので、何度でも繰り返します。そのからくりを知って今日のお母さんは少し納得したようです。 “お手伝いしてもらったらいいですよ。たとえばおトイレに行きたいとき、「ちょっとだっこしていて!」といって、スッと預ければいいんです。”“でも、それはちょっと恐い。”“大丈夫です。2〜3分預けても危険はありません。預けられたという自分に対する信頼感が子どもには嬉しいのです。どんどんお手伝いしてもらってください。” “でも、今まで王子様のように大事にされていたのに、下男にするのですか?と教えていただいたことがあります。それが心に引っかかってなかなか出来ないのです。”“それは気持ちの問題です。手伝わなければ罰がくるのが下男です。手伝ったら「ありがとう!ホントに助かるわ。あなたがいないとお母さん大変!」などと貢献感を味わえるメッセージを送り続けると保護者感覚になります。誰かの役に立って嬉しいという感覚が、人のために働ける人間に育てるのです。” “そうですよね。少し思い違いをしていました。やってみます。”といわれました。もしかしたら、親子だけではないのかも・・・・?
オリンピック開幕以来毎日、日本選手の活躍が報じられている。柔道、水泳に続き、なんと体操団体までもが、モントリオールオリンピック以来28年ぶりという金メダルに輝いてしまった。 私の記憶にある過去のオリンピックは、その時代ごとに水泳王国日本、体操王国日本、柔道王国日本などと、華やかな一時代を築いてきました。ここしばらく、体操と水泳は英雄こそいましたが王国とまでは言えませんでした。王国とは世界をリードする存在ということです。 その3つの王国が同時に起こったことは、おそらく初めてのことではないでしょうか。毎日、興奮と、感動が日本中を包んでいることでしょう。 頂点に立つということは、誰もあるいたことのない道を歩み続ける使命を背負うことでもあります。その苦しみは常人の想像を絶する自分との戦いです。乗り越える相手のいない、見えない自分との戦いは、アスリートの場合、精神と肉体が極限まで追いつめられることにもなるでしょう。そう考えると、谷亮子選手や野村選手、北島選手、塚原選手の偉大さは格別のものがありますね。
1か月検診に来られたお母さんが、つい上の子にあたってしまうお話しをされました。 “いろいろお手伝いしてくれるのは嬉しいのですが、おばあちゃんのおっぱいに興味を持って、よく触るようなのです。”“赤ちゃんにおっぱいを飲ませているとき近くに寄ってくるでしょう。そのとき「飲んでみる?」と聞いてあげたらいいですよ。照れくさくって飲まないかもしれないのですが、飲んでもいいと受け入れてくれたことがとっても嬉しいものです。おばあちゃんのおっぱいに行くのは我慢しているんですよ。” “わたし4才、おねえさん!といって嬉しそうにお手伝いするのですが。” “確かに嬉しい気分になります。ましてみんなが誉めてくれますから、ますますお姉さんを演じようとします。それは発達の上で大事なことなのですが、逆につい、お姉さんだからといって我慢させてしまうことも多いのではありませんか?”“確かにありますね。”“せめてお母さんは「ホントに助かるわ、ありがとう」とか「お母さんに何してほしい?」とか「たくさん頑張らなくてもいいんよ」とか、ねぎらいや感謝、こころのごほうび、そのままの子でいいというメッセージを送ることが大事ですよ。お姉さんぶっている、誉めてほしい私の影に、寂しい私をわかってほしいこころが隠されていることがあります。”“思い当たるふしがあります。心がけてみます。” 子どもだけではなく、人生のどんな役回りでも、それをわかってもらえたときは嬉しいもののようですね。
オリンピック開幕早々、谷亮子選手(2連続金メダル)、野村選手(3連続金メダル)の快挙に日本中が沸き立ちました。特に谷選手は旧姓の田村亮子、ニックネームやわらちゃんとして、16才でアトランタオリンピック以来国民的アイドルです。あの小さな身体、愛らしい笑顔は判官贔屓の日本人としては誰しも応援したくなるのでしょう。しかも強い。今回は満身創痍の肉体を精神力で補って勝ち取った金ですから、見ている私たちをはらはらさせながらも、感動を大きくしてくれました。 野村選手はまた別の意味で感動をくれました。あの強さからは想像も出来ない試合前の言葉、「ゆうべは恐くて、不安で、眠れませんでした」とインタビューに答えていたのを聞いて、驚いたと同時に感動しました。これこそあの草原のハンター、ヒョウやチーターを思わせる鋭い強さの原動力なのだろうと思いました。 オリンピックは感動のかたまりですね。
ついにオリンピックが開幕しました。午前3時からの開会式、ついに観てしまいました。オリンピックの発祥地ギリシャですから、見逃すわけにはいきません。ギリシャ文明は海の文化だったからでしょうか、メインテーマは水でした。文明の原型とも言える不思議なフォルムの造形物が水の中から浮かび上がり、それが人間の原型へと外側がはがれていく様はさすがと思いました。それに引き続いてギリシャ文明がたどってきた歴史が、世界の歴史そのもののごとくに劇場的に表現され、なかなかおもしろいものでした。 興味深かったのは聖火の点火セレモニーでした。アニメ「天空の城ラピュタ」を思わせるような、白鳥が羽を広げたような屋根構造の中央に首を伸ばすように高くのびた真っ白な塔が、半分に折れて、水中から浮き上がっていく聖火に口づけするように近づいていき、ついに点火され、炎を吐きながらまたまっすぐ首を伸ばしていきました。実に印象的光景でした。 今回の参加国は202ヵ国とオリンピック史上最多ということです。アテネオリンピックにふさわしいですね。中でも戦場の最中にあるイラクからの参加選手団に会場から大きな拍手がわき起こったのには、胸が打たれました。
今日からお盆休みに入りました。午前中早くにお産があり、その後少し肉体労働をした後、家で休養していました。娘が、父が家にいるなどと珍しがっていました。 昨日鳥取の親しくしていただいている方から鮎が送られてきました。それを朝から自然解凍し、夕飯に備えました。今年は鳥取でも雨が少なく、川に水がほとんど無く、鮎が育たないということです。鮎の産地である岡山でも今年はまだ天然鮎を専門店でも見ていません。岡山の場合は大雨が降ったため鮎が流されたのが原因ということでしたので、原因は違いますが、今年の天然鮎は味わえないかもしれないと半ば諦めていました。 それだけにこれは何より嬉しいプレゼントでした。 もともと日本海側の鮎は型が小さく、身が引き締まっています。今年はさらに水が少なくえさになるコケが十分ではなかったようで、大きなものでも15cm 位でした。しかしその形は美しく、香り豊かな日本海の鮎でした。ゆっくりゆっくり焼き上げたその味は絶品でした。 私の産まれた北海道では夏の短い間でしかとれない鮎はまさに貴重品でした。父が鮎釣り名人でしたから、生け簀の移動役に連れて回られました。その役得として食べさせて貰った薫り高い味は忘れることができません。その思い出の故に鮎は私にとっても特別な魚です。
| 2004年08月12日(木) |
生まれてくれてありがとう |
今日は月一回のエンジョイ親子サークルが開かれました。生後5カ月になった子どもとお母さんの会で、今日も30組ほど参加してくれました。私の持ち時間は記念撮影の前の10分ほどです。いつもおもしろいなと思うのは、興味ある話題になると、お母さんだけでなく、子どもたちも頭を上げてじっと聴き入るのです。今日の話題は次のようなものでした。 “子育てのなかで最も大切な想いは「生まれてくれてありがとう!」ということでしょう。だんだん忘れがちになりますが、折にふれて言葉にして、声に出すかどうかは別にして繰り返し言い続けると、自然にその想いは子どものこころに刷り込まれ、いつか「産んでくれてありがとう」という言葉で帰ってくることでしょう。”子どもたちもじっと聴いていました。 いかがでしょうか?
今朝一番に産んでくれたお母さんのお話です。ここ1週間、風邪をひいて咳に苦しめられていました。予定日が近いのですが、いつものように子どもさんたちの幼稚園の支度をしていると、急に咳が出始め、陣痛が始まってしまいました。1時間ほど様子を見ていたのですが、そのまま陣痛が続くので念のために病院へと車に乗った途端、ぐんぐん陣痛が強くなり、クリニックに着いてなんと30分も経たずに元気な女の子を出産されました。一番びっくりしたのがお母さんご本人でした。いわば夏風邪の贈り物でしょうか。
| 2004年08月10日(火) |
赤ちゃんがえりもさまざま |
妊娠の診察に来られたお母さんに連れてこられた2才の男の子。 お母さんのお膝のうえで「こんにちわ」とはっきりした口調で挨拶をしました。ちょっとうち解けて遊びだしたとき、突然指さしと喃語が始まりました。何か一生懸命言っています。「最近こうなんです。ちゃんとしゃべれるのに、なんか訳の分からないことをぶつぶつ言うのです。なんででしょう?」とお母さんはあきれ顔です。お母さんは子宮内にやっと赤ちゃんを包む袋(胎嚢といいます。)が見え始めたばかりで、兆候さえ感じていなかったようです。 「赤ちゃんがえりですよ」と言いますと、「えっ?こんなに早くですか」 とびっくりされました。上の子の方がお母さんより早く赤ちゃんが宿ったことに気がつくので、子どもの赤ちゃんがえりから妊娠を知ることはよくあることです。 それにしても、この子のように、2才の自分と赤ちゃんになった自分とを、きれいに使いわける子はそんなに多くはありません。意識してやっているとは見えませんでしたので、こころのどこかにスイッチがあるのかもしれませんね。
母乳育児シンポジウムの熱く、重い緊張感がまだ抜けていない気分で出勤すると、何か少し様子が違います。辺りを見回してハッと気がつきました。 ツバメの家族がいないのです。3日前、あわただしく福岡へ出かける朝、ツバメがいつもより多く、巣の周りを飛び回っていたのは旅立ちの準備だったのでしょう。なにやら季節の変わり目を感じました。 季節の変わり目といえば、ここ10年、母乳育児シンポジウムは私にとってまさに1年の締めくくりのようなものです。これが終わって、新たなる旅立ちを迎える気持ちになります。特に今年は当院のBFH認定という大きな節目になりました。
| 2004年08月08日(日) |
母乳育児シンポジウム2日目 |
昨日の特別講演は山極寿一京都大学教授による「ゴリラの育児と家族の起源」でした。ゴリラは生まれた子は2年間ほど母親のもとで密着育児を受け、その後その母ゴリラが選んだオスに預けられるようです。預けられたオスはひたすら子どもたちと遊びますゴリラの場合、父親とは血のつながりというよりは、メスと子どもからの選択という形を取るというのです。大事なことは、思春期にいたるまでオスと生活するなかで子どもは性的な成長をし、インセスト(近親相姦)を回避する仕組みを作っていくのだそうです。 今日の教育講演は、篠原一之長崎大学教授による「匂いを介した母子間コミュニケーション」でした。母子間コミュニケーションには匂いが重要な役割を果たしているいうとても興味深いお話しでした。 来年のシンポジウムは岡山です。私たち世話人は大変な忙しさでしょうが、なんとかわくわくするような会にしたいと思います。
| 2004年08月07日(土) |
BFHに認定されました |
今日から母乳育児シンポジウムが福岡市シーホークで始まりました。午前10時からの開会に多くの参加者が詰めかけました。一般的に学会などは午前の部では聴衆まばらというのが常識なのですが、開会と同時にもう800人くらいの方が座っていました。 一般演題の後、午後のセッションのはじめに「赤ちゃんにやさしい病院(Baby Friendly Hospital Initiative)」の認定式がありました。今年は当院を含む5施設が認定されました。認定施設は富山県立中央病院(富山市)、西川レディースクリニック(岐阜県多治見市)、産科婦人科愛和病院(福岡県古賀市)、内野産婦人科医院、そしてサン・クリニックです。 「赤ちゃんにやさしい病院」の認定条件はユニセフ/WHOが進める、“母乳育児を成功させるための10カ条”を十分に果たしている施設であることです。 10カ条は以下のようになっています。
1.母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること 2.全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えるこ と 3.全ての妊婦に母乳育児の要点とその方法を知らせること
4.母親が分娩後30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること 5.母親に授乳の指導を十分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあって も、母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること
6. 医学的に必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えな いこと 7.母子同室にすること。赤ちゃんと母親が1日中24時間一緒に居られる ようにすること 8.赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるままの授乳を勧めること
9.母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
10.母乳育児のための支援のグループを作って援助し、退院する母親に、このようなグループを紹介すること
日頃の育児支援活動が認められたことはとても嬉しく、光栄なことですが、かつぎがいのある荷物を背負った気分にもなっています。 ちなみに、認定証は施設名が刻印されたプレートがはいっているピカソのリトグラフ、「母子像」です。外来の待合いホールにかけますので、来られることがありましたら眺めてみてください。
今日は朝から、在来線から新幹線に乗り換えたように、あわただしい時間が過ぎました。午前中お二人の出産があり、午後帝王切開で、もう一人の赤ちゃんが生まれました。午後4時半過ぎまで外来を続けて、急いで福岡へ本当の新幹線「のぞみ」に飛び乗りました。明日からの母乳育児シンポジウムがホテル&リゾート「シーホーク」で開かれるのですが、その準備の会議があるからです。 シーホークは福岡ドームの前にある、魚のエイを縦にしたような形の巨大な建物です。以前近くを通ったことがあるのですが、中に入ってみてその広さにびっくりしました。なんでも、5大陸をイメージした造りになっているとのことで、不思議な雰囲気です。 深夜1時頃まで会議をしていました。明日からのシンポジウムが楽しみです。
太極拳を教えてくれている目黒先生から熱中症についておもしろいお話を聞きました。 “熱中症はクーラー病ですよ。長い時間クーラーの中にいると身体が熱の調整が出来なくなります。汗をかくことのほとんどない、涼しい家の中から、今年のように温度差の大きい戸外に出ると、身体はすぐにギブアップしてしまいます。おまけに冷たいものや水分をたくさん摂って身体を冷やそうとする、水冷式をやりますから、呼吸をはじめとする空冷式の機能が落ちてしまいます。だから身体に熱がこもって、すぐにバタンキュウです。” なるほど、説得力がありますね。 (ちなみに先生は福山市の奥、神辺の山の上に住まれていて、夏はとても涼しいようです。寝苦しい熱帯夜に悩まされている私たちは、朝起きたらまず体を動かして汗を出すようにしましょうか。)
夕食の食卓談義で、健康食品が話題になりました。 日本にファーストフードが定着してまだそれほど経っていないのですが、今や若者だけではなく、中高年にいたるまで、日常の食生活にとけ込んでいるようです。ファーストフードが体によくないのはおそらく誰でも知っていることでしょうが、自然食品が全て身体にいいかというと必ずしもそうではありませんね。町で打っている食材がどの程度農薬や、抗生物質、防腐剤にまみれているかはほとんど消費者は知らされていません。もちろん、お店の人でさえあまり知らないで商品を提供していることでしょう。 加工品になるとますます工程が見えなくなってしまいますので、どうにもならなりません。まあ、好きだから食べるという嗜好品と考えた方がいいという話になりました。その時息子が聞いた話としながら、それは「下降品」と「死向品」と書くんだよと口を挟みました。家族一同妙に納得しました。
| 2004年08月03日(火) |
分娩費用もカード時代? |
当院も、はっぴーママcardの取り扱い施設になりました。 OMCカードとマスターカード(MasterCard)ですので、いわゆる普通のカードですが、妊娠・出産・育児のお母さん専用のカードです。特徴的なのは、一括払いでも翌月27日支払いで、出産給付金払い込みに合わせた支払方法を採っていることです。 もうひとつの特徴は、OMCカードの収益金から自動的に、利用金額の0.5%が「おぎゃー献金基金」に寄付されることです。おぎゃー献金は、ハンディキャップを持ったこどもに手をさしのべる、日本産婦人科医会の運営する基金です。 いままでも通常のカードを取り扱う施設はありましたが、産科専用のものはありませんでした。分娩費用はかなりまとまったお金になるため、用意することはなかなか大変です。カードですとボーナス払いや、リボルビングが出来るため、少しゆとりを持ってお産にのぞめるかもしれませんね。お産事情は時代と共に変わっていきます。
懐かしい友人から手紙が届きました。昨日道産子会のことを書きましたが、手紙はなんと高校時代のクラブ、新聞部の仲間からのものでした。手紙をくれた彼はとても熱心に部活に取り組んでいました。私はといえば才能の無さもあって中途半端な関わりしか持っていませんでした。そんな私を覚えていてくれて、ありがたいことにOB会の案内を、名簿と共に送ってくれました。不思議なもので、昨年の高校クラス会では、会っても顔を覚えている人の方が少ないほど、記憶のかなたに消えていて驚いたのですが、部活の名簿にあるほとんどの人の顔はすぐ浮かんできました。記憶に残る人の距離には意識のエネルギーを注ぐ濃度の基準があるのでしょうね。まさにご縁の密度を感じます。(記憶力の問題だけかも!?) 25人の名簿のなかで、4人が物故されていたのには驚きました。そういえば、高校卒業後、40年以上経っていますから、無理もないことですね。
今日は一日中雨でした。岡山の水瓶がいずれも40%を切っていたので、まさに恵みの雨といえましょう。これで少しは安心できますね。 午後から道産子会役員会が開かれました。会議の目的は8月29日(日)に開かれる岡山道産子会夏祭りの準備です。1ヶ月前にひらかれた役員会で大体決まっていたものを具体化する作業と、会報と共に送る夏祭り案内の袋ずめ作業が行われました。 岡山道産子会は現在250人余りの会員がいます。ほとんど熟年期にある、岡山の人になりきって、地元を支えている人たちです。1年のほとんど故郷のことを忘れ、家族と地域社会のために、夫として、妻として、母として、父として、家族のゴッドファザー、ゴッドマザーとして人生を耕しています。 生まれた身体は細胞レベルで土地の影響を受けます。土地柄とは人柄に結びついています。幼少期に育った土地の力はその人の人間性の根になっています。まさに、身土不二の真髄です。この真髄を忘れないためにも故郷を思い、味わい、出会うことはとても意義のあることです。 私は北海道岩内町に産まれました。道産子会のお世話ができることは倖いです。
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