| 2023年04月30日(日) |
青いカフタンの仕立て屋 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『青いカフタンの仕立て屋』 “Le bleu du caftan/أزرق القفطان” 日本では2021年に公開された『モロッコ、彼女たちの朝』の マリヤム・ドゥザニ脚本、監督による長編第2作。なお本作 はフランス、モロッコ、ベルギー、デンマークの共同で製作 されており、原題にはフランス語も併記されていた。 舞台は、モロッコの海沿いの町サレ。その旧市街にある仕立 て屋では父親の跡を継いだ主人のハリムが伝統的な手工芸の 刺繍を施した民族衣装カフタンを仕立てている。しかしそれ は1着を仕立てるにも数カ月を要する至高の品だ。 そんな店では青い生地のカフタンの仕立てが進められていた が、心無い客からは金を積むから早く仕上げろという催促も 受ける。そんな客に妻のミナは、無理をいうなら金を還すと 突っぱねる。 それでも夫婦は若い職人ユーセフを雇い入れ、主人がその技 術を指導するが、若者が主人を見る目は伝統の刺繍を作り上 げる職人への憧れだけではないようだ。こんな出だしだけで 3人の関係性が巧みに描かれている。 そんな仕立て屋だが、妻のミナは体調が思わしくなく、徐々 に店を休む日が多くなる。それでもハリムは妻が好きなミカ ンの皮をむいて食べさせるなど、甲斐甲斐しく世話を続ける が…。その一方で隠した性癖も明らかになる。 出演は、2019年10月20日付題名紹介『テルアビブ・オン・フ ァイア』などのルブナ・アザバルと、2007年9月紹介『迷子 の警察音楽隊』などのサーレフ・バクリ。それに本作で映画 デビューのアイユーブ・ミシウィ。 妻の病名は映画の後半で明らかにされるが、多分そうかなと 感じていた自分には明らかになる直前のシーンが心に突き刺 さってくる感じがした。それはどうしようもない絶望が鮮烈 に描かれたものだ。 その一方で主人の性癖に関しては、ある種の現実からの逃避 かなとも考えたが、これも映画の後半の妻の発言で生来のも のであることが巧みに表現され、それがタブーであることも 含めて夫婦の悲しい関係を描いていたものだ。 これらが正に至高の夫婦愛を描き出した作品とも言える、そ んな素晴らしい作品だった。 なお映画ではカフタンの刺繍の見事さにも目を引かれるが、 ミナとハリムが互いに作る伝統料理の数々も素晴らしく美味 しそうに描かれていた。 公開は6月16日より、東京地区はヒューマントラストシネマ 有楽町、新宿武蔵野館他にて全国ロードショウとなる。
| 2023年04月23日(日) |
わたしたちの国立西洋美術館、658km陽子の旅、水は海に向かって流れる、ミーガン |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『わたしたちの国立西洋美術館』 2018年7月8日付題名紹介『春画と日本人』などの大墻敦監 督が、東京上野にある国立西洋美術館が抱える問題に迫った ドキュメンタリー。 美術館の本館は2016年にル・コルビジェの建築作品として世 界文化遺産に登録されたものだが、その際に前庭が建築家の 意図を反映していないとの指摘があった。そこで2020年10月 から2022年春まで、他の法令に伴う改修と共に美術館を全面 閉館しての工事が敢行された。 本作はその間に工事中の美術館内部で行われた収蔵美術品の 移動や補修など、普段では見られない美術館の内部の作業が 記録されたものだ。それは映像の一部に暈しが入れられるな ど、作業に参加した業者の企業機密にも触れるような微妙な 記録映像にもなっている。 という普段ではなかなかお目に掛れない記録がされたドキュ メンタリーだが、監督の興味はそれだけに留まらなかった。 そこで監督は外部の目を導入して日本の美術館が抱える問題 に迫って行く。この辺は2018年紹介作でも感じた監督の問題 意識の高さが反映されているものだ。 その問題は、部外者の僕らでも薄々感じてはいたものだが、 それが具体的に提示されると、日本の文化行政の貧困さとい うか、利権の発生しないところには目も向けない政治の闇が 見えてくる。 もちろん本作が描いているのはそれだけではなく、収蔵品の 選定など興味深いものは他にもあるが。そんなところも含め て、国立西洋美術館のいろいろな側面が描かれた作品とも言 えそうだ。 ただし僕個人としては、ル・コルビジェの建築作品として世 界文化遺産に登録されたとは言うものの、建築家の設計思想 ではもっと大規模な構成が考えられていたもので、その辺が 反映されていないことは指摘して欲しかったかな。 出来れば建築家の構想をCGIででも再現して欲しかったと ころだ。もしそれをやったら、登録を取り消されてしまうか もしれないが…。とは言えそれだけに留まらない、それ以上 の問題点が本作では描かれている。 それにしてもこの美術館には、免震、耐震の設備や美術品を 守るための空調など、素晴らしい設備が施されていることは よく理解できた。 公開は7月中旬より、東京地区は渋谷のシアター・イメージ フォーラム他にて全国順次ロードショウとなる。
『658km、陽子の旅』 2017年4月2日題名紹介『武曲』などの熊切和嘉監督が、監督 の劇場デビュー作とされる2001年『空の穴』に出演の菊地凛子 (当時の芸名は菊地百合子)を主演に迎えた作品。因に2人は同 作を切っ掛けに人気を得たとされるが、特に菊地は2007年1月 紹介『バベル』でブレイクし以後は海外での出演も多くなる。 本作はそんな菊地の邦画では初の単独主演作だそうだ。 主人公は都会の片隅で暮らす40代前半の女性。夢を追い親の反 対を押し切って青森の田舎を飛び出したが、その夢はとおに諦 め、独身で定職もなくグダグダと過ごしている。そんな彼女の 許に20年間断絶のままだった父親の死が伝えられる。 そこで従兄の運転する車で従兄の家族と共に故郷に向かうこと になるが…。とあるサーヴィスエリアで発生したちょっとした アクシデントによって、彼女は財布もスマホも持たずに置いて きぼりになってしまう。 この事態に彼女はヒッチハイクで青森に向かおうとするが…。 そんな彼女に、懸命に生きているシングルマザーや怪しい紀行 ライター、人懐こい女子や心優しい初老の夫婦など、いろいろ な人物が係ってくる。そして亡父の幻影も現れ始める。 共演は、2010年9月紹介『海炭市叙景』(熊切和嘉監督)などの 竹原ピストル、2018年11月25日付題名紹介『宵闇真珠』などの オダギリジョー。さらに黒沢あすか、見上愛、浜野謙太、風吹 ジュンらが脇を固めている。 脚本は映画監督でもある室井孝介がTSUTAYA CREATORS'PROGRAM で2019年に脚本部門受賞をしたもの。その原案から熊切監督が 『海のルルル』という未制作の作品で組んでいる脚本家の浪子 想が完成させているようだ。 音楽を『海炭市叙景』以来4作目のジム・オルーク。エンディ ングテーマ曲はオルークと、2021年『ドライブ・マイ・カー』 の音楽を担当した石橋英子が手掛けている。 主人公がヒッチハイクする自動車のナンバープレートを見てい ると、いつまでも福島県を出られないことに焦燥を覚えたが、 これは意図的だったのかな。そんな焦燥感を持ちながら主人公 が行きかう人々は人格者であったりそうでなかったり、様々な 出逢いが確実に彼女を変えて行く。 これこそは岐路に立たされた人間が一歩を踏み出して行く、そ んな物語が展開されていた。 公開は7月28日より、東京地区は渋谷のユーロスペース、テア トル新宿他にて全国順次ロードショウとなる。
『水は海に向かって流れる』 2018年〜20年に雑誌連載されて第24回手塚治虫文化賞新生賞を 受賞した田島列島原作漫画を、2011年6月紹介『極道めし』や 2018年12月2日付題名紹介『こんな夜更けにバナナかよ』など の前田哲監督が、広瀬すずを主演に迎えて映画化した作品。 最初に登場するのは高校生の男子。彼は実家からの通学が不便 なため叔父の家に居候しに来たのだが、土砂降りの中を駅まで 迎えに来てくれたのは見知らぬ女性だった。そして案内された のは、叔父やその女性ら4人が暮らすシェアハウス。 そのシェアハウスに暮らすのは、親には内緒で脱サラして漫画 家になっている叔父と、OLの女性、それに女装の占い師と、 海外出張の多い大学教授。そんな多士済々のメムバーの中での 生活が始まる。しかし彼と女性の間にはある因縁があった。 共演は、2017年1月紹介『3月のライオン』などで主人公の幼 少期を演じていた大西利空。2012年4月紹介『苦役列車』など の高良健吾。2018年9月紹介『青の帰り道』などの戸塚純貴。 CM、テレビで活躍し本作が映画初出演の當真あみ。 さらに勝村政信、北村有起哉、坂井真紀、生瀬勝久らが脇を固 めている。 脚本は2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』などの大島里美。 主題歌の「ときめき part1」をスピッツが書き下ろしで手掛け ている。 主人公らに係る因縁話がかなり壮絶で、その重荷を全て一身に 背負って生きる女性の姿を広瀬が丁寧に演じている。個人的な 印象では広瀬アリスの妹という感じだった女優が、こんな演技 を出来るということにも感銘を受ける作品だった。 正直に言えばアリスの顔が透けて見える感じのシーンもあった が、それが却って相乗効果のような感じもして、こういう立ち 位置で姉妹がお互いに影響し合えれば、それも上手く行くので はないかという感じもしたものだ。 それにしてもこんなシチュエーションをよく考え付いたものだ という感じの作品でもあった。 公開は6月9日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて全 国ロードショウとなる。
『ミーガン/M∃GAN』“M3GAN” 4月9日紹介『ソフト/クワイエット』など最近度々登場する ブラムハウス・プロダクションが、2016年6月紹介『死霊館』 シリーズなどのジェームズ・ワンと組んで、超常現象ではない SFベースのホラーに挑んだ作品。 主人公は玩具メーカーで知育玩具の開発に勤しむ女性科学者。 そんな彼女は会社に隠れて子供の友達になれるアンドロイドの 研究を続けていた。そんなある日、姉一家が交通事故に遭い、 彼女は幼い姪を引き取ることになる。 ところが、仕事の期限に追われる主人公は姪の相手をしている 時間がなく、やむなく彼女は研究中のアンドロイドを姪に与え ることにするが…。学習能力を持つアンドロイドは瞬く内に姪 の親友となり、姪に尽くすようになる。 しかしそこには大きな落とし穴が待っていた。 物語を発案したのはワンと、本作の製作総指揮を務めるマイク ル・クリアリー及びジャドスン・スコット。その原案から新作 ドラマシリーズ“Star Trek: Strange New Worlds” などを手 掛けるケアラ・クーパーが脚本を担当している。 監督には2014年に“Housebound”というホラーコメディを発表 しているニュージーランド出身のジェラルド・ジョンストンが 抜擢。デビュー作ではブラムハウス作品をパクりまくったとい う監督が本懐を遂げたようだ。 そして出演者には、2017年8月紹介『ゲット・アウト』などの アリソン・ウィリアムズと、Netflix で多くのシリーズに出演 している子役のヴァイオレット・マッグロウ。2018年9月2日 付題名紹介『クレイジー・リッチ!』などのロニー・チェン。 さらにアンドロイド=ミーガンの創造には、スタントガールの エイミー・ドナルド、声優のジェナ・デイヴィスの他、パペッ ト監修のエイドリアン・モロー、アニマトロニクスのデヴィン ・シーマンら多数が関っている。 なお関連のクレジットではSPFX監修タレイ・シーレル、SPFX制 作管理リタ・マキシムという項目があって、日本の配給会社の プレス資料でSPFXという略称が使われるのは珍しいと思ったも のだ。 殺人人形ということでは1988年にスタートした『チャイルド・ プレイ』のチャッキーが思い浮かぶが、偶然とはいえAIを生 じたロボットが学習するという展開では1986年の『ショート・ サーキット』が先駆かな。 ただし百科事典で学んだジョニー5の善良さに比べると、ネッ トで学ぶミーガンの恐ろしさは、そのまま現代を象徴している とも言えそうだ。 AIの学習ということでは2020年1月19日に紹介した『AI崩 壊』も比較できるが、本作はそのアンチテーゼとして現代の科 学技術開発に警鐘を鳴らす作品にもなっている。 公開は6月9日より、全国ロードショウとなる。
| 2023年04月16日(日) |
エリック・クラプトン/アクロス24ナイツ、逃げきれた夢、キャロル・オブ・ザ・ベル |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『エリック・クラプトン/アクロス24ナイツ』 “Eric Clapton: Across 24 Nights” 史上最高のギタリストの1人と称されるミュージシャンが、 イギリス文化の殿堂ロイヤル・アルバート・ホールにおいて 1990年、91年に行ったコンサートの模様を、当時撮影された フィルムを基に4Kで再現した作品。 近年はキツネ狩り禁止法に反対したり、COVID-19では陰謀論 に加担するなど音楽以外での言動が話題になってしまうクラ プトンだが、僕ら団塊の世代には音楽に疎い自分でもギター の神様として認識できるほどの伝説的な人物だった。 そんなクラプトンが、1990年は18日間、1991年には24日間に 亙って行ったライヴ・コンサートの模様が収められている。 そこでは4人編成に始まって9人編成や13人編成、そして最 後はロイヤル・フィルハーモニー・オーケストラとの共演ま で、様々な形態が日々交代で公演されたものだ。 そんな公演の模様がマルチカメラで撮影され、それらが見事 な音響と共に、4Kの素晴らしい映像で再現された。特に神 業とも言えるクラプトンの指の動きは、音楽に詳しくなくて も感服するものだった。それらが全16曲、全曲歌詞字幕付き で提示される。 監督のデヴィッド・バーナードはライヴ映像の制作において イギリスで第一人者と言われており、クラプトンの他にも、 レディオヘッド、ビヨーク、ペット・ショップ・ボーイズ、 アリス・クーパー等々、また2022年には宇多田ヒカルのライ ヴ映像も手掛けているそうだ。 という作品だが、実は本編の中では1990年と91年が対比でき る仕掛けにもなっており、特にオーケストラとの共演では、 1990年には何となくよそよそしさがあったものが、91年では 4人編成のメムバーも加わって見事な融和が描かれている。 その中でも、オーケストラの打楽器奏者が、この人は1990年 からノリノリだったのが、91年では正に超絶な演奏を披露し ているのが微笑ましくも感じられた。 そして圧巻は1991年の“Knocking on Heaven's Door” この 演奏では最後にスタンディングオベーションではなく、楽曲 の後半から観客が総立ちで歓声を上げ、正にライヴそのもの を映画の観客も実感できるものになっていた。 正しくファンには最高の贈り物と言える作品だろう。 公開は6月9日より、東京地区はヒューマントラストシネマ 渋谷、アップリンク吉祥寺、16日からは角川シネマ有楽町他 にて全国順次ロードショウとなる。
『逃げきれた夢』 2018年3月18日付題名紹介『枝葉のこと』などの二ノ宮隆太 郎監督が初めての商業映画として撮った作品。俳優でもある 監督が、所属事務所の先輩・光石研を主演に迎えて、光石に 宛て書きした脚本を映画化した。 光石が演じるのは定時制高校の教諭。家には妻と一人娘がい るが家族との関係は冷えている。そんな主人公が毎日立ち寄 る定食屋で、その日は会計を忘れて店を出てしまう。そして 追いかけてきた店員に、病気で忘れると言うが…。 先週『オレンジ・ランプ』を見たばかりでこの台詞には興味 を惹かれたが、本作ではその後も思わせ振りはあるものの具 体的な症例などを描くものではない。というか何となく主人 公が言い訳で使っているような感じでもあった。 そんな訳でちょっと見誤ってしまう部分はあったが、映画は 主演者に宛て書きということで、光石にはこういう感覚があ るのかなあという感じの作品ではあった。少なくとも後輩の 監督の眼にはこう写っているのかな。 いずれにしても優柔不断というか、何も自分からは事を起こ してこなかった主人公が、一つの切っ掛けで新たな道に踏み だそうとする物語だが。かといって物語の中では具体的なも のは提示されず、全ては観客の想い次第という展開。 まあこういう作品も以前からいろいろと散見されるが、結論 を言わないことがこの作品では主人公を浮き彫りにしてゆく ということなのだろう。その点では監督のやりたかったこと は伝わってくる感じの作品ではあった。 共演は、2019年2月17日付題名紹介『JK☆ROCK』などの吉本 実憂、2020年3月22日付題名紹介『のぼる小寺さん』などの 工藤遥。他に坂井真紀、松重豊、杏花、岡本麗、光石禎弘ら が脇を固めている。 公開は6月9日より、東京地区は新宿武蔵野館、渋谷のシア ター・イメージフォーラム他にて全国ロードショウとなる。
『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』 “Щедрик/Szczedryk” 2019年の撮影で第2次世界大戦前後のウクライナを描き、現 在(2023年)のウクライナ情勢を予言したとも言われる作品。 物語の舞台はポーランドのスタニスワヴフ(現ウクライナ、 イバノフランコフスク)。そこに暮らすユダヤ人一家の住居 に店子としてポーランド人とウクライナ人の二家族が引っ越 してくる。 その内のウクライナ人一家は妻がピアノ教師で声楽家、夫は プロのギタリストという音楽一家だった。そしてそれぞれの 家族には娘がいて、ウクライナ人の妻は娘たちに歌を教え始 める。 ところが戦争が勃発。最初にポーランドに侵攻したソ連軍は ウクライナ領土のポーランド人の排除を開始する。その時、 一家の娘は偶然歌のレッスンを受けており、ウクライナ人の 妻は咄嗟に姪と称して娘を保護する。 その後に侵攻したドイツ=ナチスはユダヤ人狩りを開始。そ こでもウクライナ人の妻は娘を匿うことに成功するが、ソ連 軍はウクライナ人抵抗組織の排除も開始する。それでも一家 は娘たちを匿い続け終戦を迎えるが…。 監督はオレシア・モルグレッツ=イサイェンコ。ドキュメン タリー出身監督の長編映画は第2作とのことだが、実は直前 の作品がこの時代を描いたドキュメンタリーだったそうで、 その作品への想いがこの企画を実現させたとのことだ。 そして脚本のクセニア・ザスタフスカは、祖母の実体験に基 づいて物語を描いたとのこと。何ともはやという感じの物語 だが、歴史的に観ても全く矛盾のない物語が展開されている ものだ。 映画の物語は1978年で終わりとなるが、ウクライナ人の苦し みはその後も続き、そしてそれが現在も続いている。実際に 映画に出演したポーランド人とウクライナ人の子役は、現在 は祖国を離れて暮らしているという。そんな事実にも震撼と させられる作品だった。 公開は7月7日より、東京地区は新宿武蔵野館、シネスイッ チ銀座、UPLINK吉祥寺他にて全国ロードショウとなる。
| 2023年04月09日(日) |
ソフト/クワイエット、70歳のチア・リーダー、オレンジ・ランプ |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ソフト/クワイエット』“Soft & Quiet” 3月19日紹介『ハロウィン THE END』などのブラムハウス・ プロダクションの製作でかなりメッセージ色の強い作品。 主人公は「アーリア人団結をめざす娘たち」というグループ を主催する白人女性。彼女は幼稚園の教諭だが彼女自身は子 供に恵まれていない。そんな彼女が妊娠検査をしているとこ ろから物語は始まる。 その結果に落胆する彼女は自ら焼いたパイを持って主催する 会合に向かうが、そのパイにはある仕掛けが施されていた。 そしてそのパイを囲んで女性たちの意見交換が始まる。しか しそれは会場を貸した教会の神父から苦言を呈される。 そこで彼女らは主人公の家に場所を移して会合を続けようと するが、その道すがら立ち寄った会員の1人の店で東洋人の 客とトラブルが発生する。そしてその場は収まったものの、 それが思わぬ状況でエスカレートしてしまう。 そんな物語がワンショット風の映像で展開されて行く。 主演はステファニー・エステス。共演にオリヴィア・ルッカ ルディ、エレノア・ピエンタ、ダナ・ミリキャン、メリッサ ・パウロ、シシー・リリー、ジョン・ビーヴァーズ、ジェイ デン・リー・ヴィット。 この中でメリッサ・パウロは2013年6月紹介『スター・トレ ック イントゥ・ダークネス』に出ていたようだが、他は主 にインディーズ作品が主戦場の俳優のようだ。これは多分作 品にリアリティを持たせる方策なのだろう。 脚本と監督は、カリフォルニア大学バークレー校で社会学士 を取った後にAmerican Film Institute で芸術修士を取得し たというベス・デ・アラウージョ。長編デビュー作の本作で はRolling Stone 誌のホラー映画Top 10に選ばれている。 映画はアンチテーゼとして描かれたものだが、最近の陰謀論 者ではこれを真に受ける者もいるかもしれない。そこで本作 ではある仕掛けが設けられているが、それが作品を甘くして しまっていることは否めない。 作品的には、2008年9月にリメイク版を紹介したミヒャエル ・ハネケ監督の『ファニー・ゲーム』を思い出すが、監督は ハネケほど狂気ではないというか、アートとエンターテイン メントのせめぎ合いという感じもするところだ。 でも、日本やその他の国で、それぞれの国情に合わせたリメ イクもしたら面白い。そんなことも考える作品だった。 なお、主人公らが被害者の家に到着した時の台詞が伏線とは 気付かなかったが、缶詰は重くても錘にならないことは明記 しておきたい。 公開は5月19日より、東京地区はヒューマントラストシネマ 渋谷、新宿武蔵野館他にて全国ロードショウとなる。
『70歳のチア・リーダー』“Calendar Girls” 原題からは2003年11月5日付「東京国際映画祭」で紹介した イギリス映画を思い出したが、本作はスウェーデンの公共テ レビ局と米国のプロダクションとの共同製作によるフロリダ 州が主な取材地のドキュメンタリー。 取材されているのは2005年設立というチアダンスチーム。設 立の年号からすると、上記の映画も無関係ではないのかな。 ただしこちらはヌードカレンダーではなく、傷痍軍人のため の盲導犬、介助犬の育成及び認知度向上に向けた資金調達の ためのカレンダーを制作しているそうだ。 そんなカレンダー・ガールたちの日々の活動は邦題の通りの チアダンスの公演。チアダンスで地元の各種団体を応援しよ うというものだ。そのための練習や衣装(髪飾り)づくり、さ らに応援対象の団体に合わせた演出などが検討される。 という活動だが、そこにはいろいろ確執があったり、特にフ ロリダ州は有数の共和党の地盤らしく妻の行動を夫が規制す る男尊女卑の風潮も描かれる。しかもそれが撮影隊のカメラ の前で堂々と行われるのも凄いものだ。 そんな中でもいつも明るくパフォーマンスを繰り広げる姿が 記録されている。いやはや上で紹介の作品に続けて女性中心 の作品だったが、彼女たちが自分らしく生き抜こうとする姿 には、男性としても感動を覚える作品だった。 監督は映画、テレビの作曲家で、スウェーデンのインディー ズ音楽シーンのプロデューサー、ミュージシャンの経歴もあ るというローヴェ・マルティンセンと、アートディレクター のマリア・ルーフヴード。2人は本作のためにプロダクショ ンを設立し、共に監督デビューを果たしている。 公開は6月23日より、東京はアップリンク吉祥寺他にて全国 順次ロードショウとなる。
『オレンジ・ランプ』 39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断され、それから 10年後の現在も会社勤務を続けながら、認知症本人のための 相談窓口を運営したり講演活動なども行っているという丹野 智文氏の実話に基づくドラマ作品。 主人公は自動車販売会社で営業成績1位だった男性。ところ がある日、顧客の名前を思い出せなくなったり、約束を忘れ るなどの事態が発生する。そこで病院で受診した主人公は、 若年性アルツハイマー型認知症と診断される。 しかしその事実を公表して良いものか? 特にまだ中学生と 小学生の2人の娘には、公表することによる苛めなどのリス クも心配される。そんな葛藤の中で、妻は認知症に関する知 識を高めようと書籍を読み漁り…。 出演は妻役に2017年8月13日付題名紹介『望郷』などの貫地 谷しほりと、本人役には2019年2月24日付題名紹介『空母い ぶき』などの和田正人。他に伊嵜充則、山田雅人、赤間麻里 子、赤井英和、中尾ミエらが脇を固めている。 企画・脚本・プロデュースは2020年2月16日付題名紹介『ケ アニンこころに咲く花』などの山国秀幸。なお脚本に2007年 3月紹介『きみにしか聞こえない』などの金杉弘子も名を連 ねている。 監督は、2005年『村の写真集』にて上海国際映画祭の最優秀 作品賞を受賞の他、『ケアニン』のウェブ版なども手掛ける 三原光尋が担当した。 若年性アルツハイマー型認知症の話は、2005年7月紹介『私 の頭の中の消しゴム』など既に映画でも何本か紹介されてい るが、今迄の作品の多くはそれによって生じるトラブルを描 くことでドラマが生み出されていた。 それに対して本作では、それを発症した患者が如何に生きて 行くかに焦点が当てられており、それはセンセーショナルで はないにしても、その病気に対する認識は深く掘り下げられ るものだ。 以前にも書いたように自分には種類は違うけれど認知症の親 族がいた関係で、このテーマには関心を寄せるところがある が、本作を観ていて初めて病気の本質が理解できたような感 じもした。 自分もいつこうなるかも判らない状況で、出来るだけ多くの 人に観て貰いたいと思う作品だった。 公開は6月30日より、東京地区は新宿ピカデリー、シネスイ ッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA他にて全国ロードショウと なる。
| 2023年04月02日(日) |
推しが武道館いってくれたら死ぬ、渇水、探偵マリコの生涯で一番悲惨な日、テノール(仮題) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『推しが武道館いってくれたら死ぬ』 岡山県出身の漫画家平尾アウリによる同名原作から、2020年 にテレビアニメ化され、さらに2022年10月にドラマ化された 作品の劇場版。 主人公はアイドルオタクの女性。元から興味があった訳では ないが、ある切っ掛けで地下アイドルグループの1人を推し ている。そんな彼女の周囲には他のメムバーを押す男性らも いたが…。 そのグループが少し売れ始めた時、彼女の推すメムバーが怪 我で出遅れてしまう。そして徐々に自信を無くして行く推し メンを再起させるべく、主人公の押し活が始まる。果たして その活動は推しメンを救えるか? 出演は元乃木坂46の松村沙友里、4歳から女優活動をして いるという朝ドラ『とと姉ちゃん』などの伊礼姫奈。さらに 2019年7月紹介『いなくなれ、群青』などの中村里帆と、モ デル出身で映画初出演の和田美羽。 他に4人組みアイドルグループ@onefive のMOMO、KANO、SA YO、GUMIと、2023年2月紹介『銀河鉄道の父』などの豊田裕 大、お笑いコンビ・レインボーのジャンボたかおらが脇を固 めている。 監督はドラマ版も手掛けた2013年12月紹介『黒執事』などの 大谷健太郎。脚本はテレビ制作美術スタッフ出身という本山 久美子。音楽はアニメ版から担当の日向萌が本作も手掛けて いる。 正直に言ってお話は実に他愛ないものだし、特に見所がある というものでもないが、オタク文化を肯定的に描いていると いう面では好感が持てるし、それを2005年『NANA』を手掛け た大谷監督が実にツボを心得て見事に描き切っている。 僕自身が決してメジャーではないサッカーチームを応援して いる身としては、対象とする分野は違っても感覚的に共通す る部分もあってクライマックスには謀らずも感動してしまう ところもあった。 また舞台となっている岡山市の表町商店街にも、2017年4月 紹介『桃とキジ』の記事で書いたように多少思い入れがあっ たりもして、残念ながら今回その映画館での上映はないよう だが、いろいろ懐かしくも思い出したものだ。 公開は5月12日より、東京地区は新宿バルト9、渋谷シネク イント、グランドシネマサンシャイン池袋他にて全国ロード ショウとなる。
『渇水』 1990年の文学界新人賞を受賞し、その年の芥川賞候補作にも なった河林満原作小説の映画化。 映画の舞台は群馬県前橋市。日照りが続く渇水でプールも営 業できなくなっている状況で、主人公は市の水道局の職員。 彼の仕事は水道料金の滞納者に支払いを促し、応じない時は 水道を止める「停水」を行うというもの。 しかし滞納者にもいろいろな事情があり、そんな中で黙々と 職務を果たす主人公だったが…。ガス、電気、水道、電話、 どれが止まっても生活に支障をきたすが、中でも水道は状況 が厳しそうだ。 そんな中で主人公は、幼い姉妹の居る母子家庭の停水を執行 しなければならなくなる。しかしその姉妹の姿には主人公自 身の生い立ちも重なって行く。果たして主人公はその家の停 水を行うことができるのか? 出演は2012年2月紹介『僕等がいた』などの生田斗真。共演 は2018年12月紹介『チワワちゃん』などの竹脇麦と、2022年 5月紹介『ビリーバーズ』などの磯村勇斗。さらに尾野真千 子、子役の山��七海、柚穂らが脇を固めている。 監督は2010年2月紹介『月と嘘と殺人』などの高橋正弥。脚 本は2004年4月紹介『機関車先生』などの及川章太郎。実は 脚本は10年ほど前に完成しており、高橋監督の許で企画され ていたが進んでいなかった。 その脚本が、2018年7月29日付題名紹介『止められるか、俺 たちを』や、2017年11月19日付題名紹介『孤狼の血』などの 白石和彌監督の目に留まり、白石の企画プロデュースで実現 されたものだ。 背景となる事象は社会性のある出来事だが、物語はその点に フォーカスするのではなく、あくまでも主人公と幼い姉妹、 それによって想起される主人公の出自などがヒューマンドラ マとして描かれる。 その点で、特に結末などには物足りなさを感じる向きもある かもしれないが、これも人間社会の一側面を描いた作品と言 えるものだろう。そんなドラマが渇水というある種の極限の 中で語られる作品だ。 因に映画の結末は原作小説からは改変されているようだが、 それも映画という媒体が取るべき姿なのだろう。この辺は監 督らの愛も感じるところだ。 公開は6月2日より、全国ロードショウとなる。
『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』 2017年4月23日付題名紹介『獣道』などの内田英治監督と、 2009年8月紹介『母なる証明』でポン・ジュノ監督の助監督 を務めたという片山慎三監督の共同監督で、『獣道』で主演 の伊藤紗莉を主演に迎えたオムニバス作品。 物語の舞台は新宿歌舞伎町。その片隅でバーを営む主人公は 同時に探偵も稼業にしている。そんな主人公の許にFBIの 捜査官と名告る3人の男女から自衛隊が捕えアメリカへの移 送中に逃亡した宇宙人を探せという依頼が舞い込む。 その逃亡は宇宙人に寄り添っていた天本博士という科学者が 手引きしたというのだが…。そんな宇宙人探索劇を主軸に、 主人公の周囲にいる忍者や姉妹の殺し屋、行方不明の娘を探 す落ちぶれたヤクザの話などが展開される。 共演は竹野内豊、北村有起哉、宇野祥平。さらに乃木坂46 の久保史緒里、2022年7月紹介『夜明けまでバス停で』など の松浦祐也、ミュージカル『刀剣乱舞』などの高野洸、舞台 女優の中原果南と島田桃依、2018年7月29日付題名紹介『止 められるか、俺たちを』などの井島空らが脇を固めている。 まあメインの話が宇宙人探しで『E.T.』へのオマージュみ たいなものもあるから、ジャンルとしてはSF映画だと思う のだが、その他のエピソードは多少荒唐無稽なものはあると は言え、SF映画ファンを唸らせるようなものではない。ま あ博士の名前にはニヤリとはしたが…。 と言いながら造型やVFXなどもそれなりの頑張りは感じら れたところで、やるならもっと真っ当なSF映画も出来たの ではないかな。そこはわざと外したような感じもするが、次 にはもっと真っ当な作品も観てみたいものだ。 それと伊藤紗莉のキャラクターがあまり立ってこないのも気 になった。これではただの狂言回しでしかない感じで、この 辺は映画的にもう少し工夫があっても良かったのではないか な。せっかく旬な女優なのに、勿体ない感じもした。 主人公が営むバーの壁面にはハヤカワSF文庫が並ぶ本棚が あったりして、それなりの仕掛けはあるようにも思ったのだ が、それがただのお飾りなのも残念だったところだ。いろい ろやりたいことが多そうな作品だけに惜しい感じがした。 公開は6月30日より、東京はテアトル新宿他にて全国ロード ショウとなる。 なお本作は、2022年度の第40回ブリュッセル国際ファンタス ティック映画祭で、WHITE RAVEN賞を受賞したようだ。
『テノール(仮題)』“Ténor” 6月公開予定のフランス映画を内覧試写で見せて貰った。 主人公はパリのすし店で出前の仕事をしながら会計士の勉強 をしている若者。そんな若者がパリオペラ座に寿司の出前に 行ったことから物語は始まる。 そこで若いレッスン生のアリアの練習を見掛けた時、立ち止 まっていることを咎められた若者は、思わずオペラ歌手の物 まねで美声を轟かせてしまう。その声に驚いたのはレッスン の指導をしていた女性教師。彼女は直ちに店に若者の所在を 確認しようとするが…。 若者が暮らすのは下町の一角。そこで兄と暮らしていたが、 その兄はストリートファイトで日銭を稼ぐような輩で、若者 には幼馴染の女性もいたが、体力自慢の彼女は軍への入隊の 日が迫っていた。そんな中で居場所を突き止められた若者は オペラ座のレッスン生の道を進み始める。 出演はオーディション番組で優勝して一躍人気者になったと いうラッパーのMB14。実際に途轍もない美声の持ち主のよ うで、映画の中でもラップバトルを繰り広げる一方でオペラ の歌唱にも挑み、そのどちらも自分で歌っている。 共演は1997年『ぼくのバラ色の人生』や2000年『メルシィ! 人生』などのミシェル・ラロック。他にテノール歌手のロベ ルト・アラーニャらが登場して脇を固めている。 なお本作は、一般のドラマ作品では初めてオペラ座内部での 撮影が許可されたそうで、その絢爛豪華な装飾なども余すと ころなく撮られている。それにしてもなぜこのような作品に とも思えるが、映画を観るとなるほどこれはオペラの啓蒙に も繋がる作品だと理解できた。 実は3月紹介の『ノートルダム炎の大聖堂』を鑑賞したとき に、東京でこれに匹敵するような建物があるだろうかと考え たが、本作を観ているとオペラ座も同様にパリを象徴する建 物であることに気づかされた。 それは映画の登場人物たちによってもそのような敬愛を込め て描かれているもので、歴史の重みというか伝統の深さを感 じさせられた。このような建造物は日本、ましてや東京には ないとも思い知らされたものだ。 公開は6月、東京は新宿ピカデリー、ヒューマントラストシ ネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次 ロードショウとなる。
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