| 2019年04月28日(日) |
アイアン・スカイ第三帝国(ブレスあの波、女の機嫌の直し方、新聞記者、月極オトコトモダチ、ペトラは静かに対峙、Tribe Called Discord) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『アイアン・スカイ第三帝国の逆襲』 “Iron Sky: The Coming Race” 2012年5月紹介『アイアン・スカイ』の続き。 前作では月面からのナチスの侵攻を防いだ合衆国だったが、 その戦いを引き金に核戦争が勃発、地球は荒廃してしまう。 そして合衆国大統領は秘かに極地のシェルターに避難してい た。それから30年後。 月面の旧ナチス基地では1980人の人類が生き延びていた。し かし資源が枯渇し、人類の命運は尽きかけていた。それでも ジョブス教なる信仰の下、何とか生き延びる道を探っていた が。その宗教も怪しげな方向に向い始める。 そんな折、1隻の円盤型宇宙船が月面基地に辿り着く。それ はロシアから発進したもので、操縦していたのは天才的な技 術者だった。一方、月面生まれの基地司令の娘がある人物に 遭遇。そして背後にある巨大な秘密を教えられるが…。 脚本と監督は前作に続けてのティモ・ヴォレンソラ。脚本は ダラン・マッソンとの共同になっているが、前作のヨハンナ ・シニサロ、マイクル・カールスニコらはbased onというこ となので、直接関与はしていないようだ。 出演は、イギリス出身で主にテレビで活躍しているララ・ロ ッシと、ロシア出身のウラジミル・グラコフ。それにオース トラリア出身でブラジリアン柔術の2013年ワールドチャンピ オンというキット・デール。 さらに、カナダ出身で2000年『チャーリーズエンジェル』に 出ていたトム・グリーン。また前作の主演でブレイクしたフ ランス出身のユリア・ディーツェと、2019年2月10日題名紹 介『ドント・ウォーリー』などのウド・キアも再登場する。 前作の紹介では、ナチスの月面基地が根拠のないものではな いことを記したが、本作の柱の一つである地球空洞説も、実 はナチス総統のアドルフ・ヒトラーが信じて研究させていた ものの一つで、この点も史実に基づいていると言える。 但し、現実には本作に描かれるような空洞世界は物理的に存 在するものではないが。元来が月面シーンでもくもくと煙が 出ているような映画なのだから、その辺の科学考証は口にし ないことにしよう。 これに対して世界史を戯画化しているもう一つのテーマには それなりの説得力がある。また巻頭に登場する欠けた月や、 その直後のワシントンD.C.に立ち上るきのこ雲など、インパ クトのある映像も面白かった。 とは言え上映時間が93分では、いずれのエピソードも充分に 描き込まれてはいないが、チャラチャラと観る感じの最近の 観客にはこれで良いのだろう。いずれにしてもあまり深く考 えずに見た目だけを追えばよい作品だ。 因に海外のデータベースによると、本シリーズではもう1本 “The Ark: An Iron Sky Story”という作品が、アンディ・ ガルシアとウド・キアの共演で撮影済となっており、それが 何故かPost Productionの段階で止まっている。 その作品の背景は、本作(2047年)より前の2032年となってい るようで、前作と本作の繋ぎなのかな。その作品も完成させ て見せて貰いたいものだ。そして本作の続きも今度は7年も 待たせないことを期待したい。 公開は7月12日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国 ロードショウとなる。
この週は他に 『ブレス あの波の向こうへ』“Breath” (オーストラリアでサーフ文学の金字塔とされる文学賞の受 賞作に、2011年2月紹介『キラー・インサイド・ミー』など の俳優サイモン・ベイカーが初監督、脚本、出演で挑んだ作 品。本作も同国でNo.1ヒットに輝いたようだ。性格も家庭環 境も異なる2人の少年が親友になり、レジェンド・サーファ ーの導きで危険な波に挑んで行く。サーフィン映画もいろい ろあったと思うが、少年が主人公というのはちょっと珍しい かな。その少年たちには実際にサーファーで演技は初という サムソン・コールターとベン・スペンスを起用。他に2015年 8月紹介『コードネームU.N.C.L.E.』などのエリザベス・デ ビッキ、2005年8月紹介『ステルス』などのリチャード・ロ クスバーグらが脇を固めている。レジェンド役で登場の監督 も優勝経験を持つサーファーだそうで、サーフシーンと共に 青春映画としても良くできた作品だ。公開は7月27日より、 東京は新宿シネマカリテ他で全国順次ロードショウ。)
『女の機嫌の直し方』 (AI研究者の黒川伊保子がその研究の一端として著した同 名書籍を基に描かれたハートフルコメディ。主人公は結婚式 場のアルバイト職員。実はAIの研究者で、AIに男女の性 格付けを行う研究の一端として男女間トラブルの宝庫とされ る結婚式場に資料を求めてきていたのだ。しかしそこではト ラブル以上の緊急事態が続発し、主人公の研究の成果が問わ れることになる。出演は2015年3月紹介『忘れないと誓った ぼくがいた』などの早見あかり。その脇を平岡祐太、松井玲 奈、佐伯大地、水沢エレナ、前田公輝、朝加真由美、原日出 子、金田明夫らが固め、さらに脚本に協力した横澤夏子がゲ スト出演している。脚本は2017年『CAGE』などの蛭田直 美、監督はテレビディレクター有田駿介の映画デビュー作。 結婚40年を迎えた自分には身につまされる面もあるが、女性 にも観て貰いたい作品だ。公開は6月15日より、東京はユナ イテッド・シネマお台場他で全国順次ロードショウ。)
『新聞記者』 (2012年5月紹介『サニー 永遠の仲間たち』などのシム・ ウンギョンと、松坂桃李のW主演で、権力に立ち向かうマス コミの姿を描いた作品。主人公は国際ジャーナリストだった 父親の遺志を継ぐ女性記者。彼女は元文科省トップの不倫報 道とそれに続く激しいバッシングに違和感を持っていた。そ んな折、彼女の勤務先のデスクに新設医療系大学の設置認可 を巡る内部資料が届けられる。それには報道渦中の元トップ も関っていた。一方、内閣府の情報調査室では外務省から出 向中の係官が日々忸怩たる思いで過ごしていたが…。共演は 本田翼、岡山天音。他に西田尚美、高橋和也、北村有起哉、 田中哲司らが脇を固めている。原案は2004年に医師連盟のヤ ミ献金をスクープした望月衣塑子。脚本と監督は2018年10月 紹介『デイアンドナイト』などの藤井直人が担当した。G7 の各国中「報道の自由度」最下位の日本マスコミへの警鐘を 鳴らす作品だ。公開は6月28日より、全国ロードショウ。)
『月極オトコトモダチ』 (アパレル業界で働きながら、30歳を過ぎたら好きなことを やろうと思い立ち映画美学校で学んだという穐山茉由監督の 長編デビュー作。Web マガジンの編集部に勤める主人公は、 「男女の友情はレンタルできるか」という連載企画で「男女 関係にならないスイッチを持つ」と自称する男性を「1ヶ月 15時間までの友達」としてレンタルしてみることにする。そ して1時間ごとに済印を押すデートを重ねて行くが…。出演 は2011年11月紹介『はさみ』などの徳永えりと、2019年1月 紹介『まく子』などの橋本淳。他に2019年1月20日題名紹介 『シスターフッド』などのBOMIこと芦那すみれらが脇を固め ている。レンタル友達というアイデアは面白いけど物語は普 通かな。ただ挿入されるデートシーンのロケーションが面白 くて、試写会に来場していた監督にそのことを指摘したら嬉 しそうな顔をしていた。この感覚は素敵だ。公開は6月8日 より、東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『ペトラは静かに対峙する』“Petra” (当主の不倫を切っ掛けに家族の秘密が明かされるスペイン のハイメ・ロサレス脚本、監督によるカンヌ国際映画祭出品 作。女性画家が彫刻家のアトリエを訪れ制作を開始する。し かし彼女には彫刻家に父親であることを認めさせるという別 の目的があった。家族の秘密が明かされるということでは、 2019年3月31日題名紹介『誰もがそれを知っている』もあっ たが、本作はよりリアルというか、殺伐としたものになって いる。どちらが好きかと聞かれたら僕は前作だが。現実は本 作の方がありそうだ。映画は7章立てで、その各章が入れ替 えられて時間軸を示すのも面白かった。出演は『誰もが…』 にも出ていたバルバラ・レニーと、2017年8月27日題名紹介 『永遠のジャンゴ』などのアレックス・ブレンデミュール。 他に2012年2月紹介『私が、生きる肌』などのマリサ・パレ デスらが脇を固めている。公開は6月29日より、東京は新宿 武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『Tribe Called Discord Documentary of GEZAN』 (2009年に大阪で結成されて、後に東京に拠点を移したとい うロックバンドが独自の方法で資金を集め、アメリカで単独 ツアーとアルバムのレコーディングを行った模様を記録した ドキュメンタリー。正直に言って片言英語の彼らが、行った 先々で演奏できる場所を探し、集まった観客の中に一夜の宿 を頼み込む。そんな行き当たりばったりの旅が展開されて行 くが。それが突然、とんでもない事態に直面する。実は予備 知識なしに観に行って、こんな現実を突きつけられるとは思 わなかった。それは僕自身が映画などの知識で普通の人より は知っているだろうと考えていたものとは全く違うレヴェル のアメリカの現実であり、自分の認識の甘さを突きつけられ たような気分だった。監督・撮影・編集は京都府出身で今ま でMV等を手掛けてきたという神谷亮佑の長編デビュー作。 誰もが予想しなかった衝撃の作品だ。公開は6月21日より、 東京はシネマート新宿他で全国順次ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。 * * なお次週は10連休中で試写がありませんので、次の試写会 情報の更新は5月12日になります。
| 2019年04月21日(日) |
ラ・ヨローナ、神と共に、オーファンズ・B(二宮金、鉄道運転士、凪待ち、ゴールデンR、北の果ての、ある町の高い、カニバ、ピアッシング) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ラ・ヨローナ 泣く女』“The Curse of La Llorona” 『ソウ』シリーズや『死霊館』シリーズなどのジェームズ・ ワンの製作で中南米に伝わる怪談に基づくホラー作品。 背景は1970年代のロサンゼルス。女性ソーシャルワーカーの 主人公は警官と共にヒスパニック系の女性の家に踏み込む。 そこでは2人の子供がクローゼットに閉じ込められており、 主人公は子供たちを「救出」するが…。 程なくして子供たちの姿が消え、無残な死体で発見される。 それは古から伝えられるラ・ヨローナの呪いだった。そして その呪いが主人公の子供にも降りかかり、主人公は呪いを解 くべく奮闘を開始する。 出演は、2018年12月紹介『グリーンブック』などのリンダ・ カーデリーニと、多くのテレビ出演はあるが映画は初主演と いうレイモンド・クルツ。他にマリソル・ラミレス、パトリ シア・ヴェラスケスらが脇を固めている。 また、2014年『アナベル死霊館の人形』にも出演のトニー・ アメンドーラが同じ役で再登場している。 脚本は、2019年には“Five Feet Apart”という作品も公開 されるミッキー・ドウトリーとトビアス・イアコニス。監督 には、2020年公開予定“The Conjuring 3”に起用が発表さ れている新鋭マイクル・チャベスが抜擢された。 アメンドーラが演じる神父の存在から、本作は『死霊館』シ リーズ=The Conjuring Universeの一環と見做されるものだ が、元のアナベルは心霊学者のウォーレン夫妻の保管庫に置 かれた人形のことで、すでにシリーズの傍系だから、本作は その孫傍系ということになる。 さらにアナベルの関連では2017年8月13日題名紹介『アナベ ル 死霊人形の誕生』でその起源が紹介されている。一方、 『死霊館』の本編では、2018年8月26日題名紹介『死霊館の シスター』でウォーレン妻のルーツのようなものも描かれ、 系譜は2次元的に広がっている。 因に描かれている事件の時系列は、『死霊館のシスター』→ 『アナベル 死霊人形の誕生』→『アナベル 死霊館の人形』 →『死霊館』→本作→『死霊館 エンフィールド事件』の順 になるかな? 対する映画製作の順番は、『死霊館』(2013年)→『死霊館の 人形』(14年)→『エンフィールド事件』(16年)→『死霊人形 の誕生』(17年)→『死霊館のシスター』(18年)→本作(19年) となっており、さらに“Annabelle Comes Home”(撮影済み) →“The Conjuring 3”(20年)が予定されている。 伝説は幸せを奪われた女の恨みに基づくが、元はと言えば己 が蒔いた種であり、言ってみれば復讐の根拠が逆恨みなのだ から恐ろしい。しかも全く無関係の人間が呪われるのだから 堪ったものではない。 因に大元のConjuringは、conjure「呪文を唱えて呼ぶ」の現 在分詞だから、日本語に訳せば「呪怨」かな。それなら無関 係の人間が呪われるのも無理はない。 それにしてもこの映画にはゾクゾクする怖さがある。映倫区 分はG指定だから直接的な描写はないものだが、それでこの 怖さは表現の巧みさにもよるのだろう。さすがハリウッドと 思わせる作品になっている。 なお本作の試写は少し前に行われたが、本国公開が4月19日 で、情報解禁をそれ以降に設定されていたものだ。 日本公開は5月10日より、全国ロードショウとなる。
『神と共に 第二章:因と縁』“신과함께-인과 연” 2019年3月10日題名紹介作品の続き。と言っても恐らくは、 この作品を念頭に置いての前作だったのだろう。前作で活躍 した使者たち自身の来歴が壮大なスケールで描かれる。 登場するのは3人の地獄の使者。彼らは死んだ亡者に7つの 大罪にまつわる7つの裁判を受けさせ、その全てに無罪とな れば現世に転生させるという任務を持つ。そして1000年間に 49人を転生させれば彼ら自身も転生できるのだった。 そこで前作で殉職した消防士の正義を立証し48人目の転生を 成功させた使者たちは、ついに49人目の弁護に取り掛かる。 しかし彼らのリーダーが選んだのは、前作の消防士の弟で、 軍隊での銃の暴発事故で死亡した男だった。 しかもその弟は、地獄では大罪とされる亡者となってからの 復讐を行った=怨霊でもあったのだ。従って裁判に勝つのは 至難の業だが…。という辺りまでが前作のラストで、本作で はいよいよその裁判が始まる。 一方、地獄を司る閻魔大王は怨霊の裁判を認める条件として ある任務を使者たちに与える。それは寿命を過ぎても地上で 生きながらえている老人を連れてくること。そこでリーダー を残し2人の使者が地上に降り立つが…。 その老人には強力な守護神が憑いており、その守護神こそは 2人を1000年前に地獄に導いた元使者だった。そして守護神 は、前世の記憶を失っている2人に1000年前の出来事を語り 始める。それはとんでもない因縁に繋がっていた。 出演は2018年7月紹介『1987、ある闘いの真実』などのハ・ ジョンウと、2016年12月25日題名紹介『アシュラ』などのチ ュ・ジフン。それに2013年4月紹介『私のオオカミ少年』な どのキム・ヒャンギ。 他に、2012年5月紹介『ロマンチック・ヘブン』などのキム ・ドンウク、2018年6月5日題名紹介『7号室』などのアイ ドルグループEXOのディオ、2011年5月紹介『ハウスメイ ド』などのイ・ジョンジェ。 また第一章にはチャ・テヒョン、第二章にはマ・ドンソク。 さらにオ・ダルス、チョン・ヘギュン、イ・ギョンヨン、チ ャン・グァン、キム・ヘスク、キム・スアン、キム・ハヌル ら、錚々たる顔ぶれが脇を固めている。 脚本と監督は、2007年11月紹介『カンナさん大成功です!』 などのキム・ヨンファ。当時は監督2作目だったが、その後 は2009年『国家代表!?』や2014年3月紹介『ミスターGO!』 などのヒットメーカーだ。 7つの大罪とはキリスト教、主にカトリック教会で用いられ る言葉のようだが。一方の閻魔は、仏教、ヒンドゥー教など での地獄、冥界の主とされるもので、何というか洋の東西を 横断する作品だ。 その物語は、特に第一章では地獄巡りが描かれるが、これも 子供の頃に聞いた血の池だの針の山だのという感覚とはかな り異なる。もっとも落語の『地獄八景亡者の戯れ』にもいろ いろな地獄が出てくるから地獄はフレキシブルかな? ただVFXを駆使した地獄巡りは手を変え品を変えての豪華 絢爛なものではあるが、所詮それらは同じテーマの繰り返し で、いくつか見ていると新鮮さは薄れてしまう感じがしない でもなかった。 もちろん映画はそこにビル火災などの現代の災害を織り込ん で、それは見応えのある作品だったが…。 それに対して第二章では、物語は1000年の時空を超えて壮大 な歴史絵巻が展開される。 ただその歴史的な背景が、僕にはあまりピンとくるものでな かったのは残念だったが。そこで主人公たちが背負わされる 様々な重みのようなものは巧みに表現されていて、ここには 見事な人間ドラマが構築されていた。 ただのVFXアクション映画とは侮れない作品だ。 公開は第一章が5月24日から、第二章は6月28日より、東京 は新宿ピカデリー他で全国ロードショウとなる。
『オーファンズ・ブルース』 2019年2月24日題名紹介『嵐電』など北白川派の作品も何本 か紹介している京都造形芸術大学映画学科の学生による卒業 制作で、第40回ぴあフィルムフェスティバルにて、2018年度 のグランプリに輝いた工藤梨穂監督作品。 若年性アルツハイマーで記憶が消えて行く女性が、その恐怖 に怯えながらも孤児院時代を共に過ごした幼馴染みの男性の 消息を訪ねて行く。そこに別の幼馴染の男性とその恋人や、 探している男性の配偶者なども絡んでくる。 そんな物語がロードムーヴィ風な感触で、台詞の言語は日本 語で撮影も日本国内で行われているのに、どこか無国籍な感 覚で展開されて行く。そして主人公を巡る様々な謎が物語の 各所に散りばめられている。 主演は、京都造形芸術大学在学中の2015年に高橋伴明監督の 『赤い玉、』のヒロインに抜擢された2018年12月紹介『クマ ・エロヒーム』などの村上由規乃。相手役は大分県の出身で 九州を中心に活動している俳優の上川拓郎。 他に、監督の同級生で在学中にNHK連続テレビ小説『わろ てんか』にも出演した辻凪子。同じく同級生の佐々木詩音、 窪瀬環、吉井優らが脇を固めている。 上映時間が89分の作品では、物語にはかなり簡略化されてい るところもあり、脈絡が掴み難いものだが。そこには監督の 確信犯的な感じもあって、観客にはそれに付き合う覚悟も試 される作品だ。 特に結末に関しては様々な解釈が成り立つものだし、ミステ リー的な要素も含めていろいろな思いが交錯してしまう。そ れを超越して監督の感性だけを楽しんでも良いが、それ以外 の部分を考えるのは下衆なのかな。 とは言え監督の感性の瑞々しさは存分に感じられるし、それ は心地の良いものでもある。それ故の「PFFアワード2018」 グランプリも充分に理解できる結果だ。こんな感覚に浸れた のも久しぶりな感じがした。 因に試写会は監督と出演者の挨拶付きだったが、その際の監 督の発言によると、無国籍風の撮影は関西・四国の7府県の ロケーションで行われたとのこと。そのロケハンはインター ネットで行ったそうで、時代を感じてしまった。 また監督は「遺作」発言も繰り返していたが。これには卒業 してしまうと、自主映画の制作も難しくなるという意味も込 められていたようで…。文化庁には既成の監督だけでなく、 新たな才能への支援の施策も欲しいと思ったところだ。 正直、次回作の期待したい監督でもある。 公開は5月31日より、東京はテアトル新宿にて1週間の限定 ロードショウとなる。
この週は他に 『二宮金次郎』 (以前は小学校の校庭などによく立っていた像の主を描いた 作品。二宮は江戸時代後期に現在の神奈川県小田原市で生ま れた経世家と呼ばれる人物だが、薪を背負って歩きながら本 を読む姿は有名なものの、彼自身の業績はあまり知られてい ないようだ。実際に彼を描いた伝記映画は過去に2本ほどあ るが、いずれも若き日を描いたもの。しかし後半生では旧態 依然の藩政や住民の反対などと戦う姿が描かれる。主演は神 奈川県秦野市出身で、『超力戦隊オーレンジャー』や『水戸 黄門』格さん役の合田雅吏。他に田中美里、綿引勝彦、渡辺 いっけい、石丸謙二郎、榎木孝明、田中泯、柳沢慎吾らが脇 を固めている。中でも小田原市出身柳沢の真剣さは微笑まし かった。脚本は2010年8月紹介『武士の家計簿』などの柏田 道夫、監督は2006年12月紹介『長州ファイブ』などの五十嵐 匠。公開は、6月1日〜28日の東京都写真美術館ホール他、 全国各地の公民館等で上映される。)
『鉄道運転士の花束』“Dnevnik masinovodje” (ブリュッセル国際映画祭でグランプリの他、モスクワ国際 映画祭の観客賞など多数の受賞に輝くセルビア・クロアチア の作品。主人公は定年間近の鉄道運転士。彼は長い在職中に 28人を撥ね殺した記録を持つ。しかしそれは業務上で仕方の ないことと割り切っていた。ところが彼の義理の息子が仕事 を継ぐと言い出し、優秀な成績で資格を得る。そして勤務が 始まるが…。主人公の最大の気掛りは息子が遭遇する最初の 死亡事故だった。出演は1995年『アンダーグラウンド』など のラザル・リトフスキーと、同作でも共演のミリャナ・カラ ノヴィッチ。監督は主にテレビで活動のミロシュ・ラドヴィ ッチが手掛けている。鉄道運転士の映画では2018年11月3日 「東京国際映画祭」で紹介『ブラ物語』もあったが、この役 柄には少し特殊な感覚もあるのかな。本作もかなりブラック なユーモアで物語が綴られている。公開は8月17日より、東 京は新宿シネマカリテ他で全国順次ロードショウ。)
『凪待ち』 (2018年7月29日題名紹介『止められるか、俺たちを』など の白石和彌監督と、2013年7月紹介『人類資金』などの香取 慎吾の顔合わせで、ヒューマニティとサスペンスが絡み合う 作品。主人公はギャンブル依存症でシングルマザーのヒモの 様な生活をしていた男。しかし技術の資格を持つ彼は一念発 起して彼女の故郷である被災地の漁村に移住を決める。そこ でギャンブルは断つと誓った主人公だったが…。甘い誘いに 抗し切れず、やがて事件が起きる。共演は2018年8月5日題 名紹介『3D彼女』などの恒松祐里、2017年4月紹介『こど もつかい』などの西田尚美。他に吉澤健、音尾琢真、リリー ・フランキーらが脇を固めている。オリジナル脚本は、監督 の原案から2005年11月7日「東京国際映画祭」で紹介『雪に 願うこと』や2017年6月4日題名紹介『彼女の人生は間違い じゃない』などの加藤正人が手掛けている。いろいろな要素 が巧みに絡む作品だ。公開は6月に全国ロードショウ。)
『ゴールデン・リバー』“Les frères Sisters” (ゴールドラッシュのカリフォルニアを舞台に、化学で黄金 を効率よく探す技術を開発した男と、その秘密を奪おうとす る男たちの攻防を描いた作品。主人公は早撃ちで相手を尽く 倒してきた殺し屋シスターズ兄弟。彼らは提督と呼ばれる元 締めの指図で1人の男を追うことになる。その男は秘密の液 体を使って川底の黄金を浮き立たせる技術を持っていたが、 その液体の製法は不明だった。そこでその秘密を吐かせる任 務が兄弟に与えられるが…。出演は原作に惚れ込み自ら映画 化権を獲得したジョン・C・ライリーと、2019年2月10日題 名紹介『ドント・ウォーリー』などのホアキン・フェニック ス。さらに2017年4月紹介『ライフ』などのジェイク・ギレ ンホール、2014年『ナイトクローラー』などのリズ・アーメ ッド。脚本と監督は、2015年12月紹介『ディーパンの闘い』 などのジャック・オディアール。公開は7月5日より、東京 はTOHOシネマズシャンテ他で全国順次ロードショウ。)
『北の果ての小さな村で』“Une année polaire” (デンマーク王国のグリーンランド島を舞台に、本土から赴 任してきた新人教師と、人口わずか80人のチニッキラーク村 の生徒、住人との交流を描いた作品。フランス人のカメラマ ンで監督のサミュエル・コラルデはグリーンランドに魅せら れ、2年に渡って島内を旅する内にその村に辿り着き、そこ にいた新人教師を主人公に映画制作を思いつく。そしてその 教師と生徒たち、さらに住人たちをそのまま出演させ、半ば ドキュメンタリーの手法で描かれた作品だ。撮影は台本に基 づいているようだが、その台本に盛り込まれたエピソードは 住人たちへの取材によって得られたもの。それらが真摯且つ 丁寧に描かれている。しかも撮影は1年を掛けて行われてお り、白い雪の中にカラフルな家が点在する風景から、その雪 が解けて現れる町の全貌などが美しく写されている。それは 正しく心が洗われるような映像だ。公開は7月より、東京は シネスイッチ銀座他で全国順次ロードショウ。)
『ある町の高い煙突』 (新田次郎が1969年に発表した同名小説の映画化。1914年に 当時世界一と言われた高さ155.7mの日立鉱山・大煙突の建設 を巡る物語。鉱山の隣村の地主の家に育った主人公は、第一 高等学校の入試に合格して外交官を目指すが、村長だった祖 父に鉱山の煙害対策を懇請され、進学を諦めて郷里の環境保 全に乗り出す。しかし鉱山からは「事業は国策であり、補償 をするから煙害は諦めろ」と言われてしまう。それでも粘り 強く戦う主人公らは、逆転層より上に有害煙を排出する大煙 突を進言するが…。出演は無名塾出身の井手麻渡。他に渡辺 大、小島梨里杏、吉川晃司、仲代達矢、大和田伸也、小林綾 子、渡辺裕之、六平直政、伊嵜充則、石井正則、螢雪次朗、 斎藤洋介、遠山景織子らが脇を固めている。脚本と監督はド キュメンタリー出身で、1988年の『土呂久公害70年』という 作品が毎日映画コンクールグランプリを受賞した松村克弥。 公開は6月22日より、全国ロードショウ。)
『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』“Caniba” (2015年『モンタナ最後のカウボーイ』『ニューヨークジャ ンクヤード』『マナカマナ雲上の巡礼』の諸作が公開された ハーヴァード大学感覚民族誌学研究所所属のヴェレナ・パラ ヴェル、ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー両監督が、 1981年、パリで起きた猟奇事件の犯人の今に迫った作品。当 時32歳の日本人留学生がクラスメイトのオランダ人女性を射 殺し、人肉を食べたという事件。しかしその犯人は心神喪失 という理由で不起訴となり、2年後に日本に送還された。そ れから年月が経ち、脳梗塞や糖尿病を患う男は弟の介護を受 けながら生きている。そんな男が様々なことを語り、自身が 描いた再現漫画、出演した再現アダルトヴィデオなどと共に 映し出される。しかも男は自身の犯行を肯定し、何ら罪の意 識も持たない。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門・審 査員特別賞受賞作品。公開は7月12日より、東京はヒューマ ントラストシネマ渋谷他で全国順次ロードショウ。)
『ピアッシング』“Piercing” (2018年11月11日題名紹介『ファースト・マン』などのクリ ストファー・アボット、2013年10月26日「東京国際映画祭」 で紹介『ザ・ダブル/分身』(公開題名『嗤う分身』)など のミア・ワシコウスカ共演で、村上龍の同名小説の映画化。 殺人願望に取り憑かれた男が出張の名目で宿を取り、娼婦を 呼んで犯行を計画。その準備の様子や妄想も混じる自演のリ ハーサルなど、作者のリビドーそのものという感じの物語が 展開される。正直に言って自分なら表には出せないような恥 ずかしい物語だが、それを出すことで海外でも評価されてい るのだろう。直上の作品と同じ日に観て、何ともはやという 感じにも囚われた。脚本と監督は、2016年“The Eyes of My Mother”という作品でファンタ映画祭の受賞を果たしている ニコラス・ペッシェ。本作が第2作だが、次回は『呪怨』の ハリウッド版リブートになるそうだ。公開は6月28日より、 東京は渋谷シネクイント他で全国順次ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
| 2019年04月14日(日) |
ハッピー・デス・デイ/2U(クローゼットに、新佐渡情話、ワイルドL、Girl、峰不二子、パタリロ!、あいがそいで、99歳 母、パドマーワト) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『ハッピー・デス・デイ』“Happy Death Day” 『ハッピー・デス・デイ 2U』“Happy Death Day 2U” 女子大生がマスクを被った殺人鬼に襲われ殺される度、その 日の朝にタイムループしてしまうというSF色の強い2017年 全米公開のホラー作品と、2019年全米公開の続編。 その朝、主人公は記憶にない男子寮の部屋で目を覚ます。そ の日が誕生日の彼女は前日のパーティで騒いだ挙句、何かを “やらかした”らしい。そこで少し気弱そうな部屋の住人の 話も不機嫌に無視して彼女は女子寮に帰るが…。 それからいろいろあって迎えた夜。彼女はその日もパーティ に呼ばれて別棟の会場に向かう途中、不気味なトンネルでマ スクを被った殺人鬼に襲われる。そしてナイフで刺された瞬 間、彼女は男子寮の部屋で目を覚ます。 そんなことが繰り返され、事態を把握した彼女は部屋の住人 の男子生徒に状況を説明。彼のアイデアと協力も得て犯人を 特定し、ループを抜け出す方法を探って行く、というのが、 第1作の顛末。 そして第2作では、彼女はループを抜け出したものの、今度 は彼の部屋のルームメイトがループに巻き込まれる。それは 大学の研究室で進む実験に由来していたものであり、さらに 実験の影響はそれだけではなかった。 彼女はループを抜け出しただけでなく、パラレルワールドに 転位していたのだ。そこには彼女が元の世界で失った家族が 存在しており、彼女には理想の世界だったが…。その世界で 失うものもあった。 こうして彼女の能力も駆使してパラレルワールドを解消する ための研究が進められて行く。しかしそれは彼女が今の世界 で得たものを失うことでもあった。果たして彼女は元の世界 に戻るべきなのか? 様々な想いや妨害も掻い潜って実験は進められて行く。 出演は、第1作、第2作を通して2016年『ラ・ラ・ランド』 や、2018年6月紹介『500ページの夢の束』にも出ていたと いうジェシカ・ロースと、2013年『ブリングリング』などの イズラエル・ブルザード。 他に俳優マイクル・ランドンの孫娘で第1作が映画デビュー のレイチェル・マシューズ。2017年『ローガン』に出ていた というファイ・ヴ。また第2作から2012年12月紹介『ライフ ・オブ・パイ』のスラージ・シャルマらが登場する。 監督は第1作、第2作共に、2012年10月紹介『パラノーマル ・アクティビティ4』などの脚本を手掛け、そのスピンオフ 作品の監督も務めたクリストファー・ランドン。 第1作の脚本は、マーヴェル・コミックスのストーリー作家 でテレビシリーズの脚本なども務めるスコット・ロブデル。 そして第2作はランドル監督自身が手掛けている。 第1作の物語に関しては、映画の中でも1993年『恋はデジャ ヴ』が引用されているものだが、ループの切っ掛けが殺人と いうのはかなり強烈だ。しかもそれが何度も繰り返される。 これを連続とするかどうかは不明だが、連続殺人鬼ものとし ては犯人捜しの推理なども含めて良くできている。 それが第2作ではパラレルワールドに拡張されるものだが、 ここでは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が引用される 中、こちらも物語はうまく展開されている。しかも結末には SF映画らしからぬメッセージ性があるのも好ましかった。 それがSFならではのシチュエーションというのも嬉しい。 因に、第2作は2019年2月14日に全米公開されたものだが、 その際のインタヴューを見ると第3作の計画はあるようで、 主演女優の発言によると『ミッション:インポッシブル』並 のアクション映画になるそうだ。 脚本家でもある監督は、『パラノーマル・アクティビティ』 を第2作から第4作とスピンオフまで作った人だし、これは 期待したい。 ハリウッドリメイクもされた鈴木光司原作の『リング』も、 小説ではホラーに始ってSFに変成して行ったもので、その 結末は正しく稀有壮大だったが。本作にはその可能性もある かな? 楽しみなシリーズだ。 公開は第1作が6月28日から、第2作は7月12日より、全国 ロードショウとなる。
この週は他に 『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』 “The Extraordinary Journey of the Fakir” (フランスの作家ロマン・プエルトラスが2013年に発表した デビュー作を自ら脚色、カナダ・ケベック州出身のケン・ス コット監督で映画化した作品。インドから始まるインド人が 主人公の物語。ムンバイの母子家庭で育った主人公は母親の 死後、母の願いだったパリへと旅立つ。そこでアメリカ人の 女性と巡り合い再会を約束するが…。家具店のタンスで寝込 んだ彼は、知らぬ間にイギリスに運ばれ、不法入国者として スペインに送還。さらに奇想天外な手段でイタリア、リビア へと旅は続き…。出演は、俳優ラジニカーントの娘婿という ダヌーシュ。他に2012年2月紹介『アーティスト』などのベ レニス・ベジョ、2017年03月26日題名紹介『ブラッド・ファ ーザー』などのエリン・モリアーティらが脇を固めている。 個人的には2009年1月紹介『スラムドッグ$ミリオネア』を 思い出すかな。それほど政治的ではないが。公開は6月7日 より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。)
『新佐渡情話』 (日本映画のトーキー作品は1931年『マダムと女房』が最初 だが、当時の映画界が音声の取り込み方を模索する中で誕生 したのが大衆に人気のあった浪曲を取り入れた作品。今回は その浪曲映画の特集上映が行われることになり、本作の試写 が行われた。作品は1934年に公開されてブームの切っ掛けと なったとされる作品の翌年に制作された続編で、生き別れの 母親が佐渡に居ると聞いて訪ねてきた少女が漁師の家に助け られ、その家で兄と慕って育った若者との悲恋が描かれる。 しかもそこに描かれる人間関係がかなり複雑で、これは現代 劇でリメイクしても良いと思えるくらいのもの。撮影技術な どは未熟だが物語は充分に楽しめた。監督は清瀬英二郎。出 演者には上田吉次郎の名前があったようだ。公開は6月22日 〜26日に東京渋谷のユーロスペースにて、ドキュメンタリー や近作も含む全15本が、浪曲の実演やトークショウなどと併 せて上映される。)
『ワイルドライフ』“Wildlife” (2017年7月23日題名紹介『スイス・アーミー・マン』など の俳優ポール・ダノが初監督に挑んだ作品。1995年のピュー リッツァー賞フィクション部門受賞者でもある作家リチャー ド・フォードが1990年に著した原作を、ダノとパートナーの ゾーイ・カザンが共同で脚色、キャリー・マリガン、ジェイ ク・ギレンホールを招いて映画化した。モンタナの片田舎に 引っ越してきた14歳少年の目を通して、父親が失業した家庭 の崩壊が描かれる。少年役は2015年M・ナイト・シャマラン 監督『ヴィジット』で弟役のエド・オクセンボールドが演じ ている。父親は山火事の消防に応募して家を離れるが、その 様子は直接描かれないものの2018年3月紹介『オンリー・ザ ・ブレイブ』などを見ていると、その危険性は如実に判る。 そんな状況を踏まえての母親の苦悩も理解できる。その役を マリガンが巧みに演じている。公開は7月5日より、東京は 新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『Girl/ガール』“Girl” (2018年カンヌ国際映画祭でカメラドールに輝いたベルギー の新星ルーカス・ドン監督による長編デビュー作。主演のビ クトール・ポルスターが最優秀演技賞も受賞している。著名 なバレエ学校を舞台に、トランスジェンダーの「少女」がバ レリーナへの道を歩んで行く。物語は2009年の新聞に掲載さ れた実話に基づくもので、当時18歳でその記事を読んだ監督 は何時か映画化したいと夢見たそうだ。その夢が9年を経て 当事者の了解も得て実現された。家族や医療関係者など周囲 の理解は充分にあるが、恐らく法律的な縛りで18歳まで手術 を受けられない状況の中でもがき苦しむ主人公が描かれる。 トランスジェンダーの映画も近年多いが、その現実的な苦し みをここまで明確に描いた作品は見事と言える。なお映画に は世界的な振付師シディ・ラルビ・シェルカウイによる見事 なダンスシーンも登場する。公開は7月5日より、東京は新 宿武蔵野館他で全国ロードショウ。)
『LUPIN THE ��RD 峰不二子の嘘』 (2016年12月18日題名紹介『血煙の石川五ェ門』に続くシリ ーズの第3作。前作の紹介時はルパンらの若き日を描くとし たが、本作の時代背景などは不明確。大富豪から大金を横領 した男と幼い息子が強力な殺し屋に襲われ、そこに居合わせ た峰不二子は少年と共にその場を脱出するが…。少年には秘 密があり、襲った殺し屋の背景にも謎があるようだ。監督は シリーズ通して小池健。脚本もシリーズ通しての高橋悠也。 因に高橋は、2018年4月22日題名紹介『仮面ライダーアマゾ ンズ』やテレビ『相棒』シリーズなども担当している。声優 は栗田貫一、小林清志、沢城みゆき。2年に1作ペースだと 物語の全体像は見え難いが、途中の島を監視する際に遠望さ れた男性は前作の絡みかな? 背景ではかなり大きな陰謀が 動いているようだ。そんなものが次回以降に明らかになるの かもしれない。公開は5月31日より、東京は新宿バルト9他 で全国限定ロードショウ。)
『劇場版パタリロ!』 (2019年1月20日題名紹介『翔んで埼玉』が話題の魔夜峰央 原作で、1978年に連載開始されたギャグ漫画の実写映画化。 現在も連載中の原作は2016年に舞台化されており、その舞台 の演出を手掛けた小林顕作が映画監督デビュー。脚本も舞台 版の池田テツヒロが担当している。さらに配役もパタリロ= 加藤諒、バンコラン=青木玄徳、マライヒ=佐奈宏紀らがそ のまま登場。他に松村雄基、木下ほうか、鈴木砂羽、西岡�� 馬、哀川翔らが客演。物語はマリネラ王国の皇太子パタリロ の大英帝国訪問を軸に、極秘任務や陰謀、政変、暗殺計画な どが絡み、MI6も巻き込んで展開される。そこに昭和レト ロなギャグやSF調のギミック、さらに原作者好みの宝塚風 の歌と踊りなどが織り込まれる。全体的な構成は俗悪とも言 えるし、観客の好き嫌いは激しいと思われる作品だが、今の 勢いなら行けるかな。公開は6月28日より、東京はTOHOシネ マズ新宿他で全国順次ロードショウ。)
『あいが、そいで、こい』 (2018年4月22日題名紹介『カメラを止めるな』が大ヒット を記録したENBUゼミナールCINEMA PROJECTの第8弾。本作も 短編作品が各地で受賞している柴田啓佑監督の長編デビュー 作。先に田辺・弁慶映画祭の関連イヴェントで上映され好評 だったということだ。物語は2001年の和歌山県の漁村を舞台 に、個人でイルカショウを運営している家の息子と、イルカ の調教師を目指して台湾からやってきた女性との甘酸っぱい 交流が描かれる。出演は、柴田作品の常連で2017年11月26日 題名紹介『ピンカートンに会いにいく』などの小川あんと、 ドラマなどに出ているという高橋雄祐。他に2010年3月紹介 『ヒーローショー』などの長部努、2018年3月18日題名紹介 『枝葉のこと』などの廣瀬祐樹らが脇を固めている。映画は 現代と過去が交錯する構成だが、意図が良く判らなかった。 題名など他の描写にも不明点がある。公開は6月22日より、 東京は新宿K's cinema他で全国順次ロードショウ。)
『99歳 母と暮らせば』 (1945年生まれ。日本映画新社で3億円事件や浅間山荘事件 など多くのニュース映画企画に携わった谷光章監督が、自ら の母親の姿を企画・撮影・編集・ナレーションも兼ねて描い たドキュメンタリー。同様の作品では2014年5月及び2018年 4月15日紹介『毎日がアルツハイマー』などもあるが、本作 の被写体は99歳で歩行も可能、それは達者な部類に入る。た だ認知症は進んでいる感じだが、特に徘徊などの要素はない ようで、その意味では平穏と言える作品だ。そして監督自身 が福祉系の作品も数多く手掛けているとのことで、認知症患 者との付き合い方の実践みたいなものは描かれており、その 点は高齢化社会に向けたアピールにはなっている。とは言え 現実はもっと悲惨な事例も多いと思われるもので、その点で は2019年3月31日題名紹介『ばあばは、だいじょうぶ』で述 べたと同様の感覚にはなった。公開は6月8日より、東京は 新宿K's cinema他で全国順次ロードショウ。)
『パドマーワト 女神の誕生』“पद्मावत” (16世紀にイスラム教神秘主義者の詩人の手で描かれた叙事 詩の映画化。舞台は13世紀のインド南西部にあったメーワー ル王国。その国に嫁いだ王妃パドマーワティと国王ラタン・ シンの信愛。しかし北インドから支配を広げるイスラム教国 のスルタンが王妃の美貌を聴き付け襲い掛かる。難攻不落の 城を巡る攻防戦がインド映画史上最高の製作費で描かれる。 製作、脚本、監督、音楽は1999年『ミモラ−心のままに−』 などのサンジャイ・リーラ・パンサーリー。王妃役を2017年 2月5日題名紹介『トリプルX:再起動』でハリウッド進出 を果たした2013年1月紹介『恋する輪廻』などのディーピカ ー・パードゥコーンが演じている。巻頭にテロップが出て、 それが物語の流れを予測させてしまうが、それも時節的には 仕方ないだろう。宗教問題が憶測を呼んで公開も危ぶまれた が、結果はインド映画歴代10位の興行記録になったそうだ。 日本公開は6月7日より、全国順次ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
| 2019年04月07日(日) |
オーヴァーロード、アナと世界の終わり(夜会工場VOL.2、今日も嫌がらせ弁当、バイオレンス・ボイジャ、こはく、さよなら/退屈なレオニー) |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『オーヴァーロード』“Overlord” 『スター・ウォーズ』『スター・トレック』という2大SF シリーズの監督を務めるJ.J.エイブラムスが、製作を担当 している第2次世界大戦を背景とした作品。 映画の開幕はDデイ。フランスのノルマンディー海岸に向う 連合艦隊の上空を、主人公ら空挺部隊の乗った輸送機が飛び 越えて行く。彼らの任務は、ナチス占領下の村の教会に設置 された妨害電波の電波塔を排除すること。それは上陸作戦の 成否を左右する重大な任務だった。 ところが激しい対空砲火の中、低空飛行せざるを得ない輸送 機は次々に撃墜され、主人公らの乗った機も被弾。墜落寸前 に何人かは降下できたものの、地上の集合地点に辿り着いた のはほんの数人だった。それでも地元の住民の助けも借りて 任務を遂行しようとする彼らだったが…。 村人の情報から電波塔の置かれた教会では、並行してナチス の秘密研究が行われていることも判明。そのため警備も厳重 で少人数の攻撃では破壊は困難と判断される。それでも活路 を求める彼らは思わぬ突破口を見出し、任務の遂行を可能に して行く。 出演は、舞台中心の活動で2017年にはダーレン・アレノフス キー監督作品にも出ているジョヴァン・アデポ。俳優カート ・ラッセルの息子で2016年10月2日題名紹介『エブリバディ ・ウォンツ・サム!!』などのワイアット・ラッセル。 さらに2017年4月紹介『ゴースト・イン・ザ・シェル』など のピルー・アスペック。フランスの新進女優マティルド・オ リヴィエ。2007年9月紹介『ブレイブワン』などのジョン・ マガロらが脇を固めている。 脚本は、2012年7月紹介『ハンガーゲーム』などのビリー・ レイと、2007年10月紹介『モーテル』などのマーク・L・ス ミス。監督は短編映画出身で本作が長編2作目のジュリアス ・エイヴァリーが担当した。 開幕直後の対空砲火を浴びる輸送機のシーンは凄い迫力で、 これはとんでもない戦争映画を予感させる。そして地上に降 りてからも巧みな戦争シーンが展開されて行くのだが…。何 と言っても製作者はエイブラムス。映画の後半はあれよあれ よという間に、とんでもない展開になっていた。 これはまあ僕らにとっては期待通りというか、思わずニヤつ いてしまうものだが。観客の選り好みは生じてしまうかもし れない。でもそれは製作者の名に免じて許して欲しいという 感じかな? いや本当に僕には期待通りの作品だった。 ナチスの秘密研究ものというのは、SF映画のサブジャンル の一つとも言えそうだが、展開はほぼ同様になってしまう中 で、本作では捻りもあり、戦争場面もしっかりと作られて、 このジャンルの集大成とも言えそうな感じだ。 試写の直後には結末にもう一発外連があっても、という意見 もあったが、これはあえて続編を拒絶するという意味合いか もしれない。でもまあ作るとなったら作ってしまうのもエイ ブラムスだろう。それも期待したくなる。 公開は5月10日より、全国ロードショウとなる。
『アナと世界の終わり』“Anna and the Apocalypse” ファンタシー映画祭の老舗の一つであるシッチェス・カタロ ニア国際映画祭で、2017年のミッドナイト・エクストリーム 部門・最優秀作品賞を受賞した作品。 クリスマス時期のイギリスの田舎町を舞台に、突然蔓延した ゾンビ禍と戦う高校生たちを描く。しかもその展開がミュー ジカル仕立てという作品だ。 主人公のアナの家は、彼女が幼い時に母親を亡くした父子家 庭。それでも学校の用務員を務める父親にしっかりと見守ら れて育ってきた。そして彼女も大学進学を目指せるくらいに 優秀だったが…。 彼女の周囲にはちょっとダサい幼馴染みのジョンや、人目も はばからないラヴラヴカップルのクリスとリサ、オラオラ系 の元カレ・ニックらがいたものの、彼女自身は大学進学より も海外雄飛を目指してバイトで資金を貯めていた。 ところがその計画が父親にばれて親子関係が険悪になってし まった日。いつも協力的なジョンとバイト先を出てクリスマ ス発表会の開かれる学校に向かっていると、突然血みどろの 男がジョンに襲い掛かる。 その場はアナの機転で難を逃れたものの、その様子からゾン ビを確信したジョンは直ちに逃げることを提案。しかしアナ は、発表会の準備で学校にいるはずの父親や友人たちを救う ため、ゾンビと闘うことを決意する。 出演は、2012年12月紹介『レ・ミゼラブル』に出ていたとい うエラ・ハントと、王立スコットランド音楽院卒業で本作が 映画デビューとなるマルコム・カミング。同じく王立音楽院 卒業で振付師でもあるサラ・スワイヤー。 他に多くのテレビシリーズに出演し2009年11月紹介『Dr.パ ルナサスの鏡』に出ていたというマーク・ベントン、2014年 『ドラキュラZERO』などに出演のポール・ケイらが脇を固め ている。 ゾンビとミュージカルとの組み合わせでは、『ショーン・オ ブ・ザ・デッド』×『ラ・ラ・ランド』というような言い方 もされているようだが、すでにブロードウェイでもホラー系 の作品はある。 一方、2010年8月紹介『シネマ歌舞伎・大江戸りびんぐでっ ど』みたいなものもある訳で、さほど目新しいという感じで はない。とは言うものの、キャッチーということでは今どき の作品ではありそうだ。 ただゾンビ狩りの風景が、ヴィデオゲーム並みに打ちのめす だけなのは、ジョージ・A・ロメロ云うところの「死者への リスペクトが足りない」ことになってしまうかな。でもそれ も時流だろう。 2018年4月22日題名紹介『カメラを止めるな』のブーム的な ものもあるし、公開のタイミングとしてはよろしい感じもす るところだ。 公開は5月31日より、東京は新宿武蔵野館他にて全国ロード ショウとなる。
この週は他に 『中島みゆき「夜会工場VOL.2」劇場版』 (中島みゆきの脚本、作詞、作曲、演出、主演により1989年 にスタートしたオリジナルコンサート『夜会』に関しては、 2016年1月『夜会VOL.18−橋の下のアルカディア−劇場版』 を紹介しているが、その生の舞台は東京以外では公演不可能 なのだそうだ。そこで始まったのが『夜会工場』で、これは 全国4都市で公演され、そこでは過去の『夜会』がダイジェ ストで見られるものになっている。本作にはその2017−18年 の公演が収録されている。内容は全19作の『夜会』から29曲 の歌と2篇のポエムが、映画館の大スクリーンに5.1ch の音 響で再現される。共演者には植野葉子、香坂千晶、中村中、 石田匠、杉本和世、宮下文一ら『夜会』のメムバーたちが登 場し、オリジナルとは異なる演出も含め熱唱が再現される。 その他、舞台の両袖に演奏家がいたり、舞台転換にスタッフ が登場するなど、『夜会』の裏表が観られる作品でもある。 公開は5月3日より、全国ロードショウ。)
『今日も嫌がらせ弁当』 (Amebaブログのデイリー総合ランキングで第1位に輝いた 「ttkkの嫌がらせのためだけのお弁当ブログ」を基に書かれ たエッセイ集からの映画化。伊豆諸島の東京都八丈町に暮ら すシングルマザーが、反抗期の娘のために高校生の3年間作 り続けたメッセージで一杯の弁当と、母子の生活ぶりが描か れる。出演は2018年9月2日題名紹介『人魚の眠る家』など の篠原涼子と、2019年『居眠り磐音』などの芳根京子。他に 2018年11月11日題名紹介『輪違屋糸里』などの松井玲奈、劇 団EXILEの佐藤寛太。さらに佐藤隆太、岡田義徳、森三中の 村上知子らが脇を固めている。脚本と監督は2017年12月紹介 『レオン』などの塚本連平が担当した。題名の見た目はちょ っときついけれど、内容は現代の親子関係を巧みに捉えた感 動的な物語になっている。八丈島で現地ロケされた映像も素 敵で、親子関係が希薄な時代にこれは良いと思える作品だ。 公開は6月28日より、ロードショウ。)
『バイオレンス・ボイジャー』 (2013年3月紹介『燃える仏像人間』に続き、京都出身の映 像クリエーター宇治茶が監督/脚本/キャラクターデザイン /作画/撮影/編集の6役を務めた作品。主人公は山奥の村 で暮らす金髪の少年。彼が親友と2人で隣村に転校した友達 を訪ねようと村はずれにやってくると…。映像は切り絵を動 かす劇メーションという手法で、前作では一部実写の部分が あったが本作では全編がその手法で撮影されている。そのデ ザイン造形はかなり不気味で、正に宇治茶ワールドと呼べる ものだ。そして声優には、2018年12月紹介『あした世界が終 わるとしても』などの悠木碧、2011年11月紹介『ドットハッ ク/セカイの向こうに』などの藤田咲、2019年2月紹介『え いがのおそ松さん』などの小野大輔に加え、「ココリコ」田 中、「サバンナ」高橋、さらに田口トモロヲらが起用され、 ナレーションを松本人志が担当している。公開は5月24日よ り、東京はシネ・リーブル池袋他で全国ロードショウ。)
『こはく』 (2017年10月紹介『ゆらり』の横尾初喜監督が、故郷の長崎 県で撮った自伝的な要素もあるという作品。主人公は母子家 庭の2人兄弟で次男。父親が興したというガラス工場を切り 盛りして軌道に乗せているが、その父親は彼が幼い頃に出奔 したまま音信不通だった。そこに芸能界に身を置くという長 男が、父親を見掛けたという情報をもたらす。そして長崎市 の怪しげな界隈で父親の消息を探るが…。父親の所業と今の 自分の生活が重なり、家族の在り方が問われて行く。出演は 井浦新、大橋彰(アキラ100%)。他に遠藤久美子、嶋田久作、 鶴田真由、石倉三郎、鶴見辰吾、木内みどり、�好侫 璽譽� 長崎の応援番組に出ているという塩田みうらが脇を固めてい る。主人公の回想シーンには仕掛けがあって、それが作品の 良いアクセントにもなっていた。公開は6月21日から長崎で 先行上映の後、7月6日より、東京は渋谷ユーロスペース、 シネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)
『さよなら、退屈なレオニー』 “La disparition des lucioles” (2018年の東京国際映画祭「ユース」部門に『蛍はいなくな った』のタイトルで出品され、主演のカレル・トレンブレイ に「東京ジェムストーン」賞が贈られた作品。カナダの田舎 町を舞台に、悶々とした日々を送る少女の姿が描かれる。最 近この手の作品がブームになっているようだが、初老の男性 にとってはなかなか理解し難い作品だ。それでもここに例え ば『アメリ』のような捻りでもあってくれれば、それなりの 評価もできるのだが、そこも突き放されてしまう感じかな。 でもこれが若い観客には共感されるのだろうし、その感性を 失ってしまった自分を卑下するしかないのだろう。とは言え 映画祭時の題名が原題に近いものだが、そこに掲げられた蛍 はどこに行ってしまったのか? ただのパンチラインだけで はないものがあっても良いのではないかな。まあそれもない のが現代っ子なのかもしれないが…。公開は6月15日より、 東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。) を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
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