メーコの芋ちゃん日記

2009年11月20日(金) 白髪シリーズ第四弾・「悔し涙」

メーコには計り知ることのできない、ダンさんの奇怪な(?)行動により我が家に連れて来られたカメを3日後に家の前の池に開放し、カメ騒動が終結した10日後に、芋助は6歳の誕生日を迎えまひた。

例年の如く、日ごろお世話になっているキューバ人家族やダーリンの知り合いなどを呼んで我が家で誕生会を開き、子供たちは駆けずり回り〜、大人たちは飲み〜の食い〜のと大騒ぎをしていた中、知り合いのキューバ人男性が、冗談まじりにメーコにこう言いまひた。
「メーコ、シバ(←ダンさんのこと)はあんなに嫌なヤツなのに、どうして芋ちゃんはあんなに可愛くていい子なんだよ??」と。

メーコがすかさず、「そんなん至ってシンプルよ。私が“可愛くていい人”だからに決まってんじゃん!」と答えると、彼は「はっはっはっ。確かにそーだ。それはもう、皆が認める事実だね」と、笑いながら立ち去ってしまいまひたが、正直言って、メーコは芋助が自分に似ているとは到底思えんのですよ。

確かに、「食わず嫌いがない」とか「後片付けをしない」といった生活習慣面では、間違いなくダンさんではなくメーコの血を引いていると思うのでふが、芋助の「性格」について言うならば、メーコは、芋助が自分の血を受け継いでいるとは絶〜〜〜っっ対に思えんのどす。

何てったってメーコは、親戚中から「メーちゃんが付け忘れてきた物をターちゃん(弟)がもらってきたのね」と言われ続けてきたほど、やんちゃで活発、気も強く、危ないことが大好きで、近所のガキ大将たちを引き連れて連日木登りや探検ごっこに明け暮れるような子供であったのに対し、我が芋助は、のんびりまったり、恥ずかしがりやで引っ込み思案、危ないことには一切手を出さないというモジモジ君。

年下の子におもちゃを取られても、怒るでもなく奪い返すでもなく、ちょこっと悲しい顔をした後、違うおもちゃを探して遊び始めるし、クラスの男の子たちの中で自分だけバスケットボールが上手くできなくても、悔しがる訳でも悲しがる訳でもなく、ただ一言、「バスケットのネットは高くて、芋ちゃんには届かないんだよ」と言ってお終い。
保育園でも幼稚園でも、誰かに誘われなければ自分から輪の中に入って行こうとはしないし、ハロウィーンやイースターでも、他の子たちががっついてチョコレートやキャンディーを取りに行こうとするのに対し、芋助はいつも最後尾でポー…っと待っている。

パパちゃん曰く、「芋助は優しくて我慢強い子なんだよ」だし、友達からも先生からも、「芋ちゃんみたいに大人しくて聞き分けのいい子はそうそういない」と言われまふが、メーコからしてみたらただ一言、「オメーはかーちゃんの子じゃないぞ!!」としか思えないのどす。

まー確かに、「聞かん坊でワガママな子」よりは、「聞き分けが良くて大人しい子」の方がいいのかも知れまへんひ、他の子に危害を与えたり闘争心むき出しでガツガツしているよりは「のんびりまったり」の方がいいのかも知れまへん。
でもどすね。
あまりにも大人しく、あまりにも闘争心や自己主張といったモノを持ち合わせない我が息子を見ていると、「お前、そんなんでこの先世間を渡って行けるんかいな??」と、メーコはまたまた白髪を増やして心配になってしまうんどすよ…。

ところが。

ある「事件」が、誕生会の3日後に起きたのどす。

今年の誕生プレゼントは、芋助が前から欲しがっていた「Wii Sports」。 日本語版でも発売されている、テニス・ゴルフ・ボーリング・野球・ボクシングのソフトが入っている、体感ゲームでごじゃいますよ。
Wiiに限らず、ゲームの類は大人よりも子供の方が上手くなるのが早いと言うのは公然のジジツでありまふからに、ゲームボーイでもDSでも、メーコは今まで芋助に勝てた試しはなく、それはWiiでも同様でごじゃいまひた。

しかし、指先だけの操作のゲームボーイやDSと異なり、力加減やタイミングで操作できるWiiにおいてはメーコも負けるワケにはいかず、芋助とダンさんが寝静まった後の真夜中に黙々と練習を重ね、ついに誕生会3日後、芋助をテニスの試合で負かすことができたのどす!!!

その瞬間。
6歳の息子相手にむっちゃ真剣になり、勝利を決めて大人気もなくはしゃぎ回るメーコの目に入ったモノは…

「…あと1点で、芋ちゃん勝てたのに…」と蚊の泣くような声で呟きながら、大粒のナミダを流す息子の姿でありまひた…。


…芋ちゃん。
「まったり、のんびり」の象徴であったキミにも、「闘争心」や「悔しさ」というモノが存在していたことが分かってママは嬉しい。
が、しかし。
ナゼそれが「Wii」に対してやんね〜〜〜〜〜!!  勉強とかスポーツとか、もっと現実の生活に根付いたコトに対してそのキモチを持ってはくれんのか??

クラスメートのモーちゃんがママに教えてくれたよ。「芋ちゃんもあたしと一緒に特待生になれると思ってたのに、ダメだったんだよ。」って。
ルー君も、「芋ちゃんはクラスの通信係りをやりたがってたけど、他の子に取られちゃって、草花係りになったんだよ」って言ってたよ。
ママがそのことを聞いた時、キミはただ一言、「うん。」って答えただけだったよね。
悔しくはなかったんかい?? 
ママにしてみたら、テニスのゲームでママに負けて涙を流すくらい悔しいんだったら、特待生になれなかったことや、自分がやりたかった係りになれなかったことを悔しがって欲しいよ。
「もっと頑張って勉強ができるようになろう!」とか、「次は絶対に通信係りになる!」って意気込みを見せて欲しいよ。

…などと思うメーコの気持ちを他所に、芋助は嬉々として、「今日は絶対に勝つからね〜」と言いながら、Wiiのスイッチを入れるのでありました…。

そして。

「3歩歩けば全て忘れる」体質のメーコが、息子への思いをすっかり忘れてゲームに熱中しているところに帰ってきたダンさんが一言。
「芋ちゃんもママも、またご飯も食べないでWiiやってるんですか!! そんなんだったら、パパ、Wii捨てますからね!!」


…やっぱり芋助は、メーコの血を引いているようであ〜る。



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