ATFの戦争映画観戦記



【File051】敵うぁ♪地獄ぬぉ♪・・・デェ〜ス・トォ・ロォ・・・いや〜ん♪・・・軍艦洋画編Vol.3

2002年07月31日(水)

相変わらず寝苦しい夜が続いておりますが、観戦武官の皆様は如何がお過ごしでしょうか・・・?猟奇的殺人事件やら連続スーパー金庫強奪事件やら、モー娘。の後藤真希は独立するは保田圭は卒業するわ、プッチモニやミニモニ、タンポポは編成替えがあるわで、世の中色々騒がしいですなぁ。そんな中「戦争映画観戦記」も無事連載50回を乗り越え、次なる目標は連載75回・・・なんかドイツ軍の戦車突撃章みたいですが・・・10000ヒットの壁もどうやら見えてきましたし、出来ればオープン一周年(10月)までには・・・と暑く・・・熱く心に誓っております。さて思いの他、戦争映画通の方々からご好評で長期(って行っても6回ですが・・・)となった「自爆的SPRストーリー」も完結しましたので、本来の「戦争映画観戦記」の姿に戻って心機一転・・・中断しておりました「軍艦洋画編」の再開です。「Vol.1戦艦編」「Vol.2巡洋艦編」と来たので、Vol.3はやっぱ「空母編」だろう・・・と期待された方には誠に申し訳ないのですが、予想に反して「駆逐艦編」です。白状しますと�犇�母�瓩�メインで登場する映画ってあんまり観たことないんですよ・・・そりゃ「トラトラトラ」とか「ミッドウェー」とかありますけどね・・・そうそう「トコリの橋」とかもですが・・・「不沈艦サラトガ」とか、あと直営輸入ビデオ店で売ってる「FLAT TOP」とかそうですが�犇�母�瓩�主役って言うか艦載機メインっていうか・・・今ひとつ好きじゃないんですよね、何か。と、言う訳で今回のテーマは艦隊の何でも屋&働き者�犇鄰犂廊瓩任后�それでは開幕のブザー・・・いつものように携帯電話の電源はお切り下さい・・・。

【眼下の敵】1955
戦争映画史上の名作のひとつとして有名ですが、ATF的には不満があります。殆んどの戦争映画本や戦争映画関連サイトでは、多くの場合この「眼下の敵」は�狎�水艦映画�瓩辰栃�類されているのです・・・(怒)私は声を�狢膈瓩砲靴童世い燭�・・・この映画は潜水艦vs駆逐艦・・・映画である、と。第二次大戦下の南大西洋を舞台に、連合国側の暗号表を受け取り持ち帰るという重要任務遂行中のフォン・シュトールベルク艦長(クルト・ユルゲンス)のUボートと、単独哨戒任務中のマレル中佐(ロバート・ミッチャム)指揮下の米海軍護衛駆逐艦が繰広げる死闘・・・って、詳しい事はみんな知ってるので、あらすじ等は省略。まあ一般市民を交えず、プロの軍人同士が互いの知恵と戦術の全てを出し合い、敵の先手を読むのは、どこかチェスや将棋のような雰囲気です。Uボート艦長(生粋のプロセイン軍人)の方は息子を戦争で亡くし、対する駆逐艦長(元商船航海士の予備士官)の方も妻を亡くしている、といった心のハンデを抱えながらも、その戦い振りは、どこか�犁鎧瞭鮫疆�でもあります。艦長以外の両艦の登場人物を見ても、歴戦のUボート乗りである副長ハイニ・シュワッファー(セオドア・バイケル・・・この人「アメリカ上陸作戦」ではソ連潜水艦艦長に昇進)優秀なヨットマンである駆逐艦副長ウェア大尉、その耳からはどんな優秀な艦長の指揮するUボートも逃げられない、まさしくプロのソナー手エリス、田舎の開業医から応召の軍医など多彩な登場人物が個性豊かに描かれています。さて登場する駆逐艦ですが、実は原作(D・A・レイナー著)では英国海軍西部近接海域(ウエスタン・アプローチ)管区所属の駆逐艦ヘカテ号となっています。創元推理文庫版によれば、ヘカテ号は対潜作戦用に備砲4.7インチ砲を四基から二基に減らし、更に魚雷発射管を撤去、爆雷搭載数を増やし燃料タンクも増設している戦前型のH級駆逐艦という設定です(文庫の表紙絵はどう見ても大戦後期型のU級っぽいぞ)因みにUボート(U121)の方はポピュラーな�撮歎燭任呂覆�、一回り大きな�州歎燭箸覆辰討い泙后1撚茲諒�は、Uボートはともかく、駆逐艦の方は流石にハリウッド映画のため米国海軍の護衛駆逐艦バックレイ級(対潜戦闘能力と航続性を強化した量産型駆逐艦・・・類似の艦型にカノン級、エドソル級がある)かと思ったのですが、魚雷を搭載していないので、ディーゼル電気推進式(ディーゼルエンジンで発電し、その電気でモーターを動かす)エヴァーツ級・・・精強な駆逐艦というよりは図太い護衛艦っていった感じが良いです・・・かも知れません。英国人が「ラット・パトロール」を観て「アメリカ軍は北アフリカ戦の最後にちょこっとやって来ただけで、あんなに活躍していない・・・」と怒ったそうですが、この「眼下の敵」を観ても同じ事を言いそうですな。なんたってラストシーンはカッコ良過ぎ・・・死力を尽して戦った男同士ほど真の親友である・・・あのタバコのシーンは戦争映画でも五指に入るのでは。そうそう映画をまだ観ていない方に忠告。先に映画を観てから原作は読まないで下さい・・・映画と原作のラストシーンのギャップに唖然としますので・・・。

【底抜け船を見棄てるな】1959
この作品は、以前「海軍コメディ」モノ特集で取り上げたのですが、よくよく観直して見ると、結構駆逐艦がガンバッて登場しておりましたので、再登場と相成りました。1950年代から60年代半ばにかけて、アメリカの喜劇界を代表したスター俳優が、言わずと知れたジェリー・ルイスです。ちょっと惚けたキャラクターで、相棒役のディーン・マーチンと共に「底抜け」シリーズで一世を風靡しました。そのシリーズの中で軍隊を舞台にした、所謂「軍隊コメディ」のひとつが、この「底抜け船を見棄てるな」です(因みにこの作品には、ディーン・マーチンは出演してません)物語はジェリー・ルイス演じる主人公ジョン・ポール・ステックラー�犲契き畭膂咾�結婚してダイアナ・スペンサー演じる新妻プルーデンスとの熱い初夜を迎えようとした、将にそのとき、屈強な2人のSP(海軍憲兵)が現れ、連行されてしまう事から始まります。実は、主人公が二次戦後に�犹愆�した�畤訓垳遽匐鄰犂�644コーンブラッド号が行方不明になっており、主人公に国家財産の横領&スパイの容疑がかけられていたのです。何ゆえお惚け主人公が艦長に成り得たか・・・これが傑作で、主人公の上官達が終戦で悉く退役・復員(みんな予備役だったのか・・・?)し、次々に指揮権が継承された結果、最後に残った最後任の主人公が艦を指揮する事になった訳なんですが、そこはお惚け主人公、今までまともに操艦などしたことない訳で、其処からまた派手なドタバタが繰広げられるのです。それで艦を修理のために別の軍港へ移動させる事になるのですが、航法を誤って名前も知らない孤島(終戦を知らない�猜僂吻疇�本語喋る日本軍がいます)の沖で座礁し、主人公は日本軍の捕虜になり、その間に艦はサッサと移動して・・・なんと伝書鳩で終戦を知った日本軍が、逆に降伏し、その手柄で大尉に昇進したり、と物語が進み、超グラマーな情報部のリタ・ベンソン少尉(ダイナ・メリル)とともに行方不明の艦を探索、そして遂に発見されたコーンブラッド号は、なんと○○になって○○の○に。どうしてそんな事になったのか・・・という原因が大きな問題となって予算委員会の公聴会が開かれ、やっとの事で主人公の無罪が確定、最後は新妻との熱い初夜を迎えるのでした・・・。全盛期のジェリー・ルイスのギャグの演技に比べると、ちょっとパワーダウンな点が感じられますが、まあ楽しめる作品です。で、登場する駆逐艦コーンブラッド号は前述の「眼下の敵」に登場する艦型に似ているのですが、艦上構造物が近代化されており、ちょっと違った艦型にも見えますが、結局は主人公のお茶らけた操艦に振り回されるのです・・・。そうそう戦時中のエピソードで、艦橋で足を滑らせた主人公が爆雷投射機のスイッチを押し、ばら撒かれた爆雷が爆発、怪我の功名で潜没していた日本潜水艦(イ56って艦橋に書いてます)が、海上に飛び上がってくるシーンは笑わしてくれます・・・。

【軍旗の下に】1942
主演のノエル・カワードが監督/製作/脚本/音楽の一人五役を手がけた戦中戦意高揚映画で、英国海軍から本物の駆逐艦を借用して撮影されています。登場する駆逐艦はHMSトリン号。艦名に�爍圻瓩�付いているので�爍圻甬蕕�と思ったら、主砲塔と艦体の形状から�爍吻甬蕕��爍豊甬蕕任呂覆い�と思うのですが・・・。物語は駆逐艦トリン号が造船所で建造されるところから始まり、公試航行、引渡しを経て乗員が集まり戦闘へと至るのですが、いきなり前半で独輸送船団・護衛の駆逐艦との砲雷撃夜戦・・・魚雷発射シーンがあります。そしてもっと凄いのが独爆撃機との対空戦・・・なんとハインケルJu88爆撃機の実機が登場。壮絶な対艦爆撃を敢行します。捕獲された実機を使用しているのか、それとも実戦で撮影した実写映像を挿入しているのか・・・。後者だったら編集者の腕は神業、前者だったら軍の大奮発って所でしょうか。駆逐艦側も20mmエリコン機銃や、英国の軍艦と言えばコレ�爍苅娃蹌蹈櫂爛櫂狢刃∩�機関砲�疂軸錣箸いΔ茲蠅鰐宜�な機械といった風情で激しい対空砲火を打ち上げます(でも実際は戦局の推移とともに40mmボフォース機関砲に換装されてしまいます)で、奮戦空しく2発の直撃弾を受け、哀れトリン号は海底へ・・・で、真の物語はここから始まるのでありました。漂流するトリン号の乗員(艦長、副長、先任衛兵伍長、一般水兵・・・)たちの脳裏に浮かぶ妻、子供、家族、恋人達の姿。ハヤカワ文庫から多数出版されている二次戦を舞台にした海洋冒険小説を読むと、艦を中心に、その艦長以下の乗員たちと共に銃後の社会で待つ彼等の家族や妻、恋人たちとの物語が大きく絡んで行くのですが、この映画もその定説通りの作りになっています。長い航海を終え家族の待つマイホームへと帰るエピソード、海軍軍人の妻たる心構えのエピソード、休暇の最中に結婚する水兵のエピソード、一家団欒のクリスマスのエピソード、空襲で最愛の家族を失うエピソード等が複雑に絡み合い物語が進んでいきます。結局は戦っているのは前線の兵士だけではなく、銃後の市民も同じであるという事が叙情豊に描かれておるのであります。乗員の内、約半数が生き残るのですが、結局は他の艦へと転属して行きます。最後の解散式での艦長の演説の中で�爛肇螢鷙罎両莪�であった事を誇りに持って、新たな艦で任務に励め�瓩噺世辰唇嫐�の演説が脳裏に残ります。そうそうこの映画、リチャード・アッテンボローのデビュー作だそうで、彼の配置は弾薬庫の装薬搬出係なのですが、戦闘中に恐怖の余り配置を逃げ出す新米水兵を初々しく演じています。あんな風に砲弾が弾薬庫から砲塔まで運ばれるのか・・・っとじっくり観てしまいました。どちらかと言えば「軍旗の下に」よりも「軍艦旗の下に」の方が良いですが・・・。

【封鎖作戦】1952
二次戦初期、独海軍Uボートによる通商破壊戦から生命線である輸送船団を守る為、英国海軍は片っ端から護衛兵力を掻き集めるのですが、七つの海に君臨する大英帝国海軍の威光が、逆に仇となってしまいます。世界各地に植民地を持っているため、その警備や神出鬼没な独海軍の通商破壊艦の捜索の為、海上兵力の分散を余儀なくされた訳です。結局は護衛戦力の強化の為、遠洋型のトロール漁船やキャッチャーボートにソナーや音響探知装備、爆雷を載せた急造型対潜小艦艇や、キャッチャーボートの造船技術を応用し中小の造船所でも建造できる様にした小型護衛艦の傑作�爛侫薀錙宍薀灰襯戰奪抜廊瓩筺△修寮�能発展型である�爛螢弌宍薀侫螢押璽抜廊瓩侶�造を急ピッチで行う訳ですが、やはり護衛が足りない・・・。そこで、まだ参戦していない米国に世界各地の英国海軍基地の使用権との交換条件で引き渡して貰ったのが、米国海軍が一次戦時に大量に建造し余っていた�爛織Ε鶺薛甼鄰犂錬毅粟匹如△修瞭汎辰隆老燭�ら��Four Stacker(4本煙突)�瓩箸���Flash Decker(平甲板型)�瓩箸�呼ばれていた旧式駆逐艦(と言っても本家米国でも掃海型や高速人員輸送型として終戦まで使用されていた。真珠湾攻撃時に日本海軍特殊潜航艇に最初の一発を放った�爛錙璽畢瓩籠�本海軍に捕獲され哨戒艇として使用された�爛好船絅錙璽鉢瓩覆匹癲△海瞭鰻心蓮砲気徳庵屬�が長くなりましたが、この作品は1942年4月28日に実施された実際の特攻作戦(フランスのサン・ナゼール軍港にあった戦艦テルピッツ号(ビスマルク号撃沈後、独海軍最大の艦艇。輸送船団にとって大いなる脅威だった)を修理できる大西洋岸唯一のドックを使用不能にする為、爆薬を満載した老朽駆逐艦キャンベルタウンを艦体ごと突入させ、ドックの水門を見事爆破した)をモデルにしています。映画に登場するのはトレヴァー・ハワード演じる老艦長フレーザー中佐(8年前に操艦事故を起こし軍法会議で予備役に編入されていた)指揮するバラントルー号ですが、乗員の殆んどが海は初めてという素人ばかりだったり、老朽故の故障の続出、新米航海士のミスによる沈船との衝突事故、防潜網にスクリューが絡まったり、乗員が陸の酒場で大乱闘(原因は乗艦を馬鹿にされた事による)など面倒続きで、艦隊中では「Gift Horse」(原題)と呼ばれて馬鹿にされていたりしますが、乗員たちは次第に、この老朽艦と頑固者の艦長に愛着を持つようになったり、船団護衛中の対空戦闘で独爆撃機(スツーカ?)を撃墜したり、浮上したUボートに体当たりしたりと次第に戦果を上げ馬鹿にされなくなったりと、中盤まではお決まりのストーリー。やがて老朽艦の最後の任務として、前述のドック爆破作戦が実施されるのですが、艦首に5トンもの爆薬を満載し、また海兵隊員を乗船させ、独海軍のメーヴェ級水雷艇に偽装する為トレードマークの四本煙突を2本に改装したりして、お供のフェアマイルD型MGB(機動砲艇)を引き連れ編隊航行する晴れ姿は最高。奮闘の後、最後はドックの水門に激突、座礁しながら、時差設定の時限爆弾によって調査の独兵達を道連れに吹っ飛ぶバラントルー号の最後の雄姿。前述の「軍旗の下に」と同じくリチャード・アッテンボローが出演していますが、こちらでの役は、何かと権利や規則に五月蝿い堅物な労働組合役員出身の水兵を演じています。

【ケイン号の叛乱】1954
この作品も名作中の名作。原作はピュリッツアー賞に輝くハーマン・ウォークの世界的ベストセラー。第24回アカデ○ー賞で主演男優賞など7部門にノミネートされています。物語は、これも老朽した駆逐艦の魚雷兵装と主砲の一部を撤去し、替わりに掃海器具を搭載した掃海駆逐艦ケイン号が舞台。演じるはクレイブン級かサマーズ級、またはシムス級の旧型駆逐艦。後部第4砲塔を撤去し、掃海器具(パラベーン)を装備しています。予備士官養成所を5番の成績で卒業したキース少尉が配属された時の艦長はトム・テューリー演じる、肩苦しくはないが、新米には厳しい歴戦の艦長。着任の挨拶にキース少尉が艦長室を訪れるシーンで、いきなり下着一丁(腹巻?)姿で登場するとこなんざ、邦画「殴り込み艦隊」の駆逐艦黒雲の艦長(田崎潤)を彷彿させる出で立ちです。この艦長とキース少尉は粗利が会わないようで、不和のまま艦長は転任していきます。そして後任の艦長クイーグ中佐(ハンフリー・ボガード)が着任する訳です。この作品も余りに有名なので細かいストーリーは書きませんが、大西洋での激戦で神経をやられている艦長が徐々に正体を顕していく過程が一種巧妙なサスペンス仕立ての物語になっています。右旋回標的切断事件に苺ミルク紛失事件、黄色のペンキ事件、戦闘準備無帽事件、無断上映会事件そして極め付けの台風遭遇事件・・・この台風遭遇事件のエピソードは1944年12月18日にフィリピン沖海域で米海軍第三艦隊が実際に台風に遭遇し3隻の駆逐艦が沈没し、その他多くの艦が被害を受け、死亡行方不明790名の被害を出した事件がモデルになっています(今は無きソノラマ文庫版航空戦史シリーズ55「神風、米艦隊撃滅」参考)暴風雨のシーンは模型を使用した特撮シーンですが、迫力ありよく出来てます。艦を守る為、精神錯乱に陥った艦長から指揮権を奪う副長マリク予備大尉。そして無事暴風雨を切り抜けますが・・・後半は、この事件をきっかけに叛乱罪を巡る軍事法廷シーンがメインになります。果たして叛乱罪は成立するのか・・・争点は艦長の精神が正常かどうか。名優ホセ・ファーラー演じるバーニー法務士官が、圧倒的に不利な裁判で少しずつクイーグ艦長の精神異常を暴き出していきます・・・そして判決。祝杯を挙げるマリク大尉ら一同の下に、しこたま酔ったバーニー法務士官がやって来て言う台詞が胸に突き刺さります・・・「俺たちが娑婆や学校で楽しく過ごしていた頃から、艦長は大西洋で戦っていたんだ・・・」言ってる事はもっともなんですが、実際身近な社会で「こんな上司がいたら鬱だよな〜ッ」なんて想像してしまう映画ではあります。保身の為に肝心なところで裏切る同僚もね。米海軍が良く全面協力したよな〜。戦闘シーンなどは実写シーンばかりだけど、ジャコブ海域侵攻作戦?って場面で乗員が顔に塗ってるクリームって何?若きリー・マービンが髭面の水兵役で出演してます。裁判が終わって新たな艦に配属されたキース少尉を待っていたのは・・・観てのお楽しみです!

さて駆逐艦の登場する以上5作品如何でしたでしょうか?実はもう1作品「駆逐艦ベッドフォード作戦」というリチャード・ウィドマーク、シドニー・ポワチエ、マーチン・バルサム出演の東西冷戦を舞台にしたポリティカル・ミリタリー・サスペンス作品があります。北極海で国籍不明の潜水艦(もうソ連潜というのは見え見え)をしつこく追跡する米国駆逐艦・・・というよりは現在でいうところのフリゲート艦なんですが・・・リチャード・ウィドマーク演じる艦長もちょっと偏執狂的に描かれています。ラストシーンがショッキングで、ちょっと鬱になる作品なんですよ。で、ここで取り上げなかったのは、いずれ東西冷戦・第三次世界大戦モノの特集の時にと思った訳で、決して眠いとか疲れたとか暑いとか言う訳ではありません、よ。お客さん・・・!さていよいよ8月、戦後57年目の熱い夏がやって来ました。やっぱ8月と言えば邦画戦争映画・・・という事で、今後暫くは「あゝ邦画戦争映画は燃えているか」シリーズ(おいおいシリーズ化かよッ?!)をお送りします。お楽しみに【続く】
【一部加筆】2002.08.02 前書き部分に一部加筆


【File050】記念連続ドラマ最終夜「プライベート・ライアンとノルマンディーの空」

2002年07月22日(月)

祝連載50回・・・このHPをオープンしてから早50回目の書き込みです。大体週一回を目標にやって来ましたが・・・何事も飽きっぽいATFにしては、凄い快挙です・・・自分に拍手!さて、安直な発想で始めてしまった、この企画ですが、なんと6話も続く羽目になってしまいました。最初は簡単なパロディって構想だったのですが、いざ書き出してみると、あのエピソードこのネタと次々に浮かんで来て、等々此処まで来てしまったと言う訳です・・・それでは最終話、気合を入れて行って見ましょう・・・�爐覆鵑犬磧△海離�チは・・・�瓩辰篤佑湛�まないでね・・・それでは始まり・・・です(開演ブザー:いつもの様に携帯電話の電源はお切り下さい)

【ATF版「プライベート・ライアン」自爆的SPRストーリー】
観戦上のご注意:物語の進行はDVD版に準拠しています。

最終夜「プライベート・ライアンとノルマンディーの空」
chap.17弾薬(前編)
ラメルの町の外周に陣取ったドイツ軍戦車は、町の中に突入する素振りは見せず、相変わらず支援砲撃に徹している・・・と言っても、ドイツ軍陣地に面した町の外周は既に廃墟と化しており、また味方武装親衛隊の兵士が町の外周に取り付いて、米軍との近接銃撃戦を演じているので、今では砲撃を中止し待機命令を受けている・・・その中央の戦車の砲塔のコマンダーハッチから身を乗り出して双眼鏡で町の様子を窺う戦車兵将校・・・彼がこの特別編成捜索隊の指揮官であるヘスラー大佐である。東部戦線の激戦で負傷し、休養の為ドイツ国内に還っていた彼は、5日程前、親衛隊長官ヒムラーに呼び出され特別任務を命令された・・・。で今此処にいる訳だが、本来なら戦車兵としてノルマンディーに上陸した連合軍を相手に大暴れしたいところではある・・・が、一体俺はこんなフランスの片田舎の町で何をしているんだろうか・・・軍人として、こんな戦局に影響もないような任務を任されたことが不満タラタラである・・・。戦車の後ろでは東部戦線以来の古参従兵であるコンラート伍長が、簡易テーブルを設け食事の用意をしていた・・・特大の脂ぎったステーキ・・・辺りには戦闘による火薬や燃料の臭いが漂っている・・・それこそ最高の調味料だ・・・大佐の口癖だ。一方ラメルの町に取り付いた武装親衛隊兵士を指揮しているのはフォン・ディーペルSS少佐(元々は陸軍の将校だったのだが、北アフリカでの英軍捕虜護送任務中の失態により軍を追放され、武装親衛隊に再入隊したのだ・・・)が、思った以上の米軍空挺部隊の激しい抵抗に釘付けにされており、町の中心部に近づけずイライラしていた。「くそッ(ヌル・アハト・フフツェーン=08/15)」口癖がいつもより頻繁だ・・・。早く何とかしないと、あの頑固者の大佐殿が怒り出すぞ・・・それに弾薬も残り少ない・・・そう思って気は焦るのだが、一向に戦況は好転しない・・・。

chap.17弾薬(後編)
ライアン二等兵を無事見つけ、早いとこ、こんなヤバイ状況とは�爐�さらば�瓩靴燭ぅ潺蕁実膂�・・・もう武装親衛隊の連中は101空挺の連中の防衛拠点�爛▲薀皚瓩泙杷�っている。この教会前の広場にも流れ弾が飛んできて非常に危険だ・・・。ミラー大尉はショック状態のライアン二等兵とヘンダーソン伍長に事の顛末を説明した・・・「と、言う訳でヘンダーソン伍長、人手不足で申し訳ないが命令は命令だ・・・」と、ショック状態で俯いていた、ライアン二等兵が負傷した右脚を庇うように立ち上がり「僕は厭です・・・仲間を残して一人帰る訳には行きません・・・」傍らで聞いていたライベンが、進み出るとライアン二等兵の胸座を掴み叫んだ「バカヤロー、お前を探す為に仲間が死んでるんだぞ」「おかしいじゃないか、自分には分かりません。どうして僕だけが帰れるんですか・・・?みんな命がけで戦ってるのに・・・」ミラー大尉が困惑した表情で言った「お袋さんに何て言う・・・4人目の息子の戦死を伝える時に」「母には、戦場で�璢�を結んだ兄弟たち�瓩髪震燭魘Δ砲垢襦△氾舛┐堂爾気ぁJ譴亙�かってくれます」ライアン二等兵は苦しい表情で言うと、負傷した脚の痛みでその場に倒れた・・・そこへ娘、エディットが駆け寄るとライアン二等兵を抱きかかえ、涙に潤んだ眼で周囲の男達を睨み付けた・・・。銃声は益々近づいて来た。空挺隊員たちの守備陣地は徐々に包囲されつつあった・・・その時、ジャクソンが教会の鐘楼の上から合図を遣した「歩兵・・・30名・・・西側から迂回してくる・・・」BARに弾倉を装填しながら、ライベンが言った「中隊長、急がないとヤバイっすよ・・・」ミラー大尉は暫し考えていたが「しょうがないヘンダーソン伍長、部下に撤退の準備をさせろ。橋は貴重だが、今ドイツ軍に渡す訳にはいかん。ライベン、橋の爆破の準備は出来たか?・・・爆薬を確認しろ・・・30分で作戦発動だ・・・」

chap.18アラモの砦
事態は切迫していた。武装親衛隊を指揮するフォン・ディーペルSS少佐の怒りと焦りは頂点に達し・・・「くそッ(ヌル・アハト・フフツェーン=08/15)」口癖・・・部下たちを怒鳴りつけると一挙に攻勢に出た・・・。もはや�爛▲薀皚瓩涼凸瑤眄擇譟■隠娃蔚�挺隊員たちが教会の広場まで後退して来る。それを追って武装親衛隊員たちの姿が広場の反対側に現れた・・・途端に広場は銃弾飛び交う戦場となる・・・。「応戦しろ〜ッ」ミラー大尉は叫び武装ジープに飛び乗ると50口径機銃をぶっ放した・・・「ライベン、ライアンとその娘を連れて非難しろ・・・ガフィ軍曹はどこだ・・・」ガフィ軍曹等戦車兵たちは�爐�宝�瓩鮹気靴督�じゅうに散らばっていた・・・「くそッ、何してやがるんだ・・・あいつら」
武装親衛隊員を率いたフォン・ディーペルSS少佐は、広場に到着して驚いた・・・。「くそッ(ヌル・アハト・フフツェーン=08/15)なんだ!米軍の戦車がいるぞ・・・まずい、大佐殿に報告するんだ・・・」傍らの無線兵に命令する。報告はすぐさま食事中のヘスラー大佐に伝えられた・・・「何だと・・・米軍の戦車が・・・」ヘスラー大佐の眼が途端に輝き出す・・・「これだから戦争は止められない・・・」ヘスラー大佐はナプキンで口の周りを拭きコンラート伍長の注いだワインを一気に飲み干した・・・。
町の西側を迂回してきた武装親衛隊員たちは、突然激しい機銃掃射に晒された・・・城館からメリッシュたちが�狒歃�機�瓩之發辰討襪里�・・・「何とか包囲されずに済みそうだ」ミラー大尉は安堵した。そこへガフィ軍曹以下戦車兵たちが戻って来た・・・ガフィ軍曹の顔は怒りと不満で一杯だ・・・「大尉殿、俺たちを騙しましたね・・・こんな田舎町、お宝なんて何も無ぇ・・・この落とし前はキッチリつけさせてもらいますぜ・・・」「ガフィ軍曹・・・此処から無事逃げ出さないと落とし前もつけられないぞ・・・」ミラー大尉が50口径機銃を掃射しながら怒鳴った・・・「野郎ども乗車しろ、エンジン始動・・・」その時、鐘楼のジャクソンから再び合図が・・・「敵戦車、三両、急速接近中・・・ガフィ軍曹、敵の戦車が来るぞ」その時、予想以上の速さでヘスラー大佐指揮する�猊伸畧鐚峪偉召�教会前の広場に姿を現わした・・・ドイツ軍と米軍が狭い広場で対峙する・・・銃撃は止み、広場を静寂が包んだ・・・。「こんな近距離じゃぶっ放せないぞ・・・」唾を吐けば届くほどの距離だ・・・。
その時�猊伸畧鐚屬離灰泪鵐澄璽魯奪舛�開き、中から一人の戦車兵将校が姿を現し戦車から降りて来た・・・。ミラー大尉もジープから降り、戦車兵将校と正対した。ガフィ軍曹、ヘンダーソン伍長を両脇に従えて立っている・・・(BGMはお決まりの通り�爛泪�ロニ・ウエスタン調�瓠房�囲では武装親衛隊員と米空挺隊員、レンジャー隊員たちが、緊張した面持ちで事態を凝視していた・・・。そして教会の鐘楼の上からは、ジャクソンがヘスラー大佐の眉間に照準を合わせていた・・・。特派員のギャロウェイは、歴史的瞬間を撮ろうとして、一心にファインダーを覗いている。

chap.19橋
ヘスラー大佐は進み出ると、ミラー大尉にタバコを差し出して流暢な英語で言った・・・「ダバコは・・・そちらの補給物資だがね・・・わざわざ我が方の陣地に落としていってくれたものだ」ミラー大尉以下ガフィ軍曹、ヘンダーソン伍長が一本ずつ受け取り、軍用ジッポで火を点けた・・・「SS第2師団のヘスラー大佐だ、大尉。単刀直入に言おう。我々はある人物を探している・・・大人しくその人物を渡してくれれば、君等には手を出さないと約束するが・・・」ヘスラー大佐も自らタバコに火を点けながら言った。「第2レンジャー大隊のミラー大尉です。で大佐殿、お探しの人物とは・・・?」「我々は�爛薀ぅ▲鶚瓩箸い�人物を探している・・・ジェームズ・フランシス・ライアンだ」ミラー大尉、ガフィ軍曹、ヘンダーソン伍長は驚きで顔を見合わせた・・・ガフィ軍曹が呆れ顔で行った「大佐殿、差し支えなければ、なぜライアンを探しているのか教えていただけないですかね・・・」「機密事項なんでね・・・」ミラー大尉が言った「大佐、ライアンを渡す訳には行きません・・・我々もライアンに用事があるんです」「それでは力ずくでもライアンを頂く事になるが・・・」ヘスラー大佐が不敵な笑みを浮かべた・・・「たかが二等兵分際にドイツ軍までもがご執心とはね・・・」ガフィ軍曹がタバコの吸殻を投げ捨てて言った・・・ヘスラー大佐の顔色が微かに変わった・・・「今、二等兵と言ったのか・・・」「そうですよ・・・別に大統領の息子でもなんでもない�爐燭性瓩瞭鹽�兵ですよ」「本当だろうな、大尉。私を騙すと痛い目を見るぞ・・・」「ライベン、ライアンをここに連れて来い。大佐、貴方を信じて話しますが・・・」ミラー大尉は事の顛末を全て話した。全て話し終えた所にライアンがライベンとエディットに付き添われ現れた。ヘスラー大佐はライアンの姿をまじまじと眺め暫く考えていた・・・「大尉、君の言う事を信じよう。我々が得た信頼すべき筋からの情報によれば、上陸した連合軍各部隊に至急�爛薀ぅ▲鶚瓩鬚い�人物を探し出せとの命令が出され・・・ロンドンの連合軍総司令部直々でだ、君等の無線でも頻繁に�爛薀ぅ▲鶚瓩箸いμ樵阿�使われている事から、余程のVIPだろうという我が上層部が判断したのだ・・・特に目立ちたがり屋のハインリッヒがね・・・おっとコレはオフレコだ・・・とんだ無駄足だった訳だ・・・ディーペル、引き揚げるぞ」ヘスラー大佐は傍らのディーペルSS少佐に向かって命令した・・・「しかし大佐殿、命令が・・・」「我々の本来の任務は軍人として戦う事だ。こんな無駄な任務に貴重な時間と兵力を割く訳にはいかんのだ、分かったな!」「しかし大佐殿。ここの�犇境瓩蓮△海良婉疝0貔鐚屬�渡河できる�犇境瓩任后�それを見過ごす訳には・・・」ヘスラー大佐はディーペルSS少佐を睨みつけた「君は私に戦略をご教授してくれるのかね・・・少佐」ヘスラー大佐は、既にドイツ軍には、この付近に廻す兵力の余裕が無い事を充分理解していた。そして、このラメルの石橋は、実は水道橋で、町と周辺の住民たちの生活を潤しているのだ・・・爆破する訳にはいかない。「ハッ大佐殿。ハイル・ヒトラー(小声で)くそッ(ヌル・アハト・フフツェーン=08/15)」「何か言ったか、ティーベル・・・」ヘスラー大佐がギロリと鋭い眼光で睨み付けた・・・「い、いえッ何でもありません」ディーペルSS少佐は慌ててナチ式の挙手の敬礼をすると、部下の所に戻って行った「それではミラー大尉、我々は引き揚げる・・・何処かでまた会おう」ヘスラー大佐は通常の敬礼をし、ミラー大尉もそれに応えた・・・アウフゥ・ヴィータゼーン「橋を爆破せずに済んだな・・・俺たちも引き揚げるぞ・・・メリッシュたちを呼び戻せ・・・」

chap.20兵員名簿
ミラー戦闘団の兵士たちは急遽撤収の準備を始めた・・・アンダーソン中佐にライアン発見の報告をしようと無線機のスイッチに手を掛けたミラー大尉のもとへ、エディットに支えられたライアン二等兵が右脚を引き摺りながら近づいてきた。「大尉殿、お話が・・・」「なんだ、戦友に義理立てして帰らないなんて話は、もう聞きたくないぞ・・・」「いいえ、本当の理由はこの娘です・・・彼女を愛してます。僕はこの町に残ります・・・」「何んだって・・・?」ライアン二等兵の話を聞き、呆気に取られるミラー大尉。「そんな事、出来る訳ないじゃないか・・・脱走でもする気か・・・」と言っては見たものの、ライアン二等兵の顔は真剣そのもの・・・傍らでは心配そうなエディットの顔が・・・。「勘弁してくれよ・・・ライアン」一難去ってまた一難「お前、万が一残ったとして、お袋さんはどうするんだ・・・息子三人が戦死した上に、末息子は脱走兵か・・・えぇ?」その話を傍らで聞いていたライベンがボソッと一人事を言った「いっそ戦死してれば楽だったのに・・・」その一言を聞いたミラー大尉の頭にひとつの考えが閃いた・・・無線機のスイッチを入れアンダーソン中佐を呼び出す・・・「レッド・リバー2、こちらレッド・リバー6・・・アンダーソン中佐宛連絡・・・当該のジェームズ・フランシス・ライアン二等兵の戦死を確認せり・・・」傍らで聞いていた一同全員が呆気に取られた表情をした・・・無線の向こうでアンダーソン中佐が何か怒っていたが、構わず無線を切った・・・「ウェイド、ライアン二等兵の兵員名簿用の戦死報告書を・・・敵の88mm砲の直撃を喰らって跡形もなく・・・だ!」ウェイドがにこりと微笑むと大声で復唱した「了解。ウェイド衛生特技兵、ジェームズ・フランシス・ライアン二等兵の戦死を確認しました・・・」ライアン二等兵とエディットは嬉しそうに抱き合ってキスをした・・・エディットの父親・・・ピアフ町長が嬉しそうに「さあ、皆の衆、今日は目出度い日だ・・・わしに婿が出来た・・・今夜はパーティーだ!」101空挺隊、ミラー戦闘団の連中もヤレヤレって言いながらも嬉しそうだ・・・世知辛い戦争の中で、コレくらいの幸せがあってもいいじゃないか・・・そこへ特派員のギャロウェイがやって来て抱き合う幸せな二人の写真を撮った・・・。ミラー大尉は慌ててソレを制止した・・・「すまんなギャロウェイ、今回はスクープは無しだ・・・」ギャロウェイは胸ポケットから自分の身分証明証を取り出すとミラー大尉に渡して言った「せめてライアンの母親には�狄深足瓩鯏舛┐砲磴い�んだろう?ええ、ミラー君・・・」身分証明証を見たミラー大尉は驚いた・・・陸軍情報部ギャロウェイ中佐・・・なんだ〜ッ!慌てて敬礼するミラー大尉。「今さら鯱鉾ばっても生姜無いだろ、大尉。俺の任務はライアンの消息・生死を確認して報告する事だ・・・実は、今回のライアンの消息の一件をネタにして、連合軍上層部の間で大規模な賭博行為が行われている・・・ライアンが生きて見つかるか死んでるかを賭けてるって事だ・・・。本国の一方的な命令決定に対する現地部隊の反発ってトコだが・・・結構な高官も関わってるらしい・・・まったくFUBERな任務さ・・・ライアンが戦死してたと知って、がっかりする連中が多いだろうがな!」嬉しそうに話すギャロウェイ中佐を含めて・・・若い恋人たちの周りにはさわやかな笑いの輪があった・・・。その輪の外で、ガフィ軍曹はタバコを大きく一服吹かすと、空を見上げた・・・晴れ渡ったノルマンディーの空・・・「公報チーム活動・・・まったく面白くねぇ、しかも儲からねぇボランティアだぜ・・・」と愚痴る横顔・・・は微かに微笑んでいた。

chap.21墓地(DVDにはありません・・・)
フランスはノルマンディー地方にある田舎町の集団墓地の一角。戦時中この町で戦死した米独両軍の兵士が埋葬されている・・・はずの場所。一人の男が十字架を模った墓石の前に佇んでいた・・・右脚を微かに引き摺る男(元米101空挺師団員)・・・今では、この町の町長であるジョルジュ・フランソワ・リアンの周囲に集まった男達が、一斉に墓の周辺を掘り起こし始めた・・・暫く掘ると古びた柩が現れた・・・恐る恐る蓋が開けられた・・・そこには遺体はなく、地下へ通じる階段があった・・・教会の地下室の一角に通じる階段だ。男達は次々に地下室へ降りていくと、各々が古ぼけたビンを抱えて戻って来た・・・ノルマンディー地方のワインの中でも特に銘酒の誉れ高い貴腐ワイン・・・。市場価格にして数千万ドルはする�爛錺ぅ鶚瓩�そこにあった・・・。かつて歴戦の兵士だったジョン・ミラー元中佐を始め、ライベン、メリッシュ、ジャクソン、ウェイド、ホーバス、アパム、ガフィ、ヘンダーソン、トゥインビー・・・そしてギャロウェイ退役少将・・・かつて共に戦った、そして生き残った男達が数十年を経て再び、このノルマンディーの田舎町に集った・・・�爐�宝�瓩漏里�にあったのだ・・・。

いや〜ッ、やっと終わりましたよ・・・。これで肩の荷が下りました。お楽しみいただけたでしょうか・・・結構小ネタを使いましたので、マニアにしか受けないのではないかと心配しておりますが、まあ雰囲気だけでもお楽しみ下さい。さて次回からは、通常の�狎鐐莟撚茣兩鏥��瓩北瓩蠅泙后�取り合えず「軍艦編」続けなきゃ・・・【続く】
【一部加筆】20020727 ティーベルSS少佐の口癖を加筆・・・


【File049】記念連続ドラマ第五夜「プライベート・ライアンとラメルの橋」後編

2002年07月18日(木)

今日も暑い、寝苦しい夜。台風はあっさり通り過ぎ、余り被害も出なかったようで何よりでした。さて先日の日曜日に貴重な邦画戦争映画「独立機関銃隊未だ射撃中」を観てきたので、今回は、毎度お馴染みの「あゝ邦画戦争映画は燃えているか・・・編」で行こうと思っていたのですが、この自爆的SPRストーリーを早く終わらせてしまわねば・・・なんか寝つきが悪い(おいおい会社で充分寝てるだろって!)ので、取りあえず物語は最後の見せ場に突入です。本当に終わるの・・・か?それは読んでのお楽しみ・・・それでは始まり・・・です(開演ブザー:いつもの様に携帯電話の電源はお切り下さい)

【ATF版「プライベート・ライアン」自爆的SPRストーリー】
観戦上のご注意:物語の進行はDVD版に準拠しています。

第五夜「プライベート・ライアンとラメルの橋」後編
chap.14唯一誇れること(前編)
ラメルの町の北面にある小さなカフェ、いやカフェだった建物・・・88mm砲の砲撃を受け壁は半壊し、背後からは丸見えの・・・二階の窓からは、接近して来る武装親衛隊がよく見えていた。先頭には戦車三両・・・砲塔に四角増加装甲を取り付けていた・・・�更羸鐚屐淵僖鵐拭�・・・今風に言うとレオパルトか・・・爆?)・・・警戒しながら町へと接近して来る。501空挺大隊のヘンダーソン伍長と506空挺大隊のトインビー上等兵が、崩れかけた窓から、双眼鏡で接近して来る戦車を悲壮な表情で見つめていた・・・「あいつら武装親衛隊第2師団の偵察隊だ・・・」ヘンダーソン伍長がタバコに火を点けながら言った「でも、偵察隊の割には戦車まで繰り出して、ちょっと力入れ過ぎじゃないですかねぇ」「ここの石橋は、このあたりじゃ戦車が渡れる数少ない橋だ・・・俺たちゃ貧乏くじを引いたって事さ」ヘンダーソン伍長は、大きくタバコを吹かすと、吸いかけをトインビー上等兵に渡した。受け取ったタバコを同じく深々と吹かすトインビー上等兵。「さあ仕事だ・・・」ヘンダーソン伍長が、手元にあったバズーカ砲を肩に担ぎ、先頭の戦車に狙いを定める・・・背後からトインビー上等兵が弾を装填し、ヘンダーソン伍長のヘルメットを叩いて�狒�填完了�瓩旅膺泙鬚靴拭�暫しの沈黙・・・カチッ・・・バズーカ砲の引金音・・・同時に凄まじい噴流が後方へ噴き出した・・・最初の一撃は、ドイツ軍戦車の前面装甲板にあっけなく弾き返された・・・「くそ、ずらかるぞ・・・」ヘンダーソン伍長がバズーカ砲を抱え2階から飛び下りると、トインビー上等兵も慌てて後に続いた・・・その途端、今まで二人が隠れていた部屋が吹き飛ぶ・・・「くそ、奴等本気だぞ・・・」泡喰って逃げるトインビー上等兵が叫んだ。二人は後方に位置する防御陣地(通称アラモ)へ逃げ込んだ。敵戦車は町の周囲に散開すると、外周の家屋に向け連続砲撃を開始した・・・。ハノマグ兵員輸送車やトラックからは武装親衛隊の兵士がバラバラと下車、散開し、戦車の援護砲撃下、町への接近を開始・・・。町の彼方此方で応戦する米兵たちとの間で激しい銃撃戦が繰広げられたが、流石に多勢に無勢。次第に武装親衛隊に圧倒され町の中心部へと後退を余儀なくさせられていた。町の北側外周の壁は既に跡形もなく粉砕されている・・・が、不思議と町の中心部への砲撃は少ない・・・何故だ?

chap.14唯一誇れること(中編)
突然、町の北側で戦闘が始まった・・・「何てこった・・・おっ始まりやがった・・・」ガフィ軍曹が双眼鏡を覗きながら叫んだ。「味方がいるんだ・・・きっとライアンもあそこに・・・でも、もう生きちゃいないかもなぁ・・・」傍らでガムを噛みながらメリッシュが呟いた。ミラー大尉も双眼鏡で町の戦闘の様子を暫し見つめていたが、おもむろに振り返り叫んだ。「行くぞ・・・全員乗車!・・・ホーバス軍曹は105mm砲で待機ッ。俺が合図したら派手にぶっ放せ!ガフィ軍曹、お前たちは如何する・・・?」「戦車ってのは野戦向きなんでね・・・あの�猊伸畧鐚屬量醢困魍甲罎力�地にでも引っ張りこんで動きを鈍めてくれりゃ、後は俺等で何とかしまさぁ」「了解、何とかしよう・・・」「あのう、僕も行きます・・・」珍しくアパム伍長が進み出て言った・・・ミラー大尉は暫しアパム伍長を見つめていた・・・「よし、俺と一緒に来い・・・」「ありがとうございます・・・」アパム伍長はニッコリと微笑んだ・・・。「俺も連れて行って下さい。邪魔にはなりませんから・・・」特派員のギャロウェイも進み出て言った「決定的瞬間が撮れそうだし・・・」「死ぬかもしれんぞ?」「大丈夫、これでも北アフリカで弾の下潜ってますから・・・」ギャロウェイは微笑みながら、カメラをミラー大尉に向けた「勝手にするさ」手でカメラのレンズを遮り、ミラー大尉はもう一度双眼鏡で町の様子を確かめ、そしてジープに乗り込んだ・・・。武装ジープ2台(・・・乗車のメンツは前述参照・・・そうそうアパム伍長を追加)は、すぐさま崖のくねった道を走り下りると、ラメルの町に通じる石橋を渡り始めた・・・その時、一行に対し銃撃が始まった・・・まだ敵か味方かは分からない・・・「やばいですぜ・・・!」50口径機銃を構えながらライベンが叫んだ・・・「未だ撃つんじゃないぞーッ」ジープを巧みに操りながらミラー大尉が叫ぶ。銃撃は散発的だった。アパム伍長がジープの助手席で立ち上がると、懐から何かを取り出した・・・それは・・・星条旗だった。両手一杯に旗を素早く広げると大きく翳した・・・「バカ野郎・・・危ねえーじゃね〜か!」ライベンがアパム伍長の肩に手を伸ばし、無理やり助手席に座らせた・・・途端に銃撃が止んだ・・・「しめた、味方だ・・・」ミラー大尉は、ジープを増速し、町の中へと滑り込む。その後に続くハーフトラック、M8グレイハウンド、そしてガフィ軍曹の戦車。敵砲撃が続く中、ミラー大尉は町の中央広場に面した教会前にジープを止めた。「メリッシュ、掃除機(スカイクリーナー)を、あの城館に設置して射界を確保しろ・・・アパムも行け・・・」町の東側に聳える城館を指差し、ミラー大尉が叫んだ・・・「了解、・・・いくぞ、アパム・・・」メリッシュが50口径機銃4連装ターレットを搭載したハーフトラックの操縦席に乗り込み発進させる。アパムは、走り始めたハーフトラックの後部乗降扉から、慌てて飛び乗った。ミラー大尉の周りには101空挺隊員たちが集まってきた。「ジャクソン、教会の塔に上がって状況を報告しろ・・・。」「了解・・・」狙撃銃を手に取ると、ジャクソンは教会の中に駆け込んで行った・・・。一人の空挺隊員がミラー大尉の前に立って敬礼する「501空挺隊のヘンダーソン伍長です・・・よく来てくれました」「第2レンジャーのミラー大尉だ。伍長、ここの指揮官は・・・?」「今は伍長で我慢して下さい」「そうか!伍長、ここにライアンという二等兵はいないか・・・ミネソタ出身のジェームズ・フランシス・ライアンだ・・・」「ええ、ライアンならここに、でもヤツがどうかしたんですか・・・」「詳しい事は後だ。直ぐに此処へ連れてきてくれ・・・」武装親衛隊との銃撃音が段々近づいてくる・・・「すみません、大尉。ライアンは今動かせないんです。」「どうかしたのか・・・」「敵の砲撃で脚を負傷して・・・教会の地下室にいます。こっちです」ヘンダーソン伍長が教会の中へと先導する。その後に続きながらミラー大尉はライベンに向かっていった「橋の爆破を準備しろ・・・」その時、ガフィ軍曹の戦車が広場へと到着・・・戦車兵たちは、我先に戦車から飛び降りると、目をギラつかせ、M3グリースガンを手に、町の方々へと散らばって行った・・・「ちッ、まずいな、こりゃマジでヤバイぜ・・・」砲塔の上に仁王立ちになってタバコを吹かすガフィ軍曹・・・。

chap.14唯一誇れること(後編)
「アパム、なんでわざわざ志願したんだ・・・よ」城館に続く通りを進むハーフトラックの操縦席で、傍らの助手席に座るアパム伍長にメリッシュが尋ねた「僕はこの戦争では、ずっとタイプライターを打って終わると思ってた。この機会を逃したら、きっと後悔すると思う。この任務に志願して生きて帰れたら、いつの日か振り返って、この任務に志願した事が、この戦争の中で�猴0豸悗譴襪海鉢瓩世辰燭隼廚Δ鵑澄�そして胸を張って故郷に帰れる気がする・・・」アパムの顔をじっと見つめていたメリッシュが、自分の吸ってたタバコをアパム伍長に渡した「妙なもんだよな、いつもはタバコを貰っても吸わないって断ってたの・・・に」「まったく、ふざけた、バカ野郎な任務だよ・・・なぁ」アパムがメリッシュの顔を見つめた「FUBER?」「そうだ。この先は一か八かの勝負だ・・・さあ行くぞ、シッカリ掴まってろ!」メリッシュがハーフトラックのアクセルを一気に踏んだ。「FUBER・・・ね、ふぅば〜ッ」大きく一服吸い終わると、アパム伍長は吸殻をハーフトラックのドアの窓から投げ捨てた・・・。

chap.15エディット・ピアフ
町の中心部に建つ教会・・・中世以来、この地方一の大きさ・・・の礼拝所には、101空挺隊・・・と言っても僅か1個小隊程度だが・・・の指揮所が置かれており、残り少ない装備や食料が保管されていた・・・「ここから地下へ・・・」ヘンダーソン伍長が祭壇の裏にある隠し階段を下りていく・・・その後に続くミラー大尉と衛生兵ウェイド。そこは地下室があり・・・そして多くの人々の気配があった・・・どうやら町の住民の避難場所になっているらしい。その地下室の片隅に一人の負傷した米兵が横たわっていた・・・ジェームズ・フランシス・ライアン二等兵・・・右脚太腿を砲弾の破片によって負傷している・・・は、地上から伝わってくる銃声をイライラしながら聞いていた「くそっ、僕だってまだ戦えるぞ・・・」傍らに置かれたM1ライフルを杖にして立ち上がろうとしたが、負傷した脚が踏ん張れず、よろけて倒れた。娘が一人、駆け寄って彼を助け起こすと、元の場所へと寝かしつけた・・・「無理シテハダメ・・・」心配気な顔、たどたどしい英語で話す。「くそッー」ライアン二等兵は悔しそうに床を拳で叩いた。傍らの娘・・・名前はエディット、この町の町長の娘・・・は悲しそうに、ライアンを見つめた。そこにヘンダーソン伍長とミラー大尉、ウェイドがやってきた。ウェイドは素早くライアン二等兵の脚に巻かれた、汚れた包帯を切り裂くと、衛生キットの入ったバックから器具を取り出し、治療を始めた・・・傷口に接したナプキンを剥がす・・・ライアンが痛みに耐え切れず叫び声を上げた・・・「モ、モルフィネを・・・」「バカ野郎、モルフィネは重傷者用だ・・・ッ」「僕は重傷じゃ・・・ないのか?」傍らでは娘が心配そうにウェイドの処置を見つめていた。ミラー大尉は、ライアン二等兵の傍らに腰を下ろし言った「君がジェームズ・フランシス・ライアン二等兵か?」「ええッ、でもどうして僕を・・・」ミラー大尉はライアン二等兵の顔を見つめ、暫し沈黙後、徐に口を開いた「君の兄弟が戦死・・・した」ライアンの表情が強張る「ど、どの兄ですか・・・?」「全員だ・・・」「全員?」ライアンの表情から血の気が退いた「俺たちは陸軍参謀総長直々の命令で、君を連れ戻しにきた。直ぐに出発するぞ・・・」頭上に響く銃声は一段と激しくなり、振動が床伝いに伝わってくる。傷の処置が終わると、ウェイドとヘンダーソン伍長が、両脇から力無く足取りの重いライアンを支えて地下室から連れ出す・・・悲しそうな表情で見送るエディット・・・。そんなシリアスなドラマに関係なく、地下室の中に非難した人々は、皆不安そうな表情で身を寄せ合って・・・いない・・・ゾ(何と地下室の奥では、別のストーリーが展開していた)皆一団となって、何かを運ぶ作業に勤しんでいる。人々によって地下室の奥深くに運び込まれる大量の何か・・・って、オイオイ�爛咼鶚瓩世茵2燭�液体が詰まってる。そう言えばこの地域って、○○○の有名な産地なんだって・・・爆・・・半ば酔っ払った町長イターロ・ピアフ(先祖はギリシア系・・・爆×2)が、中心になって作業の音頭を取っていた「さあ皆の衆、もうひとがんばりだで。ナチの連中にゃ一本たりとも渡す訳にゃいかんからなぁ〜ッ」地上で繰広げられている戦争も何のその・・・男も女も老人も子供も、全員がバケツ・リレー方式で、ただ黙々と作業を続けていた・・・。

chap.16生まれつきツイてる!
メリッシュとアパム伍長の一隊は、町の東側に聳える城館の麓に辿り着いた。城館は空堀で町と遮られていたが、跳ね橋が下ろされていて中に入れるようになっていた。メリッシュが城館の中に車両を進めようとした、その時。城館の中から一人の人物が姿を現した・・・英軍将校だ・・・空挺隊員、なんで・・・。傘を持ってる・・・右手を上げ、メリッシュらの車両を停止させた。「止まれ・・・何処の隊だ・・・」メリッシュは慌てて操縦席から降りると、英軍将校の前で直立し、そして敬礼した「米軍第2レンジャー大隊のメリッシュ二等兵です・・・」「宜しい二等兵、休めッ!私は英軍第一空挺師団のフロスト中佐。この城館は我々が接収した。君等はもう来る必要はない・・・引き返せ!」いかにも将校然とした命令口調で言った「し、しかし我々にも命令が・・・」フロスト中佐が左手を上げた瞬間、城館の彼方此方から現れた英軍空挺隊員が、一斉にメリッシュたちに銃口を向けた・・・「上官の命令は聞かんといかん、なぁ・・・二等兵君!」咄嗟のことでメリッシュは体が硬直して動けない・・・アパム伍長は、ハーフトラック上の50口径機銃ターレットに飛び込もうとしたが、英軍兵士の銃口の方が素早く向けられた為、動く事が出来なかった・・・その時、ハーフトラックの陰からガフィ軍曹が姿を現わした・・・「おやおや、何の騒ぎです。あれ?何処っかでお会いしましたねぇ・・・えっと何処でしたっけ?」「わ、私は記憶にないぞ・・・」白々しく言うフロスト中佐。「ほ〜ほう、こりゃ随分出世したもんですね中佐殿・・・こないだ�爛漫璽凜�ルの手前の橋�瓩任�会いした時にゃ、確か中尉だったが、今じゃ三階級特進ですかい・・・えぇ?」突然フロスト中佐の表情が強張ったかと思うと「撃てェ〜ッ」と叫んで建物の陰に飛び込んだ・・・英軍兵士?たちの銃撃が始まる・・・メリッシュが倒れた・・・ガフィ軍曹はハーフトラックの50口径ターレットの射手席に飛び込むと、思いっきり引き金を引いた・・・ターレットがゆっくり旋回し四門の50口径機銃が火を噴き、次々に英軍兵士?が掃射され・・・薬莢が雨の如く排莢される・・・そして静寂・・・アパム伍長はハーフトラックから飛び降りると、倒れたメリッシュに駆け寄った・・・「しっかりしろメリッシュ・・・メリッシュ〜ッ」アパム伍長は、メリッシュの体を抱き起こし大きく揺り動かしたが、反応が無い。ターレットからガフィ軍曹が身を乗り出しタバコに火を点けた・・・。弾痕だらけの跳ね橋の袂でフロスト中佐・・・だった遺体が転がっていた・・・首が無い・・・そして英軍の軍服の下からドイツ軍降下猟兵のツナギの作業衣がのぞいていた・・・。メリッシュを抱いたまま硬直しているアパム伍長・・・「チョ、ちょっと苦しいんだけど・・・」アパム伍長の耳元で声がした「メ、メリッシュ、大丈夫なのか〜」「俺って、生まれつきツイてる!・・・んだぜ・・・アパム」引きつった顔がかすかに微笑む・・・そして懐から取り出したのは一本のナイフ・・・束の部分のヒトラーユーゲントの紋章に一発の弾丸がめり込んでいた・・・「まったく驚かせやがって・・・」と言いながらもアパム伍長の顔には安堵の表情が浮かんでいた。そしてトミーガンを構えたガフィ軍曹を先頭にメリッシュ、アパム伍長らの一行は城館の奥へと入っていく。彼方此方に転がる英軍空挺隊員の格好をした遺体・・・どの遺体も、英軍軍服の上衣の下からは独軍降下猟兵の軍服がはみ出ていた。城館の中庭を慎重に進む一行・・・の前に、突然、窓を突き破って火達磨の人間が転げ出て来た・・・英軍の軍服だ。メリッシュが叫ぶ「撃つな〜どうせ焼け死ぬ・・・ッ」その直後、建物の中から一人の男・・・ちょっと小肥りで丸顔・丸眼鏡の中年男・・・無表情だ・・・が古い水平二連の散弾銃を担ぎ、火炎放射器のノズルを手に現れ・・・ガフィ軍曹やメリッシュたちの横をすれ違いながら歩いて行く。そして空堀に火炎放射器を投げ捨てると、そのまま城館の外へと行ってしまった。一体なんだったんだ・・・一行は首を傾げた。だが、そのまま城館の裏庭まで前進したガフィ軍曹とメリッシュ、それにアパム伍長は、その場に立ち竦んだ・・・合掌!町の西側からは、依然として激しい銃声が聞こえていた・・・。

すみません、未だ終わりませんでした・・・自爆。次回こそは・・・と心に硬く誓うATFなのでした・・・そう言えば、次回は当HPがオープンしてから通算50本目の連載じゃあ〜りませんか?なんと辛く、長い道のりであった事か・・・。さあ【File050】記念カキコに向けて前進・・・俺に続け〜ッ・・・ってか【続きます】


【File048】記念連続ドラマ第四夜「プライベート・ライアンとラメルの橋」前編

2002年07月07日(日)

今日は七夕・・・一年ぶりの再会を織姫と彦星はどうお過ごしでしょうか・・・前振りはさて置き、早速本編へ突入・・・。
お待ちかね第四夜は、ミラー大尉一行の前に立ちはだかる大いなる脅威のお話。それでは始まり・・・(開演ブザー:いつもの様に携帯電話の電源はお切り下さい)

【ATF版「プライベート・ライアン」自爆的SPRストーリー】
観戦上のご注意:物語の進行はDVD版に準拠しています。

第四夜「プライベート・ライアンとラメルの橋」前編
chap.11認識票
翌日はうって変わり朝から快晴・・・これなら航空支援も可能だ・・・ミラー大尉は、晴れ渡った空を見上げながら安堵した。ガフィ軍曹の戦車三両を加えた戦闘団は、ハミル大尉やヒル軍曹等101空挺の兵士たちと別れ、ヌーヴィルの町を出発した。昨夜アパム伍長が、負傷した片目のドイツ軍将校から仕入れた情報・・・武装親衛隊ダス・ライヒがラメル周辺で何かを探している・・・を憂慮していたミラー大尉は、戦闘団が敵とバッタリ鉢合せするのを防ぐ為、まず武装ジープ2台を先行させる事にした。1台はミラー大尉自らが運転しライベンが同乗、もう1台はメリッシュが運転しジャクソンが同乗している。またも心配気なホーバス軍曹「中隊長、無茶せんでくださいよ・・・おふくろさんには見せられませんぜ・・・」「おふくろはお前だろ・・・」「まったくフーバーだよ・・・」心配気なホーバス軍曹を残し2台の武装ジープが先発して行く。敵襲を避ける為、2台は高速で突っ走る・・・。ライベンとジャクソンは、それぞれの後席でM2重機に弾丸を装填し構えている。ライベンと言えば、ヘルメットを脱ぎ片方の鍔を折り曲げた白いカウボーイ・ハットを被ってニコニコ顔。永年の夢が適ってご機嫌だ・・・(爆)一方ジャクソンは・・・実は如何した訳かホーバス軍曹が2台目のジープに乗りたがり・・・ミラー大尉に止められた・・・出発前、無理矢理黒いベレー帽を押し付けられ「俺の替わりに、せめてこのベレー帽を被ってくれ・・・」と頼まれたのだ・・・が「そんなの被れるかいッ!」とヘルメットのまま・・・でも流石に捨てる訳にも行かず、フィールドジャケットの肩のバンド止めに挟んでいた(まるで○ンバットのケ○ーだな、コレじゃ・・・)日が高くなるにつれ気温も上昇し運転するミラー大尉は、ヘルメットの中から流れ落ちる汗を拭った・・・風を切って走るジープではあったが、重いヘルメットの中は、緊張し体温が上がっているせいもあって、酷く蒸していた・・・ふと見ると座席の横に帽子らしきものが挟まっていた・・・ミラー大尉はヘルメットを脱ぐと、その帽子を取り上げ、徐に被った・・・赤い南軍騎兵隊の帽子・・・だった(やっぱコレかよ!)
暫く進むと、突然前方に兵士らしき一団が・・・敵か?・・・一瞬緊張、しかし味方・・・米軍空挺隊員たちだ。「やれやれだぜ・・・」メリッシュはスピードを落とした。2台のジープは忽ち空挺隊員たちに取り囲まれる「待ちに待った援軍だッ・・・」空挺隊員たちは、皆喜んでいる・・・毎度の事ながらそうじゃないんだ・・・ミラー大尉が説明しようと立ち上がった、その時、人垣を掻き分け部下に支えられ脚を引き摺った指揮官らしい将校が近寄って来た「82空挺のバンダービルド中佐だ。大尉、君等は・・・」ミラー大尉は慌てて南軍騎兵の帽子を脱ぎ、ヘルメットを被り敬礼した「第2レンジャー大隊のミラー大尉です。特別任務遂行中です」「特別任務?増援じゃないのか?」「申し訳ありません・・・」「君らだけか?」「後方から本隊が追走中です」「兵力は」「兵員40名と戦車3両、装甲車1台、ハーフトラック4台です」途端にバンダービルド中佐が不敵に微笑んだ・・・「それは好都合。現場指揮官の権限により、君の部隊を私の指揮下に編入する。ミラー大尉?」ミラー大尉は驚いた「中佐殿、我々は特別任務遂行中です・・・その命令は受けられません」「何だと・・・」まるで、俺がアメリカだ、と言わんばかりに仁王立ちになったバンダービルド中佐がミラー大尉を睨みつけ、暫し二人の間で激しい問答が繰り返された。周囲で見ていた空挺隊員たちも殺気立ち、皆ミラー大尉等を睨みつけている。ヤバイ雰囲気だぜ・・・ジープのハンドルを握るメリッシュの手のひらが汗ばむ。ライベンとジャクソンも殺気を感じ、慌てて車載重機に取り付いた・・・その途端、全空挺隊員たちの銃が一斉にミラー大尉等に突きつけられた・・・まずい。「大尉、我々の任務は敵の最新レーダーサイトの無傷での奪取だ。だが敵の防備が固く、多くの損害を出している。どうしても命令が聞けんのなら・・・」その時キャタピラの音。後続するホーバス軍曹以下の本隊が追いついた・・・M3ハーフの機銃座から身を乗り出したホーバス軍曹が怒鳴る「一体全体何の騒ぎです、えー中隊長?」すかさず空挺隊員たちの銃口がホーバス軍曹等本隊にも向けられた・・・戦闘団の兵士たちは何だか解らないまま、コレに応じ銃を構えた「なんでぇこんな所で身内喧嘩かい・・・えぇ?」ガフィ軍曹の戦車の砲塔が不気味に旋回し照準を点ける。その時、戦車の砲塔上に腰掛けていたUPI特派員のギャロウェイが飛び降りると、バンダービルド中佐とミラー大尉の間に割り込み、いきなりパシャパシャと写真を撮り始めた・・・バンダービルド中佐は徐に大きな手のひらでカメラのレンズを押さえた「撮るのをやめろ・・・」「こんな感動の瞬間を何故撮っちゃいかんのですか・・・中佐殿。敵中深く孤立した空挺隊員と救援部隊との劇的な再会シーン。いやッ一面を飾れますよ・・・」何も解らず(その場の殺気のわからんやっちゃ?)に、感動スクープ写真を撮ろうと一生懸命無邪気な特派員を見ていると、バンダービルド中佐もミラー大尉も荒ぶった心がなんとなく和らいだ・・・とにかく同士討ちする訳にはいかん「解りました、中佐殿。指揮下に入ります」「すまん大尉、こんな手段を取った私も愚かだった・・・命令は取り下げ改めて協力をお願いする・・・」この一言で、周りの空挺隊員とミラー戦闘団の兵士たちの雰囲気も和らぎ、互いにタバコの火を点け合った。ギャロウェイは相変わらず写真を撮りまくっている「ところで中佐殿、部隊の中に101空挺隊員はいませんか?」「ああ、我が隊は各部隊の混成だ・・・101のヤツも大勢いるぞ」「そうですか・・・実はライアンという101の二等兵を探しているのですが?」「それが特別任務に関係あるのか?」「ええ、大有りです」バンダービルド中佐は、指揮下の101空挺隊所属の各指揮官を集め、ライアン二等兵について尋ねたが、残念ながら該当の兵士はいなかった・・・「すまんな、大尉。お探しの二等兵はココにはいないようだ・・・そうだ、念の為にコレを確認してみるか?」と、言うとバンダービルド中佐は麻の小袋を投げて遣した・・・結構重い・・・ジャラジャラ音がする・・・認識票の塊が入っていた・・血まみれの・・・しかしミラー大尉には何故か、その中にはライアン二等兵の認識票は無いと確信できた・・・何故?(こんな事でこの話が終われるはずないじゃないか!)・・・が、取り合えずアパム伍長を呼び、その袋を渡し確認させる事にした。アパム伍長はおどおどと袋を受け取ると、重そうによろけながら、戻っていった・・・。ミラー大尉とホーバス軍曹、ガフィ軍曹の三人がバンダービルド中佐の前線指揮所へと呼ばれ、作戦の打ち合わせが始まった・・・。

chap.12レーダー基地(前編)
ありふれた小高い丘、そこにドイツ軍が誇る最新型ザルツブルグレーダー基地があった。巧みに偽装され、上空からの発見は難しそうだ。しかもまるでハリ鼠の如く対空火器網が張り巡らされているらしい。当初、力攻めに攻撃した空挺隊だったが、忽ち敵の重火器の照準に捉えられ、甚大な損害を被った・・・。コリャ大事だぜ・・・目標を双眼鏡で眺めていたガフィ軍曹が葉巻を咥えたまま呟いた。その横で同じく敵陣を観察していたミラー大尉は黙ったまま。コレだけの防御だ、3両の戦車じゃどうにもならん・・・。目標の丘の周囲は大した障害物もない平原・・・彼方此方に砲撃痕が穴を開け、無残な空挺隊員たちの死体が散らばり、一筋の小川が丘の麓に沿って流れているだけだ。「大尉、まさか正面切って�狷遊發靴蹲瓩覆鵑討い錣覆い任靴腓Δ諭�」ガフィ軍曹がミラー大尉の顔色を覗う「ちょっと考えさせてくれ・・・軍曹」ミラー大尉は一人黙って敵陣を見つめていた・・・暫く後ミラー大尉はバンダービルド中佐の指揮所にいた・・・衛生兵のウェイドが中佐の脚の手当てをしていた。降下時に挫いたそうだ・・・「中佐殿、私の作戦では・・・」ミラー大尉の説明を、部隊の各指揮官たちが聞いている。「もはや力押しは利かないでしょう・・・無傷で奪取するとなると、この方法しか無いと本官は思います」ミラー大尉が強い口調で言った。バンダービルド中佐は渋い顔で聞いていた・・・今までの甚大な損害と無理に応援を頼んだ手前、仕方がない・・・「解った・・・大尉、君に指揮を任せよう」ミラー大尉は、頷くと作戦の詳細を、各指揮官個別に説明していった・・・まるで教師が生徒に教えるよう丁寧に・・・。「作戦開始は14:00・・・13:45までに、各隊は所定の位置に付け・・・13:15に時間を合わせる・・・10秒前・・・5秒前・・・3・・2・1、時間ッ。かかれ・・・」各指揮官たちは敬礼し、部下たちの所へ散っていった。後にはホーバス軍曹とガフィ軍曹、ライベン、ジャクソン、メリッシュ、ウェイド、アパムだけが残った。「ホーバス軍曹、ガフィ軍曹・・・よろしく頼む・・・作戦の成功はお前達次第だ・・・」「まあ、せいぜいしっかりやりますよ・・・」ガフィ軍曹がレーダー基地のある丘を眺めながら言った・・・ホーバス軍曹は相変わらず心配顔だ・・・「また、そんな暗い顔をする〜?」「でも中隊長・・・任務が違います・・・」「戦争に勝つ事が任務だ・・・気の進む任務が何処にある・・・?」一同は顔を見合わせた・・・13:30・・・作戦開始まであと30分・・・。

chap.12レーダー基地(後編)
戦車3両、105mm榴弾砲搭載ハーフ1台を中心とした戦闘団主力と混成空挺部隊主力はレーダー基地正面の配置に就いた・・・ドイツの誇る88mm高射砲の直接射撃の有効距離ギリギリのラインだ。13:55作戦開始まであと5分。各砲とも弾薬を装填し準備は完了した・・・。
13:59各車エンジン始動・・・
14:00作戦発動!戦車3両とM8装甲車、M3ハーフトラック3台、武装ジープ2台が88mm砲の水平有効射程ギリギリのラインで行動を開始・・・エンジンをふかし全速で走り、戦車砲が吼え機銃とライフルが一斉に火を噴いた・・・レーダー基地守備のドイツ兵たちは慌てて陣地に飛び込んだ・・・連合軍の本隊が到着した・・・すわ総攻撃だ・・・。忽ちドイツ軍側からの応射が始まったが、有効射程ギリギリでちょこまかと動きまくる戦車や車両群への命中弾は得られない・・・絶え間ない無駄な砲撃が続い・・・た。
その頃、ミラー大尉とライベン、ジャクソン、メリッシュ、アパムそして空挺からの選抜隊員、合計40名からなる別働隊が麓に沿って流れる小川の中をコッソリと進んでいた・・・ドイツ軍守備隊の注意が戦闘団主力へ向いている間に、背後からレーダー基地を攻撃する・・・これがミラー大尉の立案した作戦だ・・・。戦闘団主力がドイツ軍の注意を引きつけられるのも、せいぜい30分。その間にレーダー基地の中央部へ突入しなければならない。慎重を期す作戦だが時間がない。別働隊は、小川の流れに脚を取られながらも、一歩一歩着実にレーダー基地の背後へと近づいて行く。案の定、ドイツ軍守備隊主力は、囮部隊の派手な動きに気を取られ、背面には僅かな見張りしか置いていなかった・・・ミラー大尉は振り向くと片手でサインを送る・・・歩哨2名、すぐ上の橋の袂、ゆっくり歩いている・・・ライベンとジャクソンが頷くと銃を置き、銃剣を口に咥え、ゆっくりと川から這い上がり、歩哨の背後へと忍び寄って行く・・・一声も発せず2名のドイツ軍歩哨は倒された・・・ライベンとジャクソンが死体をすばやく物陰に隠す・・・ピーッ・・・ライベンが口笛を吹いた・・・その口笛を合図に別働隊全員が小川から這い上がり、次々にレーダー基地のある丘の林の中へと消えて行く。最後に残ったミラー大尉は、もたつくアパム伍長の腕を掴み物陰へと走りこんだ・・・流石にレンジャーと空挺隊員だ・・・この手の作戦には慣れている・・・逆に守備隊側はドイツ空軍所属の地上勤務部隊の寄せ集め部隊らしい・・・正面からの攻撃にはなんとか対処できるが、背後から忍び寄る敵への対処は弱い・・・ひとつずつドイツ軍側防御陣地が潰されていく。
14:30それまで敵陣正面で大袈裟に動き廻っていた戦車3両が進路をレーダー基地へと向けた。同時に背後に控えたM3ハーフ搭載の105mm砲が砲撃を開始・・・でも実弾ではない・・・発煙弾だ・・・途端にドイツ軍陣地正面に煙幕が立ち上る・・ガフィ軍曹たちの戦車は巧みに煙幕に紛れながら敵陣への接近を図る「たのんますぜ、大尉・・・もっと右だ、もっと右、ヨーイ、射ーッ」ズドーン!!・・・戦車砲が吼える。「もっと発煙弾を撃て・・・」ホーバス軍曹が叫ぶ。戦車3両は、まっすぐレーダー基地へと突き進んだ。煙幕でこっちの身も隠せるが、逆に相手も見えない・・・射撃は全て盲射・・・。敵陣との距離は序々に詰まる・・・敵陣は目前だ・・・しかし心配の種・・・88mm砲は・・・大丈夫か・・・その時一塵の風が吹き、煙幕が吹き払われた「うわぁ〜ッ・・・」ガフィ軍曹が叫び声を上げた・・・なんと、彼の戦車の真ん前に88mm砲の砲身が不気味に突き出ていた「だめだ、やられちまう・・・」ガフィ軍曹は目を瞑った・・・暫しの沈黙・・・「まだ生きてる・・・のか」ゆっくりと開けたガフィ軍曹の目に、88mm砲の前で得意げにポーズを取り、ギャロウェイに写真を撮らせているメリッシュの姿があった・・・アホ。大した損害も無く・・・と言っても別働隊戦死5名負傷7名、囮本隊負傷5名が出ていた・・・レーダー基地は奪取された・・・ドイツ兵たちは、いきなり背後から現れた米兵に驚き、すべもなく次々に銃を捨てた・・・少なからず抵抗はあったが・・・あのアパム伍長でさえ、抵抗するドイツ兵を前に、ドイツ語で降伏するよう怒鳴り続けていたのである・・・へぇ〜アパムにしちゃ大したもんだぜ・・・ライベンが呟いた。
15:30僅か一時間半でドイツ軍レーダー基地を完全占領・・・ミラー大尉指揮の別働隊の的確な奇襲により、新型ザルツブルグレーダー一式を破壊される間も無く捕獲できた。ミラー大尉は、レーダー基地中央のトーチカ前に一人腰を降ろしていた。どっと疲れが出て、何も考えたくなかったのだ・・・そしていつもの発作・・・右手の震えだ。暫くしてバンダービルド中佐がM3ハーフに乗ってやって来た・・・「よくやった、ミラー大尉。ありがとう・・・」バンダービルド中佐がごつい顔に満身の笑みを湛え、右手を差し出した。ミラー大尉は一瞬躊躇ったが、ゆっくりと右手を差し出した・・・その手をバンダービルド中佐が両手でシッカリ掴み返した・・・!(でも今回は薔薇の花は無し・・・)
目の前を捕虜が次々に連行されて行く。「ユダヤ人。ユダヤ人・・・俺ユダヤ人、解るか・・・」メリッシュが認識票に貼り付けた�爛瀬咼任寮鵜瓩鯱�行される捕虜の列に向け怒鳴っていた・・・戦闘後の処理も一段落した。ミラー大尉指揮の戦闘団は隊列を整えると、バンダービルド中佐等空挺隊員たちに別れを告げ、再びラメルを目指し出発した・・・。

chap.13大きな謎
その日の夕方、部隊は目的地ラメルを見渡せる対岸の丘の上にいた。手前には河・・・メルデル河・・・が流れ、一本の橋が掛かっている。村・・・町は岸辺の高台の上にあり、その東側の一段と高くなった場所には、その昔この辺りを治めていた領主の館・・・古い城館が聳えていた。ミラー大尉、ホーバス軍曹、ガフィ軍曹の三人が、双眼鏡でラメルの町の隅々まで観察している。町の中央には高い鐘楼を備えた教会、その周りには不規則な路地に沿って民家が連なる。町の最も外周にある民家の壁が城壁の様に連なり、それによって町全体が中世の城塞の雰囲気を醸しだしている・・・その時、彼方・・・北側から町の中央につながる一本の道を進んでくる一団が望見された・・・「なんてこった、ドイツ野郎ですぜ・・・まったくツイてねぇーぜ」双眼鏡を覗きながらガフィ軍曹が呟いた。先頭には型式不明の戦車が三両(けっこう厳つい)そして十台近くの装甲ハーフトラックやトラックが後続している・・・「遅かった・・・かッ」ミラー大尉が呟いた「えッ・・・何ですって中隊長?」ホーバス軍曹が驚き顔でミラー大尉を見つめた「武装親衛隊・・・ダス・ライヒの精鋭部隊だ」ミラー大尉が双眼鏡を覗いたまま言った。「何ですって大尉、知ってたんですかい・・・?」ガフィ軍曹が怒鳴る「ああ、でも戦車までいるとは知らなかったがな」「何てこった・・・」ホーバス軍曹が呟く。ガフィ軍曹が真っ赤な顔でミラー大尉を睨みつけた「何が、ちょっとした公報チーム活動だッ、えーッ?レーダー基地の戦闘じゃ特別サービスしてやったが、こんな話は聞いてないですぜ・・・まったく契約外だよ。俺たちゃこの話から下ろさせてもらいますぜ・・行くぞ」戦車兵たちが、自らの戦車へと戻ろうとした、その時・・・「待て・・・中隊長の命令に背くつもりか・・・戻れ」ホーバス軍曹が腰のホルスターからガバメントを引き抜くとガフィ軍曹の背中に突き付けた「こんな任務はごめんだネ!」立ち止まりながら・・・も振り向きもせずガフィ軍曹が応える「コレが最後の警告だ・・・」「コレもライアンのためか・・・エ〜ッ?」「五月蝿い、黙れ。その減らず口を吹っ飛ばしてヤル・・・」ホーバス軍曹とガフィ軍曹、将に一触即発状態・・・レンジャーたちと戦車兵たちもお互い銃を構え、狙いを定めている・・・(コレばっか)「中隊長、何とかして下さ・・・い」アパム伍長がオドオドと言った。今回はギャロウェイも成すすべもない「アパム、例のカバンを持って来てくれ・・・」アパム伍長が慌ててカバン・・・片目のドイツ軍大佐の持ち物だった・・・を持って来た。ミラー大尉は、カバンを受け取りいがみ合う連中の方に向き直ると、中身の書類・・・命令書を取り出し頭上に掲げ怒鳴った「ライアンは、俺にとってはどうでもいい、ただの名前に過ぎん・・・ガフィ軍曹、君等がこの任務から下りたいのなら、よかろう。好きにするさ・・・。確かに昨夜、アパムが尋問したドイツ軍将校の情報から、武装親衛隊があの町にやってくる事は知っていた。でも、なんで武装親衛隊が、ヒムラー直々の命令で、あんな辺鄙な田舎町までやって来るのか・・・大きな謎だ・・・ただ噂によると、親衛隊はヒムラーの命令で占領地の彼方此方から高価な美術品や調度品を掻き集めてるそうだ・・・ひょっとすると・・・」ミラー大尉がそこまで言った途端・・・ガフィ軍曹の表情が和らいだ・・・やっぱりそうじゃねーかと思ってたんだ!「解りました、大尉殿。不本意ながら、このガフィ軍曹、最後までお供しましょう・・・いいな野郎ども」戦車兵たちも頷いた・・・さあ物語・・・妄想は、いよいよ最終局面へと突入する・・・のであった。

ゲーッ、まだ終わんねぇよ、この話・・・安直に始めたばっかりに・・・と後悔の念が・・・。今回はちょっと笑える設定が少なかったすね・・・週末どっぷり戦争映画に浸っていた為、シリアスなお話になってしまいました・・・今度こそ決着だッ・・・ていうか早くライアン出せよ・・・【物語は終末へと続く】
20020709:一部修正・・・ギャロウェイ登場させるの忘れてました・・・爆

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