ケーキ屋にリフォームされた明治時代のお屋敷に混在する、美意識と悪趣味 |
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2002年08月21日(水)
久しぶりにごく少数を集めてサークル活動らしきモノを行った後、久しぶりに渋谷に出て、最近お気に入りのケーキ屋に某氏を誘って出かけた。
横文字なので、店の名前は覚えていない。そもそも此処にその名を記す気は無かったりする。
一応、NHKホール付近の少し奥まった処に在る店、とだけ謂っておこう。
その店は、明治時代くらいに建てられたお屋敷を少造り変えただけなので、ぱっと見は営業中のケーキ屋と気付かない。 何となく、隠れ家めいた雰囲気の店なのだ。
その割りには一見さんお断りみたいな拒絶感は無いし、厭世的な重苦しさも無い。
つまり、良い感じなのである。
特に、私が気に入っているのはその店内の装飾センスだ。
ハッキリ言って、悪い。
テーブルや椅子は結構普通なのだが、例えば壁には年代物の海外映画のポスターが何枚も張ってある。 その映画の選択自体は良いのかもしれないが、どちらにしろ店の雰囲気には合っていない。
また、部屋の隅にある木製のテーブルの上にレトロなタイプライターがオブジェの様に備えつけられているのだが、その更に上に『古寺巡礼』と書かれた特大サイズの写真集らしきハードブックが飾れている。 一体どんな神経でこんなモノを置いたのか…
他にも玄関前の小さな水場には浴場用玩具の黄色いアヒルが浮かんでいるし、レジカウンターの頭上には何かの祭りの提灯がぶら下がっていて、いかにも安っぽい西洋人形や昭和時代のソフトビニール人形、埃をかぶったサンタ人形がごちゃ混ぜに点在していたりする。
つまり、内装に主体性がないのである。
でもその突っ込み所満載の空間が、何故か妙に落ち着くのである。
先に述べた親しみ易さも、この少し気の抜けた内装が原因しているのかもしれない。
取り敢えず、もしこの店がおよそ欠点の無い完璧な装いをしていたら、アタシは気後れしてこの店に複数回訪れる事は無かっただろう、と思う今日この頃。
まぁ、ハコの話はこのくらいにして、その店のケーキについて語ろう。
滅茶苦茶美味しい。
クレームブリュレが最高である。ひとくち食べただけで、ニヤッとしてしまう。
林檎のチーズケーキも大好き。薄くスライスした林檎のコンポートを使って、チーズケーキの上に薔薇の花を作ってるの。食べにくいけど、ちょっと感動する
紅茶も種類が豊富で楽しい。
ただ、少し値段が高いのが難である。
大体ケーキと紅茶のセットで1600円くらいする。貧乏学生にはちと高級だったりする。
ゆっくりケーキと紅茶と時間を味わった後、映画を見に行く。
ハル・ベリーが主演してるやつ。
タイトルが安易なんだけど、多分あれは邦題だと思う。
話中で、死刑囚が刑を実行される前に開かれると云うパーティの事が話題になるのだけど、それを指す「モンスター・ボール(綴り忘れた)」と云う俗語が、多分本来のタイトルなのだと思う。オープニングにちっちゃくそんな綴りが出てたし(その時は会社名かと思ったけど…)
映画を見終わった後、某氏が「題名の割りにチョコレートアイスの使い方が弱い」と感想を述べたけど、アタシはそうは思わない。 もともとタイトルは違うんだし(予想だけど)、あのくらいが丁度良いんじゃないかな? 主役はハル・ベリーで、チョコレートアイスなんかじゃないんだし。
久しぶりに、バランスのとれた良い映画だと思った。
最近はアクション重視とか役者重視とかパロディとかがメジャーな気がするので、こういう正統派っぽいの見ると何となくホッとする。
この映画の中の人物は、生々しい程にリアルだ。
看守で死刑執行人でもある厳格で非情な男性。 好物がチョコレートアイスであると云う、子どもっぽい一面。 子を死に追いやった事への後悔。 好きな人にだけ見せる親切心、与える愛。 自分の父親を施設へ捨てる、憎悪。
デフォルメされた単一の個性のみを見せつける作品が多い中、一人の人物を様々面から捉えるその手法が好きだ。
最後の男性の台詞、その時の女性の視線が、凄く好き。
と、云う事で。
今日はとても有意義な一日だったのでした。
あ、追伸。
ユーフォーキャッチャーで可愛い犬のヌイグルミを手に入れました。
これに成功したのは、人生で二度目です。
イェイ!!
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