初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2007年10月30日(火)
『レインマン』初日

『レインマン』@PARCO劇場

危ない、グローブ座に行くとこだった…(初演時の劇場)。折しもポンチさんが『キャバレー』@青山劇場をPARCO劇場と間違えたって話聞いたばかりだったので焦った!あれ混乱するよねーPARCO制作だから。ちなみに『犯さん哉』上演時のPARCO劇場入口には「『キャバレー』は青山劇場です」と言う看板が設置されていました。PARCO→青山は走れば何とか…だけど、PARCO→グローブ座はきっと何とかならないぞー(笑泣)

と言う訳で、劇場も変わってスピード再演。スズカツさんの言う通りロングランと捉えてもいいかも。プレヴューや地方公演も経て、この東京公演はツアー最後の地。初日と言っても随分こなれた初日でした。しかし初演をなぞると言うものでは全然なかった。理想的な再演だと思います、以下おぼえがき。

・脚本、結構変わってます
・椎名さんの演技プランがかなり変わってる。それに合わせて脚本を書き直した様子
・チャーリーの衣裳がカジュアルになっており、怒りの表現がより表に出ている
・美術も、かっきりプロセニアムの舞台に合わせたものに
・グローブ座は横に拡がる舞台なので、ギュッとした空間作るの難しいんだよね。死角も多いし

・椎名さんと言えば、久々の舞台出演だった『BENT』の時は台詞が聴き取りにくいところがあったんだけど、最近は全くそんなことがないなあ
・でも、舞台用に声を「張っている」、と言う訳ではない。声が「通る」んですわ
・室内で会話するシーンで、普通に話しているように聴こえて、不自然さがない。なのに言っていることはハッキリ伝わる
・これは椎名さんだけでなく、全員がそう
・いやすごくいいバランスの4人芝居です
・翻訳劇における「自然」、と言うのは実はなかなか難しい。翻訳調のいかにもお芝居的な口調は、どうしても慣れが必要になる
・その自然さは、役者が「演じている」、と言うことを忘れさせる。チャーリーが、レイモンドが、「いる」と言うところ迄行く。これは初演時もそうでした

・体感時間が短かったー!テンポいい!
・あの兄弟が会っていなかった時間を埋める過程として、さまざまな誤解を解いたり、葛藤を乗り越えたりの要素が沢山組み込んであるのに、詰め込み感が全くない

・序盤の父親の訃報を伝える電話の声は、初演同様エンケンさんでした

あー他にもいろいろあるが今思い出せるのはこんなとこ。両隣が30〜40代の男のひとだったんだけど、どちらもガン泣きしておりました。もう嗚咽が出そうな勢い。それを我慢するから鼻がふごふご鳴るの(苦笑)客席は暗いんだし、我慢しないでどおと泣けばいいじゃないーと言いたくなりましたよ…。決して近頃流行りの「泣ける!」「泣かされた!」と言うような嫌な涙の流され方ではないんだから。まあいいじゃん、たまには。思う存分泣いてもさ。

あーでもチャーリーって、泣きたくても泣けなかったひとだよな。だからこそレイモンドに頭をなでられた後のチャーリーがこどものように泣くシーンは悲しいけれど、その感情を引き出せるようになってよかったな、と言いたくもなった。チャーリーは半袖のシャツを着るようになる。水泳もきっと始めてる。

あと「何から何迄無駄!」と言われるレイモンドだけど(笑・このシーン大ウケ)、無駄って素晴らしいことだよなあと思ったり、さわる、ってのはとても大事なことだよなあと思ったり。

いやそれにしても、かつて誰にでも…と言うか、「このひとなら大丈夫だ」と判断せずに(笑)勧められるスズカツさんの芝居があっただろうか。いや、ない(暴言)舞台のマジックを信じることが出来る、素晴らしい作品です。



2007年10月29日(月)
補足やら小ネタやら

■そういや「音楽:LOSALIOS」てクレジットあったわ
『TAKEOFF』のテーマ曲、絶対劇伴で作られたもんじゃねーなーと言う格好よさがあって気になっていたんだが、LOSALIOSの「HAE」だそうです(アルバム『ゆうれい船長がハナシてくれたこと』に収録)
だから飛行機の名前をはえにしたんだな(笑)
ぴーとさんとこで知りました、有難うございます

■あっと言う間にNINが動いている
結構日にちも経ってしまいましたが、そろそろリリースなので。
レディオヘッドの新譜リリース方法に即反応していたトレントですが、動くのも早い!プロデュースしたソウル・ウィリアムスの新譜をこの方法で出すとのこと。11月1日にもう聴けます。
「ソウルは素晴らしいアーティストだけどまだレディオのような知名度はない、彼の作品を気に入ったら是非口コミで広めてほしい」と言うトレントのメッセージとともにブログパーツも用意されています

■レディオのやり方を踏まえて
いろんなところが改善されてる辺りも流石と言うか…ソウルの新譜は、$0か$5で購入することが出来ます。$0でオーダーすると192KbpsのMP3ファイル、$5だと192Kbps、320KbpsのMP3ファイルとFLAC lossless audioファイルのより良い音質のものが入手出来ます

■ちなみに
もうすぐ出る自身の『YEAR ZERO』リミクスアルバムも、パッケージとダウンロード両方でリリースすることを発表しています

■こうなってくると
今後、所謂「国内盤=日本盤」はどうなっていくんでしょうねえ。ライナーや訳詞は読みたいのですが。DVD等の映像作品は容量のこともあるし、まだまだパッケージで続きそうですが

■折しも
iTSにブルーノートのラインナップが続々追加されており、ジャズものがデータ配信ってのも不思議な感じ。蔵書の管理を図書カードからオンラインデータに移行する方針に反対し、図書館を爆破するとたてこもった青年とそれを阻止しようとする刑事の会話劇『ディファイルド』をふと思い出しました(ウチの日記の2004年11月のとこにアホみたいに感想書いてるから興味のある方はどうぞ…)

■あーでも
こないだ出た(ま、まだ観れてない…)パールジャムのライヴDVD『ライヴ・イン・イタリー 2006』(Immagine in Cornice: Live in Italy 2006)は、国内盤出たけどライナーがなくってプレスシートの訳文が無愛想に入ってただけだったのでちょっとがっかりしたんだ。ここらへんは日本のレコード会社がどんだけ力入れてるかってのが透けて見えるようですよ…(涙)まあでもリリースしてくれるだけでも嬉しいけどね

■よだん
このDVDの監督ダニー・クリンチは、フーファイの『SKIN AND BONES』のディレクションも手掛けています。写真家としても有名な方で、DVDブックレットにはスチールも多数収録されています

■そのダニーが設立した
フィルム・カンパニーTHREE ON THE TREEのサイトでは、ダニーがディレクションしたさまざまなビデオクリップや映像作品がフル視聴出来ます。フーファイやパールジャムの他にもいろいろあるよ〜



2007年10月27日(土)
『パンズ・ラビリンス』『TAKEOFF ―ライト三兄弟』

(どちらもネタバレしてます、未見の方はご注意を)

『パンズ・ラビリンス』@恵比寿ガーデンシネマ 1

さ●どうだった?
か●いやあ、よかった…けど、簡単によかったとは言いがたい……
さ●ねー
か●ねー
さ・か●………………
さ●でもね、私はあの世界は現実にあったんだと思うことにした!だってそうじゃないとオフェリアがかわいそうすぎる!オフェリアは死んじゃったけど、あの世界に行けたんだよ!
か●そうなんだよねー…そう思わないとやってられんと言うかさ……。そもそもが、あの世界がオフェリアの前に現れたってのは、あまりにも現実世界がつらすぎたからでしょう
さ●もう、あの大尉!やばい!ほんっと腹たった!
か●自分で口端縫ってるとこなんて、やばい通り越して笑ってしまったよ
さ●最初のうさぎのとこで、もう、うわっこのおっちゃんやばい!やばい!って
か●あのお医者さん撃っちゃうとことかねえ
さ●もうホントに腹が立った…お医者さんは間違ったこと何もしてないのに!それを酷い!そんでメルセデスがあんなに刺してもけろっとしてたじゃない?
か●口縫った後に酒呑んでしみるー!とかな(笑)
さ●呑むなよ
か●なあ(笑)傷口から酒がじわーて
さ●ガーゼにしみて(笑)イッちゃってるよね〜
か●あんまりイッちゃってると笑えるよな。で、新しい父ちゃんはあんなだし、母ちゃんは死にそうだし、結局死んじゃったけど。で、そんな環境だから、あの世界って要は
さ●逃避
か●なんだよ。しかもあの歳で母ちゃんに「魔法なんてない、現実はそんなもんじゃない、大人になれ」とか言われたらキッツいよ。まあいずれはそうなるけど、それを今言うか!
さ●マンドラゴラ燃やされて
か●マンドラゴラかわいかったなあ、あのミルク風呂に入ってにょ〜とかのび〜てなってるの
さ●シュヴァンクマイエル
か●オテサーネク!だんだんかわいく見えてくる
さ●それが暖炉で焼かれて
か●きゅ〜!ぎゃー、かわいそう!ひどいよ母ちゃん!だから直後具合が悪く!
さ●でも実際マンドラゴラのおかげで母ちゃんが快復してたらそれはそれでやばいんだよね
か●そうなんだよ(泣)魔法はやっぱり、現実にはね……
さ●でもね、あれを逃避故の妄想とするにはちょっとひっかかる訳よ。逃避だったらきっとあんなに試練続きにならないと思うのよ。きっみの悪い妖怪いっぱい出て来たじゃない?妄想だったらもっと居心地のよい空間になる筈なんだよ、あの世界は。それを…
か●あのかえる
さ●あれトリビアのかえるだよね
か●そう私も思った!(大笑)自分で胃を吐き出して手洗いする!
さ●あれ、いいよねえ
か●自分で手洗い出来たら快適だろうなあ
さ●そんで、あんな胃袋げーの中から鍵取り出したりとか、そんなつらいこと妄想せんでもいいだろうと(笑)
か●あー
さ●だから、あの世界は本当にあったと私は思うことにする
か●それがあったからオフェリアは死ぬ時救われたと言うか…うーん、死ぬ瞬間はつらくなかった…か……それでよかった…か……
さ●綺麗になった母ちゃんと綺麗な父ちゃんだよね?あれ。仕立て屋だった。それと綺麗になったパンがいるとこに行ったんだよ!
か●ああ、パン綺麗になってたな!(笑)
さ●もう、そうなんだよ……(泣)
か●しかし単純にわるもの退治してよかったな!って話でもなくて、父ちゃんの人間性がちらちら出てたのがまたやっかいで
さ●息子は大事に扱ってたしね。自分の父親のこととかも…
か●それをちらちら入れといて、そんでメルセデスに「あんたの死に方どころか名前すらも(息子には)教えない」って殺されちゃうんだもんね。むなしい…
さ●『ミツバチのささやき』観直したくなったわ。でも『ミツバチ〜』はまださ、こどもの無邪気な想像力が現実になったって言うかわいらしさがあったけど
か●こっちの想像はやむにやまれず出て来たもんだからねえ…
さ●はー
か●はー
さ●しかし最後のシーンは美しかった
か●行けてよかったねえ…鼻血出して死んじゃってたからさ、あんなかわいい子が。最後に綺麗な服を着て…
さ●綺麗な服着て、かわいい靴履いてね…
か●はー
さ●はー

****************

KKP #5『TAKEOFF ―ライト三兄弟』@銀河劇場

か●いやこの順番で観られてよかったわ
さ●『パンズ〜』観てそのまま帰ってたらお風呂入った頃にすんごい落ち込みそうだったよ〜(泣)
か●それにしてもいい話だった。小林さんて徹底していい話書くね
さ●その徹底っぷりがやばい
か●そうそう、徹底してるだけにおかしい、やばい感じがする
さ●やっぱりさあ、あのひと、やばいよね、頭おかしい
か●何かが欠けてると言うか…やっぱり天才肌なんだなあと
さ●そこがすごいんだけどね…
か●今日も使いきってたしね。楽日かと思った、あの盛り上がり
さ●セーブとかしなさそうだもん…いつか舞台上で倒れたりしそうだよ……今日実際カーテンコールでバターなってたし
か●笑ったけど内心ヒヤッとした。誰かブレーキ担当いた方がいいよね。手を抜けってんじゃなくて…久ヶ沢さんがいるのはいいかも
さ●ああ見えて醒めてるからね
か●いろいろやらかすけどね(笑)でも今日は頼りになってたなあ。頼人。ライトじゃなくて(笑)
さ●あそこで終わるってのもよかった
か●実際に飛ばすのは舞台の演出としてベタなんだよ、本当に飛ぶものにはかなわないんだし。でも、下に台が見えていても、その台をスモークで隠してるって判っていても、飛行機が浮いた時には感動したなあ
さ●一体感あったね!
か●で、そのまま終わるから…
さ●カーテンコールがすごいことに。何回やったっけ?
か●5回くらいやってたよね。3人きりであのキャパの劇場であれだけのカタルシスが得られるという貴重な…(長塚くん言うところのプロレス的な力が働いてた)
さ●いい話ってものあるけど、それを真正面からいい話としてやりきったってのも
か●ああいうのってどっかで意地悪目線とか、皮肉とか入れたくなるじゃない?でも小林さんて、KKPでは徹底してるよね、このへん
さ●絶対いい話にする。性善説を信じようとしてる
か●ああ。あと「12秒間」がよかったなあ
さ●空飛んだね!長い
か●長い。舞台上で全く台詞がない12秒間はあんなに長いんだ、そしてこれだけ飛べたんだって言う…あれはよかった……
さ●いやーよかった
か●いやーよかった



2007年10月24日(水)
さてどうする

ぎゃーす、エスケン&ホットボンボンズが再発ですよー。

そして復活ライヴときた。17年振りて。その17年前のライヴ、確か、行ってる……。しかしDRIVE TO 2000@LOFTでも復活してるよ?そしてそのライヴも観ている…しかも最前で観た……。エスケンに「おじょうさん私達の現役時代なんて知らないでしょう」とか言われた(笑)あの場では私も若手でしたよ!

さて問題は、その復活ライヴの日が11月16日と言うことで。『欲望という名の電車』初日じゃないの……。はしごだ。しかし『欲望〜』は、上演時間3時間↑↓だったから、終演は22時過ぎるだろう。間に合うか……?多分出演順としてはスリルが先だろうが…スリルも観たいのだが……。

それにしても、エスケンていくつなんだ。



2007年10月21日(日)
LÄ-PPISCH 20th Anniversary『LIVE! LOVE! LIFE!』

LÄ-PPISCH 20th Anniversary『LIVE! LOVE! LIFE!』@SHIBUYA-AX

もーとにかく行きたいけど行きたくなくて(察してくれ)、それが体調にも素直に反映され具合も気分も最悪で、会場に着いてからもくだまいてました、ダメ大人。「もらう方にも勇気がいるだろう ダメな ダメな プレゼント」を受け取りに行きました。ダメな筈がない、最高のライヴバンドだもの。雪好の穴は大きいけど。

腰痛(いやホント腰痛て大変なのよ…それくらいがんばれとか我慢しろとか言っちゃいかんよましてやおじいちゃんに!)でエゾもツアーもトバし、この日も寸前迄出られるか判らないと言われていた上田現を確認してまずはホッとする。本当に久し振りに見たんでいまいち自信がなくて「こんな髪型?ひょっとしてサポート?いやでもあんだけテナーサックスがバリトンのようにデカく見える(そりゃ言い過ぎ)小柄っぷりは…う、うえだだ!」とタイムラグが(笑)瞬間MIOさんの手握っちゃって「ぎゃああ!うえだ、うえだいるよおおお!!!」と叫んでしまいましたよ……すんません。そして上田が動く度にヒヤヒヤする。後ろのおじょうさんたち(同世代だな)が「もうっ、ひやひやするっ!でもっ、現ちゃんかっこいい〜っ!」と騒いでいて、あまりのシンクロ率にニヤニヤする。

で、相当騒いだ割に(始まれば元気です)妙に頭が冷えた状態で観聴き出来たんですな。随分長い間、いいこともわるいことも見せてもらったバンドなもので、思うところはそれはもー沢山ある訳です。今となっては日本の元祖スカコアのように言われているけど、実際はXTCとトッド・ラングレンの影響がとても大きい、ひねくれポップな面こそがこのバンドの本質だったのではないかなとか(改めて楽曲を聴くと、展開も演奏も複雑で難しい。それを一聴キャッチーに仕上げる演奏力も相当なもの。コピーバンドがあまりいないのもよく解る)、デビュー曲のイメージが大きく、ゴキゲンで楽しい面ばかりが取り沙汰されたけど(そのイメージの払拭に躍起になっていたように思える時期もあった)、ホントのところはその楽しさと同時に見え隠れする殺気のようなものが魅力であったこと、などなど。そういうところが好きだったんだ。

とか偉そうなこと思いつつ、「プレゼント」やられた時には大泣きしましたよ。他にもいろいろ醜態を晒しましたが済んだことなのでもういい、知らん。その後は何だかすっきりして、終始笑顔で観てました。

サポートドラムの矢野くんは相当練習したんではないかな。どこをどう聴いても雪好ではなかった、でもすごくいいドラムだった。恭一のギターのフレーズがところどころ変わっていて、あー時が経ったんだなあと思った。マグミはキーを下げて唄うところもあった。上田はやはりアコーディオンは持てない様子で(あれ、すごい重くて腰にクるんだよ…)キーボードも座って弾いていた。タツは…タツは、変わんないな(笑)相変わらずだ。頼りになる。増井くんも、マグミに言われてたように20年前から見掛けがおんなじ(笑)それでも曲の、演奏の、歌の魅力が変わることはなかった。

マグミがクラウドサーフでAX後ろのPA卓迄行って、また飛び込んでステージ迄戻ったんだけど(いやー、格好よかったなあ)それをMIOさんが「ナウシカが王蟲の上を歩くシーンを思い出してえ!」と言うのを受けて「あああ!わかるわかる!」とヒネりもせず涙ぐむくらいには素直になっておりました。10代の多感な時期にレピッシュに遭えてよかったよ。

「KU・MA・MO・TO」が出たのでもう終わりかな、「HARD LIFE」も「RINJIN」も「ストリッパー」も「旭タクシー」もやらなかったなあ、「ヒゲパワー」はもう聴けることはないんだなあなんて思いつつ帰り難くてねばっていたら、スリル(キター!)、アンスキャンダル、ケムリ、勝手にしやがれのホーンセクション(何人いたよ、ステージあふれそうだったよ)を引き連れての「パヤパヤ」を最後にやってくれました。

-----

セットリスト

op.(KARAKURI)
01. 美代ちゃんの×××
02. COMPLEX
03. ガンジー
04. タンポポ(マグミ曰く「俺たちのマルーン5みたいな歌」(笑))
05. カ・ラ・ダ
06. LAULA
07. GOOD DOG
08. CONTROL
09. イージンサン
10. パーティ
11. プレゼント
12. 満員電車は故郷をめざす
13. 水溶性
14. おやすみ
15. 胡蝶の夢
16. ANIMAL BEAT
17. LOVE SONGS
18. MAGIC BLUE CASE

en. 01
19. 爆裂レインコート
20. ハーメルン
21. MAD GIRLS
22. KU・MA・MO・TO

en. 02
23. パヤパヤ

-----

やーそれにしても、聴いてない時期も長かったのに、歌詞がするする出てきたのに自分でも驚いた。どんだけ聴いてたかってことですな。そう、歌詞も大好きだった。こんな歌詞、他のバンドにはなかった。

マグミが「おまえらもがんばれよ、勉強しろよ!レピッシュのファンがバカだと思われないようにな」みたいなことを言ったんだけど、それを「そうだがんばろう…」と素直に受け入れてしまう程にファンでございます。いいバンドに出会えてよかったなあ。

帰りに行った呑み屋で隣席の見知らぬおねえさん(しかし歳下であった。まあ、わかりますよ肌の感じでな…)と30代女性の生き方について妙に盛り上がって話したりして帰りました。いい夜でした。ありがとね。



2007年10月20日(土)
『三文オペラ』『犯さん哉』

なんか随分な食い合わせに…い、いもたれ……。共通点と言えばどちらもインチキってことか(いい意味、いい意味)

音楽劇『三文オペラ』@世田谷パブリックシアター

場内に足を踏み入れた途端、SePTの特性を活かした美術にまず引き込まれる。縦に積むやつですね。4階建て(使うのは3フロア)で、いちばん下のフロアと客席が地続き。役者が縦横無尽に駆けまくる。楽曲は勿論のこと演奏もよかったし、ローリーが手掛けた訳詞もいい。台詞の口語訳も違和感ない。膨大な情報を電光掲示板のテキストや映像で整理し、皮肉や笑いも盛り込み、猥雑、混沌、背徳の舞台をアジアに置き換えた設定も悪くない。

んがー、んがー、どうもうまく回っていない……んんん、なんでだー。ともやもやしつつ観ていたんですが……。猫背さんが出て来た辺りで空気が動いた感じがした。

私見ですが、どうーも、役者の演技プランがバラバラなように思えました。狂言回しとして振る舞うか、全ては悪と達観するか、生きる為には仕方がないか、それが当たり前か。もともと社会の矛盾を突いて徹底的に皮肉るストーリーではあるものの、黒い笑いにも出来ないし、戦慄することも出来ないし、どうにも居心地が悪い。

容れ物はよかったと思うんだー、美術も音楽も照明プランも、映像の使い方も。役者もそれぞれはいい仕事をしていたと思う…んだけど……どうにも散漫でした。ちょっとこれ、再演を観たいです。なんかいろいろ勿体ない気がする。外枠演出は好きなので、役者陣の統率をどうするか…になるのかなあ。これも演出の仕事のうちと言えばそうですが。思えば白井さんがこれだけの役者数を扱うのって珍しい…よ、ね?うーんうーんまたやってください。

毎年恒例の三茶de大道芸が開催されており、劇場外でもおまつりな雰囲気で楽しかったです。

追記:ぬぬー、今ちょろっとweb上の感想見てきたんだけど、どうも前半と構成が変わっているようです。曲が削られてるとか、歌のパートが入れ替わっているとか。どうしたよ……。

****************

『犯さん哉』@PARCO劇場

いやあ…くだらなかった……(笑)これ以上何を言えと。PARCOでこういうのをやるかと言う。しかし古田さんとケラさんに任せちゃったらこうもなるんだろうと(笑)笑い過ぎてへとへとです。疲れ果てた。

しかしこう来たので、年末のナイロンは揺り返しが来そうだなー。相当重いもんになりそうだ、覚悟して観よう。

それにしても古田さんは、ブリーフ一丁でもオレステスの台詞を格好よく言えて舞台を締めるひとだった。素晴らしい。

****************

それにしてもどちらもチケット代ネタを出していてウケた。



2007年10月16日(火)
『極東最前線 —滑走路に立っている。翼は持ってない』とか

『極東最前線 —滑走路に立っている。翼は持ってない』@SHIBUYA CLUB QUATTRO

採血で針入れる前の消毒アルコールにかぶれた…おまえはどんだけ下戸なんだ。いやーでもこれは初めてだわ…よわっとる……。

そんな血の気の薄いままクアトロへ。おまけに風邪っぴきだ!れいさん私もひいたよー!(うれしそうに言うな)

本日のお手合わせはバッファロードーターでございます。思えば観るの初めてじゃないか?数年前のフジで、レッド付近で昼寝し乍ら聴いたことはあるけど…なんだその贅沢。しかし聴いたことのある曲ばっかりだったなあ、対バン用ベストセットリストだったのかな。ムーグさんが「男も髪を伸ばした方がいいと思うな〜」(おまっ、eyと対バンの時にそんなこと言う(笑))と喋ったネタをそのままサンプリングして曲に使っていたのにウケた。それがまた格好いいのな。ムーグさん、この日が丁度誕生日だったそうで、ひっそり祝福されてました。

で、吉野さんはやはりそのMCに反応して「髪などあってもなくても!」みたいなことを言っていてウケた…。そしていつにも増してMCは幼児の域になっておった。ほらやっぱ歳とるとこども返りするんだよと話したイギー・ポップ@フジを思い出した。えーでも吉野さん今40くらいでしょう?こども返りするにはまだ早いでしょう!(笑)

しかし演奏はこども返りどころかこどもが聴いたらトラウマになりそうな内容でした。新曲もやった。曲間の繋ぎもシビれたわー。「荒野に針路を取れ」でスタートして、確か2曲目「沸点36°C」から3曲挟んでもうひとつの新曲迄一気にやったんだけどその流れがすーげい格好よかったー。「踵鳴る」の前後もすーげかったです。すーげいばっかり言う。

最後にニノさんが「ありがと〜」って言ったらフロアがどよめいたよ(笑)わあ、喋った!

次回の対バン、パニックスマイルかー。今ジェイソンこれでしか観れないからなあ。実はこちらの方が、DCPRGよりジェイソンのことがよく解るような気がしているのだが。あーでもこの日エネミーに行くんだわ、残念!

****************

■『まこという名の不思議顔の猫』前田敬子、岡優太郎
MIOさんこれだよー。
もうね………顔が……………。
こういうコ大好きなんだよ!
テキストがまたいいのです。冷静で、ユーモアがあって。べったりしてないの。でもまこへの愛情が伝わってくる感じ。
宅配便のお兄さんに「おもしろいね〜」(おそらく顔のこと)と言われてなでられるエピソードに爆笑。実は苦労人。
それにしても………この顔……………。た、たまらん……………。
ブログはこちら→『まこという名の不思議顔の猫』



2007年10月14日(日)
ミーカフェと『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』

ハシゴ。

『ミーカフェ in スワンカフェ 2nd』@スワンカフェ

きゃーっ、ミーちゃーん!2年振りの開催です。ベーカリーは定休日だったので、カフェでまったりー。ミーちゃんの写真に囲まれてにやにやー。こどもたちが描いたミーちゃんの絵を観てなごみまくりー。グッズに散財ー。あ〜、かわいい。ごはんもうまかったー。

ミーちゃんの写真集はもう出ないけど、こうやって時々近況を知ることが出来るのは嬉しいなあ。

****************

『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』@ライズX

よしながふみさんの対談集を読んでいる。すーげい面白い…やっぱりこのひと頭が切れる……。ボーイズラブ(BL)と言うジャンルはとても複雑で定義が難しいが、よしながさんは「(BLと言われている)『西洋骨董洋菓子店』はBLではなく、ゲイが出てくる少女マンガ」と話している。そしてよしながさんはフェミニストを公言している。このフェミニズムの定義も非常に複雑で繊細なもので、個人の見解によってさまざまなものがあるのだが、そのことと所謂“ホモフォビア”、“おたくフォビア”への対応について、しばしば出てくるのが「話してわかってもらえないことが多くて、結局諦めてしまう、自分を隠すことになる」。

LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル、クィア)のこどもだちが、自分のセクシュアリティを隠すことなく、それによって迫害を受けることもなく安全に教育が受けられるようにと設立されたハーヴェイミルクハイスクール。その学校へ援助金を贈ろうと、『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』のナンバーをさまざまなミュージシャンがカヴァーしたチャリティアルバム『WIG IN A BOX』(日本盤も出てるんだけどCCCDなので外盤にリンクを張っておくよ…)を作る過程と、その学校に通うこどもたちを追ったドキュメンタリー。

フランク・ブラックの「Sugar Daddy」はオリジナルとは全く違ったアレンジ。ギターのリフとかはそのままなんだけど、唄いっぷりがもう全然違う。でもすっごい格好よかった!ブリーダーズのキムとケリーのマイペースっぷりは微笑ましいなあ、優しい声だなあ、かわいらしいなあ。ベン・リー、ベン・クウェラー.ベン・フォールズの“ベンズ”のやりとりはおかしかったー。ポリフォニック・スプリーの面々の私服姿、初めて見た(笑)。オノ・ヨーコが「他人の曲をカヴァーするのは初めて」と、ジョン・キャメロン・ミッチェルにニュアンスを教わりながら歌入れする場面にはドキドキ。

レコーディングの様子も多く盛り込まれているが、あくまでも主役はこどもたち。こどもたちが心情を語る場面によりそうようにヘドウィグのナンバーが流れる。

ここで冒頭の話に戻る。よしながさんの対談集で、ある同人誌作家の作風について語る箇所がある。そのひとたちの作品には、「『禁忌な関係としての自分たちの葛藤』を描いたものではなく、『もっといろんな関係があっていいんだ、俺たちも普通のことをしているんだ』というところから始まって」「女きょうだいが普通に『男とつきあっているうちの弟』といえる世界」「弟が彼氏を連れてきても『あんたが彼氏なん?』って、そういうことが周囲に自然と受け入れられている世界」があるとのこと。この映画に出てくるこどもたちの理想はこれなんだろうと思う。こんな世界が実現する時が来るのだろうか?こどもたちは、ハーヴェイミルクハイスクールは自分たちを守ってくれる場所だが、この学校など必要なければいいのにとも思っている。

ジョン・キャメロン・ミッチェルは、「多くの人間がカミングアウトすれば、家族の誰かがゲイだと言うことがよりあたりまえになる。同僚や、愛する者や、家族がゲイであれば差別出来なくなる」と言うが、ハイスクールを卒業したトランスジェンダーのエンジェルは家族の理解を得られず、綺麗に伸ばしていた髪を切られ、女性として生きることを拒絶され、自殺を図る。レズビアンのテナジャは家族と縁を切っている(喧嘩して家を出たとか言うようななまやさしいものではない)。父親からの迫害が続くゲイのラルフィは、卒業後監督と音信不通になってしまった。完成した映画の上映館には、映画に出ているこどもたちの親は誰ひとりとして顔を出さなかったと言う。カミングアウトしていない、出来ないLGBTQのひとたちも多い。道のりは長い。

気になったことがふたつ。エンジェルが大好きなクリスティーナ・アギレラの「Beautiful」を唄うシーンで全くその音が流れなかったこと(唄う前におめかししたエンジェルが、「Beautiful」が収録されている『STRIPPED』のCDをコンパクトがわりに使っていたのが微笑ましい…演出かも知れないけど)。この作品のハイライトとも言える「Midnight Radio」のレコーディング風景で、ヴォーカルのシンディ・ローパーの姿が全く映らなかったこと(他の演奏者はちゃんと映るだけに尚更気になる)。権利関係や政治的な何かが働いたのかな。



2007年10月13日(土)
『オセロー』

彩の国シェイクスピア・シリーズ『オセロー』@彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

おおおっ、これはっ、面白かったです!過去何度か観ていて、どうも腑に落ちなかった部分がスコンと納得出来た!やはり蜷川さん演出のシェイクスピアは解りやすいし、シェイクスピアのすごさが直球で伝わる。

ポイントとしては、デスデモーナのキャスティング。蒼井優ちゃんすごくよかった!あのー細かいところつっこむといろいろあるんですよ、台詞回しが不安定とか、言葉を使いこなせてないかなと思う部分があるとか。でもそれが、若く美しく無邪気なデスデモーナそのものに見える。彼女がオセローのことを何度か「ムーアさま」と言う箇所も、彼女なら蔑称とも言われる“ムーア”を、悪意なく愛称のような意味合いで使っているんだなと自然に納得出来たし。あとすんごい表情で語るひとですね…ここらへんやはり映像のひとなのかなとも思うけど。今回最前(オセローがてんかんの発作起こすシーンで、舞台上の振動が伝わりまくって地震かと思ったよ…鋼太郎さんの飛ぶ唾もよく見えたよ……)だったので、その細かい表情の移ろいを堪能出来ました。

エミリアの馬渕さんもよかった!いやんもーすげーいいおかみー!だいすきー!まあこのエミリアの解釈には、ちょっとひっかかるところもあるのですが。デスデモーナとの「柳の歌」の場で語る台詞が、おおうあの時代にこんなことを語らせるとは、シェイクスピアはフェミニストだったのか?と思ったりして感心したんだけど(つーか、シェイクスピアあんたはなんでそんなに女心がわかるのん!と驚くっちゅうねん)、その後のビアンカとの言い争いのところで結局「この売女!」って言っちゃうでしょう、ここにやはり矛盾を感じてしまう。エミリアは、夫であるイアゴーにどういう思いを抱いているのかちょっと判らない部分があって、これは戯曲の狙いでもあると思うんです。最後のシーンはイアゴーへの鬱屈を晴らす場面とも言えなくはないので。そこが、今回の解釈でますます判らなくなったと言うか(笑)亭主の尻を叩く肝っ玉おかんみたいだったもんね。

しかしこのエミリアだったからこそ、観客を味方につけられたような気がするなあ。あの告発のシーン、観客絶対皆「早く言っちゃえー!」って思ってたと思う(笑)言った時、ある種のカタルシスがあったもん。ホントいいひとやった、エミリア…素敵だった……。

とにかく、この女優ふたりの「柳の歌」の場が白眉でした。普遍のシーンだなあ。初演は推定で1604年だそうですが、その作品が今なお説得力を持って観られるってのは正直すごいと思う。名作と言われる所以ですね…。そしてそれを、現在の舞台で感動的なシーンに仕上げたふたりも素晴らしい。

で、対しての男優陣。この作品の構造上「ああっばかー!オセローのばかー!いやーん!」と言うあれなんで…(笑)だって、あれ程の知将が嫉妬にかられて判断力がかんったんに狂うんだもん!もったいない、もったいないよオセロー…素晴らしい人格者だったのに……てな感じで非常に脆い人間に描かれているので、損と言えば損な役回り。で、あんまり簡単にころっころ騙されるもんで、笑えてしまうんですよね…実際結構深刻な場面で客席が笑いに包まれることも。まあそこが人間らしいと言えばそうで、その“脆い”オセローを鋼太郎さんが好演していました。デスデモーナとのなれそめを語るシーンがすっごくよかった。どれだけ差別されてきたか、それをどれだけの努力でこの地位迄のぼりつめてきたかを訥々と語る。その繊細さが諸刃の剣だったのでしょうが〜あーだからこそもったいない!もったいない!なんでデスデモーナを信じてあげられなかったのよ!デスデモーナはあんなに一途だったのに〜!まあそこにはやはりどこかで差別を受けてきたものの遠慮みたいなもんがあったのかな…根が深いよ、こういうのは。ずっと変わらないよ(涙)

まあそれだけかんったんに騙されてしまったので、後悔もトゥーマッチな訳です。トゥーマッチなだけに悲劇なのですが。タイタスの時もそうだったけど、鋼太郎さんは悲しみの演技が素晴らしいなあ。台詞回しも巧いひとだけど(唾も沢山飛ばすけど(笑))、無言で全身から感情を沸き立たせる力があると言うか…。

そしてイアゴー、高橋くん。これはっ、これはっ、よかったですよー!もはや色悪でした。つうかこれ、バッサリ言えばイアゴーモテモテやんってな話だもんよ(笑)皆イアゴーが大好きー!だからころっと騙されるー!で、今回のイアゴーは相当屈折した人物像で、出世欲、嫉妬、上司そして国家への不満のどこにも動機がないように見えてかなり不気味、それだけに魅力的でした。幕間ロビーで「いやあホンットにくたらしいわ」「やっぱりうまいねー!」って声を耳にしてニヤニヤしたよ…。とにかく台詞量が多いので、それを語りこなすのも相当ですが、ちゃんと頭に届くもんな。序盤以外は。序盤がなー、自分の席の位置も関係するのかも知れないけど、囁き声だったからか殆ど聴き取れなかった。これは残念だった。ここ、悪巧みの説明として観客に伝えなければならない情報が沢山入っているのでなあ。高橋くんていつからか(『ハムレット』の後くらいかな)発声ががらっと変わってすごく聴き取りやすくなったんだけど、ちょっとこの序盤は昔を思い出した(苦笑)

しかしな…ほめちぎるが今回のイアゴーは、ニナカンに入った高橋くんを初めてベニサン・ピットで観た時の衝撃を思い出しましたよ…あの『罪と罰』のラスコーリニコフ。ああ、この時も何言ってるか伝わりづらかったけど(笑)あの迫力には気圧されたもんなあ。そう、このひとってすんごい暗い(笑)屈折した人物像が巧い…巧いってんじゃないな、巧いと思わせられたのはむしろ喜劇の方だ、喜劇も出来るんだ!って意味で。技術(勿論技術もあるが)だけではどうにもならない不気味さ、緊張感、目が離せなくなる力を持っていると思う。それが如何なく発揮されるのがこういう役なのかな…。

そういえば鋼太郎さんもイアゴーやったことあるんだよなあ、どういう人物像だったんだろう。観たかったー。

いやあいいもん見せて頂きました。3時間40分があっと言う間でした。



2007年10月10日(水)
『IN RAINBOWS』

『IN RAINBOWS』RADIOHEAD

15時前にダウンロード用のアドレスが記載されたメールが届き、サクッと入手出来ました。予想されていたサーバー混雑もなし(今混み出してるみたいですが)。流石レディオヘッド、そつがないと言うかやることなすことスマートですね…。今のところ周りで大きなトラブルは聞きません。何かあっても英文をちゃんと読んでないことに起因していたり(苦笑)と言う程度。

そういやパールジャムのオフィブー申込って、ツアー先全ての言語頁があったなあ。ちゃんと日本語頁もありました。まあ『IN RAINBOWS』は、ツアー先云々は関係ないから。申込に関する英文自体もそんなに難しい内容ではないので、わからない箇所は辞書をひけば大丈夫です。

私はボックスごとのオーダーだったので料金を払うことになりますが、MP3ファイルのみ希望のひとはホントに£0でもダウンロード出来ているとのこと。CNN等で報道されていた手数料もかからず、本当にタダでも聴けてしまいます。いずれ発売されるであろう店頭販売分のCDを購入するからと、試聴として落としているひとも少なくない様子。あとカード持ってないひととかね。

今2周目を聴いてます。音質もいいと思います、160kbpsでこんだけあれば充分なんじゃないかな…。何曲かは既にライヴ音源で聴いていますが、アレンジは変わっています。「Nude」が入っているのは嬉しかったなー!これ10年くらい前からやってるもんね。となるといつかは「Lift」も…と思ったりもするけど、これは今となっては難しいのかな。

いや、いいです。もうギターバンドではないなあ、と思わせといて、エレクトロニカとも違う。アコースティックギターやストリングス、パーカッション等も多用されており、ぬくもりが感じられる音作り。ヴォーカルも輪郭が丸い。随分遠いところ迄来たなあとは毎回思うことだけど、リアルタイムで聴けて本当に嬉しいバンド。今はリリース方法に話題が集中しているけど、しばらく経って落ち着いて、内容についても沢山語られることになるんじゃないかな。

やー、今日はよく眠れそう。眠くなる曲が入ってるって訳じゃないよ(笑)



2007年10月09日(火)
レディオヘッドからパールジャムやNINのことを考えたりする話が飛びがちな小ネタ

■『Lollapalooza 2007』PEARL JAM(クリックするとiTSが開きます)
iTSのみの配信販売。
恐らく完全収録!MCもまるまる入ってます。「Daughter」も完全収録。検閲されていません(笑)つーか当たり前じゃー!それにしてもいいライヴです。会場の雰囲気が伝わってくるかのよう

■そういえば
グリーンリヴァー再結成の話があるそうで。来年サブポップが20周年なので、記念イヴェントでなんかやるかもよーんとストーン。まじでー

■『A record price for a Radiohead album: $0』L.A. Times(閲覧には登録が必要です(無料))
発表から9日後の明日にはもう聴ける!『IN RAINBOWS』のリリース形態について。いろんなひとのコメントが載った非常に興味深い内容です。
影響力のある大きなバンドがこう踏み切れたのには、さまざまなタイミングで条件が揃ったこともある。レコード会社との契約が切れていたこと、新しいレーベルと契約を結んでいなかったこと。そしてレディオヘッドだからこそ、この冒険にはある種の保証があるだろうこと

■そういや
NINが『YEAR ZERO』リリース前後にさまざまな仕掛けを撒いていた時「これNINやらレディオのファンだったら即喰い付くよね」って話したことがあったなあ。「あのバンドこのバンドだったらファンがこういうことにあまり興味なさそう」って(笑)相性ってあるものですし

■で
レコード会社から“搾取され”ないようリスナーに音楽を届ける態度をとってきたパールジャムの他、NIN、メタリカ、R.E.M.辺りがこれに続くのではないかとのこと。パールジャムはオフィシャルブートレグとしてツアー全部の音源出したりしてましたが(これはレコード会社云々とは別に、悪質高額ブートを売られるんなら、自分らで音質のいいものを適正価格で出すわいってやつですな)、トライアンドエラー(エラー言うな・笑)の連続だったように思います。それで痛い目にあったりしつつ、ひとつひとつ学習している印象

■そのトライアンドエラー(だからエラーと)
最初のオフィブーは、2000年にツアー全72公演分(しかも完全収録だから全部2枚組、長くなると3枚組)をCDショップで販売、すごく場所をとる、売れ残りが沢山、叩き売り状態になる。次は2003年に73公演分をweb上で販売、ライヴ後24時間以内にマスタリング前のMP3ファイルを配付、その後CDにして配送。ライヴをやった国ごとにパッケージのアートワークも違った。発送作業等すんごい手間がかかったと思われますが、これはイヴェントとしても楽しめたなあ。プレオーダー式だったのでライヴが長くなって3枚組になっても、2枚組と同じ価格で売られていた(追加料金をとらない)ところも良心的だと思った。
あー今書いてみてビビる、7年も前からこんなことしてたのか

■まあそれだけ
熱心なリスナーがいるからってのもありますが、そうさせるだけの魅力がこのライヴバンドにあることも事実。同じセットリストが全く(そう、全く!)ない。リリースされているオフィブーで、同じ曲順のライヴは1公演もない

■ここらへん
デビュー当時エディがファンレター全てに返事を書いてた(ちゃんとしたお返事ね。サインだけとかってんじゃなくて)ってエピソードに繋がるような…で、寝る暇なくなっちゃうのね。バカだと言われたりもするのよ(苦笑)しかしバカと言われよーが暴挙と笑われよーが、自分がやれる限りは全部やっていこうと言う姿勢は見習いたいもんですよ……

■そして
「フリーになったぜー!」
トレントよろこんどるー。ブログでも「レディオヘッドの試みにのっかってみなよ」てなコメントを書いていましたが(即反応してたな)既にいろんなプランがあるようです。仕上げが終わったと言う『YEAR ZERO』リミクスアルバムはどう出るかな、インタースコープとはあと1枚契約が残っている筈ですが

■とはいえ
配信購入が出来ないリスナーも沢山います。どちらもにっこりなリリース方法があることがベスト。ここらへんのフォローがどうなるか、今後気になるところです



2007年10月08日(月)
『その夜の侍』

THE SHAMPOO HAT『その夜の侍』@ザ・スズナリ

ああー、ぶっとばされた。これはシャンプーハットにしか出来ないな。あかほり(敬称略が敬称)にしか書けないな。罪の意識のない加害者と、時間のとまった被害者と、復讐の連鎖の断ち方と。いや、連鎖にはなっていない。何故なら加害者には罪の意識がなく、執着もないのだから。こんなやりきれなさを抱えて、ひとは「なんとなく生き」ていくしかないのか。

それでも希望の芽をそっと置いておく。その希望は小さな、些細なもので、またちょっとしたきっかけで失われてしまいそうなことだ。他人から無理矢理もぎとられることもあるだろう。そんな思いをするのはもう沢山だ。しかし、それでも生きていくのなら、希望がなければ。これはあかほりの覚悟なんだ。ここ迄書き切るのに、いったい何があったんだろうと思わずにはいられなかった。役者として前面に立ったことも含め、だ。

変化はもうひとつあって、今回珍しくワンシチュエーションではなかった。場がどんどん変わる。部屋を出て行く。屋外のシーンも多い。それを“場面転換なし”で描いた演出も鋭い。それぞれのシーンに必要な家具や小道具は殆ど舞台上に置きっぱなし。しかし屋外のシーンにすら違和感がないのだ。これ迄ワンシチュエーションで描き切るストーリー、そして“一室”の場作りが強固な演出(小道具ひとつ、散らばったゴミの位置にすら拘りがある等)のイメージが強かっただけに驚いたし、そこから離れた今回のストーリーに、新しい試みの(と思われる)演出が見事に機能していることにもただただ感嘆。

死んだひとは決して戻らない。それは物理的にひとが死んだ、と言うだけでなく、そのひとと話した他愛のないことや、中身のないどうでもいいことの数々が二度と戻らないと言うことだ。3年とどまった健一が留守電のメッセージを消去した後、彼はどう生きていくのか。多分、「なんとなく生き」ていくんだ。その「なんとなく」には、他の誰かが関わることがあってほしい、介入を許してほしい、ただただそう思う。

気になることがひとつだけある。赤堀さんのブログを読んでいるとあることに気付く。ある時点から書かれなくなっていることがある。「自分のためにはもう頑張れない」という言葉がひっかかる。今回のストーリーが、全てフィクションであることを願うばかりです。杞憂に終わってほしい。シャンプーハットの次回公演は来年10月、外部の作・演出仕事が来年3月に1本決まっている。赤堀さんがこれから何を書いていくのか楽しみだし、観続けていきたい。

だからこそ、劇場を出た外で談笑している出演者を見てホッとした…千秋楽だったからね。皆さん私服はかわいくて似合ってるしね。赤堀さんって衣裳の選択眼がすっっっっっごく鋭いよなー!以前衣裳について細かく指示入れる話をしてたけど、ホント絶妙だ。なんとなーく生きてる、冴えないひとが着るもの。生活に密着している、そのひとを表す服。

あーあかほりのことを書くとどうしてこうポエムになるんだ!(恥)でも彼の書くものの前では、自分を取り繕ったりごまかしたりしてはいけないんだ。まっすぐ向き合うしかない。

****************

いやもう打ちのめされちゃって帰り道は無言になりがち、口を開けば唸ってばかりだったんだけど(すんません…)、そんな中話した共通の友人の結婚式にカート・コバーン名義で電報を打つ話がもうツボでツボで(笑)しかもそのお祝い文がウィットに富み過ぎで腹がよじれた。楽しかった…。私は誰名義で電報打てばいいかな!マリリンマンソンですか!ラムシュタインの衣裳で式をあげればよい。血まみれコックさんとか呼べばいいじゃない。

あーこういう他愛のない話を憶えておきたいものです。絶対忘れたくないなー!それが役に立つか立たないかなんてどうでもいい。



2007年10月06日(土)
『石田徹也 ―小さな展覧会』とか

『石田徹也 ―小さな展覧会』@CB COLLECTION 六本木

実物を観たのはJACA以来。そのJACAでグランプリを受賞した『健康器具』も展示されていた。告知には15点とあったが、現場には16点展示。ワタリウム方式で、一度料金を払って半券にサインし、それを提示すれば何度でもリピート可能だそうです。ポスターも頂けました。

やはり実物はいいなあ。テクスチャーは印刷には出ないから。基本全部アクリルで描いてるんだけど、パネルとキャンパスに描くのでは筆のひっかかりが変わるし、その下地や上塗りがマットかグロスかでまた印象が変わる。マスキングテープの跡も観られた。

それにしてもサイズがデカい。キャンバスはともかく、パネルを何枚も繋げて描いてあるものも。やはり、画家だなあと単純に思う。描きたいもののサイズは自分で決めるんじゃよー。実物を近くで観たり、遠くから観たり。このサイズだと単純に場所をとるから、大規模な回顧展を都内で開くのはなかなか難しいかも知れない。今夏、彼の地元である静岡県立美術館で開催された『石田徹也 悲しみのキャンバス』では約150点が一挙展示されたとのこと、これを逃したのは悔しいな。

で、デカい実物を観られてよかったなあと思った理由のひとつに、描き込まれた細部を確認出来たことがある。A4変形の作品集では読み取れなかった看板の文字が読める!ちゃんと描いてあるんだよー。『面接』の履歴書もきちんと記入されていて、「水曜日と木曜日(だったかな)は休ませてください」とか書いてあるんだよー(笑)これはなんかよかったな…。いや本人がユーモアのつもりで書いたのか今となっては知る術がありませんが、『おやじ』のようにちょっと笑える作品も描いていたしな、とホッとしたりもした。おまえがホッとしてどうする、とも思うが。A3より少し小さい正方形の小品も4点程あり、これも観ようによってはユーモアのあるかわいらしい作品でした。

そーうなんだよなあ、これにユーモアを感じ取っていいかどうかってのも考えてしまうところで。決して笑いとばせるようなユーモアではない。

「彼の作品が怖いのは印刷でもテレビでもその作品の本質が確実に伝わってしまうところ」とブログに書かれていた方がいまして、実際その通りだと思うのですが、実物を観るのはやはりいいな、と思った。

****************

■場所柄
この展示を観たあと歩いて六本木迄行ったんだけど(ギャラリーは神谷町)、いんやーおまわりさんの多いこと多いこと。途中道に迷って(何故迷う…あんな簡単なとこ……)道を訊くのにも困らない。しかし最初に道を訊いたおまわりさんは地方から出てきた新人さんだったのか、地図を取り出して一所懸命探してくれましたよ…で、ふたりともわからなくなって黙り込んでいたら通りかかったベテランさんがすらっと教えてくれました(笑)ありがとー

■展示前
見送りで羽田空港。飛行機乗らなくても空港うろうろするのは結構楽しいー



2007年10月01日(月)
BATTLES JAPAN TOUR 2007+『IN RAINBOWS』

BATTLES JAPAN TOUR 2007@SHIBUYA CLUB QUATTRO

リキッド即完売につき追加公演。最終的には再追加で、初日リキッドは2セットやると言う珍しいことになってました(笑)。フジ効果?いやー面白かった。

どうやって演奏してるのか確認したかったので視界のいい場所を探したんだが見付からず。身長順に入場させてほしいものですよ…それでも結構前に行けて、ひとの頭の隙間からちょろちょろ見えるところを確保出来ました。音もいいとこだった。しかし終盤ちょっと不安定に。普通後になればなる程安定するもんじゃないのか…なんでだ……。

で、必死で見てたんだけどやっぱよくわかんねえ!イアンとか何やってんの?左手はギターの運指してるのに右手は弦弾かないでキーボード弾いてるんだよ、それでどうやって音出てんの?わからねえートーキングモジュレーターのキーボード版みたいなもの?ギターの音色をキーボードに記憶させるんなら一度弾かなきゃいけないもんじゃないの?なんで運指だけなんだよー(それとも先に仕込みされてたのか。ならキーボード直接弾けばいいもんじゃないのか…素人には理解出来ませんよ……)。この時点でもう笑いを禁じ得ない、未知のものを見ると笑いが出ますね…。

あとタイヨンダイのヴォイスパーカッション、ループにせずそのまま生で続けてたとこもウケた(ループにしてる曲もあったけど)。いつループにすんのかなと思ってたらずっとやってた(笑)歌もよかったなー。

リフでループを作ると言うより、単音のループを重ねてリフを作っていく(これは主にデイヴがやってた)、つまり休符部分を埋めて行く作業で、それを手作業でやっている。つまりインが遅れたらそのままズレたリフが出来る。それが面白かったりもするのね。と言うか、ピッタリ合った時の面白さは勿論だしすごいんだけど、もっとすごいのはズレたらズレたグルーヴを生み出すこと。故意じゃない部分もあると思うんだなー。そうなった後の合わせ方がすごいんだと思う。機械に制御されてなくて、ライヴの面白さがますます出てくる。16分割で入れなかったら32分割で入れればいいじゃない、みたいな。その空気の読み合いと、それを即反映させる発想と、技術と。おーもーしーろーかーったーーー。

で、ジョンのドラムがすげい訳ですが、流石にもうおつかれで…4日間連続5公演目だったもんね。移動もあるし大変だったでしょう。それでも充分すごかったけど、と言うか演奏は全く問題なかったけど、アンコールで出てくる度、目に見えて憔悴している(苦笑)本編終わった時はかわいい感じで手をばいばいってぶんぶん振って(しかし真顔)帰って行ったんだけど、出てくる時にはすんごいひそやかに出てくんの。一度目のアンコールではフロアタムを自分で動かしてて何やってるのんと思っていたら、もうフロアタムしか叩けませんみたいな感じで、それを前に置いて叩いてました。腕あがんなくなってたのかな…おつかれさまでした。

それにしても中盤ジョンがTシャツ脱いだ時、女子よりも男子が「脱いだ!」「脱いだ!」と喜んでいたのは何故なのか(笑)

ごくごく個人的なことだが(そして音楽的に似てるってことは全然ないのだが)算数な構成で踊り倒せるってのがDCPRG亡き今非常に嬉しいことで…ううう。タイヨンダイが「We want to see you very very soon!」と言ってました、またすぐ来てねー、でもジョンはゆっくり休んでください。クエン酸を飲むといい(笑)

****************

■来たー
RADIOHEAD新作『IN RAINBOWS』を、自身のサイトで緊急発売!
夜にwasteからメールも来ました。
リリース形態も画期的と言うか、そろそろこういう流れになるんだろうなってところを、この規模のバンドが真っ先に具体的に実現させたってところが彼ららしい。
気になってるのは、日本盤が出るのかなってとこ。パッケージ的にも興味があるし過程を体験してみたいので、ダウンロードともに本国公式で購入してみることにしますが。
いちばん楽しみなのは勿論楽曲、でも参加体験出来るワクワク感ってのも嬉しいものです。次にやるのはNIN辺りかな。トレントはシステム的に間に合えば『YEAR ZERO』もこうリリースしたかったんではないかなと思います