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2005年01月30日(日)
『城』

『城』@新国立劇場 小劇場

カフカの未完の大作をワークショップにより構成・舞台化したもの。松本修さんはとても親切で丁寧な舞台を作るひとだなあと言う印象がありますが、今回も至れり尽せりでした。いい意味で。

親切と言うのは、扱う作品が不条理であるならば、何故不条理であるのかきちんと追求(研究と言ってもいい)していると言うことです。投げっぱなしにしていない。200分↑の上演時間でしたが、シーンのひとつひとつが短く舞台転換も機能的なので、退屈することなく楽しめました。A席バルコニー席・上手側だったのでずーっと右を向きっぱなしで首は痛くなりましたが(苦笑)あと死角があって、そこで演技をされると何をしているか全く分からなかったのが残念。

城に辿り着けないK。排他的な村の人々。ある出来事がきっかけで、村人たちから排斥される家族。ストーリーの流れがきちんと構成されており、度々カフカの言葉がスクリーンに映し出される。

「何故なら、人間は嘘つきだから、本当のことを言わないから」。

妙に納得させられてしまいます。だからと言って、理解は出来ません。それが面白かったりもしました。

田中哲司さんの色気が満喫出来たのも良かったです。Kモテモテ。ああ、ありゃあモテるよ…そこはなとないエロがあるひとですな。なんと言うか、このひとの何考えてるか判らない怖さが色気に転じる瞬間みたいなものをよく舞台上で観るのですが、それが今回は意識的に見せられる展開だった。となるともうね!そりゃね!モテるさ!(笑)あと意外にも身体が動くんだなあと(おい)いや、このひとのダンスって初めて観たので…でも身体はカタそうでした。ははは。

女優陣が皆魅力的。少年のような線なのに、女性の色気があるひとばかり。妖精体型と言うか…フリーダ役の石村実伽さんが顕著でしたが。ここらへん集団で動く時の統一感があって面白かったです。

そして音楽がいいなあ〜と思ってクレジットを見たら…とっ、トミオ!トミオが参加してる!井上富雄さん。あああビックリしたよー。斎藤ネコさんディレクションで、関島岳郎さん、梅津和時さんも参加していました。太田雅公さんが手掛けた衣裳もかわいかった。



2005年01月29日(土)
『天才セッター中田久美の頭脳(タクティクス)』+α

何故かスポーツものを数冊同時読みしています。この手の本って、

1. 同業者が参考として
2. 同業者じゃないひとが自分の仕事に応用出来ないかと
3. ファンが「あの勝利・敗北の裏にはこんなドラマがあったのね!」と
4. ファンがより戦術を理解し、ゲームを楽しむために
5. 著者の自慢話として

てな感じで読まれるのではないかと思われます。で、発行されてすぐ読むのとしばらく経ってから読むのとでは印象が違って来るものもあります。スポーツですから現役を続けている限りいずれ負けたり、華々しく引退したけれどその後スキャンダルを起こしてこれ迄のキャリアを台なしにしたり。革命的な戦術が発案され、書かれていた内容自体が無効になる可能性もあります。

著者や編集者も、読者層を想定していると思います。スポーツのジャンルによってその読者層の想定は違います。チーム競技と個人競技の違いもあるでしょう。実技専門書は、また違う狙いもあります。

過去読んだものからすると(タレント本の類は別として)、サッカーは3、4、ラグビーは2、4が多い印象。で、バレーボールは圧倒的に3と5が多い。3はどのジャンルにもあるものだと思いますが、バレーはとにかく多い。他とは比べ物にならないくらい多い。5は金メダルをとれてた頃を振り返ってと言うものばかり。これら以外のものが読みたくても、殆どない。

「痛み止めを何本も打って試合に出た」「鉄拳制裁あたりまえ」「だって涙が出ちゃう、女の子だもん」。うんうん、それはそれですごいなーと思うよ。でも、読みたいことは、何でそうなったのかと言うこと。知りたいのは、何故、日本のバレーボールはこんなにダメになってしまったのかと言うことです。

ここ数年で、少しずつ2、4が書かれたバレーの本が増えてきました。読者層の想定に変化があったと言うことでしょう。主に女子。男子はもう出版すらされませんよ…。商売にならないからね(身に憶えあり)

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■『天才セッター中田久美の頭脳(タクティクス)』二宮 清純

「セッターは特にくさっちゃうことってありますからね。負ければ全部、わたしのせい。勝っても目立たない。それはそれでそう思ってくれって。自分は納得してやってるからいいんだぜ(笑)」と言ったのは富士フイルムのセッター・池永選手。バレーボールは予測のスポーツ。コンビプレーの読み合い、コースの読み合い、サインから試合前の選手の顔色から、何手も先を読んでの頭脳ゲームが繰り広げられます。これがバレーボールの醍醐味。特にアタッカーを操る司令塔・セッターには、コート上の時間と空間を掌握する頭脳・技術が必要です。

今では怖い姐さんなイメージの中田さんですが(笑)ほんっとすごい選手だったんですよ。あのブロックを振りまくるトスワーク、相手選手がビビる程の闘争心。流石に“東洋の魔女”は知らない世代なので、「強い日本バレー=情報をいかにスピードとコンビネーションに載せるか」を見せてくれたセッター、と言うとまず中田さんが浮かびます。天才天才と言われてますが、努力してこその天才です。センス一発とか思うなよ。

この本は、著者・二宮さんと中田さんとの30時間に及ぶ対談から、'80〜'90年代の全日本と、その全日本のメンバー殆どが所属していた日立チームの戦術紹介、試合にピークを持って来る為の精神的なトレーニング方法、若手の育成方法等多岐に渡ったバレー論・スポーツ論が展開されています。間に二宮さんのコラムが挿まれ、バレーと他競技の現状、企業スポーツへの提案等が書かれています。バレーだけでなく、他競技に関わるひとも興味深く読める内容です。前述の割り振りだと、1〜5全てに当てはまるくらいにいろんな読み方が出来ます。

ヤクルトの古田捕手の制球術を紹介していたところが面白かったな。入来投手とバッテリーを組んでいた時、力むと直球にシュートがかかると言う癖を利用して、ここぞと言う時に直球ド真ん中のサイン→いりきぼうずが「えっ、なんでこんな時に!?」→力んでシュートかかる→凡打でゲッツー!と言う(笑)。コンビを組む打ち屋の癖と、対面になっているセンターの癖を把握した上でトスをあげる、セッターの想像力・創造力に繋がる発想です。

タレント・アイデンティフィケーション・プログラム(選手のファイルを共同でデータ管理し公開する)とスカウティング(戦力分析)の紹介はとても興味深いものでした。チームの監督が変わると戦術が変わるのは珍しくないことですが、これ迄の選手のフォームや、個人に合わせたトレーニング法をころころ変えるのはいかがなものか。これをナショナルチームに活かせないのか。考えさせられることも多いものでしたギリギリギリ(歯ぎしり)。

これを読んでいる最中、中田さんがJVAの女子強化委員に4月から就任が決まったとのニュースが入りました。頼んます!あ、そんで、男子も指導してやって…いや冗談です。しかしそんな冗談も言いたくなる程男子は男子はギリギリギリ(歯ぎしり)。

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余談。最近サッカーとバレーで、将来有望な選手を集めてエリート教育させると言う企画があがっていますが、これってバレーの側から見ると不安なんですよね。中田さんは、L.A.エンジェルスと言うエリート育成集団で育った選手です。'84年のロス五輪で優勝する為に結成されたL.A.エンジェルスは、身体能力の高いローティーンを集め、徹底したエリート教育を行った機関ですが、結局全日本に定着したのは中田さんだけでした。そしてロス五輪は銅メダル。しかもこの大会にはソ連(当時。うわ今ソ連て書いて時代を感じた…)は出場していません。L.A.エンジェルスのメンバーは、何人かは実業団でプレーを続けましたが、その後の話は殆ど伝わってきていません。親元を離れ、転校し、バレー漬けで十代を過ごした選手たちはどうなったんでしょう。

共産圏ではよくあるエリート育成コース。選手たちは金メダルをとれば、その後の一生が保証される程の“特別な”存在です。報酬がある訳でもない日本でこれは有効なのか。怪我も多く、選手生命もそんなに長くないバレーに、どれだけの選手が打ち込めるでしょう。

金が全てじゃないけど、全日本選手の日当¥2,000ですよ。エコノミークラスで飛行機移動ですよ。JVAのお偉いさんはビジネスクラスなのに。膝や腰に故障を抱えている180cm(男子なら200cm)前後の選手をエコノミーのぎゅうぎゅう席に座らせといて自分らはビジネスクラス。JVAおかしい。アテネ五輪後の組織改革もトンチンカンなことばかりしているし。ここには今でもカミカゼを信じてるひとが沢山いそうだ。昔強かったって栄光にしがみつき過ぎだ、現状をもっと見てくださいよ。キー!バレーのことになると熱く語ってしまうよ!キー!

バレーボールは本当に面白いスポーツです。でもこの環境が続くようでは選手人口は減るばかりだと思います。…くそー、悔しい。でも、まだバレーが好きだってことを空しいとは思いたくないな。何とか現状を打開出来ないものか。ファンに出来ることはないのか。

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■キー!となったので和んでみる
いべりこぶた。どこで切ればいいか迷うことはありませんか。イベリコ豚なんですけど。初めて聞いた時は、伊縁とか言う地方の(そんなところはありません)こぶただと思いました。それはそれでウマいのではないかと

■一体何を
クリスピン(ex. LONGPIGS)の最近。イギリス国会議事堂のリフォームを担当するコンサルタントをしているそうです。お義父さんが労働党・下院議員で、そのアシスタントもしてるんだって。こちらも順調そうなのかな…となると音楽活動はまた当分ないんだろうなあ(しょぼん)
その他何かの(何)学校で講師(だから何の)を務めているそうです

■アツヒロくん
今度坂手洋二さんとやるんだーこりゃ面白そう!

■じてキン
久々!オールビー作品だーこりゃ面白そう!

■最近のヘヴィロテ
サンボマスター、KOOLOGI、マニックス。これをぐるぐるぐるぐる



2005年01月25日(火)
叙情もの2冊+α

何が。

■『美的旅情温泉』
東京カレンダーの別冊ムック、2002年11月号。古本で見付けました。スズカツさんが寄稿してますよービックリ!目次に『「旅へのいざない。あるいはありそうもない思い出」原沙智絵×鈴木勝秀』とあったので、えええ、原さんと対談!?と驚きましたが、実際はスズカツさんが寄せたテキストに、原さんがビジュアルで彩りを添えると言うものでした。それとも逆かな?ビジュアルからイメージしてテキストを書いたんだろうか。綺麗な写真です。
版元では完売しているようです。気になるひとは古本で探してみよう!
はー温泉行きたい

■『傾く滝』杉本 苑子
これも古本。早稲田大学演劇博物館で観た死絵がきっかけで、八代目市川団十郎が気になるーと言っていたら「これ必須!」と勧められゲット。す、す、すごく面白かった…宮永直樹って実在したの!?と検索しまくってしまったよ…。
パラレルなので実情は違う部分もあるでしょうが、見て来たんかい!と思う程活き活きとした劇場街や江戸の描写が素晴らしいです。その反面、登場人物の心理描写は肝心なところがスコンと抜けている。そこを32歳で自殺した八代目団十郎の謎に迫るミステリーとして読んでもいいし、当時の風俗を知る歴史物としても面白いものになってます。
歌舞伎のお家の大変っぷりも満載。こりゃ大変だよ…七代目は悪気はないんだよ…そこがまた困ったところなんですが。周りはたまらんかったと思いますよ…。しかしそんな七代目が、客の好みが大仰なものから庶民的なものへ変わり、八代目の人気も手伝って江戸にいづらくなってしまうところは可哀想だったな…。世間ってそんなものそんなもの〜(泣)
あと構成も巧い!んですよ。タイトルの意味が最後に分かるところとか、(以下ちょっとネタバレ)駒三の描写から始まったストーリーを、きちんと駒三に落ち着かせるラストとか。
重蔵も小菊もいいコだったのにー、うううー

■終わってから気付いた
『バカボンSESSION』(1/19、20)
このメンツ…(泣)
バカボンセッションは「当日楽譜渡されてすごい大変」なフリーものシリーズでかなり面白いらしいんですが、いっつも終わってから知る。ああもっとマメにチェックしよう。
今回は計3時間、怒濤の全即興だったそうです。ああっ聴きたかった!
窪田さんのファンサイトの掲示板で書かれていて気付きましたが、そうだーJAGATARAがなくなってメトロからバカボンが脱退して窪田さんがパール兄弟脱退したのって、半年のうちに一気にあった出来事だ。もう15年も前のことか。
あ、そういやアケミの命日もうすぐだな

■今出てるBRIO
清宮監督のインタビューが載ってた。記事にもあったけど、このひとの瞳って茶色いよねー。薄くて綺麗な色です。今はくまさんみたいですが、学生の頃は格好よかったですよ…いや今も格好いいけど。
今読んでる本に、子供の頃「あれ食おう」とイノシシを捕まえようとしたって話が載ってて笑い死にしそうになった。やっぱくま…

■と言えば
横田栄司さんの日記に「竜也の紹介でサンヨーラグビー部の吉田尚史さんと新幹線でがぶのみした。」って書かれてて驚いたー。藤原くん、どういう人脈で…

■今出てるSWITCH
井上雄彦特集〜。以前バガボンドでも特集組んでたよね。今回はスラムダンクがメインです。ああやっぱ行ってみたかったあのイベント。
インタビューが濃くて面白い。バガボンドも連載再開するようで楽しみです



2005年01月22日(土)
デュランがハウルに

『ハウルの動く城』@新宿オデヲン座

行く予定だったDURAN DURAN@NKホールが中止になりました。ロジャー早く足治るといいね(泣)

と言う訳でサエキさんとぼんやり。「払い戻しするのにチケットを返送しなきゃなんないからとりあえず会おう。チケット持ってきてー」「じゃあついでに…何か映画でも観ようか」「何があるかねえ…」「何がいいかねえ…」。ふたりとも中止のショックでボケ気味、イマイチ観たいものが思い浮かびません。「あっ、ハウルどうよ」「そうしようそうしよう」。そんなノリで観に行きました。ジブリ作品を初めてスクリーンで観ましたよ。過去観たものは、ナウシカとラピュタとトトロと魔女宅。あとカリオストロか。全部日テレで。ビデオも借りたことありませんよ…。

やーでも面白かった。デカいスクリーンであの画を観るってのはやはりいい!客席に座ったまま空中散歩が出来ますよ!惜し気もなく素晴らしい画のつるべ打ち。隅々迄行き渡ったディテールの拘りも堪能出来る。これはTVでは味わえません、凄い凄い。

ストーリーと言うか構成は破綻しているように思えましたが(特に終盤、城を引っ越す辺りから)それはそれで。もともと魔法使いと人間がフツーに一緒に暮らしている世界なので、まあいっかーと言う。ハウルの言動が不安定なのも、心を悪魔にあげちゃってるからこんなもんかしらねとか。

戦争にしても本当に起こっていたのか怪しいもんで。魔法使いの一存でイージーに始めたり終わらせたり出来る訳ですから。大手を振って「戦争はダメ」と言ってる訳ではなくて…うーんと何て言えばいいかな、戦争は勿論よくないんだけど、そういうことを大声で言ってるひとが全て正しいんか?って言う部分をも示唆しているような…。観客に「私達は正しいでしょ?あなたたちもそう思うでしょ?」と言う押し付けがましさがない。正論を言っていることには感心するけど、他者を糾弾ばかりしているひとってイマイチ信用出来ないんで。「敵?味方?」「同じことさ。人殺しどもめ」と言う台詞が象徴的。そういう意味では説教臭さがなく、印象は良かったです。

戦争がどうのと言う他にも、他者が集まって家族になる過程に人間(魔法使いもいるけどな)の寛容さを示したり、自分で自分に限界を作るのはいかんよと言うテーマ等が詰め込まれている感じでした。ぎゅうぎゅう。言いたいことが沢山あったのかな。

「自由だ!」と飛んで行ったカルシファーは最後、ハウル達のところに帰ってくる。ハウルたちと暮らすことを「自分で選ぶ」。それこそが自由なんだな。また戦争が起こったり呪いをかけられたりするかも知れないけど、まあその時はその時で前に進めばいいんだ。いや、進むしかないんだ。

カルシファーとヒンかわいかった!あと食べ物がウマそうだった…たまごとベーコン、チーズにパン。じゅるり。サントラも良かった。



2005年01月18日(火)
ASH JAPAN TOUR 2005

ASH JAPAN TOUR 2005@SHIBUYA-AX

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セットリスト

01. MELTDOWN
02. GIRL FROM MARS
03. CHERRY BOMB
04. EVIL EYE
05. CLONES
06. SHINING LIGHT
07. RENEGADE CAVALCADE
08. DETONATOR
09. OH YEAH
10. STARCROSSED
11. KUNG FU
12. VAMPIRE LOVE
13. A LIFE LESS ORDINARY
14. WALKING BAREFOOT
15. ORPHEUS

encore
16. PETROL
17. SOMETIMES
18. THE BOYS ARE BACK IN TOWN(THIN LIZZY's cover)
19. BURN BABY BURN

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10代でデビューした彼らも立派な中堅。学校の試験のためにR.E.M.とのツアーを断ったこともあったねえと終演後あのじさんと話してヒェーッてなってたんですが。ひえーひえー。デビューアルバムのタイトル『1977』て、ティムとマークが生まれた年だもんね。1977…あ、中田英寿選手と同い歳だ。

ここんとこはフェスでばかり来日していたので、ワンマンは本当に久し振り。前回(2001年)は仕事で行けなかったから…えーと1999年にリキッドでやった時以来だ!ティムとシャーロットが揃って風邪ひいてもう大変ってなってたやつですよ…でもステージはすごくよかったんだよね。今回は私が風邪っぴきです。無念。

整理番号は結構よかったんだけど、前へ行くのは諦めて、後ろブロックの一段高くなったとこのマーク側で観ました。ぼへーと開演を待っていると、おおっSEがNEW RADICALS「YOU GET WHAT YOU GIVE」!!!!!うぎゃー!こっこっこんなとこで聴くとは!今聴くとは!名曲だよね!ああっ何でグレッグは引退してしまったんだ!(現在はソングライターとして活躍中)誰だかけたの!あんたいいひとだ!と一気にテンション上がる。続いてNIRVANAの「COME AS YOU ARE」!ナイス!ナイス!ナイス選曲!とニヤニヤが止まらなくなった絶妙なタイミングで客電が落ちました!ぎゃひー!

…いやはやホント、このバンドには捨て曲がない。そして出し惜しみをしない。音はどんどんハードさを増して行っている(リフものが相当分厚くなってる。あとドラムの手数がすごい増えてた)のに、メンバーのノホホンっぷりが人懐っこさを感じさせます。そしてなんつったって曲がいい、メロディーがいい。ダイヴも合唱も相当なもんなのに、不思議と殺伐とした雰囲気にならないフロアもどこかノホホンとしています。客もいい笑顔。隣の兄ちゃんと、笑いと泣きのツボが同じでおかしかった…「GIRL FROM MARS」でふたりして「おおお!!!」と声が揃っちゃって、曲が終わって目が合ったらどっちも泣いてて非常に気まずかった(笑)しかし2曲目にこれを持ってきちゃうのもすごいよ。普通のバンドだったらハイライトに持ってくるようなキラーチューンですよ…。

だから本来のハイライトがもー名曲!名曲!また名曲!てなもんで。休む暇などありません。「KUNG FU」(今でもこれをやれるのびのびっぷりも微笑ましい)〜「ORPHEUS」の流れはたまらんかった。中でも「A LIFE LESS ORDINARY」は大好きで大好きでもーたまらん曲。もうあれだね、AXの上空に青空が見えて心地よい風が吹くようだったね!何言ってるかわかりませんね!何て言うか映像がばあっと拡がる曲なんですよ…ティム、ステキな曲を作ってくれて有難うよー。

笑っては泣き、泣いては笑いの1時間半。コンパクト!燃費いい!消化不良もない!そういうとこは流石10年選手だなあと。何かいつ迄たっても「フレッシュ!」とか「青春の切なさを!」とか言われてそうなバンドですがね。演奏も相当しっかりしてきてます。そんで丁寧なんだよ…ここらへんホントきちんとしてるよ…いい意味で!こういうバンドがあってもいいと思うんだ。そんで、こういうバンドがのびのびやれる環境ってのもあっていいと思うんだ。

ティムは「たのしー!」「アリガトー、トーキョー大好き!」を連発。あなた来日何度目ですか。芸歴も長いし、相当スレててもおかしくないのにね。いっつも楽しそうにやってるよね。ホントにいいコらや…。アンコールでは4人で手を繋いで出てきたのも微笑ましかったな。

前日は「GOLDFINGER」やったらしい。あーこれは聴きたかった!残念!しかしこのバンドは全部名曲だからね。満足です。また来てね。フェスもいいけど、ワンマンでもねー。



2005年01月16日(日)
『トーキョー/不在/ハムレット』の筈が+Bob Foundationのバッグ

遊園地再生事業団『トーキョー/不在/ハムレット』に行く予定だったが起きあがれず断念。ヘタレでごめんなさい空席作ってごめんなさい。いやー今年の風邪はしんどいよー、て毎年言ってますがな。今年の汚れ、今年のうちに(違う)

1時間ごとに目が覚めるのな、関節が痛くて。なんか20本立てくらいの夢を見たよ…しかもヤな夢ばっかりだ!〆切り間に合いませんでしたとか入稿したのに印刷所が夜逃げしましたとか!やめてくれー!あとかーさんが出てきた。いや、まだそっちに行く予定はないんで〜。

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■Bob Foundationのバッグ
art cocoon主宰の上沢さんからご案内を頂いていたのに行けなかった展覧会『こんにちは、Bob Foundationです展』。DMに載っていたバッグがとても奇妙でかわいくて気になって仕方がなかったのに!実物を見るのがいちばんなのですが、2月になると値上げしちゃうとのことで(笑)通販をお願いしました。chimney bag/party timeの黒。シャンデリアの絵が描いてあるやつです。煙突みたいに細長いからチムニーって言うの。語感もかわいいぞ。
うんうん寝ていたら届いた。ぎやーかわいい!熱下がった(気持ちだけ)!
画像では見えなかった裏地がまたかわいいのよ〜。この裏地、作るごとに毎回布を購入するので、その時によって柄が違うとのこと。そんなところもまた自分のだけ!って感じがして嬉しい。
アート作品だけど、生地も縫製もしっかりしていて実用にも向きます。あー早くこれ持ってお出かけしたい!

■『Casa BRUTUS』2005 vol.59 FEBRUARY「中山ダイスケ×青木淳(建築家)」
上沢さんは中山さんのマネージャー&ディーラーでもあります。面白い取材だったとのこと。中山さん「妻が」を連発してます(笑)以前TVか雑誌で倉庫を改造したアトリエを紹介していたけど、住居も兼ねるとなるとまた難しそうですな。興味深い対談でした

上沢さんの紹介する作品はいっつも面白くてかわいい!今度はどんなものを見付けてくれるかな。art cocoonの動向からは目が離せませんよー。



2005年01月15日(土)
『走れメルス ―少女の唇からはダイナマイト!』

『走れメルス ―少女の唇からはダイナマイト!』@シアターコクーン

うあー、派手に風邪ひきました。ぼんやり頭で観たのが悔やまれる。リピートしたい。

疾走するジジイは蜷川さんですが、挑発するジジイは野田さんと言うことで。ジジイって歳でもないですよね今年で50歳。51歳の浅野さんが随分ジジイネタでいじめられてましたけども(笑)ジジイ言うな!…それにしてもジジイ(結局言ってる)にこんなに挑発されてる近頃の若者と言うものは!(拳を握りしめる)「おまえら何やってんだばーかばーか」「50になる俺がこうなんだぞばーかばーか」って言われてるようでした。ははは。思えば『キル』初演を観た時も、「お前等俺がイギリス行ってる間に何やってたんだよばーかばーか、俺はこんなのを作ったぞ!」と言われてるような気がしたものです。

久し振りに“野田秀樹節”を観た印象です。ストーリーを逸脱しつつもパワーがある。物語をひっつかんで上空高く打ち上げるような爽快さと切なさと。初見ですが、今観ると、桐島洋子の三人の娘を『マクベス』の三人の魔女=実はほんとのこと言ってる、とか、大地主=大人の世代=『真情あふるる軽薄さ 2001』で古田さんが演じた男=若さへの憧憬と訣別、なんて連想してしまったりもしました。

“野田ワールド”の中にあっても、出演者の出自が明確になっている面白さを感じました。伝統芸能の身体能力!型を操る勘太郎くん、つか芝居の強い女直系!の小西さん、「1舞台に1古田、演出家の愛人」(笑)古田さん、高い技術をくだらないことにこそ(褒め言葉ですんで)全力で使う小松さん、「本当はメルスなんて最初からいないのよ」と言われてしまう希薄さ=透明感を持ち合わせている河原総代。演出家の影響力がありながら、きちんと“役者”を感じることが出来る。あまりにも演出家の力が強過ぎる=独裁になってしまうと、役者の言動が統一されすぎな気持ち悪さがあるんです。変な例えだけど、ナチスの行進や、北朝鮮のマスゲームを見た時の感覚に近い。あれ程迄に人間が揃いも揃っているってのには、正直恐怖感を感じる。作家・演出家の思いを体現すると言うのは、それとは違うものだと思うので…。

なんてことを考えてしまったくらい、のびのびとした舞台の印象でした。スタッフワークも素晴らし過ぎた。舞台でいやらしくなく素直に「格好いい!」と思える映像の使い方も憎い。美術も照明も選曲も。ああ憎たらしい。何に対して憎いのかわからない。あんまりにもいいもんを観ると嫉妬もわきます。それを感じてニヤニヤしてる野田さんも浮かびます(笑)

ああリピートしたいよう。クリアな頭でまた観たいよう。熱出てたんで何か眼もにごっててピントがしっかり合ってなかった気もする。キー!

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■またヨウ様言われてる(書いてるのは19日)
SPA!に蜷川さんと高橋くんのインタビュー。面白い記事です!ヨウ様をきっぱり拒否している高橋くんも頼もしい。しかしヨウ様はやめておくれよ。『男優倶楽部』の記事でもヨウ様と書いていたライターさんよ…どうしたいんだヨウ(はっシャレになってしまった)



2005年01月11日(火)
小ネタぞろいです

音楽やら映画やらもう何が何だか。

■コートニー・ラヴとジェーンズアディクション
RollingStone.com:Courtney Love:Love Talks New Album
今回はちょっと気になるなあ。実現したら面白そうだけど、頓挫しそうな気も(笑)ビリー・コーガンと曲作りは進めてるそうですが。
しかしジェーンズ…結局また解散だもんなー。フジロック'02で観られてよかったよ…ありゃー良かった

■フジロックと言えば
今年は値上げだそーで。
値上げはともかく今年はチケットの売り方どうすんだろう。通し券オンリーってやめてよー!今年は嫌な予感がするんだよー、でも3日間は行けないんだよー。1日しか行かないのに3日分のチケット代払うのは理不尽だよー

■QOTSAも
3月に新譜が出るよー。楽しみのような不安なような…。
オフィシャルサイトが現在カウントダウン中。今日の14:00に何かあるらしい
追記:むむ、何も起こらん!何か妙な表示が出る!と思っていたところ、日本のファンサイトに案内が。なるほどー。明日の朝が楽しみです

■最近のはやりもん
ピアフロス。ピアスホール用のフロスなんだけど、これ楽しい!面白がって何度もやっていたら頭が痛くなった。それはやり過ぎです

■最近のびっくり
NTT東日本のCM『父と息子篇』の演出が是枝裕和監督、ナレーターが塚本晋也さん。これ好きなCMなんだー。しかしナレーターが塚本さんて気付かなかった…トホホ。
ちなみに『値下げ篇 改訂』のナレーターは大森南朋くんです

■最近のびっくり2
『悲劇喜劇』2月号に掲載の『ディファイルド』評が面白い。成程、こういう解釈もアリだ!ハリー可哀相だけどね。いやでも希望もちょびっと残っているかも知れないね…ほろり

■五郎丸
試合の前半で脳震盪を起こしていたので、記憶が殆どなかったそうだ。優勝した瞬間も憶えてないんだってー勿体ないー!しかしそんな状態で何であんなにキック入るんじゃ、すご過ぎる



2005年01月08日(土)
『ヴィタール』2回目+α

『ヴィタール』@アミューズCQN シアター3

新宿と音が違うらしーとのことで、今回渋谷。確かに台詞等が明瞭だったかな、音も普通に聞こえると言う意味では聞きやすかった。新宿の方は、音量は監督の指定に従っていますとの貼り紙が出ているんだけど、渋谷はどうだったんだろう。個人的には新宿の方が極端で好きかな。最初にこっちで聞いちゃったからかも知れないが。

あっ、あとこの日がたまたまだったのかも知れないけど、渋谷の方は空調の音がうっるさくて。ずーっと「ゴー」て。そっちの方が気になったよ…そして隣の隣の男のひとが終盤ガン泣きし始めたのでちょっと我に返ってしまった、ははは。

しかしいい話だよ…て言うか…ホントに…。初見と印象は全く変わらず、いい意味で。「解剖映画」ってフレコミなんで敬遠してるひとも多いんじゃないだろうか。グロくないって!『六月の蛇』もだったけど、解剖とかエロとか暴力の手法はあるけど、基本は愛の話ですよ!しかも倫理観はかなり強い。あんなナリでも道徳的です。「わけわかんねえ!」「見たことねえ!」ってものではなく、「ああ、こういうの見たかった!」と言う感じ。未知のものに対する恐怖感を呼ぶものではない。共感のトラック。

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■書いてるのは10日
ラグビー大学選手権早稲田優勝おめでとー!と言うことで無理矢理こじつけて姉と飲み会。丁度今、清宮監督の著書を読んでるとこで、それを思い返しつつ。そーだよあんなにFWが重い早稲田って珍しい、「紫紺じゃねーんだぞ!」って、いいじゃんBKはいつも通りいい仕事してんだから!その上FWが重くなれば鬼に金棒ですよ!清宮が早稲田のNo.8だった時は「清宮があと5人いればねえ」「1列目も2列目も清宮がやればいいじゃん」なんて言われてたじゃん…いや清宮だって1列目を務めるには華奢ですよ…それくらい早稲田の1〜2列目が軽かったってことですよ。でもこのひとほんっとアタリに強かったよね、ぜんっぜん倒れない。
それはともかく今季のチーム。FWで押せるからPK選択が例年より極端に少ない。コツコツ点をためるってことがない。なので点差がつまってくるとひやひやすんだけど(笑)その分試合展開はスカッとして面白い。でも五郎丸のPK成功率も恐ろしくいいよね。この前迄連続PK成功記録伸ばしてたんだよね。今回もあんなに風強かったのに長い距離ぽんぽん入れるし。どっちも使えて面白いチームだなあ。社会人相手にどんだけやれるか楽しみです。
しかし決勝はどっちもミス多かったなあ。ラインアウトの成功率低過ぎだ!内容は大味だったかも知れないけど、まあ面白かったからいいや(笑)

■久ヶ沢さん@GO! GO! HEAVEN!
鈴木桂治、和田毅@GetSportsが面白くて忘れてた…あっ!と思い出して切り替えたら丁度出てた。うわあお医者さんだ!何分くらい出てた?何シーンくらい出てた?しまったよー(泣)

■MANIAC LOVEその後
やってるそうです、よかった!



2005年01月07日(金)
それはただの気分さ

ビッケからさとしんくんへのメッセージ。

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あなたは今、どこら辺を歩いていますか?
そこには、あなたが歌った音楽は流れていますか?
行き先はどっちだろう。音楽は....。
音楽は今でも流れてます。
あなたがたぶん居ない場所でも。
Walkin in the rhythm Walkin in the rhythm  ∞

+++++

■『8月の現状』FISHMANS
■『'98.12.28 男達の別れ』FISHMANS

ソウルセット流れでフィッシュマンズを聴く松の内。今年で私はさとしんくんより歳上になる。

1999年はいろいろあった。さとしんくんのこと、スカパラの青ちゃんのこと。どっちもてらてらからの電話で叩き起こされた。SJMの睦ちゃんもこの年に亡くなった。

ソウルセットの野音で、終演後に「ナイトクルージング」が流れた。友人が泣き出した。帰途の足を止め、空を見上げる人々。

『闘魂'99』、笑顔の弔い合戦。

4月に新しいベスト&未発表音源が出るらしい。
北極熊団 低音部 赤塚支所

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■ブンブン新譜リリース決定
いよいよですな



2005年01月05日(水)
小ネタから

今年も宜しく!

■ソウルセット
昨年末のリキッドがあまりに良くて、行ったひとの感想を読み巡っているのですが、「言葉に出来ない」って書いてるひとが多数。ははは、そうなんだよ、あれは言葉には出来ない。あの音、あの光景。だからこその音楽なんだよな。降参です。
良々くんが来ていたそうだ。かせきくんやシンコももちろん。かせきくん、翌日大丈夫だった?(笑)

暫定セットリスト(中盤の順番めちゃめちゃ、後日訂正の予定)
01. CHANGE MY MIND
02. Hey Hey SPIDER
03. 先人達の夢
04. 状態のハイウェイ
05. ELEPHANT BUMP(初期バージョンのトラック)
06. STILL
07. 否応なしに
08.~10. 新曲
11. KeyWord
12. 夜明け前(始める前にヒロシくんがトラック鳴らしちゃってイントロバレ(笑))
13. 隠せない明日を連れて
14. JIVE MY REVOLVER
15. SUNDAY
16. MORE BIG PARTY
17. ロマンティック伝説
18. Jr.
(en.)
19. SALSA TAXI
20. Bow & Arrow

■あ、それと
「川辺ヒロシがノリノリだった」って感想も多かった(笑)やっぱ貴重だよねあれは…

■そんな訳で
年明けは川辺ヒロシのトラック漬けに…UA「数え足りない夜の足音」のリミクス迄聴いてます。これすっごく好き!以前CDシングルを一気に売っぱらったんだけど、これは手放せなかった…

■今頃知る1
アナログのみかい(泣)
ROSSO「アウトサイダー」の川辺ヒロシリミクス

■川辺ヒロシトラック集出そうよ!
ミックスものは出ているけども。関わったトラック集をさ!笹沼くんも作品集出したし!

■今頃知る2
スマパン「TRY, TRY, TRY」のビデオディレクターJONAS AKERLUNDって、『SPUN』の監督だったのか!

■これこれ
先日書いたw.a.s.t.e.のかわいい伝票↓

いつの間にこんなに増えたんだ怪物くん