コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2003年06月27日(金) これからは 国際通 カン です


日本に住んでいると、どうしても
日本の情報がメインになってしまいます。

海外の情報も、日本の編集者のフィルターを
通したものになりがちです。

先日の BBCワールド で、
アメリカのセントルイスという町が
紹介されていました。

セントルイスはかつて、
西部開拓の玄関口となった町です。
(人口は35万人弱)

「この町では誘致していた大企業がいくつも撤退し、
現在は失業率が15%に迫っています」
とニュースの中では紹介されていました。

コンクリート剥き出しの
空オフィスからBBCの記者が、

「ドル安、低金利、減税政策 を持ってして、
果たしてアメリカ経済の下支えはできるのでしょうか?」
と問いかけます。


経済 という複雑怪奇な“生き物”を見る場合、
ミクロの視点 から覗いてみることは
時にたいへん有効です。

ある人は、平日のデパートの人出を観察し、
ある人は 夜の歓楽街を練り歩きます。

また、電車の中で交わされる
何気ない会話の中に、

「景気がこの先どう動くのか」という
“ヒント”が隠されていることがあります。


さて、上述したBBCの記者は、
FRB(米連邦準備理事会)の金融政策 に対して、

「景気悪化に対する対応が遅すぎた、
ということにならなければよいが、」
と警告していました。

そのFRBが
0.25%の 利下げ を発表しましたね。

アメリカの金利が下がった、
ということが重大なニュースとなる理由は、

(結局)「世界経済 が アメリカ に
おんぶに抱っこの状態」だからです。

短期金利の指標であるフェデラル・ファンド(FF)
金利は 年1.0% となります。

いよいよアメリカでも
“ゼロ金利”が視野に入ってきたのですね。


日本の例 を見ればおわかりのように、
モノの値段が継続的に下がるような
世の中(デフレ)では、

金利がゼロでもほとんど
「ありがたみ」はありません。

先手、先手の政策を行ってきたFRBですが、
今回も本格的な景気後退を
防ぐことができるのでしょうか?


変わって、
Far Eastern Economic Review
6月26日号に
「中国元の為替レート」についての記事が載っていました。

Review はアジアをメインとした
唯一の週刊ビジネス誌であり、
56年の歴史を誇ります。

当誌のコンテンツは
大きく5つ に分かれます。

The Region(地域情報) China(中国情報)
Innovation(技術革新) Money(金融)Currents(最新動向)


そうなのです、
わたくしカン も Review を購読し、

アジア通 になるべく
ブラッシュアップに努めているのです(笑)

さて上記記事では、
諸外国の金融担当者が

「中国はもっと為替レートの
変動レンジを広げてくれ。
= 中国元のレートを引き上げてくれ」

といった不満を述べている、
と云っています。

中国元 が安すぎる(元安)のは、
誰もが認めるところです。

中国政府 は、自国の産業を
保護するため(輸入品に対して)、

あるいは、自国の輸出を発展させるために
中国元の為替レート を柔軟化することには
極めて慎重です。

しかし(記事の中では)

「中国では現在、3160億ドルの外貨準備があり、
外貨を売って元を買う潜在圧力は強い」と述べています。

(元高 圧力ですね・・)

実際、中国人民銀行(中央銀行)は
現状の 為替レート を維持するために、

『元売り介入』を繰り返しているのです。
(ドル買い、元売り ですね)


わたしは該当する統計を
まだ見つけていないのですが、

中国は(日本と並んで)
巨額の 米国債 を購入しているのです。

(アメリカ と 中国 の関係を
占う上でたいへん興味深い・・)


さて、(ドル買い、元売り)が
何をもたらすかというと、

市場に大量の 元 を
滞留させることになります。

つまり、中国政府 が真に
危惧しているのは、元高 ではなく、

通貨の流動性が過剰になり、
資産バブル が増幅してしまうことなのです。
(特に、大都市圏の不動産・・)


あと10年もすれば、
中国の 中央銀行 が発表する金融政策が
世界の重大ニュースになっている可能性がありますね・・。

皆さん、よい週末を!



2003年06月25日(水) 人口動態学 その3)


こんにちは、カン です。

先日の続きになりますが、
2007から2010年にかけて、
【団塊の世代】のリタイアメントが完成します。

これって、
ポジティブな面 もあるんですね。

企業にとっては、高コストで賄っていた
人件費 を相当カットできます。

(新たな人材を活用するチャンスにもなります・・)

【団塊世代】の下にいる人達にとっては、
上の世代が占めていた「重要ポスト」の 重し が
取れることになります。

(社内での 人材流動化 につながります・・)

そして、リタイアした【団塊の世代】は
細々と“隠居暮らし”をするわけではありませんね。


(話はかわります・・)

弊所は一応、平日営業 を謳っているのですが、
土・日 の方が忙しかったりします(笑)

例えば土曜日の朝、電車に乗ると必ず
60代の登山者グループ に出くわすのです。
(皆さん、とても元気!)

私たちは、固定概念としての「シニア像」を
捨て去る必要があるのではないでしょうか?

考えてみれば、つい40年前まで、
60代 といえばまさしく“老後の残り時間”でした。

子育てが終わって子どもが結婚し、
それで親御さんの人生はほとんど
終わっていたのです。

孫の顔が見られれば
「長生きしてよかったな・・」と思えたのですね。


今すでに 60代 になっておられる方は
「戦前の生まれ」であり、
質素・倹約 を旨として生活を送ってきました。

しかし、これからシニア世代となる
【団塊の世代】はどうでしょう?

彼ら/彼女らは、自由時間を重視し、
こだわりを持ちながら 積極的に消費をする世代です。
(豊かな 金融資産 も保有しています)

● 言ってみれば、
  アクティブ・シニア なのですね・・ ●


学生運動 を経験し、さまざまな
サブ・カルチャー を生み出し

「自分らしく生きるには・・?」に
こだわり続けた世代なのです。

さあ、この消費の 大鉱脈 を
いかにして掘り当てるのか・・。


わたしは思うのですが、
シニア世代の潜在ニーズを引き出すことは
ひとつの“生活産業”の創出に他ありません。

(IT産業と肩を並べるもの!)

そして、新たな需要に応えるための
「インフラ」という点で、
日本は世界の 先頭 を走っているのです。

(なにせ、世界でいちばん早く
 超高齢化社会 を迎えるのですから・・)

これからの日本は、消費の主役 が代わる、
あるいは 産業構造 が劇的に変わる、
一大チャンス なのです。


例えば、マイホームの住み替え は
大きな需要になります。

これって、商品を販売する、
というビジネスではなく
仲介業 という『サービス業』なのですね。

そして、旅行。  

航空会社さん は、

「年齢○○歳以上のグループの方には
航空券を○○%割引」というようなサービスを
行っているのでしょうか?

それから、旅行 と絡んでくるのが 英語。
(アメリカ・ヨーロッパに対するあこがれが強いから・・)


英語 に関連して、学び。  

カルチャーセンター の枠を超えて、
各種専門学校、教室 シニアカレッジ のように、
こだわりを持った深い学びの場 が広がっていくでしょう。

そして、健康(言うまでもありません)    
ご家族(お孫さんを含めた、大家族型の消費?)

ここまでくれば、

「団塊の世代を巻き込んだ 生活産業 を
国の 基幹産業 にする!」というくらいの
意気込みが欲しいものです。

そのためのインフラとして、
政府が主催して「ビジネスアイデアのコンペ」を行うとか、
そんなことは必要なのでしょうか?

いいえ、まったく必要ないのです(笑)


健全な競争を妨げている
「規制」を撤廃すること。

新たにビジネスを始める
「ハードル」を低くすること。

(上記に関連して)
融資・税制のところで 優遇措置 を設けること。

あとはマス・メディアが、
産業の 構造転換 を積極的に紹介すること。

ぐらいでいいのではないでしょうか?


潜在需要 が煮えたぎっているところには
(黙っていても)ヒト・カネ・モノ は集まってくるのです。

それが 資本主義 のよいところです。



2003年06月20日(金) 人口動態学 その2)


一国の「経済成長」を占う上で、
大切なものは ヒト・カネ・生産性 です。

例えば、A商品を作るためには、
人間(ヒト)が必要です。
(労働力 と言ってもいいですね・・)

そして、さまざまな設備を用意するために、
資本(カネ)が必要です。

そして、どれくらい効率的に
A商品を作ることができるかという
労働生産性 も重要です。

◆ 経済成長 とは、
労働力 × 資本 × 生産性 という式で
導かれるのですね。


つまり、

労働人口が増えない、
減少していくということは
経済成長にとっては由々しき事態なのです。

では、今までの「日本の人口動態」を
振り返ってみましょう。

1950年〜70年代、この時期は、
まさに日本の高度成長期ですよね。

この頃、20歳〜60歳の労働人口が、
際立って増えています。

(遡ってみると)どこかで
『出生数』が増えた時期があった、ということです。

          
例えば、1920年〜40年頃 に
生まれた世代の方々がそうです。 

当時(特に昭和に入ってからは)
軍国主義的な政策と相まって、

“産めよ増やせよ”という掛け声とともに
『出生数』が大きく伸びました。 

1950年〜70年代の
高度成長を支えていたのは、
これら 戦前生まれの世代の方々 なのです。


そして、70年代から80年代末まで、
日本の労働人口は増加を続けました。

どの世代が貢献したかというと・・、

そうです、1946年〜49年生まれの
【団塊の世代】ですね。

バブルの頃は、【団塊の世代】が
ちょうど脂の乗りきった時期と重なります。

しかし、90年代に入ってからはどうでしょうか。

日本の労働人口は増えていません。
むしろ、減少しています。

大胆な「移民政策」がなければ、
生産年齢人口(15〜64歳)は

2000年の 約8700万人 から、
2030年には 約7000万人 に落ち込んでしまいます。
注)国立社会保障・人口問題研究所 中位予測 より


【団塊の世代】1946年〜49年
(昭和21〜24年)生まれの方は およそ800万人。

今現在、日本の50歳以上人口 は
約4500万人 です・・。

日本では、ヒトが減少していく社会、
超高齢化していく社会が 目前に迫っているのですね。


そのスタートは、【団塊の世代】の方々が
リタイアする時だと考えます。
(2010年 を目安に考えてください・・)


続いて、
資本(カネ)の問題 です。

先ほども触れましたように、
【団塊の世代】がリタイアすれば

公的年金、企業年金を問わず、
その給付額 が大幅に上昇します。

年金保険料 を支払っている人の額が、
年金給付の額 に追いつかなくなるのは
目に見えています。

ちょうど今、2004年の
『年金大改正』の審議がされていますが、
辻褄合わせの「手打ち」しか期待できないでしょう。


(はっきり申し上げますが)
これから先、何度も何度も“年金危機”が叫ばれ、

その度に、給付額の削減や、給付時期の先送りや、
税金徴収の「議論」がなされるでしょう。

私たちは「年金疲れ」という
病 にかかってしまいます(笑)


また、団塊の世代の方々が退職すれば、
【貯蓄率】は下がっていかざるを得ません。

今までストック(資本)として
蓄積していたものを吐き出していく、
という「作業」が始まるからです。

それは 個人でも、国でも、同じことなのですね・・。




2003年06月18日(水) 人口動態学


こんにちは、カンです。

今日は一冊の本をご紹介しましょう。

「団塊世代の経済学」 日経BP社 
ウィリアム・スターリング スティーブン・ウェイト 著

「未来のことを完璧に予言するなんて、
誰にもできやしない・・」という謙虚な姿勢のもと、

(長期的な)経済動向を占う上で
【人口学】がいかに大切か ということを説いています。

皆さん、『ベビーブーマー』という言葉を
聞かれたことがありますか?

日本の「団塊の世代」と重ねて
訳されることがありますが、

アメリカの『ベビーブーマー』は
その範囲がより広範に及びます。

      
一般に、1946年〜1964年に生まれた
約7600万人 を指します。

本書では『ベビーブーマー』こそが、
アメリカ経済の 需給関係 に多大な影響を与え、
景気の波を形成してきた、と喝破しています。

例えば1970年代は、
『ブーマー』が労働市場になだれ打ち、
供給が過大になったため、労働賃金が低下した。 

またこの時期、不動産、自動車を
ローンで購入する『ブーマー』が増えたため、
金利の上昇を招いた、とも言っています。


90年代の好景気、株価上昇も、
『ブーマー』世代がちょうど脂の乗り切った時期に差しかかり、

収入・貯蓄とも上昇 → 本格的に
「資産運用」に取り組み始めた結果だと説いています。

(本書では、あと7年は
アメリカ経済は安泰だ、と言っています・・)


しかし著者は、『ブーマー』世代がリタイアし始める、
2010年からの 20年間 に対して、警鐘を鳴らします。

例えば、『ブーマー』世代が会社を辞め、
リタイアするとは・・?

(下の世代にとっては)
昇進の機会が増える・・(良いこと)
スーツの売上高が減少する?(多分・・)

『ブーマー』世代は セカンドライフ に備えて、

「小さめの家に買い換えようか・・
(いや)フロリダに移住しようか」と囁き合う。

フロリダの人口が増える・・。
(フロリダの不動産市況は good ?)

老眼鏡、補聴器の市場が拡大する・・。
(旅行業界も good!)


また『ブーマー』世代は、
運用に回して置いた 債券、株式等 を売却し、
生活資金に充てるでしょう。

ということは、株式市況 は・・?  

アメリカ全体で 貯蓄率 が
下落していかざるを得ないでしょう。

(今までの蓄えを
取り崩していく生活になるから・・)

社会保障、医療保険(メディケア)
の面では、どうでしょう?

(本書では、次のように予想しています)


人間は、年を取ると保守的になる。
若い人より、シニア世代の方が選挙によく行く。

つまり、『ブーマー』世代がシニアになるということは、
選挙に行く巨大な「保守層」が生まれるということです。

政治は 人気商売 のところがありますから、
大きな票田である『ブーマー』世代
= シニア層の意向 は無視できません。

したがって、社会保障、医療保険(メディケア)
関連の支出が増えます。

つまりこれは、
政府支出 が増えるということです。
(すると、将来的な 増税 か?)


そして(ここからが大切なのですが)

このような現象はアメリカ国内だけではなく、
カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本などの先進国に
“共通の現象”として起こってくることなのです・・。


次回は、日本を例に挙げてみましょう。



2003年06月13日(金) 毎日蒸し暑いですね・・


【買ってはいけない 金融商品・・】 

それは 毎月分配型の外国債券ファンド です。

● 上記金融商品は 自分の足(資産)を食べながら、
  卵(分配金)を産んでいるようなものです。 


さて、(突然ですが)お金を育てるとは、
世界経済の発展の“分け前”を頂戴することです。

その際 大切になってくるのが、
“資産配分”をどのように構築するか、
ということです。

(資産運用の 資産 には、
単品 のようなイメージがありますが、

実はそうではなくて、資産を購入するとは
「資産の集合体を買う」ということです) 

つまり、皆さんの 資産の集合体
(ポートフォリオ)をどのように形作るのか・・。


ポートフォリオを構築する前提として、
国・地域、また、各金融資産の 期待リターン、
相関係数 などを計らなければなりません。

ただし、
投資とは、未来の事象を扱いますから
上記の数字 も 予測 にすぎないのですね。

(しかし、その数字 は
はじき出さなければなりません・・)
              
例えば、中国株式 という資産の 期待リターン は、
その人によって異なってきます。

あるいは 外国債券の リスク というものは、
皆さんが思われている以上に高いものです。


でもその前に、皆さんの運用の
政策(ルール作り)を行うことも必要ではないでしょうか。

えー、例えば皆さんが
「服」を買うことと同じなのですが、

皆さんにとって最適なポートフォリオというのは、
皆さんそれぞれで違ってくるわけです(当然、)

じゃあ、最適なポートフォリオを
作るポイントは何かというと、

皆さんがどれくらいの リスク を
引き受けられるのか、それを知ることです。


このリスクも、予想値 に過ぎないのですが、

● リスクの数値(標準偏差)は 過去のデータ を 未来 に
  いちばん当てはめやすいのですね。


たとえば、佐藤さんの リスク許容度
(どれくらいのリスクなら許せるのか)を、
いちばんよく知っているのは誰でしょうか?

「佐藤さん自身 ですね・・」

佐藤さん自身が、自分の情報
(家計の事情、将来の計画、本人の性格など)
をいちばん多く持っているわけですから・・。

●「自分自身を客観的に分析できること・・」

これが、
お金を育てる作業においては重要なのです。


「自分自身を客観的に分析」できれば、
お金に対する 態度 もおのずと見えてきます。

金融商品に対する 態度 もわかってきますね。

佐藤さん自身が理解できない 金融商品 は
(当然)買うべきではないですし、

リスクの大きさをイメージできない
金融商品 を購入するのも(もちろん)論外です。

「自分の資産については、自分自身が決める・・」

これが出来た方が、
資産運用も楽しくなると思いませんか?


お金を育てることは
(とかく難しいことのように言われますが)
実はとても シンプル なことなのです。

「自分自身を客観的に分析」し、
おのれが立つ場所
(フィールド)を発見する。


そこから、自分とお金との 距離 を測り、
お金(金融商品)の 性格 を知る・・。

ここまで出来れば、

「自分の場合は リスク性資産 を
どのくらいの割合で組み入れるべきか」

ということが見えてくるはずです。


つまり、

● 資産配分(ポートフォリオ)するとは、
  佐藤さんオリジナルの設計図を作る、ということなのです。

えっ、わたし
(ファイナンシャルプランナー)の役割ですか?

わたしの仕事は(あくまで)
「佐藤さんのポートフォリオ構築のサポート」
です。

もうひとつは、佐藤さんが
「自分自身を客観的に分析」できるように
なるため、佐藤さんの 鏡(かがみ)となることなのです。


   なっとくセミナー Vol.26
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 〜 資産形成はポートフォリオで決まる 〜      


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●例えば、昨年の「ベストファンド」を追いかける愚
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●(日本 対 世界)これってインデックス運用の基本
●ETF はインデックス・ファンドの進化形です
●マーケット とは変化を続ける“生き物”なのです
●特別公開! 当事務所のモデル・ポートフォリオ


皆さん、よい週末を!



2003年06月12日(木) 何か そろりそろりと動いているような・・


こんにちは、カン です。

このホームページが生まれて
2年と3ヶ月が経ちました。
(まだまだよちよち歩きですが・・笑)

ただ今、サイトの改編作業に向けて
あれこれ考えているのですが、

弊所の“HPコンセプト”を
以下のように掲げてみました。皆さんどう思われます?

   晋陽FP事務所
  お金と仲良くしてますか?

夢を叶えたい個人の【投資教育サービス】に特化した 
 独立専業のファイナンシャルプランナーです。


(ところで)

「姜(かん)さんは りそな銀行 の国有化について、
ぜんぜん触れていませんね・・」

はい。
基本的に興味がないのです・・(笑)

昨日は FP協同組合による
Do ライフプランセミナー があり、
FPの仲間たちと談笑していました。

その中で CFPの
小幡さんと話していたこと・・。

小幡さん「(生保の)予定利率引下げを認める法案 が
衆議院を通過して、いよいよ佳境に入ってきましたね」

カン「そうですね。僕は りそなの国有化 と
予定利率引下げ法案 は、根本のところで同じだと思うんです」

小幡さん「なるほど・・」

カン「政府 は何らかのプレッシャーをかけて
(経営難の)生保 に手を挙げさすんじゃないでしょうか?」

小幡さん「あー、それは
ソルベンシーマージン比率 の算出法を見直すとか・・」

カン「あっ、そう。そうですよ。
その可能性大いにあり、ですよ」


金融庁は銀行に対して
「税効果資本」を厳格に査定することにしました。

(それに応えて)監査法人の監査が厳格になり、
銀行は戦々恐々としています。

(それと同じ論法で)
生命保険会社 に対しては、

「ソルベンシーマージン比率」算出の厳格化 が
あり得るのではないでしょうか。

金融庁自らが
「○○会社はダメだ!」とは言えないので、

「ソルベンシーマージン比率」算出の厳格化 という
“ハードル”をトラック上に置くという戦略です。


実際に手を挙げる生保があれば、
金融庁は 経営陣の責任問題( = 経営陣の一掃)を
世論 から迫られることになるでしょう。

んー、つまり お上(かみ)の本音は、
● 銀行も生命保険会社も潰せない。

かといって
このままにしておくわけにもいかない。
ということなのです。


わたしは政府が生保会社の基金に出資して
実質『国有化する』という離れ技 も
あり得ると思います。
     
< すなわち、公的資金の注入・・ >

いずれにせよ、
わたしがいちばん恐れていることは、

(予定利率引下げ法案 に対して)
生命保険各社が一斉に 手を挙げることです。

(そんなことしたら、終わりやで・・)




2003年06月10日(火) パチンコ台で思ったこと


わたしは毎朝 商店街 を
通って駅に向かうのですが、
大きなパチンコ店が一軒あるんです。

8時半くらいからそのパチンコ店に
並んでいる人たちを見かけます。

そこでいつも思うのは、

世の中には、しくみを創ろうとする人たち と
しくみを享受する人たち がいるんだな、
ということです。

経済の現場 にたとえて言いますと
『モノ・サービスを創る人』と
『モノ・サービスを消費する人たち』ですね。

当然、消費することは楽しいです(笑)

しかし、

● パチンコ店に通っている人は、
自らの手でパチンコ台を企画・製造することは
決して考えないわけです。


「どうすればパチンコを打つ人が楽しく、
かつ熱心に 台 に座り続けてくれるだろうか・・」

新しいパチンコ台を企画する人は、
そのことばかり考えていますよね。

時には頭の中が沸騰して、
「もうこんなこと考えるのはイヤだ」と
思ってしまうかもしれません。

当然のことですが、

● 私たちは 時に『モノ・サービスを創る人』であり、
  時に『モノ・サービスを消費する人』になります。  
   
この変わり身の早さ、多様性 こそが、
経済のおもしろさであるとわたしは思います。


(普通は)消費することより、
創ることの方がたいへんですから、
創る人の方に“利益”が下りてくるわけです。

(パチンコ台 に座ることだけに執着すると、
「創る人の立場」をイメージできなくなってしまいますね)

わたしは 阪神タイガース が勝てば嬉しいですが、
阪神が勝つということは、
対戦したチームは必ず負けているわけです。

「ゴールデンウィークに
8,000万人の人出があった」ということは、
どこかで何らかの お金を落としている はずです。
     
皆がお金を使う(消費者)時に、
お金を儲けている(モノ・サービスを創っている)
人たちがいるのです・・。


経済 とは(すごくシンプルに云うと)

Aさん「モノ・サービスを創る人」と
Bさん「モノ・サービスを消費する人」の
無意識の“共同作業”なのですね。


「モノ・サービスを創る」上で、
「モノ・サービスを消費する人」の 立場 を
理解することは大切ですし、

逆に、自分が「モノ・サービスを消費する」時に、
「モノ・サービスを創る人」の 立場 が
イメージできた方がおもしろいと思いませんか?


かつての日本は、Aさん → Bさんという
一方通行の 単純な線 でしたが、
今日では 経済 が複雑化しています。

ん? 
難しく考えないでくださいよ。

複雑化している、というよりは
「成熟している」ということです。


好奇心に富んだ消費者が、
ユニークな創作人(クリエーター)に
なり得るのが 現代 なのです・・。




2003年06月06日(金) ファイナンシャルプランナーと面談する時に 訊ねるべきチェックリスト16


わたしが保有しているCFP(R)という資格は、
アメリカの CFP BOARD(CFP資格認定委員会)が
認証しています。

さて、この CFP BOARD の
ホームページを見ていただくと、

「ファイナンシャルプランナーと面談する時に
訊ねるべきチェックリスト」のコーナーがあります(英語)

アメリカにおいては
CFP(R)資格 が社会的に認知され、

だからこそ CFP(R)認定者 は
高度な職業倫理 を求められているのです。


【 以下、我流で 翻訳 してみました・・ 】

ファイナンシャルプランナーに相談される際には、
ぜひ参考にしてください!


1.あなたは下記に掲げるテーマについて、
  過去にアドバイスをした経験がありますか?

もし「ある」なら、
その経験の年数を教えてください。

● リタイアメント・プランニング
● タックス・プランニング
● 相続プランニング
● 保険プランニング
● 包括的なプランニング


2.あなたの 専門分野 は何ですか?
  また、その分野でどんな 資格 を保有していますか?


3.あなたは、ファイナンシャルプランニングの
  アドバイスを提供し始めて何年になりますか?

  あなたは現在、何人の顧客を抱えていますか?


4.あなたの 職歴 を簡潔に述べてください。

5.あなたの 学歴・専攻 について教えてください。


6.(ファイナンシャルプランナーとして)
  具体的にどの 資格 を保有していますか?


7.(ファイナンシャルプランナーとして)どのような
  継続教育 を履行することが求められていますか?


8.周辺分野のライセンスとして、
  どのようなものを保有していますか?
 (保険・証券・不動産・CPA etc・・)


9.あなたは投資顧問業者としてライセンス、
  または登録されていますか?

10. あなたはどんな サービス を提供されるのですか?


11. あなたのファイナンシャルプランニングに対する
  アプローチ法 を教えてください。


12.(もしサービスを依頼することになった場合)
  わたしは誰からサービスを受けるのですか?

  あなた(応対しているプランナー)ですか? 
  それとも他のプランナーですか?

  わたしのファイナンス状況は、同じ方が継続的に
  モニタリングしてくれるのですか?


13. あなたはあなたが行うサービスに対して、
  どのような形で報酬を得ているのですか?

  Fee フィー (顧客からの直接報酬)

  Commission コミッション
(金融商品を販売・紹介することによる報酬)

  フィー と コミッション


14. あなたの サービス料金 の目安はいくらですか?

  フィーの場合)
  1時間あたり ○○ドル、定額 ○○ドル〜○○ドル、
  資産総額の ○○パーセント

  コミッションの場合) 販売額の ○○パーセント
 (株式・債券、投資信託、年金、保険商品等のそれぞれについて・・)


15. あなたは、あなたが推奨している金融商品やサービスを
  提供している会社と、何らかの 提携関係 にありますか?

  あなたは金融商品を販売・紹介することで、
  何らかの 報酬 が期待できますか?

  あなたは、わたしに紹介するかもしれない金融機関、
  代理店、専門家等から、

  (わたしを紹介することによって)ビジネス上の 恩恵 を受ける、
  あるいは 手数料 を得ることがありますか?

  あなたは代理店、仲介会社、あるいはディーラーと
  提携関係 にありますか?


16. あなたは 契約内容 を書面で交付してくれますか?



どうですか・・? 
訊ねるべきことはたくさんありますよね。

えっ? わたしの場合ですか? 

晋陽FP事務所に【初回面談】を申し込まれた方には、
1 〜 16の質問にすべてお答え致します。


では皆さん、よい週末を!



2003年06月05日(木) 暴走の結果生まれてくる“人間の戒め”、それが 法律 です


こんにちは、カンです。

(突然ですが)株式市場 に
「暴走するな!」と言ってもムダです。

株式市場という『いちば』は
暴走するところなのです(笑)

(歴史を振り返れば)
得体の知れない幾多の 会社 が
ダイヤモンドの如く売り買いされてきました。

例えば1920年代、
繁栄を謳歌したアメリカでは、
一大株式ブームが起こります。

「おじさん、株を買うなら○○会社がいいよ・・」

靴磨きの少年までが
株 の話をする世の中でした。  

F・スコット・フィッツジェラルドの短編に、
当時の世相が詳しく描かれています。
(わたしのお薦めは バビロン再訪・・)


また20年代の株式市場は、
インサイダーまがいの取引が横行し、
結構“いかがわしい”場所だったようです。 

当然「闇の権力」と結託した取引もありました。
(1919年 禁酒法制定・・アル・カポネの時代ですね)

さて、株式の売買には
「信用取引」というものがあります。

お金を借りて、手持ちの金額より
大きな売り買いを行うことをいいますが、
(かなり、リスクが高い取引です)

当時のアメリカでは、この信用取引の
保証金が「1割」で済んだのです。


つまり、100万円の元手があれば、
1,000万円の取引が可能だった、ということ。

「繁栄を永遠に!」という願いも虚しく、
1929年に 株価 が大暴落しますが、

「当時、ニューヨークの人々は、
ビルから飛び降りる人に気をつけて歩いていた」
と言われています(ホントです、)

このビルから飛び降りた多くの人は、
「信用取引」に手を染めていたのではないでしょうか。


● 信用取引 はマーケットの効率性を保つために、
  必要な機能です。

しかし、運用の初心者を安易に引き込む
昨今のオンライン証券会社の姿勢には 異議を唱えます!


さて、アメリカ人は 大恐慌の時代 を経て、
多くの教訓を学びました。

株式 という商品の売り買いを、
そしてそれを司る 取引所 を信頼されるものにしよう。

この気運を元に、1930年代を通じて
「証券法」「証券取引法」といった法律が整備されます。 

また、強力な「執行機能」を持つSEC
(米国証券取引委員会)も設立されました。

SEC とは
証券取引における、まさに“番人”なのです。

     
上記HPの「WHAT WE DO」のコーナーでは、

私たちSECの第一のミッションは、
投資家を守ることであり、
また証券市場の品位を保つことである。

と謳っています。

The primary mission of the U.S. Securities and
Exchange Commission (SEC) is to protect investors
and maintain the integrity of the securities markets.


また、1940年に制定された
「投資会社法」では、

アメリカの投資信託「ミューチュアル・ファンド」について、
次のような規制を定めています。

< 株式投資信託の場合 >

● ファンドにおける1企業の組み入れ割合は、
  ファンド純資産の5%以下とする。

● またファンドは、1企業が発行する株式数の
  10%を超えて保有してはならない。

この規制は、
2003年になった今でも守られています・・。


さて、日本の株式市場は「バブル崩壊」を受けて、
なにか 健全な規制 を定めたのでしょうか?




2003年06月03日(火) 【感情リスク】 って?


こんにちは、カンです。

わたしは個別相談の中で
“リスク”についての説明に相当の時間を割きます。

世の中には
実にさまざまなリスクがありますね。

例えば、山本さんは
「元本保証のない金融商品はイヤだ」と思っています。

んー、そのお気持ちはよくわかります。
(特に今のご時世・・)

モノの値段も、人の態度も、
コロコロ変わるのはよくありません(笑)

お金を育てる世界では、
金融商品の価格が変動する その振れ幅のことを
「リスク」と云います。
         
(価格の振れ幅が大きいほど、リスクが大きいといいます)

決して「元本をいくら割った」ということをもって、
“リスクがある”というのではないのですね。


山本さんは「そうなんだ、ぼくはこの価格が変動する
というのが嫌いなんだ」とおっしゃるかもしれません。

しかし、山本さんがいちばん恐れているのは、
「数字上の 元本 が割れること」
つまり、損 をすることではないでしょうか?

損をするのはイヤだ! というご自身の
強いお気持ちは理解できます。

しかし、その お気持ち に支配されて、
他の物事 が見えなくなったとしたら・・
これも立派な リスク ですよね。


根拠のない皆さんの「感情」が、
効率的な資産運用を妨げるかもしれないリスク
それが皆さんの【感情リスク】なのです。

例えば、金融商品を選択する際、
自らの「思い込み」を 拠り所 にしていませんか?

マネー雑誌のコメント欄を見て、
「○○さんがこう言っているから、大丈夫だろう」と
自身を信じ込ませていませんか?

金融商品を購入する前から、価格変動のシナリオ
(もちろん良いシナリオ)を勝手に思い描いていませんか?

◆ 要するに、
「思いつき」で商品を購入していませんか?
ということ。


例えば、
購入した金融商品の価格が上がると、喜びますね。       
「わたしの判断が、正解だったのだ」

金融商品の価格が下がると、不安になりますね 。        
「予期せぬことが、起こったのだ」
       
(自分の選択が間違っていたとは、決して思わない)


うまく行ったように見えても、
うまく行かなかったように見えても、

皆さんの「感情」に左右される 選択 では
結局、その次の選択も

皆さんの「感情」次第、
ということになりますよね。


さて、「感情」による“選択機会”が増えると、
「感情」の 振れ幅 も大きくなります。

そのうち夜ぐっすり眠れなくなったり、
胃がキリキリ痛んできたりします。

あー、もう売っちゃえ、買っちゃえ、
あー、もうこれに賭けちゃえ!
        
つまり、だんだん「3歳児」に退行していく、
ということになります(笑)


わたしはこのように考えます。 
選択機会 が増える = 短期売買 

(短期的に)うまく行ったように見えても、
うまく行かなかったように見えても、

10年後に振り返ってみると
「なんだ、結局儲からなかったな」というのが オチ です。


人間の一時的な「感情」によって、
当初決定した 投資方針 や 投資内容 に変化が生じてしまうリスク。
それが【感情リスク】なのです。


この感情リスクを防ぐには、 短期の動向に左右されない、
ある種の「図太さ」が必要です。  

そして、投資政策(ポリシー)の中で
決定した ルール を遵守することが必要です。

結局、資産運用においては、

◆ 客観的で システマティックな
【自己管理能力】が求められるのですね。

(第三者である プロ を介在させるのも、
ひとつの方法です・・)


そして、政策(ポリシー)の 転換 は、
あくまで 冷静な分析 に基づくこと。

以上、言葉にして書いてみると簡単に思えるのですが・・(苦笑)


皆さん、いかがですか?


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