V字経営研究所・酒井英之の4行日記
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2002年05月31日(金) グラフは手書きに限る

G社長は毎月のB/S、P/Lに自分で目を通し、自分独自の分析を行う。その一つが【(有利子負債+買入債務)−(現預金+受取債権)】。これを過去三年間どうであったか、色鉛筆でグラフを付けている。また自分で駆使し、「実勢金利」も計算している。手書きのグラフは久しぶり。それを見ていると、グラフを付ける社長の喜びや緊張が見えて味がある。


2002年05月30日(木) 税務署様、どうか査察に来て下さい

「税務署に『どうかウチに査察に来て下さい』とお願いに行ってきた」と笑うG社長。G社長の解釈は「国にタダで監査してもらえるのだからこんな有り難いことはない」。ここまで税務署が好かれたのは税の考え方を伝えた上で「こう聞かれたらこう答えろ」と指南する職員がいたから。考え方をアドバイスできる人が求められるのは鬼の税務署員でも同じなのだ。


2002年05月29日(水) お客様の会は会社の体質を物語る

昨日のN会長は、最近合併したA銀行とB銀行とかねてより取引があった。両銀行とも、以前から融資先を集めた親睦ゴルフコンペを開いていた。しかしAは「これからは勉強も…」と講演会を開催したが、Bは相変わらずゴルフ三昧。呆れたN会長は「Bは体質転換が進んでいない」と指摘。一事が万事、客とは売り手の姿勢にかくも鋭敏に反応するものなのだ。


2002年05月28日(火) 私が指名されたわけ

某銀行の融資先の会が主催する講演会に招かれる。N会長によると、内部には「有名人を講師に呼ぼう」の意見があったようだ。が、N会長が「TVに出ている人は何を話すか聞かなくてもわかる。それより無名でも研究をきちんとやっている人の話を聞いた方がよい」と述べ、講師を探したようだ。こんな話を聞くとプレッシャーもあるがやりがいも大きくなる。


2002年05月27日(月) 三枝匡氏の書籍の威力

高収益企業を更に活性化させるのは赤字企業の再生より難しい。そのストレスの中で『V字回復の軌跡』を再読し、一回目とは違ったヒントを多数見つける。読みながら多くの読者がこんなコンサルになりたい…と思っているのだろうなと考えたら、その機会に恵まれている自分は途方もなく幸せ者だと気が付いた。仕事へのファイトを掻き立てる本は素晴らしい。


2002年05月26日(日) リーダーを育成するには

「個人志向で創造的な仕事をする人」が増えている。顧客相手に一品商品を創る企業では個人の技量で顧客と接するだけに、特に顕著である。一方で「組織志向で創造的な仕事をする人」は減っている。40代のリーダーがいないとされるのは、前者ばかりで後者がいないからだ。後者を育成するにはリーダーを体験させるのが一番。どの企業も人材育成制度として確立しておく必要がある。


2002年05月25日(土) ダスキンよ、お前もか

「ケチと言われても構わないが、ウソツキと言われるのは絶対に嫌だ」。徹底的に買いたたくことによりケチと評判のA社の課長のつぶやきだ。ウソツキとは雪印食品やダスキンの犯罪を指す。ダスキンの場合、社長が「このことは墓場まで持っていけ!」と語ったと言うが、前社長が築いた崇高な精神はいったいどこへ行ってしまったのか。残念でならない。


2002年05月24日(金) ビジネスホテルのプラス1

池袋の一泊8,000円のビジネスホテルに泊まる。チェックインと同時にペットボトル入りの「水」をサービスでいただいた。「ほんの少額でサービスするのならこれ以上のものはない…?」と驚き、考えさせられた。朝は東京新聞が配られたが、1泊1万円以下では珍しくこれも感謝。ただし屋上の露天風呂からの光景が烏の群だけというのはいただけないが。


2002年05月23日(木) コミュニケーション能力を高める

雑誌『ケイコとマナブ』のインタビュー。サービス業の時代はコミュニケーション力が問われる。コミュニケーションを支えるのは理解力と表現力。資格を取ればすぐにプロフェッショナルな仕事ができるわけではないが、資格を取得する学習を通してその世界で必要な理解力と表現力が養われる。だから資格にはおおいにチャレンジすることが必要なのだ。


2002年05月22日(水) PUSH型からPULL型へ

自分がPUSH戦術からPULL戦術に変えたのは、戦略コンサルの提案型営業を展開し失敗した苦い経験があるからだ。失敗した原因は「自分から仕事を欲しがるコンサルには誰も仕事を出さない」というお客様の心理。戦略的な仕事は誰だって売れっ子に依頼したいのである。仕事を欲しがるコンサルは「自分は人気がない」と言っているようなものなのだ。


2002年05月21日(火) ヘッドハンター見参

ヘッドハンターと会う。あるコンサル会社が特定エリア攻略のために戦略設計のできるマネージャーを探しているという。現在の私は特定エリアを対象には活動していないことを理由に断る。以前、当地区の主要企業に提案営業を試みたが、成果は得られなかったからだ。引き合いの種を全国に撒き、要望があればどこにでも行く。それが私のスタイルだ。


2002年05月20日(月) アユの放流体験

昨日の日曜日、近所の河川環境楽園でアユの放流を体験できる機会があった。朝早くから3歳の息子と並び、バケツにアユを貰って7匹を放流した。河川環境楽園は構造的にもイベント的にも傑出した公園だと思う。岐阜県は動物園も水族館もない県だが、雨上がりの濃い緑に包まれながらこうしたささやかな自然体験ができることは、何とも有り難い。


2002年05月19日(日) 10年後のビジョン(私論・長文)

10年後の中部地方のビジョンを考えるプロジェクトに参加。以下は私の持論。●代表メッセージ「急速な少子・高齢化と環境問題に対応した世界を代表するモデル地区」●代表市民「元気な高齢者と女性労働者」●代表産業「新環境基準の輸出、既存ストック活用型ビジネス」●代表サービス「生活のランニングコストが最も安い」「誰もが先生になれる機会がある」●代表街区「のんびり暮せるゆとりのある都市」「滞在・学習体験型リゾート」●代表人材「産業人ばかりではなく元気なNPOリーダーから」。以上は採用の有無に拘わらず主張していきたい。


2002年05月18日(土) 人材マネジメント屋の姿勢

企業に研修を売ることを生業としているL社と、顧客に提案するプランを打合せる。当方が具体的なメニューを考えていたら「それよりまずA社の『求める人材像』を明確にすることが先だ」と指摘され、その通りと反省した。L社は今年から「われわれは研修屋に非ず、人材マネジメント屋だ」とミッションをチェンジ。その姿勢が顧客から信頼を集めている。


2002年05月17日(金) 残念!中村俊輔落選

俊輔がW杯代表選考から漏れた。左サイドには有力選手がいて競争が激しかったことが原因らしい。だったら右サイドに移ればいいのに…と思うのだが、「彼は器用だから右でもできる。でも左にこだわった」とサッカー通は語る。最近マネジメント論に持ち出される「変化に対応できる者が生き残る」との進化論。これはスポーツの世界でも当てはまるようだ。


2002年05月16日(木) 継続は力。目標管理企業の20年目

好業績を誇る某社の経営方針書を読む。自社の置かれた環境や強みと弱みを的確に捉え、実に細かい方針が打ち出されている。同社は20年も前に目標管理制度を導入し、一般社員までもが毎半期毎に詳細目標を設定してきた。その積み重ねにより、誰もが自社を冷静に見つめ、今やるべきことを探す眼力を身につけたのだろう。真に継続は力だと痛感した。


2002年05月15日(水) 目から鱗の利益の定義

ある独占企業の『利益』の定義を拝察した。その中のひとつに「利益は変化の際に発生するリスクに備えた保険である」というものがあり、このような考え方をしたことのない自分は、目から鱗が墜ちた。リスクの最も小さな「独占企業の定義」ですら、このような発想をするご時勢。競争の厳しい企業は自らを守るために高付加価値を追求せねばならない。


2002年05月14日(火) 最大の教育は引き際にあり

某社会長は二世に1年目:製造業で資材と品質管理、2年目:商社で経理、3年目:後継者育成講座参加、4年目:米国に留学、5年目:販売会社で営業と5年にわたり様々な経験を積ませた。戻ったときには「二頭政治はよくない」とサッと第一線から引いた。鮮やかに引けば、期待・責任の大きさが伝わる。多能教育と親の引き際は後継者育成の要である。


2002年05月13日(月) 心底から羨ましい人生

『つるばあちゃんの針仕事』と題された祖母の刺し子展が開幕した(祖母は「つる」という名前)。喫茶店の二階のギャラリーには知人の他、地元の新聞に紹介された記事を見て集まった人で予想以上の賑わいだった。84歳で個展を開くことができ、これだけ多くの人が集まる。何という豊かさ。こういう人生こそ羨ましいし、こんな祖母を誇りに思う。


2002年05月12日(日) キャリア形成に欠かせないこと

「他社でも通じる人材になるためには、何が必要でしょうか?」。異業種交流会幹部からの質問に、私は昨日掲載の彼を思い出して「ものごとに自分なりの定義を持つこと」と回答。同一組織の上司の指示で働く間は「よくわからなくても仕方なしにやる」スタイルでも許される。しかし一歩外に出たら、「わからない」プロを許してくれる人は殆ど居ないのだ。


2002年05月11日(土) 有望視される社員の条件

T社の29歳の社員。業務の目標を尋ねると「お客様の満足の向上」と答えた。そこで「お客様の満足って何?」と聴くと「商品への満足と、私への満足」とポンと帰ってくる。さらに「商品への満足とは?」には「○と×と△」のように3つのポイントを淡々と語った。自分で顧客満足の定義をし、いつも意識している証拠。彼が将来有望と評価される所以である。


2002年05月10日(金) 利益より社長が求めるもの

「年30百万円の利益は確保したい。だけどそれ以上はいらない。それ以上を稼ぐくらいなら、それはいらないから社員が楽しそうに仕事をしている会社にしたい!」と語る30半ばの二世社長。お客様の礼状に感激した例に出し「こんな感激をもっと多くの社員に」と願う。ビジネスマンの笑顔はお客様からもらうもの。そのインフラを整えることが社長の仕事だ。


2002年05月09日(木) 21世紀の商品はかくありたい

洗濯機を買い替えた。SHARPの超音波洗浄機能付きを選ぶ。本当に効果あるの?と疑心暗鬼だったが、カミサンは「使ってすごく感動した」。超音波の他、節水は従来の1/2、風呂の水を汲み上げる機能付などがその理由。洗濯機は典型的な成熟商品。それでも工夫次第でお客様を感動させることができる。日本人にしかできない芸当を見て私も感動した。


2002年05月08日(水) 君は、昔のままのイメージです

拙著を送った人から御礼のメールを頂いた。12年前、私の独立コンサルの第1号のお客様で、商売の醍醐味を教えてくれた恩人だ。文面は簡潔に「ただし、酒井君はいつまでも昔のままのイメージですので、今後も無理難題をお願いすることになると思いますので、よろしく」。会う度に駆け出しの初々しさを思い出させてくれるお客様は、本当に有り難い。


2002年05月07日(火) 守るべきものがある街

岐阜県白川村に住む祖母が趣味の刺し子の個展を岐阜市で開くことになった。母がその案内を創ったのだが、看板に書かれた文字は『飛騨白川郷刺し子』。この看板に改めて白川郷ブランドの強さを思い知らされた。『岐阜刺し子』『尾張刺し子』とした場合に比べなんと郷愁を誘うことか。郡上や高山市もそうだが、守るものを明確にしている街は強い。


2002年05月06日(月) 起死回生!名鉄復活案

4/29の項で触れたJR−名鉄の戦争。鉄道に詳しい友人に問い掛けると、昇降客数の最も多い栄へ直接乗り入れるようにすればよいとのことだった。速度・料金で勝てないとき、勝負のポイントは手続きの利便性になる。これを〒VSヤマトの競争に置きかえれば、両者とも同じぐらいアクセスし易く、ヤマトは集荷もしてくれる。〒は苦しいはずである。


2002年05月05日(日) 今、生きているものの価値

こどもの日、小学校3年生の甥と3歳の息子と木曽川河川の自然森に昆虫探検に出掛ける。トンボ、蝶、てんとう虫、フナなどを捕まえた他、野生のカメ、ヘビ、大鼠、マガモなども目の当たりに。昆虫博物館で外国の巨大なカブト虫やクワガタ虫を見ても無反応な子供達が、極小のカマキリの幼虫に大声を張り上げる。リアルに生きるものこそが宝物なのだ。


2002年05月04日(土) 守れ!我らがスーパーマン

昨日とは逆に既に社内にスーパーマンがいる商社。「彼はいつか独立する器だ…」と予測した社長は、社内にベンチャー制度を設け5,000万円のファンドを用意。独立するならグループ会社化し、グループ間取引を活性化させる狙いだ。またペイで応じる専門職の道も用意した。優秀社員の雇用を維持するためには先手を打って社内制度を変える必要がある。


2002年05月03日(金) 出てこい!スーパーマン

100人のうち5人残れば御の字だ−。某金融機関からスーパーマンを養成する教育プログラムを作って欲しい…との依頼。最近はこのような依頼が官僚体質の企業から相次いでいる。「これまでの研修は社員を『家畜』化する研修だった。今度はいかに掻き回す人材を見つけるかだ」。クライアントは皆、坂本竜馬を育てた勝海舟のような気持ちなのである。


2002年05月02日(木) 集まれ!飛行船狂

愛知万博のときに飛行船を飛ばそうと、「日本飛行船」という会社を親しい社長達が作った。もし実現すれば万博の代表商品となることは間違いない。夢幻のような話だが、プロジェクトXのように推進者が熱狂者であればこのような事業は成功する。この話をしたら友人が、早速「ただで必要な調査やります」と名乗り出た。彼は飛行船が大好きなのだ。


2002年05月01日(水) 第郡の目標

ザ・ゴール2の最終章で「お金を儲ける」「従業員が安心で満足できる」「市場を満足させる」を同時に満たせないものは戦略に有らずとあり、思わず唸った。地域や国のビジョンを描くのと同様にコンサルティングの仕事にも志がいる。儲け方をアドバイスできる人は多数いるが、ドラッガーのように全体を救える指南者は少ない。第郡に目指す境地である。


酒井英之 |MAILHomePage

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