V字経営研究所・酒井英之の4行日記
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2002年04月30日(火) 方針は書けてもビジョンは描けず

今月一番印象に残った言葉は「方針は立てられるがビジョンが描けない管理者が多すぎる」。目標があれば課題や対策を考えられるが、目標そのものがないから課題への取組も迫力が出ない。ビジョンを描くには自社を象徴する「代表商品」「代表顧客」「代表人材」「代表技術」「代表サービス」などを決めることだ。わが国もビジョンがないから改革に全く覇気がない。


2002年04月29日(月) スピード時代の勝者

私の住む岐阜−名古屋間は名鉄とJRが平行する、客の争奪戦が激しいエリアだ。かつては名鉄の人気が高かったが、JRが18分で走るようになって(名鉄は25分・¥2割高)からはJRの圧勝である。ある郵便局員が「この状況は、今のうち(〒)と宅配業者の競争にソックリ」と指摘していた。名鉄に勝つ手段がない今、〒も規制強化するしかないのだろうか?


2002年04月28日(日) 全滅!土曜日のスケジュール

9月までの土曜日のスケジュールが埋まってしまった。多くはクライアントの社員研修講師である。どの企業も「自己責任の時代。休みを優先したい奴はそれまで。勉強したい奴だけが出てこい」の考え方をしている。逆を返せば出た人と出なかった人に明確な差が出るような講義をしろということ。コンサルタントへの要求水準はどんどん高くなっている。


2002年04月27日(土) 二軍会社

IT関連のSEを主体とした人材派遣を担っているS社で講演。同社には子会社に人材養成会社がある。未経験者はここで研修を積み一人前に成り、その後同社から派遣される。同社ではこの子会社を「二軍会社」と呼んでいたが、一軍が少数精鋭で戦うためには、企業でも、産業全体の構造でもしっかりとした二軍(養成機関)が必要だと改めて痛感した。


2002年04月26日(金) 挑戦する隠れ家

S社長と共に「隠れ家」と呼ばれるワイン・バーへ。当店のマスターは大変有名なソムリエだ。一流人の店は凡そ「素人お断り」の雰囲気があり苦手なのだが、店内は仏蘭西料理に和食器を組み合わせたり、トイレに微妙に異なるタオルを配色したり工夫が一杯。完成された者には畏怖を感じるが、挑戦する者には好感を持つのが人。この店が大好きになった。


2002年04月25日(木) 輝いていた人々

参考人招致された辻本元代議士が痛々しかった。顔から精気が抜け、ヒトから魂が抜けるとこんなふうになるのかと感じさせた。同じくTVで1年前の小泉総理を映していた。今改めて見ると「この人は本当に改革がやりたかったのだろうな」とわかる輝いた表情をしている。彼も今、別人のような顔をしている。希望だけがヒトを光らせることができるのだ。


2002年04月24日(水) 方針発表会はいつ?

決算日から何日目に方針発表会を行うかで、その企業の俊敏さが分かる。例年決算の翌日に方針発表会を行っていたY社は、今年は諸事情で5日空いてしまった。社長は「何もない5日間はまったりしてよいものだ」と笑っていたが、5日間を長く感じるほど時間感度が鋭敏なのだ。1カ月以上遅れる会社もあるが、時間価値を再認識すべきだろう。


2002年04月23日(火) 鬼の経理部長

「売上は達成しました」と報告する事業部長に「何が売上だ。利益はどうなんだ!」と一蹴した常務取締役経理部長。「利益は正義。売上が伸びないときは経費を削って利益を出せ」が口癖のこの常務、部門別の月次実績を見ながら次々と手を打つ。部門別月次管理ができなければ健全経営はできない。利益主導型の時代は、「鬼」を重役に据えた方がよい。


2002年04月22日(月) 武富士ダンス

TV番組『TVチャンピオン』のスーパーデブ選手権で、出場者に武富士ダンスを躍らせる競技があった。気がつけば、今日武富士のCMダンスほど日本人に認知されているダンスは他にない。他の消費者金融機関が差別化のため奇抜さやコンビニエンス性をCMで主張する中で、ブランド訴求一点のCMスタイルを変えない武富士。横綱相撲といえよう。


2002年04月21日(日) 年ではなく月として

某社の社長と部長と打合せ。社長は部門別の利益や売上の話になると600万や2000万とかで表現する。部長が怪訝な顔で「たったの600万ですか?もっとありま…」と聞き返すと社長は「年じゃない、月だよ」。社長は月単位で収支を見、部長は年単位で収支を見ているのだ。どの単位で決算を見ていくのか、その時間範囲は社内で統一するのが望ましい。


2002年04月20日(土) OJT・顧客満足・従業員満足

「OJT=次の一手を部下に考えさせること」。その手に対し上司が「この通りやれ」あるいは「違う、こうするんだ」「俺が手伝ってやろう」と指導すること。こうした簡単な定義ができないと、OJT推進!とぶち上げても空論になってしまう。「顧客満足=お客様をライバルだと思うこと」。「従業員満足=仕事と人生観をマッチさせること」。定義をすれば方策は自ずと見える。


2002年04月19日(金) 仕事と作業の違い

某社長が赤字工場の社員に「仕事は頭でするものだ。体を使ってするのは単なる作業だ。作業ばかりなら中国に工場を移転した方がましだ!」と檄を飛ばした。するとその社員は広辞苑を持ち出し「仕事と作業の違いは…」と反論したという。この場合、社長が正しい。昨日の「お客様」もそうだが、言葉の定義は辞書ではなく各会社ですれば良いのである。


2002年04月18日(木) お客様って何だろう?

某社の管理者研修で、今一度「お客様」の価値を考えることにした。,客様は社内のあらゆるコストを担ってくれる存在である。△客様は自分を鍛えてくれる存在であり、お客様の期待水準こそ戦わねばならない最大のライバルである。お客様に愛される限り企業は潰れないから自分を守ってくれる存在である。用意した3つの答が全部研修生から出てホッとした。


2002年04月17日(水) まずはトライ&エラー

某社の企画担当者にあるビジネスモデルを示す。「そうしなきゃいけないとは分かっているのですが…」と弁明。「できた事例はないのですか?」と聞くと「事例はあります」。「であれば事例を集めて成功パターンを創る」「そのパターンで上期に1件試す。上手く行けば下期に3件。その後水平展開」。トライ&エラー。出来ない理由は失敗してから考えよう。


2002年04月16日(火) ナレッジマネジメントのコツ

LANの中に企画書を多数蓄積した部門長の質問。「たくさん蓄積しても誰も見ないのはなぜ?」。欠点は2つ。企画書は自分のために書かれていないためそもそも参考にしにくい。蓄積するなら発表用にアレンジされた資料が良い。もうひとつはINDEXの付け方。誰が誰のために書いたかは最重要事項。選びやすい見出し・仕訳を考えて整理することだ。


2002年04月15日(月) CS調査は「社長親展」

勝ち組建設会社のルール。「経営会議に参加して2回連続発言しない者は、以後出席する必要なし」。このルールひとつで改革をやっていることをわからせることができる。また、同社は竣工時に15項目からなるCS調査を行っているが、アンケート用紙の返信用封筒は「社長親展」となっている。改革には社長が現場を直視するこんな仕組みが不可欠である。


2002年04月14日(日) 基礎からやり直し

同世代の社長。簿記を勉強している23歳の女性から「仕掛品」の仕訳について尋ねられ、答えられない自分を発見した。そこで一念発起し、簿記2級に挑戦しているという。その話を聞きながら「財務諸表が読める技術と作れる技術は別では」と、自分に都合のよい解釈をして逃げてきた己に気付く。不透明な中、今一度基礎に帰った方が良い時代かも。反省。


2002年04月13日(土) 新事業の事業計画

年度計画を社長に見せた新規事業部長。赤字の計画だったので「話にならん!」と突き返された。事業が3年もたない時代に「3年単黒・5年累損解消」は過去のもの。3年単黒を1年単黒に持っていくには、準備にかかる時間を短縮するため提携するしかない。新規事業部には予算縛り(バインド)よりも3年を1年でやる時間縛りの考え方が必要なのだ。


2002年04月12日(金) 徹底する経営方針

プレゼンテーション力を最大の差別化要因にすると決意した建設業者。プレゼンテーション研修を行ったが、改革は研修に留まらない。『発表能力給』制度を導入し、給与を「発表能力給3+業績給4+年功給3」の比率に変えるという。毎日の朝礼や会議時の発表・報告の仕方も発表能力給の査定の対象となる。この徹底ぶりこそ生き残りの秘訣である。


2002年04月11日(木) 自分に自信のある人、自分の居場所に自信のある人

加藤元幹事長が辞任した。イスに執着する姿勢が哀れだが、一般に官僚出身者は優柔不断だという。私には個人事務所を経営する友人が何人もいる。自己実現のために組織人であることよりも個人であることを選んだ彼らは、あらゆる面で私より逞しい。自分の居場所に自信のある人と自分に自信がある人。後者は前者の何倍も美しく、心から敬服している。


2002年04月10日(水) 時間で社員をしつける

みずほ銀行のシステムの故障が社会問題になった。準備期間が長すぎたことが遠因のひとつである。短期間でやる場合は「何かを捨てる」「仔細にこだわらない」など思いきった妥協ができる。が長期になると問題の先送りが可能になる。短期で合併した銀行の方が上手く行った。企業内でも時間を区切って施策を徹底させた方が上手くいった事例は多い。


2002年04月09日(火) ワン・ジェネレーション・スキップ

横浜市長・京都府知事選を見ていると、30〜40歳代で政治の世界では青二才と言われるような年齢の人たちだ。60歳代から一気に40歳代へ若返り。かつて変革運動を展開し軍門に下った団塊の世代はスキップされた。ローソンやカレーの壱番屋でも40代前半社長の誕生である。ワン・ジェネレーション・スキップは挑戦する力のためには不可欠なのだ。


2002年04月08日(月) 阪神に頑張って欲しい

阪神タイガースが開幕7連勝と元気である。理由は分からないが、指揮官が代わったことが好影響を及ぼしているのなら、リーダー次第で会社が変わる良い見本である。方針を示したりテクニックを駆使するだけでは勝てない。星野は阪神の選手に何らかのビジョンを示し、仕事に対する考え方・マインドを変えたように思う。このまま突走って欲しい。


2002年04月07日(日) 自分なりの別解を創る

最近、コンサルティング依頼が相次いで届く。企業を見るとき、自分のオリジナルな切り口がいくつもあるので以前より随分楽に問題を発見できる。「勝利のサイクル」「利益の方程式」「7つの企業革新」「4『る』のサイクル」「ソリューション・マップ」「バリュー・ミラー法」。世間の常識=正解に対して自分なりの別解を追求し続けることが肝要なのだ。


2002年04月06日(土) 企業の下半身

これまでは量産型の商品を供給していたが、これからは「業種別に商品供給した方がよい」と考えた社長。早速その体制を築く準備に入った。ところが現場からは現在の量販品の遅配・誤配クレームが届く。物流システムは企業の下半身。頭ばかり鍛えても、物流システムが動かなければ企業は走れない。戦略の変化に合わせ物流システムも同時にチェンジだ。


2002年04月05日(金) 恩師から受け継いだもの

3月一杯で恩師の水谷研治が会社の役を退任し、以後大学教授に専念することになった。いろんなことを教えていただいたが、一番の財産は判断基準を頂戴したことだ。今後「どうしようか」と迷うとき、「水谷先生ならどうするか」を考えて自分の判断基準とできるのである。こうして考えればその決断とその後の行動に自信がつく。これは一生ものである。


2002年04月04日(木) 提携先の探し方

本格派の食品を供給しているメーカー。料亭等へは強いが、量販店ルートが弱いのが悩みの種だった。売上を伸ばしたいと考えて大手GMSに入り込みたいと願うが、それは必ずしも「本格派」のコンセプトとマッチしない。小さくても同じコンセプトの「本格派」を品揃える店を狙うべきである。インターネットの時代はそのような店をすぐ探すことができる。


2002年04月03日(水) 儲かる企業の見分け方

ビジネスを簡単に表現すると「創る」→「作る」→「売る」→「維持する」となる。企業が儲かるのはこのうちの2つ以上を担う場合のみだ。大手一社依存の下請け企業が苦しいのは「作る」しかやっていないから。この場合は「創る」(企画開発)または「売る」(一社依存からの脱却)しかない。中小の問屋が苦しいのも「売る」しかやらず「作る」「売る」がないからだ。


2002年04月02日(火) 全国新聞・連載開始

日刊ゲンダイでの毎週火曜日の連載がはじまった。タイトルは『21世紀企業 勝ち組負け組 ここが別れ目』。およそ800〜900字。日本経済新聞でも日経ビジネスでもない点に赤髭コンサルを自称する自分らしさを感じてしまう。イチローは自分を高めながら、社会・お客さんも同時に高めている。連載を通じちょっとだけそんなことができればと思う。


2002年04月01日(月) 旧態依然のビジネスモデル

ニュースで入社式が報道された。都庁やみずほBKの入社式で「おじさんの言うことをきくな」「マニュアル通りの仕事をするな」との話が出たのが印象的だった。新人が戸惑うのを承知で、管理職に危機感を抱かせる言葉を選ぶ。この言葉は過去の成長要因だったビジネスモデルしか知らない管理者に役所や銀行のトップが全く期待していないことを物語っている。


酒井英之 |MAILHomePage

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