嗚呼!米国駐在員。
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2005年08月31日(水) ハリケーン、Katrinaの被害状況

何ともひどいことになった。
言葉では表現出来ない。

ハリケーン、Katrinaの被害状況は予想以上にすさまじかった。
住民はいつになったら自分の家がある場所に戻ることが出来るのか。街中にあふれかえった水が引くまで、3ヶ月ほどかかるようだ。















仕事である製品を仕入れたのだが、製品を載せた船はNew Orleansで停滞中だった。

こんな写真を見ると、今や何も期待できないのだが、一体どこへいっていってしまったのか。

思い当たる会社に電話をかけても誰も出るわけがない。

街が沈んでしまったのだから。


2005年08月29日(月) 空港でのピックアップは大切なお仕事 / カトリーナ

朝のJAL便で入ってくる客を空港に向かいピックアップ。

ゲートにはお迎えの日本人の姿。その人間模様も面白い。

1)ずらりとスーツ姿の日本人が6人が、誰も出てきていないゲートに向かって背筋をきちんと伸ばして勢ぞろい。一様に緊張した面持ち。どっかのお偉いの出迎えだろうか。どんな人が出てくるかとこちらも気にしていたが、ゲートから出てきたのはポロシャツ姿の健康そうなオヤジ。大前健一風。出迎えなんて通常1人か2人だから、やっぱりお偉いなんだろう。時間からしてファーストクラス。JALの係員の案内付き。


2)別のオヤジ。あまり深い関係ではないようだ。
出迎えのオヤジAが、ゲートから出てきたオッサンBに言う。「荷物お持ちします。」「いえいえ、めっそうもない。」「そうおっしゃらずに」「そんなそんな、私持ちますから」 小さなスーツケースが、中年の間をいったりきたり。お互いにぺこぺこしながら荷物の取り合い。その光景を不思議そうに眺めるスパニッシュの家族。


3)現地の責任者らしきが日本本社のお偉いらしきを迎えたシーン。
よくあるパターンだが、本社のお偉いはかばん持ちを連れてきているようだが、座席のクラスが違うのだろう、連れがなかなか出てこない。

その間に現地の責任者がおエライに説明していたのは参考になった。

「日本では台風12号、というように発生順に番号で台風を呼びますが、ここアメリカではニックネームをつけます。今日、大型ハリケーンが来ているのですが、その名前はカトリーナ。」といいながら、手際よく新聞に載っていたアメリカの地図を指差して場所を説明していた。相手は全く興味を持っていなかったようだが、これはなかなかいいツカミだ。自分も同じ事をしようと決めた。

4)肝心の我が顧客。普段はファーストで来るのだがいつになっても出てこない。

と、振り返ると既に後ろで待っていた。いつの間に見過ごしていたのだろう。他人の観察ばかりで自分の客を見過ごすとは。

おかげでカトリーナの説明どころではなかった。



さて、ハリケーンの名前なのだけど、単語の先頭の文字がアルファベット順になるように名前を選び、そのリストをAから順番に使い(Q、U、X、Y、Zの5文字は利用しない)、そのリストを使い果たすと次のリストに進む、という現在の方式の起源になっているとのことだ。そもそも、米国空軍や海軍の気象学者らが、彼らのガールフレンドあるいは妻の名前を愛称として使ったことから、女性の名前のみが使われることになったのだが、男女同権に反するということで、今では男性と女性の名前が交互に用いられている。それでも、アメリカ人はハリケーンのことを「She」と呼ぶ。

気になるカトリーナさんだが、広地域に渡って電柱をなぎ倒し家や車をひっくり返しており、被害が過去最大になるそうだ。

原油もついにバレル70ドルを記録し、世の中はこれからどうなってしまうのか。



2005年08月26日(金) 日系企業と韓国企業

日系企業の駐在員がアメリカで仕事をしていると、取引先はアメリカの会社もしくは日系企業だけだと思われますが、実際は欧州系、アジア系などさまざまです。

ある韓国系の会社とも付き合いがあります。
ほとんどの社員はアメリカ人なのですが社長や幹部はもちろん韓国人です。

韓国の仕事のやり方というのもまた独特なモノがあって、それを押し付けられる部下のアメリカ人達はいつも文句を言っています。ここ中西部は、人をだましたり情報操作をして、交渉に切った張ったをするなんて縁の遠い純朴なアメリカ人の田舎モノばかりですから、特に韓国、中国のようなグチャグチャの交渉を「これが正だ!なんでこうしないんだ」と押し付けられる彼らはいい迷惑のようです。しかもいつもニンニク臭いのもアメリカ人には我慢ならないようです。


韓国人上司の悪口を言うアメリカ人の話を聞くと、こちらも他人事で面白がってしまいますが、我が日系だって同じです。
わが社の現地スタッフも、日本人の悪口で取引先アメリカ人や友人らと大いに盛り上がっている事でしょう。
たとえ同じ社内の日本人でも上司の悪口は言うわけですから、あいつら日本人をバカにしやがって、と目くじらをたててはいけません。



仲のよい米人スタッフに聞きましたが、韓国系企業の米人が、

「韓国人ってヤツはよく分からないよ。毎日のように牛の内臓を細かく切って焼いて食ってるんだから。」

負けじとわが社のスタッフは言ったそうです。

「日本人だって、小さく握ったライスの上に‘釣りのエサ’を乗せて食べてるんだぜ。」

寿司ネタをBait(釣りエサ)とは何とも面白い表現、思わず笑いました。


2005年08月24日(水) バーガーキングと初めてのドライブスルー

車で移動中にランチを取ることになった。


日本であれば1人で入れる定食屋とかラーメン屋とかあるのだけど、アメリカではそうはいかない。必然的に、ファーストフード中心になってしまうのだが、下手に飛び込みでレストランに入ると失敗するリスクがあまりに大きいからである。

それに、いちいち「How are you?」とか「ドリンクは?」とか、おばちゃんウェイトレスと会話を交わすのも、早飯が必須のJapaneseサラリーマンには面倒くさいし、チップの計算も邪魔くさいからである。

という事で、選択肢はやっぱりファーストフード。


ただ、今日はドライブスルーを試すことにした。

アメリカ人は面倒くさがりだ。

車を降りずに銀行で金を引き出して、ランチも注文するし、あげくに薬だってピックアップする。

アメリカ人は、何故か長蛇の列をなしているドライブスルーの最後尾に喜んでつき、10分近くも待って注文する。がらすきの駐車場に車を止めて10秒歩いて店内に入ってカウンターで注文すれば1分とかからないのに、本当によく分からない。


最初に見つけたマクドナルド。
案の定、車が10台以上も待っていて一般道にまで飛び出しそうだ。とてもこんな所で待つ気にならない。


と、半マイルほど先にバーガーキングがあった。
ここのメインメニューであるWHOPPER(ウッパー。ワッパーともいう)(写真)は、北米生活の経験のある人が日本から出張に来た時に、「どうしても食べたい」とリクエストのある食べ物の中の1つである。日本ではJT、西武と提携してフランチャイズ展開したのだが、マックとの競争に敗れて撤退している。

確かにマックより多少単価は高いが、特に炭火直火焼きといわれる厚いパテは香ばしく焼け、大胆に挟んだレタスやトマトもあって、「肉の旨みがより強く味わえ、満足感が大きい」とファンが多いようだ。


よし、ここにした。


ドライブスルーに向かうと車は一台もない。

ラッキー、と思って車でゲートを入っていった。

いや待てよ。


どこでどうやって注文するんだ、手本がいないじゃないか。

と、大きなメニューの看板があったので車を止める。無難なセットのNo.1を選んだのだが、店内に通じるマイクらしきものがない。

そうこうすると、後ろに車が2台、3台、と連なってきた。

げ、素人が先頭か。ヤバイ。



しょうがなく前に車を進めると、再度看板メニューが現れた。マイクはないけど、その横に PLEASE CONFIRM YOUR ORDER. と表示があってその下にスクリーンがある。

はて、どうするか、と思っていたら、「ようこそバーガーキングへ。私の名前はなんたらかんたら。May I help ユ〜?」と、おばちゃんの声がどこからともなく聞こえてきた。

マイクもないのにどこに喋ればいいんだ!?

その場で大声でセットメニューを注文した。 自分の声は聞こえただろうか?


と、「チーズは挟みますか?」とまた天の声。

どうやら聞こえたようだ。

目の前のスクリーンには、注文した商品名と合計金額が表示されている。おお、これは便利だ。なんでカウンターではこの表示をしないんだろう。

注文を終えると「PLEASE KEEP ON FOLLOWING.」と言われ、店舗の小さな窓口で金を渡し商品を受け取る。


まあたいした出来事でもないのだが、確かにドライブスルーは店内とは違う心地よさがある事が分かった。

あと、渡された袋の中には、ナフキンとケチャップがちゃんと入っていた。これは驚き。

日本では当たり前かもしれないけど、普段カウンターで「TO GO(お持ち帰り)」と言っても、バーガーとポテトが無造作に袋にぶち込んであるだけで、ナフキンとケチャップを入れてくれる事はありえない。下手したらドリンクのストローだってないから、そのまま店の外に出てしまって後から気がついて後悔する場合が多い。

ドライブスルー対応の係員は持ち帰り専門だから、全ての袋にストローとナフキン、ケチャップを入れればよい。これくらいのことは余程のアホでない限り忘れないか…。


2005年08月23日(火) トヨタってアメリカ車!?

「米国車」、いわゆるアメ車とは何だろうか。

基本的な定義としては、デトロイトを中心に組合労働者と米国内部品業者を使って生産しているフォード、ゼネラル・モーターズ(GM)、クライスラーのビッグスリーの自動車のことである。

一方、こうした米国車のライバルとされる日本車メーカーのトヨタ、ホンダ、ニッサン - 日本人であれば、どんなに異国の地に行ってもこうした日本車が走っているのを目にするだけで、何となく安心感が沸くことだろう。そして、自国の自動車産業を誇りに思う。


ところが、アメリカ人の中には、

「えっ、トヨタ? アメリカ車だろ。」

という輩が増えてきているそうだ。


94年の北米自由貿易協定(NAFTA)によりこれらの米メーカーはカナダやメキシコでの生産が容易になったうえ、日本車や韓国車の米国内生産が促進されたため、もはやどの車を米国車と呼ぶかの単純な線引きはできなくなった。組み立て工場がアメリカにあるから、トヨタも米国車という理解も間違いではないという見方も出来るのだが、これは日本人としては何となく納得出来ない気分ではある。


でも、実はこうした意識付けは意図されているもの、日本車メーカーによる戦略によるものである。


米メーカーの売り上げが落ち込んだ1990年代初頭には「Buy American(米国車を買おう)」運動が広がり、特に中西部では米国車以外を運転することはタブーとまで言われた。米国車のシェアを奪う日本車憎し。日本車など乗っていたらまさに何をされるか分からないムードが本当にあったようだ。わが社でも、社用車は米車限定であった。

ところが現在では、ビッグ3の不振が続いていても、米国民に「米国車を買うべきだ」という動きは見られない。逆に日本車の市場シェアは合計30%(2005年7月)と上昇している。


なぜだろうか?


この背景には、まず米メーカーがドラスティックに大胆な人員削減を続ける一方で、日本車メーカーが地元雇用を創出していることがある。日系メーカーは、ミシガンとオハイオだけで04年に9万4000人を雇用しており、その数は増加傾向にある。アメリカ人からすれば、日本車メーカーさまさまなのである。

もちろん、燃費も質も良く、維持費が低いと評判の日本車に人気が集まっているという根本的な原因はあるのだが、こうした雇用創出、また政界も巻き込みながらうまくアメリカという国を見方につけた勝利だろう。



BIG3のクライスラーがドイツのダイムラー傘下に入ったことなどで自動車の国籍があいまいになってきている。そのうち、中国車が出てくるのも時間の問題だろう。ブランドにこだわらないアメリカ人は多いから、意外と売れるのかもしれないといわれているのが、少し理解に苦しむのだけど。


2005年08月22日(月) Why oil is so exvensive...

ヒューストン支店の米人から面白いメールをもらった。

この男はいつも下らないアメリカンギャグのメールを送ってくる。いつもは内容がさっぱり分からないのだが、今日は見た瞬間に 「えっ、こんなんがあるんか!!」と驚いたので紹介しよう。


タイトル : Why oil is so expensive

なんでも、アウディが純銀製の車をアラブの金持ちのために作ったんだと。庶民が考えもつかない贅沢振りを堪能するアラブの金持ち。

これじゃ、ホントに原油が高くなる訳だ。













こんな悪趣味な車なんか乗りたくないよ、というのは、単なる庶民の遠吠えというやつだろうか?



2005年08月17日(水) ガソリン代高騰でもアメリカ人に節約は不可能だ

先週、原油価格がバレル$67.10の最高値を記録し、それに伴いガソリン価格も急ピッチで値段が上がってきた。

今週に入り、どのスタンドも軒並みガロン3ドルの表示が出ている。


2003年にアメリカに赴任してきた時は確かガロン1.5ドルだったから、この2年で倍になってしまった訳だ。報道によれば、数年後にはバレル$80、ガソリンはガロン5ドルに到達するかもしれないといっており、庶民にとって益々状況は厳しくなりそうだ。

言うまでもなく自動車はアメリカ生活の必需品。マンハッタンなど一部の都市を除いて、アメリカで生活する以上、ガソリンが高いから車を乗るのを控えるということは出来ない。家から一歩も出なければ別だが、車に乗らねば買い物にもいけないのだから、ガソリン代値上げは家計を圧迫するのは間違いない。


テレビやラジオ、新聞でも連日このニュースが取り上げられている。
決まってインタビューされた買い物に来た庶民やトラックの運転手はこう答える。 

「馬鹿げているよ、まったく。 家計が圧迫されてしょうがない。一体どうすりゃいいんだ。(Crazyを連発)」

そして、ほとんどの人は外食や買い物を減らして対処して節約を心がける、と、これまた決まったように言われている。 なんだか、ガソリン代高騰にかこつけて色んな話がでてくるなあ、と思っていた矢先に見つけた今朝の新聞記事。

40〜50代くらいの女性。老齢の母親の面倒を見る為、これまでは週に2回両親の家に訪れていたが、ガソリン価格の高騰の為、今後は週に1回の訪問にするという。

「母親は寂しがるけど、もうこれ以上はガソリン代を負担出来ないわ。」

写真を見ると燃費の悪いジープチェロキーに乗っている。その大きな荷台に抱えきれないくらいの買い物袋を突っ込んでいる。

オバサン、それは違うだろう、って。
何でもガソリン代のせいにしちゃ駄目だって。


アメリカ人というのは、こんな記事を見て、
「ガソリンの高騰が家族の絆を阻む原因となっている。これはひどい。早速政府に働きかけて、せめてアメリカ向けの原油だけでも安く調達してもらうようにしなくっちゃ。」 などと思うのだろうか。

面倒を見られていた母親だってたまらない。ガス代無駄だからって世話してくれる回数減らされたんじゃあな。



メディアはあれこれと騒いでいるようだけど、いくらガソリン代が高騰しようと、君達アメリカ人の節約は無理だと断言したい。

この7月。GM、フォード、クライスラーのビッグ3は、売れずにあふれ返った在庫車を一層する為に従業員向けの特別割引制度を一般に適用した。その結果、よくても150万台そこそこである月間販売台数が、一気に180万台という史上最高の販売台数記録となった。

アメリカ人ってのは、いくらガソリンが上がって節約しようなんて思っていても、目の前で「今なら安いですよ。大幅割引ですよ。」と言われれば、バカでかいだけで燃費のクソ悪い米国車のSUVの新車をあっさりと買ってしまうのである。そんな国民性なんだから、これまでと比べて週に数十ドルの余分な出費の為にライフスタイルが変わるわけがないと思うのだが違うだろうか。

まあ、そんな大雑把も好きなのだけど。



2005年08月15日(月) アメリカで過ごすお盆

お盆だというのに、通勤風景も仕事も全くいつもと変わりがないアメリカ。

それでも、日本人としてはなんとなく気持ちが緩むのは確かだ。お盆だからのんびりしていいだろう、って。この感覚は何なのか。アメリカ人が独立記念日やTHANKS GIVINGの前後に上の空になってしまうのと同じなのだろうか。

米国駐在をしている日本人もこの時期に帰国するという人は多い。やはり親族や友人が集まりやすいからだろうけど、何もこんな時期に、とも思う。お盆に全社揃って夏休みという会社が多い(特に製造業)というのも確かだけど、うちの会社のように夏休みを取る時期が各自の選択に任されている場合、どの時期に休暇を取るかでその人の性格やライフスタイルなどが出てくるものだ。ちなみに自分の場合は、お盆は絶対外して7月初旬か9月に休みを取るタイプだった。正しいサラリーマンは取引先の都合に合わせてキチンとお盆に休暇を取る。もちろん、お盆に帰省というのも正しい姿である。自分はクソ暇なお盆に絶対に出社していた。わが道を行くというか、ツマラナイ上司にとっては扱いずらい部下というか。

それにしても、ウェブのニュースで、帰省ラッシュ、高速道路大渋滞、なんていう記事を見ると、日本はたまらんなあ、と思ってしまう。
自分の場合は運が悪くて、渋滞を避けようと深夜に出てもお盆をずらしてもいつも渋滞にぶつかった。そんなときに限って、「昼間は空いていて快適だったよ」という話を後で聞いたものだった。

車といえば先月に帰国した時に思ったのだけど、日本は結構自動車の運転マナーが悪い。渋滞していてもそうでなくても絶対に譲ってくれない、というか、意地でも横入りさせないぞ、というしみったれた人が多い。アメリカではそういうことは少ない。ウィンカーをつけずに曲がるアホは多いけど、ほとんど道は譲ってくれる。
日本は国土が狭いというのがその理由かとも思うけど、中国もクソ広い割には運転の節操がないから一概になんともいえないのだろう。

そんな下らない事を考えて、いつもと変わりなく日本のお盆は過ぎていく。


2005年08月12日(金) 50ドルの10%引きは?

ゴルフの練習場に行った。

受付の張り紙によれば、そのゴルフ場と提携しているゴルフレッスンの会員はボール代10%discountと書いてある。

自分はその会員なので早速受付でその旨伝えると、「ID(証明)を見せてください」といつもカウンターにいるその女性は言った。ただ、そのレッスンはそんなものを発行していない。

「ありません。」と答えると、「It is オ〜ケ〜!」だと。いつもの通り全くいい加減である。


50ドルのプリペイドカードを購入したいと言うと、

「じゃあ会計は40ドルになります。」    

は!?

正直に言おうか知らん振りをしようか迷ったけど、自分の計算を不安に思ったのか、その女性はカウンターの中で受付している横の男性に聞いた。

「Make sense? (合ってるよね?)」

「I think it is OK !」

オイオイ。どうなってるんじゃ、お前らの頭は。

と、もう一人の一番年上の男性が自信なさそうに口を挟む。 

「I think it is $45.」


女性 「じゃあ45ドルになります。パーセント引きなんてややこしいこと言われても分かんないよねえ。」


この国の一般庶民の数学のレベルというのも、噂には聞いているけど相当ひどいな。



2005年08月10日(水) 雑誌の定期購読のお値段

雑誌 TIME誌から定期購読案内のダイレクトメールが届いた。





アメリカに住んで1年も経つと、毎日のようにダイレクトメールが来るのでたいていは中も見ずに捨ててしまうのだが、何となく開いてしまったのがTIME誌からだったというだけのことである。

条件はどうか?

通常は年間(56週間)で221.20ドル(1冊3.95ドル)のところ、今なら合計30ドルでいいとある。1冊あたりに直すとわずか53セント(!) 郵便送料込みだから悪くない価格だなあ、などと思っていると、驚くのは早かったようだ。


よく見ると、「今申し込めば追加で半年無料購読!」とある。つまり84週間で30ドル、一冊あたり35セント
こうなると、送料だけで終わってしまうような気もするのだけど、果たして利益が出るのだろうか、などといらん心配をしてしまう。

アメリカの雑誌は定期購読すると驚くほど安くなる。

30ドルなんていったら、日本では会社帰りにちょっと居酒屋にいけば使ってしまう金額である。もちろん、こちらはそんな世界と無縁なアメリカ生活なのだが、要はそれだけの金額を払うことで、1年半にも渡って世界有数の国際メディアから毎週雑誌を送ってきてくれるなんて、ちょっとハイソな気分になるのではないかと、考えてしまう。

でも、本当に30ドルだけでいいんだろうか、後で訳の分からない請求書が送られてくるんではないだろうか、などという不安がよぎって即決という訳にもいかない。

それより何より、毎回ちゃんと読むんだろうか、いや、読めるんだろうか。


小市民はやめとけ、っちゅうことか。



2005年08月08日(月) お盆ウィーク / たまには営業をされてみると

お盆にはちょっと早いような気がするけど、日本では今週から休みに入る会社や休みを取る人が多いようだ。

もちろんアメリカ人はお盆なんて関係なく働いている。日本の休暇に合わせて休みを取るアメリカ人というのは、すっかり日系企業慣れしていて、なんだかツマラナイ。

「日本はなんだかんだと言っても、ゴールデンウィーク、年末年始、お盆と大型連休が多い国だな。」というアメリカ人のコメントには納得せざるをえないのだが、君達と違って突然2週間も休暇を取るような文化ではないんだよ、といいたい。



そんな暇暇モードの中、ある新規業者から突然電話があって、訪問したいのですが、と言う。
できるだけこういった電話をかけてくる相手には会うようにしている。普段、自分は営業で逆の立場だから、相手の営業の仕方を見ることは良きにしろ悪きにしろ勉強になるのである。それに、こうして営業に来る人は実績が欲しくてしょうがないから、新規でネタを出せば中々の好条件が得られやすい事もある。幸い事務所の場所がそんなに離れていなく、夕方に訪問してくることになった。

新規業者といっても、業界では誰もが知っているシェアNo.1の有名企業。
こちらは客の立場なのだけど、そういえばこの会社と日本の本社では付き合いがあるけど、うちの事務所では商売がなかったんだった。

まあ、お決まりであるが、「御社のXXで働いている何々さんにはお世話になりまして」のような共通の知り合い探しトークから始まった。
時間があったので適当に付き合ったけど、まあ、大企業病というか、会社自慢ばかりで、何をしてくれるのかがさっぱり分からないし、こちらの事も聞いてこない。イライラして、「きちんと責任持って対応してもらって、価格競争力があればいつでも取引始めます。それが出来ますか。」と聞くと、「勉強させて下さい。頑張りますから。」と言う。まあ、具体的な案件がなかったので、それ以上詰めようがなかったのだが。


そして最後にこの男はのたまった。「あ、そういえば、御社のパンフレットとか会社概要とか頂けませんか?」


は? テメエ、自分の会社の資料も説明も何も無しでそれはないだろうが。


こうして、ココとの商売の可能性というのはあっさりと切れてしまった。

そんなものである。


2005年08月03日(水) (中国) 物乞いの理由

中国では物乞いが集まってくる。


物乞いといえば元祖、インドに何回か行っているので、自分では物乞いについては慣れているほうだ、と思う。

忘れもしない、インドへ出張して初めて朝を迎えたとき。
ホテルの周りの海辺を散歩しようと、ホテルを一歩出た時の事だ。子供を脇に抱えたやせ細った女性の集団があたり一面から現れて、四方から一気に自分めがけて突進してきた。その光景は今でも忘れられない。まさにゾンビであった。抱えられた子供は、寝ているんだか起きているんだか、そもそも子供なのか人形なのかも分からない。女性は口々に何か叫びながら口の中を指指す。腹減った、食い物を買う金をくれ、とでもいいたいのだろう。

そのうち、口の中を指していた指で自分に触ろうとしてくる。
あっという間に周りを囲まれてしまい、振り切るようにホテルに逃げ込んだ。

その後も、車で移動した際に信号で止まるたびに寄って来る物乞いたち。腕がない人、足がない人、全身やけどの人、顔がつぶれた人。しかも、車のガラスにへばりついてくるからたちが悪い。そして、信号が青になると、フロントガラスに人がくっついていても無視して車を走らせるインド人ドライバー。彼らからすれば日常の光景。


中国でみる物乞いはここまでひどくないようだ。
彼らの集まる場所は限定されているように思える。ホテルの前、レストランの前、歩道橋。外国人や金持ちが集まる場所が多い。

しかも、もちろん個人で物乞いをやっていることもあるのだが、ほとんどが組織的にやっているようだ。親が子供を利用している場合が多い。小さな子供が汚い服を着ていたり泣いたりして哀れみを買う。あるいは子供がずーっと土下座して頭を下げ頼み続ける、という違う同情の誘い方もよくある。

先月に上海に行った際、取引先の日本人の方と街を歩いていたのだが、背後からぼろぼろの服を着た小さな男の子がやってきた。そのうち、取引先の人の足にコアラのようにしがみついて離れなくなった。「絶対に物乞いに金は渡さない」と言っていたその取引先の男性も、しぶしぶ金を差し出すと、すごい勢いで男の子はそれをひっつかんで、道端のおばさんの所に行ってそれを渡していた。子供を使って金をかせぐのは、よくあるパターンのようだ。

子供もノルマがあるのかよく分からないが、泣きながら金をせびる女の子もいた。それが、嘘なきでもなんでもなく、本当に切羽詰った感じで泣いているので、あまりにも不憫で金を出してしまった事もある。

中国人の知り合いに聞くと、こうして少しずつ集めるお金が意外に結構な金額になるようである。そして、こうして物乞いに「使われる」子供達は、安い値段で農村から買われてくる事も多いようだ。同情をひくために、中には子供の目が潰されていたり、足や足が折られていたりという悲惨なこともあるという。

そして、親が実の子供の身体を傷つけることもあるという。


組織的、戦略的にやっているとしても、そうせざるを得ない現実。モノが満ち足りた日本のすぐ隣の国で起きている現実。多すぎる国民と救いのない貧民。

こんな物乞いにどう対処するか。
日本人からすると、そんな子供を目にすることは耐えられないけども、職業と割り切っている人も多いからきっぱりとノーと言えばいい話である。結局は何の解決にもならないから、お金は一切渡すべきではないのかもしれない。


それにしても、人間の尊厳も認められないようなこんな国で、本当にオリンピックや万博が開催されるのだろうか。うまく飲み込めない現実である。



2005年08月01日(月) 高津投手の解雇

ホワイトソックスは、戦力外通告した後にマイナーに降格させていた高津臣吾投手を解雇したと発表した。

球団の意図は、自分の保有化でトレード交渉を進めよう、要は高津を他球団に高く売ろうと思っていたが、予想に反して声をかけてくる球団もなくトレード期限が終了したので、そのまま解雇したということだ。

これがメジャーの世界だ。

日本の球団ならば、いくら不調でも昨年チームの守護神で堂々たる活躍をした選手をシーズン中に解雇する事はないだろう。去年1年活躍しただけじゃ、評価はこんなものということだ。ホワイトソックスの対応は厳しいように感じるけど、優勝争い真っ只中のチームとしては妥当な判断だったのだろう。研究されたら通用しない、みんなにそう思われているし、それが事実だったのかもしれない。明らかに今年の高津は見ていても球が走っていなかった。得意のシンカーも決まらなかった。監督は何度もチャンスを与えたけどそれに答えられなかったのは事実だ。

それにしても、高津を欲しいというチームが一つもなかったことには驚いた。日本では昨年の活躍でどのような報道がされたか知らないけど、実はメジャーでは全く評価されていないという事だから。クローザーとしては、高津のような駆け引きタイプよりも、ガンガン押す速球派がやっぱり好まれるんだろう。

高津といえば、表向きは非常に陽気で明るいように見えるけど、実は結構人見知りでマジメな気がする。チームメートと談笑しているのも見た事がないし。

といいつつ、昨年は焼肉屋で遭遇した高津選手だから、思いいれもあるし何とか頑張って欲しい。野茂と一緒にヤンキースのマイナーというのもいいんじゃないか。今更日本球界復帰でというのも面白くないしな。



Kyosuke