嗚呼!米国駐在員。
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2004年10月31日(日) ベテラン選手のプライド

日本でも有名なメジャーリーガー、シカゴカブスの星であるサミー・ソーサ。このソーサの去就を巡って地元紙が盛り上がっている。シーズンオフに地元ドミニカに戻ったソーサは、今年6番に打順を落とした監督ベーカーの起用法に不満をぶちまけた。

「俺は6番バッターじゃない。クリーンナップのバッターだ。これまで600本近くホームランを打ってきたのだから。」

こうした起用法の不満からか、優勝が完全になくなった今季最終戦、スタメンを外れたソーサは試合開始早々球場を出て行ってしまった。球団は、罰金として1日分の給料である$87,500(900万円!)言い渡した。ソーサは球場を後にした理由を「poorly treated(ひどい扱いを受けたから)」と言っている。

ソーサは今期そんなに活躍していなかったのだろうか。
成績を見れば、背筋痛で欠場してわずか126試合出場。打率は.253にとどまり、本塁打はかろうじて10年連続30本をクリアーしたが、35本。9年連続で100を越えた打点は80であった。成績は悪くはないけど平凡。年俸20億円もらっていてはたたかれてもしょうがないかもしれない。

今年は1ヶ月怪我で戦列を離れたのが影響し、戻ってきてからもいつもの勝負強さがすっかり影を潜めていた。ワイルドカード争いをしていたカブスの勝利だけを考えれば、打順を下げたベーカーの決断もうなずける内容だったと思う。

しかし、カブスの顔として長年活躍してきたソーサは、顔がつぶされたと不満をぶちまけている。
確かにソーサは華がある。オーラがある。やっぱり人気がダントツで、顔で客が呼べる数少ないカブスの選手だ。既に2006年にカブスとはUS$18miで契約はしているのだが、こうした動きを見てスター選手の欲しいメッツが早速手を上げてきている。

ソーサは35歳。日本で言えばちょうど巨人の清原が同じような境遇になっているのだろうか。
実績を残してきたプロの選手だから、プライドはそれなりのものがあって当然だ。個人的に思うのは、こうした客を呼べる選手というのは大好きである。たとえ打てなくても、活躍しなくても、その雰囲気というものが感じられるだけで、カネを払う価値はあると思う。

ただ、勝つことだけを考えなければならない監督は、別の考えをもって当然だろう。
試合で活躍してれば何の問題もないのだけど、そうでないと戦力として問題になるばかりか、チーム内の士気も下がる。ソーサが出るために出場機会の減る若手の不満も増える。監督にとってこうした選手の扱いというのは、頭を痛めることなのだろう。

いずれにしても話合いをしなければ、お互いに誤解をしたまま話がおかしくなっていく可能性が強い。ベーカーは、ソーサはスタイルを変えない、と不満を漏らしているという。この2人、どうみてもしっかりと話し合いがされたとは感じられない。

その点、中日の落合なんかとてもうまくやりそうである。自らが大記録を作ってきた選手であり、かつ何球団も渡り歩いてきた。そんな自分をいろんなタイプの監督がどう扱ってきたかの経験は、立浪や山本などのベテラン選手の扱いにうまく活かしているに違いない。それでいて、若手を抜擢してうまく使うのだから、やっぱり優勝するチームである。

来年のカブス。
「ソーサの処遇」を考えずには語れない。


2004年10月30日(土) 日本人向け美容院、本屋 / 強風ゴルフ

金曜日は6時15分から日系の美容院を予約していたので、とっとと退社。
帰り際に米人が、「Enjyoy Halloween!」と声をかけてきた。ああ、そういえば日曜日はハロウィンか。Enjoyったって、子供もいないのに何を楽しめっていうんだよなあ。

美容院では安心して日本人の兄ちゃんに髪を切ってもらう。雑誌「BRIO」を読む。ここでは普段目にすることの無い日本の雑誌が読めるのもメリットだ。ただ、髪を切り終わったときに「これでよろしいでしょうか」って、ここの店はいつも聞かないんだよなあ。ザクザク切って、ハイおしまい。こちらもあれこれケチつける気は全く無いのだけど、聞かれなければ聞かれないで違和感を感じるのは不思議だ。まあそれでも、ろくに髪も洗い落とさない地元の美容院よりははるかにマシである。

帰り際に日系本屋へ。新書のチェックと立ち読みをだけしようと思ったのだが、「トヨタがGMを越える日」を思わず購入。定価2200円だけど、払った料金は32ドル。高い、などと文句を言ってはいけない。手に入るだけマシである。本はアマゾンをはじめとるネットでも手に入ってそれは便利なのだけど、やっぱり題名だけで選ぶのと書店でパラパラ中身を読んで選ぶのとは違う。ネットで調べて興味のあるタイトルの本をいざ書店で手にしてみると、全く読む気がしない本っていうのはある。もちろんその逆もある。

土曜の今日はゴルフ。
アメリカで知り合った方2人と会社の先輩と。気温は9度くらいあったのだけど、風がものすごい。どれくらいキツイかといえば、ティーグランドのベンチが倒れて、グリーン上のピンフラッグも抜けてしまうほどの強風。こんなときにゴルフするようなクレイジーはやっぱり日本人と韓国人くらいか。案の定、取引先の知り合いは前の組にいてお互い苦笑い。早々と退散するアメリカ人、ほとんどガラガラのコースで目にするのは日本人ばかりだった。結局スコアは106。よくこれで収まったな、という感じ。スキーでもするのかという服装でも寒い。完全にゴルフは厳しい季節になってきた。それでも、明日また8時に、と帰りの駐車場で約束してしまった俺達は一体何者か。帰りにジムによってミストサウナで身体を暖めてから帰宅。

さきほど「情熱大陸」の4本取りビデオを借りてきた。ワールドシリーズもあっけなく終わったし、今晩はこれを見て楽しむとしよう。



2004年10月29日(金) 全米で最も渋滞している場所は?

アメリカで最も“渋滞”している場所は?

答えは間違いなく西海岸の港であろう。
現在コンテナ数千本に相当する約90船がLOS/LONGBEACHに入港中であり、荷降ろしされるのを待っている。そう90船が海の上でただ浮かんでいる。その光景は、さながら船の博覧会のようだ。これは通常の倍以上の船数である。

従来は3日程度で荷降ろしが完了するのだが、現在は10日以上を要する。アメリカの輸入品の半数は、これらの港を通じて持ち込まれる。年間、世界の各国から1130万個のコンテナを受け入れるただでさえ忙しい港が、輪をかけて混乱状態になっているのである。

通常時と比べてたかだか6〜7日の違いじゃないか、と言うなかれ。
各業界はコスト削減で目一杯在庫を減らしている上に、アメリカでも当然"Just In Time"システムが定着している。「欲しいときにモノがない」状況は、販売店のみならず、各業界に取って死活問題なのである。

アメリカで輸出入に関わる仕事をしている人ならば、現在誰もが頭を痛めている問題だ。

原因は何か?
港での熟練労働者が極端に不足している事に加えて、中国からの輸入の急増。そう、誰もが予想できないほどの中国製品が入ってきていることが原因なのだ。おもちゃ、洋服、靴、日用雑貨、などなど。

季節柄、8月以降10月までは毎年輸入品が増える。ハロウィンにThanks Giving、そしてメインのクリスマスという一大イベントのためである。当然、プレゼントやら飾り付け商品を買うために、毎年この時期は客は店へと足を運ぶ。

こうした買い物をする場合に思いつくのは、MEGARETAILERと呼ばれるWAL*MART
おそらく、中国品の小売商品の扱いとしては全米一ではなかろうか。巨大な敷地の店の中の商品という商品が MADE IN CHINA である。

この怪物 WAL-MARTが、クリスマス商戦に向けた中国からの輸入品を一気に10月に持ち込もうとした事も大きな影響を与えているという。通常は、こうした会社はリスク分散のためにも、8月、9月、10月と分割して輸入するというが、“入着後そのまま店頭に並べられるよう、商品はギリギリに受取る。そうすれば在庫費用が発生しない”事を優先させた、新聞に書いてあった。

迷惑だけどもしょうがないのである。

困ったことは重なるものだ。
折からのガソリン高騰である。港に出入りするトラック業者の多くは、固定レートで品物を運ぶ。当然、ガソリンの高騰が彼らの利益を圧迫するので、うまみのない商売だ、と判断して転職をしたりする人が多く、ここでも労働者不足が問題となっている。
せっかく商品がコンテナから陸に下ろされても、運んでくれるトラック探しでまた一苦労なのである。

実はこの西海岸の混乱は自分の仕事にも大きく影響を与えている。
毎日、客から荷物はまだか?と連絡を受ける。

アメリカの企業には「西海岸経由なんで」と言えば事は足りるので楽チンだ。客も「じゃあしょうがないな。グッバ〜イ!」と電話を切る。

まるで鬼の首を取ったように、「何とかしたまえ、困るじゃないか。明日飛行機で送れ。」などと無茶を言うのは、決まって日系企業のオヤジだけなのである。


2004年10月28日(木) またもやイラク邦人人質

イラクでまた邦人人質が出た。

今更何やっているんだ、という気持ちと、勝手にしてくれ、もう知らん、という気持ちだ。前回の3人の人質とは全く違い、今回は何の含みも目的もないようだ。もうわざわざ報道する必要すらないのでは、と思う。

単なる世間知らずなお坊ちゃんにしては、大いに世の中騒がせている事になった。おそらく日本では相当たたかれているに違いないな、この24歳の男。このまま解放されないより、解放されて日本に帰って日本で生きていく方が、もしかしたら辛い人生かもしれない。

「自分探しの旅に出た」とイラクに出たようだけど、自分を失う場所を選んじゃ、しょうがないだろって。だいたい、お気楽に旅なんかして本当の自分なんか見つかるわけない。

両親の記者会見はアメリカでは見れないけれど、イラク行きさえ知らなかった親御さんの気持ちを考えると、何とも言葉が出なく気の毒だ。

こんな親不孝があるだろうか。

この人質の彼、憔悴しきってカメラの前で頭を下げる両親の姿を見る事ができたら、一体何を思うのだろうか。












2004年10月27日(水) 数字と主張

昨日今日と仕事がばたばたしていて帰りも遅い。
これが前向きな話であればいいのだけど、どうでもいいような社内システムの調整だとか契約書やインボイスの確認だとか、そんなものばかりが山積み。

これらも立派な仕事の1つであるから、どうでもいい、という表現は適していないかもしれない。

でも、営業の兵隊として自負を持つ立場からすれば、やっぱり銭に直結しない雑用ばかりでは、1日を振り返ってとても充実したとはいえないのも事実。

数字に何故そこまでこだわるか。
自分の意識の中で、会社人としてやりたい事をやる、言いたい事を言うためには、まずは数字という実績、つまり誰もがわかるような会社に対する目に見える貢献をしなきゃ、自分の言葉に説得力がないだろう、という気持ちがどこかで強いんだろうな。
といいつつ、社内で数字を上げて言いたいこと言っている奴は、自分とは相容れない、何だか嫌な奴が多い気もするんだよなあ。

というより、自己主張は売上げ数字とは関係ないか。

やれやれ、自分は一体どこへ向かいたいのだろうか。


寒くなってきた。夕方は既に真っ暗。夜も10時でほとんどの店はおしまい。毎日仕事帰りはまっすぐ家に帰るしかない。

毎日飲み歩くのに忙しくて、ああヒマな時間が欲しい、と日本ではいつも思っていたのだけど、時間があればあったでいらん事を考えてしまうだけ。ろくな事がない。

でも、健康生活で体調はすこぶるいい。 

何だか難しいよな。




2004年10月26日(火) 「何でも好きなもの頼め!!」と言われる苦痛とは

「何でも好きなもの頼め!!」

飯を食いに言ったとき、親分肌をきどる先輩や上司がそんな景気のいい言葉をかけてくれる事がある。
後輩、または部下の立場からすると、店が居酒屋であればいいのだが、寿司屋や焼肉屋、こちらでいえばステーキハウスなどでこれを言われた時には実に困るのである。

一瞬にしてその人の懐具合とか性格を判断し、粗相のないような注文をしなくちゃいけない。

どう考えたって焼肉食いにいけば、特上カルビに特上ロースが食いたいに決まってるんだけど、相手によっては「カルビ並み2つにロース上を1つ」なんていう中途半端な注文をしなけりゃならないときもある。「何だ、遠慮するなよ」って言われて、「じゃあ上ミノ追加」なんて。

うちの社長がアメリカに来たとき、ステーキハウスの円卓で、「みなさん好きなもの頼んで下さいよ」と言いながら、自分は可もなく不可もないニューヨークサーロイン(25ドル)を頼むものだから、後続がみなその金額を越えるものは頼まなかった。こちらも予定していたヒレ肉を急遽変更せざるを得なかったのである。

それもこれも、入社早々に部長に飯を連れて行ってもらったとき、言葉通りに好きなものを食いたいだけ頼んで、後で同席した自分の上司からえらいおこられたからである。「部長が参ったなあ、アイツ、だって。お前も少しは考えろよ。」って。そんな経験があって、なかなか思い切ってお言葉に甘えることが出来なくなってしまった。もちろん、「覚悟しといて下さいよ」って、完全に甘えることが出来る人もいるのだけど、そんな人はごくわずかだ。

それでは、部下や後輩に気を使わせずにいい顔したい場合はどうしたらいいか?
焼肉であれば席に座るなり、「生ビール人数分と、特上カルビと特上ロース3人前ずつ!!ユッケにレバ刺しも!」って、自分から率先して高いものを注文しましょう。

もっとも、自分のようなわがままな部下を持った上司には、誰も声をかけてくれないか。あはは。


2004年10月25日(月) 一場投手の金銭授受

快晴の日曜日。今日も10時までぐっすり就寝で、完全に疲労回復!
昨日もらった薬が効いたのか、ここしばらく悩まされ続けてきたかゆみが今朝は全くなかった。薬とか医者というものにこれまではそれほどお世話にならなかったし、どこかであまり信用していなかったところがあるのだが、今回ばかりは脱帽。意味の無い頑固ほど意味のないものはないと実感。

今日は予定もないのでのんびりとインターネットネットで日本の三流ニュースをチェック。
笑ったのは明治の一場投手。巨人に続いて横浜、そして阪神からの金銭授受が発覚。ナベツネに続いて、各オーナーも辞任を表明。

横浜、阪神は、巨人が発覚した時に、うちもやりました、と言えばよかったのに、なんで黙っていたんだろうか。この一場って選手も、横浜と阪神からも貰っていました、って言っちゃえばよかったのにな。球界がたたかれている時期だけに、これじゃ世間からの批判は強いだろうに。特に日本は実力がいくらあってもダーティなイメージってのを嫌うからな。

まあ、ドラフト上位指名選手ならば、球団から多少の小遣いくらいもらうのは当たり前の世界。一場以外の有力選手ももらっているはずなのに、何で1人だけがこれだけたたかれるんだろうか。よっぽどの実力派でねたまれているんだろうか。一場も時代が悪いというか気の毒だといえば気の毒な話だな。小さい時からこれまで野球一筋できたんだから、小遣いやるよっていわれたらそりゃもらうよ。でも、渡す球団も絶対ばれないようにうまく渡してやらなきゃいけないよ。

今回の一連の事件でダイエーは指名回避。こうなりゃアメリカに渡ってメジャーか。ホモビデオで日本球界からそっぽを向かれた多田野投手は、今年メジャーで初勝利を挙げて活躍している。一場選手は見たこともないし実力もよく分からないのだけど、法律違反したんじゃないんだからメジャーは気にしないと思う。アメリカに渡って日本を見返してやれ!

それはそうと、一場のおかげで3球団のお荷物オーナーが辞任した。特にナベツネを辞任させた、その功績は大きいんじゃないか。この流れに乗って、どこかよその球団も「うちも金渡しました」って発表して、自分のところのオーナーの首をなんなく切ってしまうところが出てくるかもしれないな。たとえ金を渡して無くても、「頼むから1万円受け取ってくれ」って一場にねじりこんでオーナーを辞任させる、なんて。


2004年10月24日(日) アレルギー / 携帯電話のDEPOSITを取り返す

朝起きたら既に10時。外は大雨。何とも鬱陶しい土曜日だ。

1ヶ月ほど前から、朝と夜に蕁麻疹のようなものが身体に出る時があって、これがとても痒い。
肌が乾燥しているのかと思って、ニベアを塗りたくっても直らない。
食事の相性が悪いのかな、と思って、ニンニクや肉を抜いてみたり、フルーツをやめてみたり、アルコールを抜いてみたりしたけど、何の効果もない。

今日の午後、思い切って日系の病院を訪ねた。

「ああ、アレルギーですね。これまでにこんな経験がないとすれば、アレルギー体質の身体になったという事です。原因は分かりません。これは薬で体質改善をしてやればすぐに治りますから。」

と診断された。まあ、訳の分からない病でなさそうでほっとした。「ストレスがあるんじゃないの?」と別れ際に先生から言われたのだが、YESに決まっている。程度の差こそあれ、ストレスのない社会人なんか、世の中でいるのだろうか。みんなストレスをかかえて戦っている。それでも、自分の身体もいたわってやらなきゃなあ、と改めて思った。


それから携帯電話のDEPOSITを取り返す為に、電気屋に向かう。
去年の8月に携帯電話を買った際に、クレジットヒストリー不足という事で、保証金の500ドルを取られた。1年たったら返す、と言われていたのだが、案の定、ウンともスンとも言ってこない。
携帯を買った電気屋に行って、「1年たった、約束だ、返してくれ」と訴えたのだが、案の定、「俺達は知らん、携帯メーカーと直接話をしてくれ」といわれる。

そこで車を走らせて、携帯ショップ(T-MOBILE)へ。
こうなったら意地でも返してもらうつもりでこちらもやる気マンマン。さんざん待たされて対応したガムを噛んだ黒人男性に話すと、そのまま電話をかけ出した。そして、「後は直接やってくれ」と受話器を渡される。
そのままカウンター越しで電話の相手の質問事項に答えると、「2週間以内にチェックが自宅に届くと思う」と言われる。

とりあえずこの言葉を信じて待ってみるしかないな。
最近はこんな扱いにもすっかり腹がたたなくなってきた。


誰も信じるな頼るな責めるな、何かをなしとげたいと思えば自分で考えて行動せよ。アメリカで生きていくために必要なこと。


2004年10月22日(金) 中国駐在員のアテンド地獄

アジアの駐在員からの元気なメールや電話がくると、正直言ってうらやましく思う。
仕事でいえば、日本は中国を初めとしたアジアブーム。誰もアメリカなんて見向きやしていない気がする。商社の駐在員は、来客のアテンド数がその支店の好調ぶりというか繁栄ぶりを表すというが、こんなアメリカ北西部にはるばる来るような人は本当に少ない。これから、厳しい冬に向かうから、その数はますます減ってくる。すっかりそういう生活に慣れると、今度はたまにくる来客が邪魔になってしまうんだよなあ。いかんいかん。

逆に飛ぶ鳥を落とす勢いの中国駐在員のアテンド数はすごい。
1日に何組も日本のオヤジ軍団がきて、空港ピックアップからホテルへの送迎、夕食の接待からキレイどころがいる2次会まで、毎日フル回転。さながら旅行業者のようである。 アメリカから何度か中国出張した際に、現法にも寄ったのだけど、ほとんどの人がアテンドで出払っており、いつも事務所はがらんとしている。

そうそう、アメリカからのお土産のチョコレートを駐在員に渡すと、「ありがとさん」と言いながら、山積みになった箱の上にポンと乗せた。 毎日のように来客があって、そのたびにお土産がいくつももらえるので、もう店が開けるほどにお菓子の箱がたまっていたのだ。どれも、成田空港で買ったようなものばかり。推定1箱1000円。最初は現地採用の女の子が喜んで食べたり持って帰っていたのだが、すっかりそれも飽きてしまったようだ。

もう毎日がアテンドと飲み会の連続で午前様なので、中国の駐在員はくたびれきっている。
肝臓手当てが欲しい、と組合で訴えていたけども、まさにそんな状況。
それでも気が抜けないのが彼らのつらいところ。

これが、商売もあってそこそこの取引先ならばいいのだけど、悲しいかな、中国視察っていう名の観光旅行をしてくる出張オヤジ軍団が、かなり多いようだ。商売どころか、もう2度と会うかどうかも分からないのに、飯も食わせて下手すりゃ観光まで世話しなきゃならないから大変だ。

オヤジ軍団は、そんな駐在員の事情などお構いなしにはりきって出張してくる。仕事はそこそこで、うまい中華食って、マッサージ行って、姉ちゃんいるところで一杯やるのが本当の楽しみ。会社の金でそんな役得を得られるポジションだから、困ったことに、これまたそこそこのお偉いが多いんだなあ。 だからこそ、どこかで抜かりがあると大変である。

「おたくの駐在員さん、ちょっと対応が悪かったよ。」 つまりは、食事だけ仕事が終わってそのままホテルに送られた、って事。
東京本社で働いていたとき、こんな苦情(?)をよく言われた。 

「オッサン、中国と商売もないのに、飯食って2次会して送迎までしろって!?中国の駐在員だってボランティアじゃないんだから、無茶いうんじゃないよ。」 なんて言えるわけないから、こちらも適当に謝るんだけど。

もちろん、大事なお客さんはそれなりに丁重に御案内するのだけど、商売もないのに体のいい理由をつけてたかるオヤジは多い。

たいして関係がない相手でも、食事の後、「どうされます?お疲れでなければもう一軒どうですか?」なんていう誘い水を駐在員は礼儀としてかけるのだけど、「そうですね。行きましょうか。」何てバカ正直に言われた瞬間、駐在員はガックリである。 よっぽどいろんな話がそれまでに盛り上がったなら別であるが。

どうしても2次会が行きたいなら、自分のカネで遊びましょう。


2004年10月21日(木) レッドソックス勝利

ヤンキース対レッドソックス。3連勝と波にのったレッドソックスが完全に勢いでまさっており、終始試合をリードしてあっけなく勝利。地元ヤンキースもいい所なし。盛り上がったのはペドロが登板した際に、「Who's your Daddy?」と観客が大合唱したときくらいか。そういえば、レッドソックスはペドロとは来年以降契約しない、と報道されているがどうなるんだろうか。個人的には、ペドロは大好きなんだけど。

結果論かもしれないが、圧倒的な強さでヤンキースが勝ってきて、王手をかけた4戦目の最終回にリベラが同点を許した場面が今から思えば分岐転だろうか。
ヤンキースリードで最終回を迎えたとき、えっ、このままあっけなくヤンキースで終了?伝統の一戦がもう終わり、つまらないなあ、と素直に思った。後でヤンキースファンに聞くと、同じように思ったそうな。まあ、1つや2つくらい負けてもいいや、と。第3戦の圧倒的な勝ちっぷりからして、こりゃヤンキースで決まりだな、という雰囲気がなんとなくあった気がするが。

もちろん選手はそんなこと思っちゃいないだろうけど、見てる側は短期決戦という怖さと面白さを十分堪能できたシリーズだった。それにしても、ボストンの選手のヘルメットは汚い。というか熔けている(!)。

まだワールドシリーズが残っているのだけど、こうして1つ、また1つと楽しみがなくなってくると、いよいよ冬を感じる。
朝晩の冷え込みはもう厳しいので、既に暖房生活に入ってしまった。 出勤は朝の8時というのにまだ薄暗いし、午後6時には暗くなる。

2年目の冬。何となく過ごさないようにしなければ。


2004年10月20日(水) よく盗難される自動車は?

昨日のUSA TODAYに、盗難の発生率が高い自動車についての特集記事があった。

盗難が一番高かったのは、キャデラックの「エスカレード EXT」。2002年から販売されている「エスカレードEXT」は、映画「マトリックス」にも使われた高級車。プロスポーツ選手やハリウッドスターにも人気がある。標準小売価格は5万3665ドル(約590万円)で、1000台当たりの被害は20.2台と最高だった。 これは、かなりの確立ではないだろうか。

続いたのは、日産のセダン「マキシマ」。同車は、02年から高性能ヘッドライトを標準装備したため、被害率が高くなった。HID(High Intensity Discharge)と呼ばれるこのヘッドライトが、とにかく人気が高いようだ。旧モデルにも装着可能で、ランプは他社にも使える。あまりにも被害が多発しているので、日産は所有者に対し、ヘッドライト盗難防止の修理を無償で申し出たようだ。

この問題は、ニュージャージー州が、日産が注意喚起を怠ったためとして、米国日産を提訴する事態まで発展した。「マキシマのライトがこれだけ泥棒に人気があるなら買わなかった」という被害者まででてくる始末。

被害の特に多いニューヨークで、盗難現場を押さえるために日産はダミーの車をNY警察に提供したという記事も出ていた。

ヘッドライトだけ取っていく泥棒が多いというのも、なんだかピンと来ない話だけど、車ごと盗んでライトだけ取って後は放置するといった例も多いというから、手っ取り早く金になるんだろう。車体を売るわけではないから足もつかないだろうし。財布を盗んでカネだけ抜き取って、財布は捨てるという話はよく聞くのだが、自動車盗んでライトだけ取るというのも、ご苦労なこった。

我が愛車のESCALADE SUVは、見事3位にランクイン。もっとも、99年モデルなので、見向きもされないかもしれないが。

一方、最も低かったのは、ビュイックの「ルセーバー」と「パークアベニュー」、フォードの「トーラス ステーションワゴン」で、0.5%だった。

もっとも、保険が掛けられた車全体の盗難の比率は1980年の約15%から03年には2.5%に低下したから、治安としてはよくなってきているといえようか。しかし、盗難1件当たりの保険金額は上昇しており、平均5928ドル(約65万円)という。なんと、「エスカレードEXT」の場合は1万4939ドル(約164万円)に達している。

年間1600万台の新車が売れる巨大マーケット、アメリカ。
その割には日本ほどアフターマーケット市場(オートバックスとかイエローハットとか)が充実していないのだけど、一般消費者に魅力あるパーツというのは、泥棒にとっても格好の狙いどころのようだ。


2004年10月19日(火) メジャーリーグが熱い!

メジャーリーグの優勝を決めるゲームはワールドシリーズと呼ばれる。これは、アメリカがベースボール発祥の地であること、そしてアメリカ人は「全米一つまりは世界一」という自負心をもつからであろう。それは、日本一を決める日本シリーズとはあまりにも違う。

今年のワールドシリーズはどうなるのだろうか。
もっともワールドシリーズよりも、世間の注目を集めているのがニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスとの間の「アメリカンリーグ・チャンピオンシップ(優勝決定戦)」かもしれない。ヤンキースとレッドソックスは、メジャー創成期からの宿命のライバル。日本にいたときは楽しみに観戦していた巨人対阪神などは比較にならないほどの伝統の一戦、そして因縁の対決である。 

もちろん松井がでているという事もあるのだけど、この数日はゲームに釘付けだ。連日夜の12時そして1時まで白熱した試合。アウェーチームに対する客席からの容赦ないブーイング。

長年日本のプロ野球に親しんで、それなりに楽しんできたのだけど、この戦いは正直言えば参ったなあ、という感じである。
それは、単に個人レベルの違いというより、選手全員の気迫と集中力があまりにもすごいのである。ここは、一戦一戦、一球一球が全力勝負。それが見ている側にもひしひしと伝わる。

7戦戦って最後に4戦勝てばいい、という日本シリーズ。ともすれば、効率的に最後に4つ勝つ事、捨て試合を作ったりする事が緻密で計算高い試合だともてはやされるような野球とは、全く違うベースボールがここにはある。

田口のカージナルスとアストロズの試合も連日緊迫感のあるゲームが続いており、勝負の行方が分からない。そして、3連勝した後で一気に勝負をかけられなかったヤンキースが今日も負けていよいよ3勝3敗のタイになった。こちらも行方が分からない。

メジャーで残った最後の4チームが決死の覚悟でぶつかったとき、つまるところ各チームの戦力差なんて全くないという事だろうと思う。



2004年10月18日(月) 大統領選挙に対する一般庶民の反応

連日、大統領選挙で盛り上がっているメディア。
両候補者の支持率も毎日日替わりで、いよいよ混沌としてきた。

この選挙は、有権者による得票数の多い方が当選すると思われがちなんだけど、そうではない。獲得した選挙人票数の多い候補者が勝つ。一般の有権者が投じた票で勝っても落選するというケースは、前回2000年のゴア対ブッシュの選挙が有名だ。

2000年はゴアの得票数がブッシュを約55万票上回ったのに、各州に割り当てられた選挙人票数で負けたために落選、という結果を招いた。歴史的な接戦であったのだけど、当時日本にいた自分は、さっぱり大統領選挙の仕組みが分からずに何の事やら意味が分からなかったな。
最後のフロリダの開票結果を巡って連邦最高裁まで上り詰めるという異常な事態を経て、当選者が決まるまでに1ヶ月以上かかった。今回もやはり浮動州の最大手がフロリダであり、両陣営にとって行方が気になる最重要州と言われている。

それにしても、やれケリーだ、ブッシュだ、と騒ぎ立てるメディアだけど、庶民の話を聞いてみたくて社内の米人Kに聞いた。

「大統領選挙は行くの?どっちに投票するつもり?」
「選挙はいくけど、どっちだって? う〜ん、ブッシュかな。ケリーもブッシュも嘘つきなんだけど、ケリーの方が嘘が多い。」
「えっ、理由はそれだけなの?」
「まあ、しいていえば俺は保守的なのかな。まあ、いいんちゃうか、大統領変えなくても、ってとこかな。」
「ケリーとブッシュの討論は見たの?」
「見た見た。でもな、ありゃ、一般市民には何の事かさっぱり分からないぜ。国土安全保障やエネルギー、メディカルケアなんて、俺達の生活に
何の関わりがあるか分からないよ。
あの討論をしっかり理解した一般国民はあまりいないのが実態じゃないのか。内容も抽象的だしな。」

なるほど。
もしかしたら、これは大多数の庶民の意見を代表しているのかもしれないな。

TVニュースや新聞を見ると、大統領選挙はさも米国国民の最大の関心事のように伝えられているのだけど、うちのスタッフが言うように、実際の庶民のほとんどはワールドシリーズの行方の方が今は大事なのかもしれない。


2004年10月17日(日) 理想の指導者とは

うーん、どう考えても我が上司はどうしても許せない部分があまりに多い。
これでは、今後まともに仕事がやっていけない。勝手に自分の成果だけを求めればいいかもしれないけど、そうもいかないだろう。

週明け、思い切って本人にぶちまけることにした。過去、思い切って本人に訴えた事があったが、「君は疲れがたまっているだけだから、休みなさい」と言われた。すぐに原因を人に転化するところもやってられない。もう一度訴える。原因はお前だって。前回は遠慮して遠まわしに言ったけど、今回ははっきり言ってやる。そうでもせねばやってられない。はあ〜。

こうして考えると、いろんなタイプの指導者がいるのに、部下というものは上司を選ぶ事が出来ないというのはとても不条理だな、と感じる。ただ、それを受け入れるしかない。

決して厳しい人が嫌だと言うわけではない。理不尽な上司にはついていきたくないというだけだ。それも人間として尊敬できる点が何もない相手だと、本当にやってられない。

中日の落合監督のインタビューを見た。
「責任を与えることによって人は伸びる。プロなんだからミスを責めたりはしない。自覚を持った人間に叱ることからは何も生まれないよ

自覚を持った人間に対してさえ、あれこれと口うるさく言いまくる事が指導者の役割と勘違いしていては、それをやられた人が伸びるわけがない。

イチローが高校を出てオリックスに入団した時の監督は、土井正三であった。
イチローは1年目に2軍で首位打者を取るも、ほとんど一軍には呼ばれなかった。監督の土井はイチローの打法に否定的であった。

「その振り子打法は全く基本が出来ていないから、やめなさい」

イチローは自ら2軍行きを志願した。能力も何もない、そんなオッサンの指示には従いたくなかったからだと言われている。

サラリーマンは、組織力も十分利用しながらみんなの力を借りないと、最終目標である利益なんか出せない。社内の人間関係、意思疎通がうまくいかないと、方向性がおかしくなってしまう。

自分が思い切って行動する事で、少しでも事態の解決を望みたいものである。 それにしても、まさか入社10年たってこんな状況で悩む事になろうとは、自分自身が驚いている。


2004年10月16日(土) クソ上司に怒り心頭 !!

昨日は腹が立って腹が立ってどうしようもなく、夜に目を覚ましてしまいそのまま眠れなくなってしまった。

うちの会社(米国法人)は、全米の各地域の支店長がしばしばよく集まって、会議という名のもとでのお遊び旅行をやる。
この前それが終わったばかりだというのに、また12月に集まるという。もちろん、その都度場所も変わって、ゴルフバッグを担いでいきやがる。

くそじじいども、会社の金使って一体何やってるんだ!

だいだい支店長なんてのは(特にうちの支店長なんかは)、お山の大将でいられる事務所にどっしり腰を下ろしてやがる。ろくに足も使わないので、ナマ(現場)の情報なんてありゃしない。で、どうするかというと、動き回っている自分の部下に寝掘り葉掘り状況を聞きだして、あたかも自分がやっているかのように会議で発表するのだ。
発表した内容がその後うまくいけば、俺はすごいんだと得意げになり、うまくいかねば「お前のやっている事は何だ」と、そのネタを提供した部下につめよる。

広い全米で、本当に各地の情報が必要な我々前線部隊はそっちのけで、じじいだけが自己満足の発表会をするのである。当然、そこで何が話し合われたかなどは、我々にフィードバックされない。ジジイは、自分が動いているわけではないから、他地域の動向を自分の仕事に生かそうなんて気持ちが全く無い。よって、自分が恥をかかない発表をすればそれでいいのである。
自分が恥をかかない為だけのために、部下を大いに利用しやがる。そこには戦略もクソもない。ただ、自分の保身だけのためだ。

たまたま自分の上司がこんなタイプ。部下は売るし、その場しのぎしか考えないアホたれなので、下で働くものはいい迷惑。腹も立つという訳だ。

駐在すると、日本にいたときよりも遥かに上司との距離が近くなる。
だから、いろんな部分がよく見えるのだが、そのタイプが自分と合わないと最悪である。

こんな事でストレスをためると損なので、ひたすら自分の仕事だけに集中したいのだけど、こうしたお偉いズラした奴らの会議があるたびに、こちとらあれこれ聞かれていい迷惑なのだ。特に、自分の今の仕事、あるプロジェクトがうまくいきそうなのだが、最初からこのプロジェクトに意義を唱えて「勝手にやれ」とのたまったボケ上司が、成果が出そうになると打って変わった態度で、「あれは私が部下に指示したんですよ」と言いまくっているのが気に食わない。

まあ、「上司」とはそんなものかもしれない。
もしかしたら、このお方は、こうして部下を利用しまくる事が自分の仕事と信じきっているような気もする。

気が合う上司なら、こちらもネタをどんどん提供して応援したくなるのだけど、気が合わない上司がつくとこうして何もかもがうまくいかなくなる。

後から考えれば、こんな事は些細な事だと振り返られる時がくると思う。ただ、海外駐在という狭い世界にいると、私生活まで左右されかねない社内の人間関係はとても大事なのである。

ああ、また腹がたってきた。もう考えるのやめた。


2004年10月14日(木) メジャーリーグ 松井賞賛

商談が早く終わったので、予定より3本も早い便でダラスから戻る。

さすがテキサス、PRESIDENT JORGE BUSH TURNPIKEという名前のハイウェイがあった。広大な土地の割には、街に出て行けば適度に都会だし、いい所だな、と思った。せっかく早く戻ったのに、よせばいいのに空港から会社に寄ったものだから、結局帰りは遅くなってしまった。

帰りの飛行機で久しぶりにUSA TODAYをじっくり読んだ。
スポーツページは、

YANKEES KNOW THEY CAN DEPEND ON MATSUI.
のタイトルが目を引く。松井を賞賛する記事だ。

先日のボストン戦、松井は5打点の大活躍にも関わらず、話題は押えの守護神リベラに持ってかれた。年俸22億円のこの男、その日は母国パナマで親戚の葬式に出席した後、5時間のフライトでニューヨークにもどって1点差のピンチで登板、そのまま押えて勝利を呼び込んだのだから、翌日の1面は当然か。パナマからニューヨークのフライトは、ヤンキースが600万払って手当てしたというから、超VIP待遇である。
でも、それだけのことをする価値がある男である。

派手好きなアメリカにおいて、松井の活躍というのは派手さがないから我々が期待するほど(期待しすぎだけど)取り上げられない。日本のメディアが取り上げるほどは取り上げられない、と言ったほうが正解か。そんな中で、松井の働きにスポットが当てられた今日の記事は最高であった。松井については、何と相手チームのボストンレッドソックスのホームページの中でも取り上げられている。

そうそう、レッドソックスのペドロ・マルティネスも忘れてはならない。
この人を食ったような顔のピッチャーは最高だ。昨日、彼ががマウンドへ上がった瞬間、スタンドのヤンキースファンから大合唱が起こった。
「Who is your daddy?(君の父親は誰? )」。

9月24日のヤ軍戦で敗戦投手になったマルティネスは、ヤケ気味に「いくら好投しても勝てない。イライラするし、もう対戦したくない。ヤンキースには帽子を脱いで『ダディー』と言うしかない」と語った。 これは、逆らうことはできない、勝てない相手という意味で用いた言い回し。これをヤジに使われたのだ。

対するマルティネスのコメントがいい。
「気持ちよかったよ。15年前、オレはバス代の50セントもなくてマンゴーの木の下に座っていた。でも、今日はニューヨークで人々の関心の中心にいたわけだからな」 

こんな男達が勝負をかける舞台。まだまだ楽しみは続く。


2004年10月13日(水) テキサス出張

今日はテキサス、ダラスまで出張。

ダラスで飛行機をおりてから車で3時間走って、明朝訪問予定の会社近くのホテルに無事チェックイン。
いやあ、いい天気だ。気温も80度あって暑いくらい。ドライブは快適このうえない。朝方冷え込んだので着てきたセーターを脱ぎ、スーツも脱ぎ捨て、Yシャツも脱ぎ捨て、シャツ1枚になって田舎のがらがらの高速を80マイルで飛ばすのも、なかなか気持ちがいい。

走っている車は圧倒的にピックアップトラック。ピックアップがこんなにさまになる土地はないだろう。
運転しているワイルドなオヤジたちが格好いいんだなあ。

ホテルにチェックインしたらメッセージが入っていた。
明日会う予定の会社の人から夕食のお誘いが。うれしい限りだ。ちなみにこの会社は商売もないし今まで訪問したこともない、こちらからすれば全く新規の会社だ。当然、先方とも今までに会ったこともない。こんなときは得てして大きな商売に結びつく(と信じたい)。はるばる来てよかった。

ロビーで待ち合わせてステーキハウスで夕食。
中国の話とメジャーリーグの話をした。「そうだ、シアトルによくヒット打つのがいたけど、あれは日本人じゃなかったっけ?」「イチローでしょ。」「確かそんなような名前だったな。彼はgreatだな。」
田舎の人(というと悪いけど)はみんな親切だ。すごく人がいいので、こちらもほのぼのする。
ご馳走すると言われたけども、会計はこちらで済ませた。これって日本的なのかなあ。


2004年10月12日(火) ヤンキース ジーター

仕事をとっとと切り上げて、自宅に戻りヤンキースとレッドソックスを観戦。
話題のシリーズで盛り上がり十分。初回にどうしても先取点が欲しい場面での、4番松井のタイムリー。うれしいというよりほっとした。
その後も松井が大活躍で言うことなし。

8対0で、こりゃヤンキースだな、と誰もが思った瞬間のボストンの猛追。あっという間に8対7。
予想外のリベラまで投入せざるをえずに試合は一気に緊迫してきた。

それにしても生中継でこんな試合が見れることに感謝。選ばれたチームの選ばれた選手しかこの舞台には立てない。
イチローだって野球人である以上、個人記録ばかり積み上げるよりも、こんな舞台で活躍したいと思うに違いない。

それにしてもヤンキースってのは髭と長髪禁止というだけあって、どの選手も上品でスマートな印象を受ける。
ボストンとは対照的であり、だからこそ因縁の対決が成り立つんだろう。

中でもジーターは、まるでどこかのモデルみたいだ。でも、試合中のジーターにはいつも関心する。ヤンキースのベンチ風景がよくテレビで中継されるのだけど、ジーターはどんな場面でも打球の行方を身を乗り出して見ている。ベンチでどっしりなんて事はない。そんなところも、最高のチームリーダーとして評価されているのだろう。

試合終了は東部時間午後11時45分。
最後はヤンキースが逃げ切った。寒い中遅くまで見ていた観客は、盛り上がった試合内容にみな満足したのではないだろうか。



2004年10月11日(月) 平和な週末 / 食は文化なり

この週末3連休は、久しぶりにたいした予定もなく、リラックスできた。

日曜は友人夫妻とゴルフの後で焼肉の黄金コース。

コロンバスデーで休日の今日は、朝から久しぶりのジム。この数週間のばたばたで身体が全くなまっており、筋肉がおそろしいほど落ちてしまった。軽い筋トレがつらい。

その後は愛車のオイル交換へ。終わった頃を見計らって車を取りに行くと、店員から「タイヤに釘がささっているから、処置しておこうか」と言われる。念のために見に行くと、左前のタイヤに大きな釘がささっている。パンクしてからでは遅いので、修理を頼んだ。その間、その近くのアウトレットで時間つぶしをしていたら、冬物半額セールをやっていた。去年のモデルの売れ残りか?でも売れ残りにしてはモノがいいから、何らかの事情で去年は安売りできなかったものかもしれない。日本でも人気のある THE NORTH FACEのゴツいそれでいて軽い上着が売っていたので思わず購入。150ドルなり。こうして厳冬対策を着々とはじめざるを得ない季節になってきた。

昼から近所のゴルフ場に向かってハーフのみプレー。平日オフシーズン料金でたったの10ドル。こういう、コンペでもなんでもない時に限ってスコアはいいものだ。バックティーから打ってハーフ42。今年は暖かいから来週くらいまでプレーできるかなあ。

日本でためていたJALのマイレージのうちの3万マイルが今年一杯で消滅する。
何か使わなきゃ損だから、12月にハワイにでも旅行しようかと計画。問い合わせすると、あいにくビジネスシートは既に満席で予約できずなのでとりあえずエコノミーを押える。赴任してから初めての本格的なバケーションか。たまには1週間くらい休んでもバチはあたらんでしょう。

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JALファミリークラブの会報に、発酵学の専門家である小泉武夫氏のインタビューがのっていた。
氏は、食べ物を民族固有の食文化としてとらえている。聞けば当たり前とも思うのだけど、実に興味深い内容であった。

日本の食というのは、1960年頃からどんどんアメリカナイズされて高たんぱく、高脂肪、高カロリーになった。1960年と2000年を比べると、肉の消費量は約12倍、油は13倍に増加しているという。地球上には大変な数の民族がいるけど、これほど短期間に自分達の食を変えてしまった民族は他にはいないとの事だ。

人間の遺伝子には、長い時間をかけて毛検してきた様々な民族の生活文化が組み込まれているから、それぞれの民族の食は本来は保守的なもの。日本人が肉を食べるようになって、まだ40年そこそこだから、日本人は肉に対応する遺伝子をまだ持っていない。だから、日本人が肉を食べ過ぎると、尿酸値、中性脂肪、コレステロールが高くなるし、疲れやすい身体になるという。

また、食は身体だけではなく、心のあり方も変えていく。
かつての日本人は、穏やかで繊細で情緒的な民族だったのが、最近は荒くなってきている。食生活の影響は否定できない、と。

なるほど、である。
アメリカ人が毎日肉を大量に食うのを目の当たりにして不思議でしょうがなかったが、彼らとしては遺伝子に組み込まれているから何も無理していない。
また、生まれも育ちもアメリカという日系人が、日本食を食べるのも不思議だったのだけど、日本人としての遺伝子がそうさせているのだ。小さい時からアメリカ人と一緒に生活していたって、あんなに肉ばかり食べられるという訳にはいかないのだ。

アメリカに駐在して、何となく日本食は負けだ、というような気がして、機会があれば無理に努めてアメリカ人と同じ飯を食おうとしていたけど、もうやめた。
やっぱり日本人は、魚とご飯と納豆と味噌汁。これでいいんだ。

問題は、こんなシンプルな昼飯を食べさせてくれる所が無いことか。



2004年10月10日(日) 「価格破壊」城山三郎

「価格破壊」城山三郎著 読了。

日本食スーパーで、「ご自由におとりください」のカゴに入っていたボロボロの文庫本だ。先週の出張の際に何となく読みはじめて、あまりの面白さに一気に読み終えた。

自分が生まれる前、昭和44年に発表された小説にも関わらず、今読んでも何か元気ずけられるこの小説。おすすめである。
戦中派の主人公、矢口は激しい生命の燃焼を求めてサラリーマンを廃業、安売りの薬局を始めた。メーカーは安売りをやめさせようと執拗に圧力を加えるが、それに打ち勝ち事業活動を大きく拡げる。

この小説、某スーパー経営者をモデルにしているのだろう。
戦中体験を基盤とした主人公の強烈な行動力で、次々と押し寄せる試練と嫌がらせを乗り越え、個人商店から大スーパーに成長させていく主人公の生き様。矢口の言動には、非常に刺激となりかつモチベーションとなる要素が多く含まれている。不思議と実に新鮮な印象を受ける。

価格破壊という熱い情熱だけで生きている矢口の、沸騰するような生命力があまりにも激しい。その激しさ、熱さというものが、サラリーマン10年を過ごした自分が忘れていたようなものを思い出させてくれたような気がした。

こうしてがむしゃらに突き進むこと。主人公が戦時中に死をさまよった強烈な体験から来るものか。
世間を変えるような新しいことをはじめる人は、みんなこうなのだろうか。並々ならぬ精神力の強さを感じる本であり、ぼやぼや生きてられないや、と思った。


2004年10月09日(土) 視力矯正手術

久しぶりの休息日。
晴天だったけど外に出る気もなく昼までゴロ寝。

午後からは、視力矯正手術の前の検査を受ける。アメリカだとタイガーウッズやブラッドピッド、日本だと西武の松坂投手や片山晋吾、松方弘樹が手術を受けた事でも有名なLASIKだ。

目の手術に不安はあったけど、これで面倒くさいコンタクト生活からおさらば出来る魅力には負けた。もしかしたらゴルフもうまくなるかもしれないし。←ならないって。

受付を済ませて、実に検査は約2時間。入れ替わり立ち代り合計4人のドクターに細かく見てもらった。検査は機械だから簡単だけど、説明がややこしい。日本語でも分からんような専門用語を並べるから困ったけど、ポイントだけは質問して確認しておいた。

さすがに丁寧な検査で、ここまで調べてくれるのなら、と安心する。

説明の中で、アメリカでは100万人以上が受けて失明ゼロだが、ヨーロッパやアジアでは厚生認可などの問題で、発祥元のアメリカと同条件の環境とはいかずに失敗した例があった、と聞いた。ほんまかいな。

手術は来週にでも、と思ったのだが、現在ハードコンタクトなので、今日から3週間は目に優しいソフトコンタクトに変え、更に1週間はメガネにしろ、と言われてその場でソフトレンズを渡される。
初めてのソフトは実に快適だった。取り外しがややこしそうで不安が残るが。

検査を終えて、手術は11月の第1週目に予約。手術といっても両眼で20分程度。今日も、何人も次から次へと手術に来ていた。手術光景も待合室のみんなが見えるようになっているのだが、逆にいかに手軽なものかがよく分かる。これから手術考えている人の不安を取り除くには、こうして見せるのもいいかもしれない。

家に帰ってからは、目が疲れて2時間爆睡。
何度も目薬さされたし、光を見たりで相当目が疲れたんだろう。

両眼の視力を回復させて、一生保証で費用は約5000ドル弱。高くはないと思うのだが。


2004年10月08日(金) 大統領TV討論〜やっぱブッシュ?

朝5時半に起きて出張先から朝一の飛行機で戻る。東部時間だから、中部では朝4時半起き。そこまでして、定時出社に間に合わす必要もなかったな。

さすがに丸3日も会社をあけていたら、なんんやかんやと雑務の処理が多い。かなり集中して出張報告も含めて仕事をこなす。さすがに夜8時にぷっつりと集中力が切れてお開き。疲れたなあ。

どうも駐在していると、こうした疲れが充実感というよりもストレスになりがちだな。一体なんでだろうか。日本と違って周りに誰もいないところで働くから、何で俺だけが、って思ってしまうんだろうか。
よく分からないけど、何となくイライラしてとても身体に悪そうだ。

帰ってメジャーリーグのプレーオフと大統領のTV討論を「観戦」。松井は4番でラッキーなホームラン。TV討論は初めて見たが、全米の主要チャンネルは一斉に生中継して、ピリッとした迫力があった。

内容は別にすれば、ブッシュ大統領の方がはるかに堂々としており、強く決断力のある指導者のように見える。ケリーは何となく表情がピリッとせずに頼りない。

このTV討論、テレビを通じて米国民がどちらの候補に親しみを感じるかも重要なポイントと言われるから、人柄というのもおろそかに出来ない。

ニューヨークの広告代理店による調査では、両候補をビールとコーヒーのイメージで比較すると、ブッシュは「国産の大衆銘柄ビール、ドーナツ店のコーヒー」で「庶民性と強さ」を感じるのに対し、ケリーは「輸入ビールと専門店のコーヒー」で「キザで優柔不断」とみているようだ。

この討論を見る限り、ブッシュの方が好きと答えるアメリカ人は多いのだろうと思う。

個人的には強引な政策のブッシュの再選は何としても阻止してもらいたい(ブッシュは自分の仕事上でも大いにデメリットありなのだ!)のだが、対抗馬としてのケリーもちょっと不安を感じるんだなあ。個々の政策を見ると、ケリーの方が良かったり、ブッシュの方がよかったりで、あまりにも課題が多くてどちらかに肩入れできないのも事実。

日本をなめきっているブッシュより、ケリーの方が日本政府にとってはいいかもしれないけど。


2004年10月07日(木) 取引先とゴルフ

朝はハンバーガーで遅めの朝飯を取ってから、客先訪問。
朝9時過ぎのファーストフード店には、かなり年配の老夫婦が時間をたっぷりかけて新聞を読みながら、黙々とハンバーガーを食っている光景を良く見る。日本でいう喫茶店感覚なんだろうか。

今日は嫌な話を伝えねばならなかったのだが、思いのほかあっさりと面談終了。
昼からは、この会社の社長と購買と技術の3人と、誘われていたゴルフへ出かける。気温も暖かく最高のコンディションであったが、とても緊張してボールが当たらない。

3人とももちろんアメリカ人。この会社はうちの会社が唯一の海外取引企業なので、みなさん英語をゆっくりしゃべってくれずに会話が早くて聞き取れない。色々話しかけてくれるのだが、なかなかうまく聞き取れずに申し訳ない気持ちになってしまう。おかげでゴルフどころではない。誘ってくれたのはうれしかったのだけど、最近はうまくサポートできていないお客なので、この親切は辛かった。

ゴルフが終わってからの夕食も、すっかりご馳走になってしまった。
こちらで支払いはさせて欲しいと伝えたが、全く相手にしてもらえない。いやいや、本当に恐縮しっぱなし。米系の客先からゴルフに誘ってもらったり食事をご馳走になった時は、1人前として認められたときだ、とよく言われるのだけど、実際にそうされると、慣れていないからか複雑な心境だ。まあ、この会社に対するサポートが恩返しと思ってこれから頑張ろうと思った。

ラウンド中からビールを誘われるままにがぶがぶと飲んで酩酊。
少しふらふらするくらい。早めに寝よう。


2004年10月06日(水) 寿司カウンター

出張2日目。
朝8時にボスを空港まで迎えに行って合流。そのまま取引先と商談。商談は長く昼過ぎまでかかり、昼飯も取る時間なく慌てて午後に別の取引先へ。
総じていい話が多く、逆に担当としては課題が山積み。でもいい傾向だ。

ボスとは別れて1人でホテルに戻る。
今日は気分も良かったので、午後7時前に日本食屋へ。寿司カウンターへ座って寿司を食べることにする。

ビールはSAPPORO RESERVEという見慣れぬビールを注文。初めて見たけど日本で発売されているのだろうか。
ネタを1つ1つ頼むのは面倒臭いので、お任せで上寿司の盛り合わせに中トロを追加で頼む。よく、寿司ネタの好き嫌いを言う人がいるけど、自分の場合は寿司なら何でもいい。どれも好きだから、その中で順位なんかつけられないのだ。本当に寿司がすきなら、これでいいと思うんだけどな。ネタはどれも結構。久しぶりの上品な味に満足。

少し食い足りなくて、カウンター越しの職人さんに追加を頼む。
この人、山本譲二そっくり。目の前に座った自分にも何も話しかけてこない。アメリカだから遠慮しているのだろうか。彼に上寿司の中で安そうなアジとハマチを頼む。

「お客さん、アジおいしかったですか?」山本譲二が突然聞いてくる。
こちとら安そうだから頼んだだけなのだけど、「ええ、おいしかったのでもう少しもらおうと思って」と適当に答えると、
「そうですか!やっぱりねえ。このアジ、日本直送なんですよ。九州で取れたアジです。」
「どうりでねえ。おいしかったですよ。」

こちらもカウンターにわざわざ座ったのでなめられてたまるか、と背伸びした回答をしてしまう。単に安そうだから頼んだのだけど、こんな言い方されるとなんとなくいい気分になってしまう。
丁寧に握られたアジは最高にうまかった。

山本譲二も気をよくしてきたか、話しかけてきた。

「景気はどうですか?」

う〜ん、普通の質問で返答に困った。
大人はこれをきっかけに話を膨らますのだろうか。


気がつけば、カウンターはアメリカ人で埋まってきた。
隣の40代くらいの夫婦はおしゃれ。奥さんもこぎれいでおそらく共働きのようだ。赤ワインで乾杯の前にカウンターでキス。いや〜、日本人じゃ無理だな。
カウンターケースの魚を指差して、これは何だ?と山本譲二に質問攻め。丁寧に英語で説明していた。

贅沢な夕食。チップ込みで60ドルなり。


2004年10月05日(火) デトロイト出張

出張でデトロイトに。
いつもの日本食屋で昼飯のカツどんを食ってから、取引先へ向かう。そうそう、日本食屋で黒人女性の店員が日本語を話して驚いた。別に黒人女性が日本語話して悪い事はないのだけど、やっぱり組み合わせとしては違和感があったな。

取引先では2時間半の商談。
相手のアメリカ人は3人。お偉いも出てきて、活発なやりとりについていくのがなかなか大変だった。理解度は5〜6割くらいといった所か。もともと日本語でも分からないような技術的な話も多かったからしょうがないな。仕事の話はなんとなく分かるのだけど、少し横道に話がそれるともう分からない。
色んな宿題をどっさりもらってホテルへチェックイン。

東部時間のここは、中部時間とは時差が1時間あるから、夜7時でもまだ明るい。
いつものようにどこかのファーストフードで晩飯を済まそうと思って車を走らせると、CHINESEのテイクアウトを見つけたので迷わず入る。
愛想のいい中国人夫婦が店を切り盛り。無難なフライドライスとスープを注文。注文を待っている間にも次から次へと黒人がやってくる。なかなかの繁盛店のようだ。少しの中国語で話しかけたら、えらく喜んで色々喋ってきた。すいません、分かりません、と答えて店を後に。
こうした中国人の移民(おそらく)を見ると、何でこんな黒人ばかりの暗く寒い街に来たんだろう、と思ってしまう。単純に。もちろん、彼ら(もしくは彼らの親か)の人生は自分のような凡人には想像を絶するものがあったのだろうけど、そんな心境が日本人駐在員の自分に理解できるわけ無いから尚更疑問に思う。
コーラを買ってホテルの部屋でわびしく夕食。

テレビではヤンキースとツインズの第一試合。
寒さが厳しい夜の8時20分試合開始。現在11時前だというのにまだ8回表。観客は大変だな。すっかり貫禄十分の松井がいるからやっぱり見ていても楽しい。調子は悪くなさそうだったけど、チャンスで凡退。残念。

試合を見ながらメールのチェックと簡単なレポートの作成。
東京本社からじゃんじゃんと携帯に電話が入るけど、今日は全く出なかった。大事な一件であればいいけど、心配性の本社担当が大した用も無いのにすぐに電話してくるのが分かっているから。ボイスメッセージが残されていないところを見ると、やっぱりそんなに大した用事じゃなかったんだろうな。


2004年10月04日(月) 今朝のイチロー記事に思うこと

アメリカでのイチローの取り上げられ方はやっぱり不満である。

今朝のUSA TODAY。
スポーツページに小さくイチローの記事が出ていた。

タイトルは、「RECORD OR NOT?」その内容を記載する。
→ SUZUKIがシスラーの記録を破ったのは160試合目。シスラーが1920年に257本の記録を達成したのは、154試合目であり、これは当時の試合数(つまり全試合出場)である。つまりSUZUKIは、154試合の時点ではシスラーの記録に7本届いていないのである。


全米の全国紙でこのようにイチローの記録が疑問視されている。
ようやく記事になったと思ったら、こんな内容だった。正直、ぐちゃぐちゃ言わないでもっと素直に祝福しろよ、と思う。

一方で、こんな内容でも日本人が記事になることそのものが誇らしい、とどこかで思う気持ちもある。

小泉首相、日本の政治、経済。こんな記事は、アメリカの新聞ではお目にかかる事すらない。

日本なんて全く相手にしていないぜ、そんなアメリカの気持ちが本当に身にしみるのである。


2004年10月03日(日) ICHIRO SUZUKI

先週水曜日から日曜日の今日まで、日本や全米各地からの出張者の連続jで対応におおわらわであった。
会食、打ち合わせ、ゴルフ、送迎、などなど。
その間、耳が痛んで水がでるわ、差し歯は取れるわ、イチローは記録を達成するわで大忙し。また、こんなときに限って、仕事も多忙。これまでに蒔いていた種が急に育ってきて、来週は急遽出張になった。まさにそんな一週間だった。

イチローの新記録については気になってしょうがないのだが、アメリカにいながらその情報を日本のネットニュースでしか取り出せない事にとても苛立ちを感じている。
時間があればESPN(スポーツチャンネル)を見ているのだが、記録達成の映像が出ない。西海岸ならともかく、中西部のこちらはカブスのワイルドカード争いのニュース一色であり、記録達成翌日の朝刊でもその扱いはとても小さかった。一体、米国中西部の何人がこの大記録の出来事を知っているのだろうか、と本当に思ってしまう。
自分がもし純粋なアメリカ人で野球にそんなに詳しくないのであれば、この記録は知らなかったかもしれない、と思うほど。

一方で台湾の昔の商売仲間からは、記録達成の日に祝福(?)のメールが届いた。アジアでも今回の記録はそこそこ報道されているのかもしれないな。

それにしてもイチローについては言葉無し。
あれだけ実力をみせつけられては多少マスコミサービスが旺盛でなかったところも、さまになる。実力があるからカッコいい。これは事実。

でも、これからも大変だろうな。首位打者を「指定席」と報道するマスコミ、それからファンは、イチローにヒットを求める。当然のように求める。記録達成が間近になったとき、一安打だけだった試合にもの足りなさを覚えた人も多いようだ。

記録も人気も金も名誉も手に入れた今、今後は並大抵のモチベーションで通用する世界ではない。

例えばゴルフでは最高の技術をもつタイガーウッズ。現在は実績を出せずに苦しんでいるが、やはりハングリー精神というか最後の気合が、世界ランク1位を奪われたビジェイに足りない、と言われている。そこそこ悪くない成績でも、不調時の報道内容は厳しい。

イチローもいつかはこのように、頂点を極めたものゆえの壁にぶちあたる時がくるのかもしれないけど、イチローはこれからもそんな世界とは無縁の気がする。

それにしても、もっとイチローを取り上げてくれ、アメリカよ。


2004年10月01日(金) 寒気到来 / 飛行機チケット

朝晩の冷え込みが日増しに強くなってきた。

こんな時に限って来客が押し寄せてきており、土日はゴルフをせねばならない。あいにく土日の気温は2〜3度程度まで落ち込み、強風+雨という最低の天気だ。そしてこんなときのゴルフに限ってメンバーは気を使わねばならない相手、しかも費用は自腹。しかも高いコース。ぶつぶつぶつ。

今日の昼飯は焼きそばUFO。1個2ドルで購入。ご馳走である。
お湯を入れて待っていた所、電話が入った。取ると他店の先輩からで、しばらく前の日本帰国の話やらで盛り上がった。電話を切って気がついたら30分経過。恐る恐るフタをあけると、ぶよぶよに水分を含んだ麺がぎっしり。これじゃウドンだ。お湯きりをしてもほとんどお湯は出ない。
それでもしょうがないので、ソースをかけて食べる。
マズイ。
せっかくのご馳走が台無しだった。

昼から来週の出張のアポとチケット予約。
飛行機のチケット価格は、1週間切るとその瞬間瞬間でめまぐるしく値段が変わる。昨日は200ドルだったデトロイト便が今日は400ドル。なんじゃそれ、と代理店に文句を言っても彼らもどうしようもない。しょうがないので、1泊増やして翌朝のフライトにすると230ドル。なんだか分からないなあ。

何日か前の新聞に、賢い消費者は夜遅くの安い時間帯のチケットを買って、STAND BYで1つか2つ前の便に乗り換えると書いてあった。
うまく空席があればいいけど、なけりゃあのつまらないアメリカの空港で数時間待ちぼうけだから、これも辛いだろう。

これからオヤジ軍団と会食。
つまらんなあ、と少しでも思うと顔と態度に出てしまうから、楽しみだなあ、と思わなけりゃ(無理だって)。


Kyosuke