嗚呼!米国駐在員。
<目次>戻る進む


2004年03月31日(水) アトランタのCNN

今日はアトランタへの出張。初めてのアトランタである。

朝5時出発。中部時間、朝4時過ぎから始まったヤンキースの開幕戦を15分ばかり見る。懐かしの東京ドームだったが、いやいや、久しぶりに見ると、観客というか雰囲気が異様すぎる。
内野席はネクタイしめたおっさんばかりが、とても行儀よくズラリ。ブーイングも拍手も歓声も少ない。客が入ってないんじゃないか、と思ったが、テレビに映される限りは超満員のようだ。
でも突然アメリカでのメジャーの試合のように盛り上がれっていったって、そりゃ無理だろう。
それにしても、こんな早朝から放映か。日本のファンはいいけども、アメリカのファンはチトつらいか。

アトランタ空港から車で2時間の取引先訪問は、午後1時30分のアポ。既に11時過ぎには着いてしまう勢いなので、たまたまハイウェイの途中で見つけたアウトレットで時間つぶし。のはずが、ついついナイキショップで約70ドルのお買い上げ。何やってるんだか。

まあ、これといったトピックもなかったので、面談は約1時間で終了。

帰りは夜7時の便だが、これまた早く空港に着きすぎるので、ダウンタウンで降りてCNNに行ってみる。
ビルの中では観覧ツアーもあって申し込もうとしたが、さすがに時間がなく断念。 CNNのビルはOMNI HOTELと完全にくっついており、世界から集まった特派員らしき、いかにもスマートに見える人たちが闊歩していた。一緒に出張した同僚は、CNNポロシャツなんて買ってたけど、観光客向けのショップも充実。

仕事だかなんだか分からない1日であった。

明日は、朝6時出発。デトロイトまで5時間のドライブのあと、日本からの取引先と落ち合い、顧客訪問。
これまたハードな1日となりそうである。


2004年03月30日(火) モノの価格が上がること

今日29日の朝刊で、目を引いた記事2件。
1つはヤンキース松井の写真。東京ドームで凱旋帰国、古巣の巨人相手にホームランで恩返ししたとの記事。いい所見せて、本人もたまらなかっただろう。
投げていた巨人のピッチャーが誰だったかも知りたかったのだが、当然そんなものは書いていなかったな。

2つめは、価格上昇の話。
シカゴ郊外のレストランは軒並みメニューの価格を上げる動きとなっているとして、22年ぶりの値上げをしたあるインドレストランの例を取り上げる。平均して15%ほどの値上げを実行したが、意外と客は気にしていないという。
これはひとつの例であって、特にテロ以降はあらゆる価格が下落してきたのだが、この数ヶ月はこの流れが反転して価格が上昇してきている。

最近では庶民の懐を刺激しているのはガソリン値上げだろうが、現在最も値上げ幅が大きいのはスクラップである。
北京オリンピックを控えた中国が折からの建設ラッシュで、かつてないほど大量の鉄鋼製品が必要となっている。このため、世界的に鉄資源が不足してきており、スクラップは昨年の倍以上の価格となっているようだ。建築関係はもちろん、そのほとんどが鉄である自動車の価格への影響は、中長期的に見れば必ずや出てくるであろう。 
値上げが数%の話であれば社内のコストダウンの範疇だろうが、100%も材料代が上がればいくら自動車メーカーとはいえ、製品に転化しないとやっていけないと思われるからである。
車を買う予定があるならば、値段が上がる前の今がチャンスかもしれない。

記事によれば、こうした値上げの動きを悲観視していないどころか、多くの企業は歓迎しているという。自分も全く同感である。幸いにも、昨今の値上げ環境にも関わらず、取引先企業及び顧客は、じゃあ買わない、と言うどころか、それでも欲しい、という志向らしい。
安けりゃいい、というデフレの時代に各企業はしのぎを削った。こうした動きは今後も残るだろう。 しかしながら、安さだけを求めることは、同時に今の世の中になんともいえない閉塞感がただよう原因にもなっているような気がする。インフレまではいかないにしても、金がより動くことで世の中が活性化すれば、それはそれでいい事だ。どの企業も適正な利潤を取れる環境になれば、申し分ないに決まっている。
 
もっとも、世の中の流れに沿って、給料の方もそれなりに上げてもらわないと困るのだが。


2004年03月29日(月) 返品するにも限度あり

のんびりとした日曜日。気温も60度近くまで上がり過ごしやすい。昼から大雨になるが、春の兆しと思えばうれしい天気といってもよいか。

昨日のスポーツジムの話だが、今日は2階のダンベルコーナーの奥で、なんと美容師の卵らしきが10人くらい集まってマネキンの頭に向かってカットの練習をしていた。まったくもって、なんでやねん、である。
スーツを着た講師らしきの指導のもと、生徒は若い女性からおばさんから黒人のおっさんもいた。それにしても、ほとんどがコーラ飲みながらガムをくちゃくちゃ噛んで、マネキンの頭を見よう見まねで適当に切り刻んでいるのだが、こんないい加減な態度でカットされた方はたまらんな、という人が多かったな。といっても、実際の美容師もこんなのばかりなのが困りものだが。
こんな風景をバーベルをえいや、と持ち上げながら見ているのも、おかしな感じだった。
一体、何でこんなところでやっているんだろうか? でも周りは誰もそんなことを気にせず、何もないかのように自分のトレーニングに専念していたのも、また異様な光景であった。

午後には近所のHOME DEPOという巨大ホームセンターに行く。
実は自分のピックアップトラックの荷台部分をいじる為のドライバーを昨日購入したのだが、違う形を買ってしまったので返品して取替えようと思ったのだ。

どの店でもそうだが返品コーナーには長蛇の列。いくら購入後90日は返品可能とはいえ、こっちの人はそれに甘えてとにかく買って気に入らなきゃ返せばいいや、くらいにしか思ってない人が多いようだ。返品にはそれなりにやむを得ない場合も多いのだろうが、客にも責任はあるはずである。この列でも驚くべき光景がよくみられる。

前に並んでたのは、なんとバスタブを荷車に乗っけたおばちゃん。もってたレシートを見ると、1ヶ月前の購入で400ドル弱の買い物。明らかに箱はボロボロ。こりゃ、返品もめるんじゃないかな、と思いきや、対応した店員は箱の中身も見ずに、あっさり金額を返却してるから、分からないものだ。他にも使いかけのペンキ缶を持ったおばあちゃんもいたな。
返却された品物は、無造作に山のように積んである。これ、元の商品棚にそのまま戻すんじゃないか、と不安になるが、多分そうしてるんだろうな。 人が使った後のバスタブなんて買ってしまったらショックだよな。

そういえば前に見たのだが、電気屋の返品コーナーで、プレイステーションのソフトを3つくらい持ってきて返金を求める兄ちゃんがいた。おそらく、ゲームに飽きてしまって持ち込んだのだろうが、いくら自分は店にも無関係だとえ、さすがに頭にきたな。ここは中古ソフト屋じゃないんだから。もちろん、店員も突っぱねるのが当然だろうけど、「自分が損する訳じゃないから」という理屈で、何も考えずすぐに返金に応じてしまうのが一般的という。

ちなみに、私の前任者の奥さんは、8年にわたる駐在生活の最後には、この返品を当たり前のようにしょっちゅうやっていたという。聞いた話では、旦那の服やネクタイを買うのに好みが分からないからいくつも適当にとりあえず買って、家で旦那が気に入らなかったものは、返品しにいく。そんな事を平気でやってたらしい。

ほんまに恥ずかしい話、最低、最悪である。


2004年03月28日(日) 戦力外プロ野球選手 / スポーツジムでの疑問

特に予定のない贅沢な土日。朝は久しぶりに11時まで熟睡で疲れも回復。

昼からはいつもの通りジムで軽く運動する。
このジムも毎週のように通っており、たいていの事は見慣れた風景になっているのだが、よく考えれば「なんでや?」という事はまだまだあるのである。

ちなにみ今日気がついたこと。
受付からロッカーまでの一角にはちょっとしたコーナーがある。いつもは、健康食品や栄養食品を売っていたり、簡単な整体をやったり、運動の本を販売している。なんとそのコーナーで、今日は家を売っていた。小さな特設カウンターを作り、オッサン2人がまじめそうに座っている。OPEN HOUSEの看板も立っている。
なんでスポーツジムで家を宣伝するのか、さっぱり分からんな。前にここでBMWやVOLVOを宣伝していた時も驚いたのだが、今回は驚くよりも、営業とはいえ休日の昼下がりにスポーツジムで家を宣伝せねばならない、大変だなあ、と不憫に思ってしまった。もっとたまげたのは、運動後だろうか、Tシャツと短パンで汗を拭きながらカウンターに座って説明を聞いている人がいたことだ。何もそんな時に家の説明聞かんでも、と思うのだが。

そうそう、ロッカーでもおかしなオヤジがいた。
ここのジムではスポーツタオルとバスタオルが使い放題で、いつでもどこでも洗濯したてのキレイなタオルが自由に使えるようになっている。でも、ロッカーで着替えていると、そのタオルで必死に自分の靴を磨くオッサンがいた。最初は自分の靴磨きようの布だと思ったのだが、間違いない、備品のタオルで一生懸命拭いていた。
こちらも注意をしようと思っただけで結局何も出来なかったのは情けないが、こんな常識ないオッサンがいるのも困ったもんだよなあ。


夜は、日本のテレビ番組、大好きだった「ZONE」を4本連続で。といっても、これはついに借りてしまった日本の番組のレンタルビデオ、1泊2日で75セント。タダでテレビ番組録画するだけで、ずるい商売だよな(だったら借りるなよ)。

K1の子比類巻や、スケートの大菅、レスリングの山本などが特集されていて、一気に見た。4本とも実によく出来た内容でそれなりに得るものがあったのだが、特に印象に残ったのは、戦力外通告を受けたプロ野球選手のその後がテーマのもの。何人かの選手が出てきたけど、活躍してた巨人の高野やダイエーの大越までが、昨年末に戦力外通告でプロ野球の世界から離れていたとは知らなかった。

ZONEでは毎年同じ特集があるのだけども、何故今回印象に残ったか。それは、クビ通告を受けた選手がまさに自分と同じ世代だということ。30前半〜半ばの選手が多い。大越が甲子園で活躍していたときには、自分は浪人中で、ろくに勉強もせずに仲間とタバコを吸いながら、喫茶店のテレビで彼の活躍を夢中で見てたのを思い出した。
大越は高校野球の監督を目指して、再受験を決意。高野は民間企業へ。2人を見て、自分もやろうと思えばまだまだ新たなフィールドで頑張ることが出来るのだ、と思わされた。

もっとも、甲子園のアイドル島田直也は、自分はこの先も野球だけ、野球以外はありえない、と過去のプライドを投げ打って、打たれる事が仕事である打撃投手となる。 これも立派な生き方、1つの道を信じて生きることの素晴らしさとカッコよさを感じ、器用な生き方でない点が実にうらやましかった。

本来の番組テーマは、プロ野球選手も華やかにみえる世界の裏の厳しさ、みたいなものが主眼なのだろうが、そんな一般的なものよりも、自分の人生を振り返させるような番組であった。

番組を見ながらついつい久しぶりにバーボンの一杯でも飲みたくなってしまったが、そういえば家にはそんなもの用意していなかったな。


2004年03月27日(土) 春の基準は? / 自動車パーツ /中国企業

今週に入り通勤途中の道路に、タヌキや狼?みたいな小動物が車に轢かれて転がっている姿が目立ってきた。
死んでしまった動物は気の毒なのだけど、動物が冬眠から覚めて動き出したという事は、つまりはいよいよ春の訪れである。(それにしても、なんちゅう基準や)
今日は本当に久しぶりにコートがなしでも寒さを感じなかった。冬があまりにも長くて、しばらく本当に忘れていた穏やかさが戻ってきた。

今日は朝から自動車のパーツ屋を2件、それぞれ頼んでいたパーツをトラックに取り付けてもらってから、昼前に出勤。こちらの自動車関係のアフターマーケットの修理工場は、何故か月曜から金曜の9時5時のみ開店という、まさに公務員のような時間帯しか営業していないのが困りものである。自動車大国アメリカで、不思議と言えば不思議なんだが、オートバックスやイエローハットのような店舗が全くない。あっても規模も小さく、おいてある商品もお粗末そのものなんだなあ。そういえば日本人のように、車を手を加えているのもほとんど目にしないな。 これでひとまずは、トラックが満足する形に仕上がってきて満足。

仕事の方は穏やかそのもの。
みんな「Happy Friday!」「Have A Nice Weekend!」と声を掛け合い、毎週金曜日の午後は取引先もほとんど休業状態なのか電話もかかってこない。よって、取引先に嫌な報告をせねばならない時はなるべく相手の気分がいい金曜日の午後に伝えるようにしている。今日も、嫌なメールを1本打ち逃げ。
まあ、だからどうだと言うと何も変わらないのだろうけど、単に気分的な問題。

最近は中国の企業に色々とアプローチをかけているのだが、中々反応が鈍い。彼らも国内が活況を呈しているので、アメリカとの取引どころではないのだろう。 うちの会社も中国に現地法人があるのだけど、もう新規投資案件が次から次へと山のように入ってきており、毎日のように日本からの客先アテンドで大忙しのようだ。
アメリカでのんびりと生活していると、中国のこうした活況振りはうらやましい反面、やっぱり当事者になると大変だろうな。数年前に台湾に長期出張したが、毎日お客を連れて中華料理、その後2次会3次会と深夜まで飲んでいて、翌日は二日酔いでほとんど日中は仕事にならず、そしてまた夜は接待を繰り返す。
アジアの駐在員はほんとうに体力勝負、酒も強くなけりゃつとまらない。

もうすっかりアメリカ生活どっぷりの自分は、そんな生活には戻れないだろうか。


2004年03月26日(金) ガソリンが高いと外出を控えるか / 電話会社への苦情 その後

アメリカのガソリン価格の平均は、US$1.743(1ガロン)となり、過去最高値を記録した。1リッターあたり50円程度である。
ガソリン価格の高騰は、原油価格の上昇やエネルギー需要の増加、米民間の石油在庫の低下などが組み合わさっておきており、ガソリン需要が増える4−5月以降はさらに平均$2-2.30まで高まるだろう、という声もある。これは大統領を狙う民主党ケリーが、共和党ブッシュ政権を政策失敗を主張しようと、単に消費者の不安をあおっているだけなのか、いずれにしても、大統領選の影響も出てきそうだ。
日本もガソリン価格は上昇しているのだろうか。

一方で新聞紙上では、この高騰が早くも春休みや夏休みの旅行シーズンへの影響が出るのでは、という記事があった。 USA TODAYには、車種ごとにニューヨークからマイアミまで往復した場合のガソリンコストが出ていたのが興味深い。 Suburban(Chevy)の場合は$337(184gallons), アコード(Honda)-$168(92 gallons)、そしてプリウス(Toyota)はたったの$92(50ガロン)。サバーバンとプリウスの差は$245もある。こう具体的数字で出されると、 う〜ん、エコ車はお得だな、という感が強くなるな。家族4人で旅行しても、贅沢しなければ2日分の食費は十分に出てくる。
もっとも自分の場合は、せっかくアメリカにきてまで窮屈な日本車に乗る気はさらさらない。よってこんな記事は何の影響も受けないのだが、うちのスタッフなんかに聞くと意外と影響を受けるアメリカ人は多いようである。


昨夜は開高健の「二重壁」という短編小説を読んだ。
なんだか意味の分からない結末。時代が時代なのか、とにかく暗い。暗すぎて後味が悪い。

今日はボスが出張中で、仕事中は伸び伸び。
いたらいたで、そんなに気も使わないのだが、やはり、突然、あれしろこれしろ、これはどうなった、おい、昼飯いかないか、などなど言われると、それはそれでうっとうしいものである。

そういえば、悪名高きにっくき電話会社、SBCからの請求書が来た。(詳しくは 2月13日 日記参照)
見ると、頼んだ覚えもなく先月請求されたSBC Yahoo! $25の請求は今月はきていない。よしよし、さすがにあれだけ文句言ったから、こっちの怒りも通じたんだ、と一安心。ところが、「先月に請求した$25は、まだ支払いがされていませんので、今月に加算して支払って下さい」と書いてある。馬鹿いえ。これじゃ、しょうがないじゃないか。
慌てて昼前にSBCに電話をかける。でも、先般の日記を見た方から「日本人のオペレーターがいるはずなので、トラブルは日本人に頼む事をおすすめします」という、有難いメールを頂いたことを思い出した。
電話に出てきた早口の女性に早速日本人に変わるよう頼むが、「日本人のオペレーターもいるけども、私が聞くわよ。どうされました?」と言う。
まあ、そこまで親切に言ってくれるのにごねるのも嫌だな、と思い用件を話すと、「翌月の請求から引きます」という。 何や、やればできるじゃないか、と思い電話をきろうとすると、始まった始まった、怒涛のようなセールスが。「長距離入っていないようだけど、こんなプランはいかが」「よくかける番号にはこんなお得ダイアルプランが」「インターネットサービスの新しいのが出ましたよ」こっちの抵抗などモノともしない攻めっぷり。 こっちも相手にせずに無視して切ってしまうのはとても簡単なのだが、このお姉さんの気を悪くして、清算処理を進めてくれねば元も子もない。過去にはそんなことがあったのだ。何とか10分くらいで切り上げることが出来たが、果たして無事にこれで解決となるのだろうか。


2004年03月25日(木) 石原慎太郎「太陽の季節」

今日は、昨年度の評価面接。NYの社長とテレビ会議で面談。
予想したよりあっさりと終了したが、それはそれで不安になるものだ。(←どっちやねん)

昨晩は、石原慎太郎の「太陽の季節」読了。
何故今更アメリカで「太陽の季節」か?  昨年末、オフィスの倉庫を整理していた際に、ダンボールに入った日本文学全集なるものを発見。夏目漱石から太宰治から蒼々たる作家の代表作。昭和40年代発行。全部で50冊くらいあるか。おそらく当時の駐在員が日本から送ってもらったのだろうか。 見たところ、人が読んだ形跡は全くないが、いい暇つぶしが出来たので、1冊ずつ持って帰って読むことにしたのだ。

1955年、23才の大学生だった石原は小説「太陽の季節」を書き、芥川賞を受賞した。まったく初めてのこの小説を、彼は3日で書き上げたたしい。
「太陽の季節」はお金持ちの家の出の大学生仲間の話。仲間と遊びまわっている拳闘部の竜哉は、街で英子に声をかけて知り合う。彼女も遊びまわっていたが、竜哉に純愛を傾けるようになる。
しかし竜哉は英子を困らせるような態度をとるようになり、兄に彼女を譲る密約を交わしたりした。竜也の嫌がらせにもめげずに一途の態度を貫く英子は、やがて竜哉の子を身篭ったことを告白する。竜哉は最初は生むことを了承したが、子どもを抱いたチャンピオンの顔がだらしかなかったのを新聞で見て、中絶するように言う。妊娠四ヶ月を過ぎていたため帝王切開を行なった英子は、なんと腹膜炎を併発して死ぬ。

葬式の席で香炉を英子の写真に叩きつけた竜哉は目に涙をためてジムに向かい、ふと英子の言葉を思い出す。
"―何故貴方は、もっと素直に愛することが出来ないの..."

確かに一見滅茶苦茶な話で当時は批判もかなり多かったが、若者たちの共感を呼んだ。「時代性」と「新しい感性」が受けたようだ。確かにこれは、美しい青春、という当時ははやりの文学とは異なり、堂々と悪さを選ぶ若者を描いたという点での異色性はあったのかもしれない。

それにしても石原慎太郎、今も元気で暴れん坊してるのだろうか。
誰の言いなりにもならないぞ、という強い態度が大好きである。暴言が多いと言われても多くの人が支持している事からすれば、実は誰もがこの暴れぶりを見たいのだと思う。そして、国民はやっぱり誰かを頼りたい、どうせなら大きいことぶち上げるこんなオヤジを頼りたいのだろう。


2004年03月24日(水) いかりや長介の思い出

遅ればせながら、いかりや長介さんが亡くなった事をしった。
こちらでは普段日本の芸能ネタなんて全く話さないし、興味もなくなってきたのでどうでも良かったが、このニュースだけはショックだった。 会社の後輩に「おい、いかりや長介が亡くなったって」と言ったら、えっつ!?と驚いていた。彼も全く知らなかった(23日現在)

もう日本じゃ、新鮮なニュースじゃないのかもしれないけども、その取り上げられ方は想像がつく。こういうコメディアンって、死んでしまった後に、えらく持ち上げられるんじゃないかな。ドリフは大好きだったから、その当時からもっと評価されても良かったのに。

ドリフ全盛期は、ひょうきん族が始まる前だから、自分が小学校の時だったか。もうこの番組が大好きで大好きで、世間じゃ子供の教育に悪いなんて言われてたけども、うちでは何も言われなかったな。

そうそう、当時は船橋に住んでいたのだが、ららぽーとかヘルスセンターで全員集合のロケ参加に抽選で当たった。この日をどんなに楽しみにしていたか、夜も寝れないほど興奮したな。
しかし、当時は野球部に入っていて練習が嫌だったかでなんとなく幽霊部員になっていたのだけど、ロケ当日、土曜出勤で早く帰ってきた親父が、これに激怒。「今日、練習に行かなければドリフに連れて行かない」と言われ、泣いた思い出がある。
今更顔を出して、先輩や先生に怒られるのも嫌だったのだが、結局ドリフ見学の魅力には勝てず思い切って練習に途中参加した。結局、この時の練習参加がきっかけで、最後はエースピッチャーにまでなったのだからドリフ恐るべしか。

確かロケでは、松本伊予が「伊代はまだ16だから〜」とステージで歌ってた。コントも歌も演奏も、本当にぶっつけ本番で楽しんだ。そしておなじみのコント、いかりやが犯人を追うシーンで、犯人の志村がいかりやの後ろをちょろちょろする。会場の子供達は揃って「後ろにいる!後ろ〜!」と叫ぶのだが、いかりやはすっとぼけて気がつかない。それを見た子供達(といっても自分が)、いかりやに本気でイライラしてしまう。

生コントが出来る5人組のドリフターズ、そんなグループはこの先出てこないんだろうな。


2004年03月23日(火) 目標評価

昨年度の実績評価及び新年度の目標設定がまっさかりである。
といっても、去年の今頃は東京で毎晩の送別会でヘロヘロになっていた時期なので、そもそも自分の2003年の目標そのものが、前任者が作ったもの。 よって、本人も責任感のかけらもないのが困りものである。(←それじゃいかんだろうが)
確か、1年前の赴任直後に「お前の今年の目標はこれや」と言われてサインさせられた覚えはあるが、初めてアメリカに来て右も左も分からないものに、仕事の目標もへったくれもない。
それこそ当時は書いてある難易度どころか、その内容が何なのかさえもさっぱり分からなかった。まさになすがままで、自分の2003年度の目標とさせられたのである。

実はそんなことがあった事すら忘れていたのだが、突然これに自己評価を書いて提出せい、と言われた。
幸い、ボスがファイルで保存していたものの、自分でも持っていなかったのだからお粗末なものだ。その目標を見て愕然とした。今なら、少なくとも立てられた目標の内容程度は分かる。 なんじゃ、こりゃ!?こんなの何もしていないやんけ、という項目ばかり。いやいや、人がやる仕事とはいえ、派手にぶち上げたものだな、前任者。 まともにやれば評価をつけるどころか、何もしていないんだから、もう全く評価対象外なのである。

開き直って、素直にそのまま書いて出したら出したで「これじゃ、1年間何もやってないみたいじゃないか」と指摘された。と、言われてもなあ。一体、何でこんな訳の分からんものの評価に、時間かけて最後は現地法人の社長に面接までされないといけないんだろうか。やれやれ。

まあ何を言っても言い訳なので、あまり引っ張りたくないのだが、これもサラリーマンのつらい所。数字は数字で出さねばならないが、目標は目標で達成せねばならない。 ただ、これだけ動きの早い御時世で、1年前に立てた目標に固執した者が良い評価なんて、おかしな話だと思うんだがなあ。
こんなんで給料決まるんかいな?
もうどうでもいいから、お偉い方との堅苦しい面接だけはご勘弁願いたいのだが、そうはいかんだろうな。


2004年03月22日(月) ガソリン価格上昇とハイブリッド車

去年アメリカで一番売れた車はトヨタの「カムリ」。年間40万台以上が売れる。
トヨタは2006年にも、このカムリに対してガソリン・電気モーター併用のハイブリッド車を導入する方針を固めたという。
現行のハイブリッド車「プリウス」は価格も高く、アメリカではあまり売れていないようだが、2年連続でベストセラーカーに選ばれたカムリのハイブリッド化は、量産効果で価格も抑えられ、米ビッグスリーも対応を迫られるのは必死と言われている。

それにしても、どこまでトヨタは強いのか。
これで間違いなく、環境対策車を巡る競争には圧倒的にリードしているといえるだろう。米国ビッグスリーもその将来性は認識しながらも技術が伴わなかった。既にトヨタがハイブリッド技術に特許の網を張り巡らしており、フォードや日産のように、ライセンス料を払って技術契約を結ぶほかはない。
まさに一人勝ち、うーん、実にうらやましい。

一方、最近アメリカでは、ガソリン価格も過去最高値($1.737/ガロン)付近まで上昇してきている。平均でレギュラー$1.723(1ガロン=約3.9リッター)だという。それでも1リットル当たり約50円。日本と比べれば、それでもまだ半額程度なのだが、国土も比べ物にならないので、意外とガソリン代は馬鹿にならない。
こんな傾向が低燃費のエコ車販売に影響すると思いきや、新聞によれば、逆に燃費のよくないSUVやワゴン車の売れ行きが好調という。この2ヶ月の販売傾向は、SUVが昨年に比べ18%の売り上げ増、一方で自動車全体で見れば4%の落ち込みである。
記事によれば、消費者のほとんどは、ガソリン代が3ドルを超えてもエコ車は買いたくない、と考えているという。 家族みんな揃って車に乗り込み、ボートやトレーラーを引っ張り休日を楽しむ、こんな風景が当たり前のアメリカでは、確かにエコ車への乗り換えという意味ではそれほどではないのかもしれない。

しかし、1人1台は当たり前のアメリカ社会。
通勤風景でかなりよく目にするカムリの燃費が著しく向上するならば、それにとびつく顧客が多い事は間違いないだろう。

自分の場合は、せっかくアメリカに来て日本車は乗るつもりはないので、こちらのスタッフなんかに首をひねられながらも、迷わずアメ車に乗っている。それなりの迫力とパワー、個性的なデザインは、日本車では味わえないものであり、とても満足している。 それにしても、あまりの燃費の悪さ(ガソリンスタンドでの驚くべき支出)を考えると、もうちょっと何とかならんのかいな、とついついぼやいてしまうのだが。


2004年03月21日(日) 松井 チケット / 「白い巨塔」 読了

今週のハードな出張日程のせいか、せっかくの土曜の朝だというのに起きた瞬間身体がだるい。
それでも久しぶりに晴天に加え、60度まで気温も上がったので、昼前にぶらりと外出。車のパーツ屋を2件ほどぶらりと冷やかし、ついつい金を使ってしまったが、あっさり午後2時には帰宅。

どうも風邪気味でジムにも行く気がせずに、ゴルフ中継を見る。
せっかく丸山が上位でトップ争いしているのに、画面はジョンデイリーばかり。1時間ばかり見ていたが、その間、楽しみにしていた丸山もほとんど映らず、気がついたら寝てしまった。それにしてもジョン・デイリーはアメリカのゴルフ選手では珍しく、お構いなしにプレー中に頻繁にタバコを吸う。ショットの直前にタバコをその辺に放り投げるんだが、そんな彼の豪快さも人気があるんだろう。
日本じゃジャンボ尾崎もコースでタバコを吸う姿がよくテレビに映っていたが、丸山はそんなイメージがないなあ。でも、昨年ツアーに行った時、丸山は調子悪くかなり順位を下げており、ギャラリーも数人だったからか、ラウンド中でもかなりのヘビースモーカーぶりだったのに驚いた記憶がある。テレビ中継されるときはタバコなんて吸ってないんだけど。やっぱり、彼もイメージを大切にしているんだろうか。


会社から持ち帰った1週間前の日経新聞を見ていると、メジャーリーグの観戦ツアーが大人気と書いてある。
特に日本人対決は人気が高く、チケットの確保に苦労するという。
ふと気がついて、高津投手が入ったホワイトソックスのホームページを見ると、ヤンキースと4月に対戦するようだ。何気なしにチケット購入のページに進むと、まだまだチケットがあまっているじゃないか。
しかもレフトを守る松井の前の3塁側の前列指定席もある。その場で迷わず購入。いい席にも関わらずたった35ドル。球場までは車で40分位か。うーん、贅沢である。 
これが日本で買うとなると、ブローカー手数料やらなんやらで、かなり高くなるんだろう。
アメリカに住んでいてよかった、と思うささやかなひととき。

昨晩のブリトニーのコンサート中止は、今朝の新聞の一面で報道されていた。
ひざを怪我したそうだ。なにせ、冗談で婚姻届を出して式まで挙げてしまうお方だけに、気まぐれで中止かいな、と最初は思ったのだが、怪我じゃやむをえない。チケットはしばらく持っておくように言われのだが、過密なツアースケジュールの中、再公演などできるんだろうか。
これが貴重なプラチナチケットになるのかと期待する、いや、ならないって。


カナダからの出張の帰りの飛行機、膨大な待ち時間で一気に「白い巨塔」をやっと読了。
改める必要もないが、原作の内容の濃さと内容の充実度、これまで読んだ小説の中でも最高ではなかったか。
わざわざ日本から取り寄せてよかった。

最後は財前が癌になって死亡するとは思ってもみなかった。
前半では、財前の能力と政治力、男として表面的な強さみたいな部分にあこがれる気持ちもあったのだが、最後まで突っ走って、あっさり死んでしまうのでは、一体彼は自分の生き方に満足したのだろうか、とやりきれなく思った。
自分も強い人間にはあこがれるんだけど、果たして死期を迎え人生を振り返ったとき、財前のような強さばかりを求めていたらとても後悔するかもしれない、と感じ、そしてとても恐ろしくなった。
もっとも、財前の場合、あれだけ敵も多かったのだが、最後は自分の元に戻ってきてくれる人も多かった、ある意味では実に幸せな男である。 
里見の生き方は理想だとは思うけど、果たして今の自分にはそんな生き方が出来るかといえば、難しいだろうな。

単なる医療裁判の話と思って読み始めた小説だったが、実にいろんな事を考えさせられ、最後は文章を読んでいくのに、ひどく重みとためらいさえ感じた。
日本のドラマはどんな出来だったのだろうか。気になるな。


2004年03月20日(土) ブリトニース・ピアーズ コンサートは・・・

最悪な1日だった。
風邪気味の中、久しぶりの出社で案の定机の上は大混乱。
7件入っていたボイスメールを順番に聞いた後に、見たくもないメールの山をチェックしようとすると、パソコンがうまく立ち上がらない。何度トライしても途中で画面が消えてしまう。強引に電源を切ったりつけたりしたが、昔のテレビじゃないんだから、そんな事をした所で復活せず。粘って30分ばかりやっていたが、うんともすんとも言わない。結局あきらめて、業者に数日間パソコンを預ける事にする。
データが復活してくれることを祈るしかない。

といっても、仕事関係のものは全てパソコンに入っているから、パソコンなしじゃ何も仕事にならないんだなあ。こんな時に限って、尻に火がついたような案件が山積み、しかも取引先からの問い合わせが多い。回答しようにも、どうにもならない。メールアドレスも電話番号もパソコンの中だしなあ。

更に悪いことに、NYの社長から年俸面接をするから至急資料を提出せよ、との連絡を受ける。といってもそんなデータも全てがパソコンの中だしなあ。
事情を説明した所、「一体どんな管理をしてるんだね?パソコンつけっぱなしで出張に出たのか?ウィルスばっかじゃないのか?」などとグチグチ言われたが、そんなもん理由はこっちが聞きたいよ。

という訳で、今日は諸案件に何も対応できず。
日本時間で月曜の朝、つまりこちらで日曜の夜なんだけど、東京本社から「全く返事がないけど何やってるんだ、困るじゃないか」という類の電話がかかって来る事は目に見えている。返事どころか、こっちはメールの受信内容も確認出来ないんだよ、やれやれ。
パソコンも不便なんだか便利なんだか。これからは万一に備えてバックアップしとかなきゃな、と決意する。(結局面倒くさくて、やらないんだろうが)

夜は午後7時30分からのブリトニー・スピアーズのコンサートに行くつもりであったが、昼過ぎに連絡が入り、突然本日の公演がキャンセルになってしまった。うちのスタッフがどこから聞いたのか、「彼女は怪我をしたようだ」と言ってたけど、一体何があったのか。 もし気まぐれでキャンセルされたんならば、たまらないけどな。
別に彼女の大ファンという訳ではないから、しょうがない、あきらめるしかないと思うけど、なんだか気分の悪い1日であった。


2004年03月19日(金) やっぱり遅れたUNITED

雪が積もる中、今日も朝から客先を訪問。
1件目では、ロバート・デ・ニーロに似た南アフリカ出身というマネジャーに仕事のトラブルでえらい怒られた。が、話している内容は最もであり、むしろそのうまい説明に恐れ入ってしまう。不思議に、こういう人とは商売をしたいな、と思わせた。問題を起こしたのはこちらだが、勝手なものである・・・。
帰り際に、我慢できずに「デニーロそっくりですね」と言ったら、そんなことないよ、と照れて笑ってたな。

無事に全日程を終え、イミグレーションで簡単な質問を受けて、初めて指紋を取られる。そして、午後5時30分トロント発の便でシカゴに戻る、、予定だったのがそうはいかなかった。
最初のアナウンスで1時間遅れる、と。近くのレストランでビールを飲んでいたのだが、1時間たっても全く搭乗の気配なし。
近くの客に聞くと、飛行機渋滞(夕刻はよくあるのだが)で、更に遅れそうというので、もう一杯ビールを頼んだところ、突然搭乗が始まった。名残惜しくも、ほとんど口をつけずに慌てて会計をすまして搭乗。
ところが、目的地シカゴの受け入れが混乱しているとの理由で、搭乗したまま約1時間30分機内で缶詰。
これは辛かった。乾燥する機内で飲み物もなく身動きも取れず。ようやく動き出した時には疲労困憊。
時差もあるので、もともと6時過ぎにはシカゴに戻る予定だったのが、結局9時半。

国内便はよく利用するが、時間通りはほとんどない。だけども、今日は本当にまいったな。
すっかり喉の調子が悪いのだが、これは風邪の兆候の気がする・・・。


2004年03月18日(木) 睡魔が襲う、出張3日目

昨日のホテルは部屋が異常に乾燥しており、夜は水分補給で喉を潤しながらの睡眠。
寝不足のまま、今日も朝から精力的に4件の取引先回り。

見知らぬ土地に加え、全て会う人も初対面、おまけに仕事内容もこれまでとは違う分野で相手が話す内容の理解も乏しく、午後の2件はほとんど覚えていない・・・。相手のスピーディな英語がここちよい睡眠を促すんだな、これが。こんな所で寝ちゃいかん、と念じながらもまぶたが落ちてきて大変だった。
なんとか予定をこなした所で(ほんとうに‘こなした’というか過ごしただけだが)、夕方から明朝の面談に備えて車で4時間ほど東へ向かう。
今回のレンタカーはボルボステーションワゴン(当たり!)、道路もまるで日本の道路のように走りやすくアメリカとはほんとうに比べ物にならない。そういえば、カナダの有料ハイウェイは料金所が全くなく、ナンバーか車体番号をどこかのポイントで自動で読み取り、後日自宅に請求が来ると言う。同僚に聞くと、出張は当然いつもレンタカーなので、レンタカー会社から会社あてにきっちり請求が来ているとの事。料金といっても数ドル程度、料金所がないのでいらぬ渋滞は起こらないし、実に見事なシステムである。それにしても、全ての車に信号を送る機械がついているのだろうか。レンタカーのどこを探してもそんなものはなかったが。ましてや、アメリカから自分の車で乗りつけた場合は、一体どうなってしまうのだろうか?
いずれにせよ、厳しい自然条件の上に広い国土にも関わらず、これだけ道路が整備されているカナダには関心するなあ。

昼はトロント郊外の中華街のようなところで、スパイシー・フライド・ライス。たった3.9カナダドル。
アメリカに来てから多くの中華を口にしたけど、ここの焼飯は間違いなくNO.1のうまさであった。量は多くて食べきれないほど。
夜はKINGSTONのホテル近くのフランス系料理。ホテル受付のスペイン系お姉さんに紹介してもらったまま行ったのだが、上品なムードの中でも店内は活況。野郎2人で入るのは残念だけどもしょうがないな。 コース料理で、迷ったあげく何故かメインにステーキを頼んでしまい失敗。 ステーキなんてアメリカでいつでも食えるのになあ。何やってるんだか(後悔)。

食後、寒風で耳が千切れそうな中をホテルまでとぼとぼ帰る。
今日17日はセントパトリックデイとやらでアイリッシュの日。バーというバーが若者で賑わっていたが、こちらはもうくたくたでわき目も振らずホテルに戻ってきた。明日は最終日。


2004年03月17日(水) カナダ出張2日目、トロントは吹雪

いよいよ今日から本格的な取引先回り。
朝から激しい強風の上に真っ暗な空、いやな予感はしていたが、1件目の訪問を終えた頃にはすさまじい吹雪。大雪の中を、スケジュール遅れながらも何とか予定通りトロント近郊の4件の訪問をこなしたが、すっかり疲れてしまった。幸い、どこの相手も丁寧に対応してもらったのでほっとする。今日の訪問だけで見ると、アメリカよりかは温和な人が多い気がしたし、英語も実に分かりやすかったが、商売の話は御多分にもれずシビアである。

訪問先のうちの1件は日系の加工会社だったのだが、対応してくれた日本人駐在員はすっかり疲れきっていたな。
通常業務はもちろんのこと、売り上げ管理、米人スタッフへの指示、工場運営などに加え、日本の本社からはあの資料出せ、この資料だせ、とうるさく言われて息もつく暇がないようだ。
立場が違えど米人がのんびりやっていたのとは実に対照的だったが、日本人の習性なんだろうか、やっぱり色々な事が気になってしまい、何でも自分が頑張ってやらないと、と思ってしまうのだろうか。まあ、なるようになるさ、メリハリつけて、などとお気楽な事が言えるのは自分の立場が違うから。 自分も同じ状況ならば、同じようにがむしゃらにやらざるをえないだろう。製造業というのも、本当に大変な仕事だと実感する。

思わぬ豪雪のおかげで、夕方にナイアガラの滝まで行こうと思ってた密かな計画も取りやめ。楽しみにしたいたのだが残念。
さっさとトロント空港近くのHOLIDAY INNにチェックイン。
ホテルも広く部屋もきれいなんだけど、横に広い建物のつくりであり、フロントから1階の自分の部屋までは300mほど歩かねばたどり着かない。外は豪雪なのだが、温水プールは家族連れで賑わっている。

ホテル近くのGINKOという日本食レストランで夕食。受付のカウンターで出てきた着物の女性に、連れが「Two people, Non smoking.」と言うと、相手は不思議そうな顔をする。後輩はやや気弱に同じ事を繰り返したのだが、まだ会話が通じない。たまらず「禁煙2人!」というと、ほっとした笑顔で、「やっぱそうですよね〜。日本人ですよね〜」と言われる。どうやらお互いに相手がどこの国籍か自信がなかったようで大笑い。自分の事は棚にあげて後輩をさして、「こいつは日本人に見えないですよね」と言うと相手もそうそう、と言わんばかりに爆笑(後から冷静に考えると、ここまで引っ張るようなことでもなかったんだけど)。
なかなか乗りのいい感じのいい女性で、ビール、前菜、日本酒、寿司などなど、薦められるままに腹いっぱい堪能してしまった。まあ食事もうまかったし、十分満足したんだけど、店員が日本の若い女性というだけで、もう後先考えずなすがままになってしまう自分がいる。 今日本に行ったらいくら金があっても足りないな、などとつい考えてしまった。

明日は晴れるといいのだが。


2004年03月16日(火) カナダ出張

今週は月から木曜日まで、辞令で日本に帰国することになった後輩の仕事引継ぎ出張。
朝4時50分に彼を乗せたタクシーで自宅まで迎えに来てもらい、8時40分着の便で空路デトロイトへ。デトロイトは3週連続の訪問、しかしながら荒れたビルの風景にいつもどんよりとした空。暗い街でなんとかくいつも気分が重いんだなあ。
空港でロスからの駐在員とも合流して、客先へ。 購買マネジャーと顔合わせ。
広い個室を与えられた、てきぱきとした女性マネジャーで、例のごとく机の周りは家族の写真がべったり。
それにしても、自分の担当先は女性が本当に多いな。まあだからなんだと言われても、特に不都合なし。みなさん実にプロ意識がしっかりしているので、どちらかというととてもやりやすく助かっている。

その後は陸路でそのままカナダに入る。カナダは初めてだ。
車に乗ったままの簡単な入国審査の後に、いよいよカナダへ。アメリカと川ひとつ隔てているだけなので、そんなに違いはないと思っていたのだが、車の速度制限もマイルではなくおなじみのキロ表示。ガソリンスタンドもガロン単位ではなくリッター単位での価格表示であり、日本人にはなじみやすい。ハイウェイもデトロイトのぼこぼこ道路とは打って変わって、非常にきれいに整備されている。まわりの住宅もどことなく欧風調だな。また、レストラン、銀行で対応してくれた人間が非常に愛想いい、といっても普通なんだけども、アメリカに比べれば格段にいい。こんな点も気に入ってしまった。

今週は、社内の人間、しかも年下と一緒なので、スケジュールは厳しいが気分的に楽だな。
運転も全部任せっぱなしだし。 車の中でもついつい先輩風を吹かしっぱなしだったかな。
彼はすっかりアメリカの生活に慣れきっており、6年ぶりに帰る日本での仕事に不安を感じているようで、さんざんびびらせておいた。
「代金回収の手形、小切手の知識は新入社員でも知ってて当たり前、手形事故を起こさないように、アメリカ帰りのくせに何もわかっとらん、と言われないようにしっかり勉強しておけや」と警告を与え、「日本はうるさい上司が何人も同じ部屋で気をつかうことばかりでたまらない。アメリカと違って適度に社内の付き合いも必要だから、たまには上司のお供で居酒屋へ」「客の接待も2次会3次会は当たり前、行きたくもないスナックでは歌いたくもない歌を歌わされ、帰りはタクシーをてきぱきと手配する。土日のゴルフは送り迎えから。こちらは下手すぎず、上手すぎず。」などなど。まあ、大げさな話ではなく、実際にこんな所で間違ってはいないと思う。アメリカにいると、これらは一切気にしないでいいから、一度こちらに慣れてしまうとやっぱり日本社会も大変だ。
もっとも、この後輩もすっかりアメリカナイズ、客との会食は基本的にランチのみ、ディナーがあっても夜9時には終了するものと思っているし、仕事はボイスメールとEメールで済ませるものと思っている。数年前にはやった、「明日があるさ」という歌も聴いたこともないと言っており、左車線の運転も未経験。 日本に戻っても適応するのに時間がかかるだろうな。


2004年03月15日(月) NBA観戦 /ウッズの本

午前中はジムに行く。
またもや取引先の社長と遭遇。この前聞いたら、いつも夕方に行くって言ってたのに・・。仕事上、色々問題ある会社なのでお互いぎこちなく挨拶。こういう時に限って、帰りのロッカーでも会ってしまうんだな。つい「お疲れ様」と言ってしまう。何がお疲れなんだか。。

午後からは車いじりをしようと思ったが、風が強くて寒いので取りやめ。
ぶらりと本屋に行く。タイガーウッズの「HOW I PLAY GOLF」を購入。2年ほど前に日本でも発売されたのだが、上下巻に分かれて何と計5000円。これを今日はたったの6.9ドルで購入。しかも日本版よりも大きいし写真もたっぷり。 こちらの書籍は、時間が経ったらどんどん値引きしていく。数ヶ月前の新刊も30%引きコーナーに山積みである。日本と違って買取制度となっているからだろうか?消費者にとってはいい制度であるなんだけど、日本じゃCD値引きが出来ないように、色々うるさいんだろうな。

ちなみに、ウッズの本は既に5000円出して日本で買っており、アメリカにもってきた荷物に入れた貴重な本である。何故また買ったのか。まずは安いから。そして、今日買ったのはもちろん日本語訳はないのだが、ゴルフのレッスン書のような感覚的なことを理解するには、英語でそのまま読んだほうが分かる気がする。
来るべきシーズン(5月ごろだろうか)に備えて、少しでも気分を盛り上げたい、そして、ちょびっとでもウッズに近づきたい(無理だって)というはかない夢を、この本を読むことで自己満足したいだけ。
書いてある事は非常にシンプルであり、ゴルフはなんて簡単なんだろう、と勘違いしてしまうのだが、まあ、実際にボールを前にしたら、読んだことすっかり忘れてがちがちになる事は目にみえているんだな。

昨日の晩(13日)は、初めてNBAを見に言ったんだった。
UNITED CENTERで、CHICAGO BULLS対LOS ANGELES LAKERSの一戦。帰国する同僚が思い出に見に行くと言っていたので、チケットを一緒に取ってもらった。3階席だったのだが、会場の雰囲気は最高潮。
ただ、ブルズは弱いしスターがいない。特にジョーダンが去った後は顕著。一方、元ブルズのジャクソン監督の元、O'NEALや BRYANT、MALONEを擁するレイカーズが、やっぱり華がある。実力、人気が圧倒的に違うんだな。さすがに地元シカゴの試合でも、昨日はレイカーズファンが多かった。

とはいえ、試合の方は、実力差が明らかな割にはシカゴが最後まで粘り、なかなか盛り上げた。結果は88対81でシカゴ負け。31本のフリースローで16本しか入らないんじゃ、負けますわ。プロなんてフリースローはほぼ100%と思っていたんだけど、意外に外れるもんだな。しかし、観客が風船やボードで妨害する相手チームはともかく、何の妨害もない地元でこれだ外すのはお粗末。もっとも、こんな妨害は選手には関係ないんだろうが。
Kobe Bryantは、去年のレイプ事件で有名になったが、裁判はどうなったんだろう。彼の名は、日本の神戸と関係あるんだろうか(ないって)。ただ、切れのある動きは素晴らしく昨日の35得点は立派。オニールの存在感も際立っていた。

会場は、ハーフタイムや、タイムアウトの度に、色んな出し物が行われて大いに盛り上がる。
黒人の少年たちのダンスやバケツ太鼓(というんだろうか)、圧巻であった。あと、本格的なマジックショーまでやってしまったのには驚き。観客に参加させる色々なイベント、そして、おもいっきり参加して楽しみたいとする観客の熱さは、一見の価値がある。バスケットが全然分からない人でも、日本から来た人を連れて行けばきっと楽しめるのではないだろうか。

ただ、united centerはあまり治安が良くない場所にある。
幸い、車はofficialの駐車場に入れる事が出来たのだが、あやしげな黒人がやっている会場周辺の駐車場はなんとなく敬遠してしまう。
帰り道、渋滞で車が止まったところを見計らい、水の入ったペットボトルと窓拭きを持った黒人が車を1台1台回っていた。窓拭きでチップをせびろうというつもりである。当然、誰もが必要ない、と手を振るのだが、昨日の黒人はお構いなしにフロントガラスに水をかけて窓掃除を勝手に始める。チップを払わずに無視してごねられても構わないのだろう、さすがに車の中のアメリカ人もチップを出して、さっさと次に行ってもらおうとする。そんな光景が少し前のほうで見えた。
やばいやばい、早く信号青になれ、と祈りながらも、黒人はいよいよ自分の車の前に来てしまった。
観念したところ、何故かこちらに向かわずに自分の横の車にピュッとペットボトルの汚い水をかけた。その車の運転手はなにやらわめいていたが、黒人が怒鳴りつけたら、やっぱりチップを払っていた。
自分の車はなんとか助かってほっとしたが、この人らは何とかならんのかいな。


2004年03月14日(日) 「Lost In Ttanslation」はよかった

近所の店で気になっていたDVD「Lost In Translation」を19ドルで購入。たまっている他のDVDには目もくれずに早速観てしまった。

ゴッドファーザーのフランシスコッポラの娘、ソフィア・コッポラの監督2作目。東京を舞台に27日間のロケ、TIME誌によれば400万ドル(約4億8千万円)とも言われる低予算で撮り上げたという。
ストーリー自体は、悩める中年役者(ビル・マーレイ)と若き人妻(スカーレット・ヨハンソン)が、異国の地、東京で交流するだけの、これといって大きな展開があるわけではない。しかし、二人の微妙な心の揺らぎを、鮮やかな東京の夜景を交えながら浮き彫りにしており、全く飽きさせなかった。
懐かしのカラオケ、パチンコ、新宿のネオン、ゲームセンターというジャパニーズ・カルチャーは、アメリカ人にとっては驚きの連続。また、そこに集まる人の行動一つ一つが、アメリカ人にはたまらなく可笑しくもあり、ストレスとなるようだ。この作品、コメディーとしても成立している。

スカーレット・ヨハンソンが演ずるシャーロットの、自分は日本で1人残されて何をしているのだろう、これからどこへいくのだろう、という20歳代女性の焦燥感がよく伝わる。彼女は演技派というより雰囲気で魅せる事の出来る女優と思う。とてもかわいらしかったな。

見慣れた風景の新宿歌舞伎町、渋谷駅も、東京に住んでいた頃は単なる日常であり何とも思わなかったけど、こうしてみるとこんなに美しいものかと改めて感動。もちろん日本語のセリフがたくさん出るのだが、劇場では一切字幕なし。意味が分かる日本人ならもっと楽しめるだろう。

一部評論では、この映画での日本人の描かれ方が「人種差別的なステレオタイプの描写だ」として反発する議論があったようだ。ただ、よくある2流映画の日本描写ではなく、多少誇張の部分は当然あるけども、逆によく特徴が捕らえられているな、と思う。 それに、そもそも映画自体が「白人が日本人を馬鹿にした映画」ではなくて、「ある種の異文化感性をもった人たちが、そうではない多くの人たちの世界に入ってしまい、秘かな連帯を試みる」という類の映画であると思うので、そんな些細な事に目くじら立てる事ないと思うんだけど。

登場人物が感じる異文化に入り込むストレスは、実によく共感した。ただ、日本人がアメリカに行くよりも、アメリカ人が日本に入って行く方が、はるかに厳しいだろう事は、映画を観て感じた。夏ごろに日本に初めて出張する予定の、うちのスタッフにぜひ見せたい映画である。

それにしても、久しぶりの(といってもたかだか1年だが)東京の風景は本当に良かった。コッポラ監督の描写が、そう感じさせたのだろうか。 住んでいた時は‘嫌な東京’だったのが、ここまで捉え方が変わっていくと、やっぱり自分にとってはイイ映画だったんだろう。赴任以来、1度も戻りたいと思った事はないけども、この映画を観て、東京行ってみたいな、と純粋に思った。ストーリーそのものよりも、そんな感覚を観るものに喚起させる力のある映画であった。

そうそう、主人公が藤井隆(マシューとか言ってたな)の番組にゲスト出演するシーン。
これは最高だった。藤井隆のパワーは久しぶりに見ると、実にすさまじい(誉め言葉)。DVDでは、ボーナスでこのシーンの特集があったけど、大いに笑わせてもらった。


2004年03月13日(土) シアーズタワー売却 / Window Tinting

ちょっと寒さが和らいだと油断していたら、昨日、今日と華氏20度(マイナス6度)近くまで気温が下がった。日本は春なんだろうか。うらやましい。

今日もだらだらとした1日。
あっさり5時に退社して、wind tintingを頼んで預けておいた車を取りに行く。運転席と助手席のフィルムは、イリノイ法に違反のため誓約書を書かされたのだけど、まあ非常に薄いので問題ないだろう。
とはいえ、オフィスのスタッフと話をしていたら、実際に両面にスモークを張った車を運転していてポリスに捕まった、と言っていたから分からないものだ。もっとも、彼は何も知らずにその中古車を買っただけであり、何も言わずに売った中古車屋が責任を取るべきだ、と罰金の支払いを拒否、法廷にまで行って証言したようだ。
そこまでのこだわりを仕事にも生かして欲しいものだが(おいおい)。

シカゴトリビューンの1面には、米生命保険の大手メットライフがシカゴにある全米一の最高層ビル「シアーズタワー」を売却する、と発表した記事があった。売却価格は8億3500万ドル以上、売却で約9000万ドル(約100億円)の利益を得るという。
シアーズタワーは110階建ての高さ約440メートルで1973年に完成。しかし、2001年の米同時多発テロ後、高層ビルが敬遠されてオフィス需要が低下し、ビルの入居率は現在88%に低迷しているという。

まあ庶民にはあまりに世界が違いすぎて、誰がいくらで買っても、何の影響もないだろう。
昔はビルのオーナーで隠居生活というのもあこがれたものだが、テロに狙われるほどのここまで大きなビルを持つと逆にやっかいそうだな。(←心配するこっちゃないって)
シカゴ観光名所でもあるのだけど、1度も行った事がないし予定もない。 何でだ、とか早く行けよ、とか余計なおせっかいを言う人がいるんだけど、東京の人が東京タワーにみんな登るか、といったらそうでもないのと一緒の事だと思うんだけど。

今週はあまり仕事していないからか、なんとなく気分も乗らないままの週末である。


2004年03月12日(金) なんとなくのらない日

なんとなーく乗らない1日というのはよくあるんだけども、今日はそんな1日であった。

昨日まで出張だったので、本来はもうわき目も振らずにたまった仕事を片付けていかないといけないのだけども、どうもだらだらしてしまう。駐在してから1年を迎えようとしており、アメリカでの仕事での大方の流れが飲みこめた、余裕が出てきたという事だろうか。だといいんだけども、どうも単なるなまけに過ぎない気がする。営業に終わりはないのだから。こんな奴はきっと大成しないんだろうな、と思いながら、鞭を入れようとしても、どうしようもない。

先週までこちらに出張していた女性担当は、目の前で見せた愛想のよさはどこえやら。打って変わって手厳しい、というより、私が私が、の自己中心的なメールを連日打ってくる。なんで先週、客の前で直接言えへん事を人に言わすんや! こちらも大人気ないなと思いながら、負けじと打ち返す。
やれやれ、なんて非生産的なんだろう。

という訳で、実に珍しく、というより初めてか、5時過ぎには退社。わき目もふらずに先週買ったピックアップトラックのパーツ屋に行くことにする。 初めてこんな時間に会社を出るのだが、あらゆる道が帰宅ラッシュで大渋滞。いいよな、アメリカのお父さんは。でも毎日こんなに早く帰って何をするんだろうか。(←余計なお世話だって)

パーツ屋でカタログをもらって、WINDOW TINTING(いわゆるフィルムですな)の予約をして家に帰ると携帯がなる。メロディを聞いてがっくり。東京本社だ。
例の子から「メール見ましたが1つ回答を頂いてません。電話してもいなかったようですが、もうオフィス出てるんですか?」。勘弁してくれよ。「その件、何もしてないから明日考えるよ」と、これまた無愛想に回答してしまい、すぐにもっと丁寧に言えばよかったと反省する。
先週ちょっとでも好きになったのは一体何だったのだろうか。(←勝手な奴だな)

いつもこっちで困るのは、早く仕事終わりたいな、疲れてきたな、と感じる午後7時8時に、仕事が始まったばかりの元気一杯の東京本社の人間から電話がかかってきて、あれこれ話しされること。いすれにしても、こっちでは、そんな時間まで残っている客先もいない訳で、こちらにとってはメールでも打っといてくれさえすれば明朝から動けるんだけど、まあ電話する側にとってはそうもいかないんだろう。

でも、すぐ電話してくるタイプとそうでないタイプがいるんだなあ。
すぐ電話するタイプの人間は、ほとんどが自己満足だけで、わざわざ国際電話じゃなくてもいいような、たいした話でない場合が多いんだけど、そうでないタイプがたまに電話してくるのは、よほどややこしい問題が起きた時くらいだから本当に要注意である。

今日の日記更新もなんだか乗らなかったが、ぶつぶつと、なんだかんだとだらだら書いてしまったな。


2004年03月11日(木) 新ペプシの登場

午前中にデトロイトからシカゴへのフライトでUSA TODAYを読んだが、ペプシ社が "PEPSI EDGE"なる新製品を今夏に売り出すようだ。

通常のペプシは、150カロリーに糖分41グラムが含まれるが、PEPSI EDGEはその半数、70カロリー、糖分20グラムである事を売りにしている。もちろんダイエットペプシは、ともにゼロである。ここ数年間、健康志向の上昇と相まって、米国でペプシのシェアは落ちてきている。調査した6000万人の消費者のうち、75%が通常のペプシでもダイエットペプシでもどちらが良いか決まっていない、つまりどちらでも良いとしているようで、今回の新製品は彼等にアピールできる、としている。

健康を考えるならばそもそも飲まなけりゃいいじゃないか、という意見は別にして、少なくともダイエットにすればいいと思うのだけど、これまたアメリカ人にはすこぶる評判が悪い。オフィスのアメリカ人も、揃ってダイエットはまずい、と言って普通のコーラをぐびぐび飲む。事実、ペプシ社も過去に98年に1カロリーの PEPSI ONEを発売したが、評判が悪く立ち消えてしまった。

それにしても、アメリカに来て、恐ろしいほどコーラを飲むようになった。自分の場合はダイエットコーラ(またはペプシ)が好きなんだけども。
まず、オフィスの冷蔵庫には、缶コーラが常にぎっしり詰まっている。喉が渇いたらほんとうに水代わりに毎日数本飲んでしまう。
スーパーでは、24本で4ドルくらいの低価格なので、特に負担も少ないし、ケースで買うので家にも常に置いてある。客先に行くと、水がいいかコーラがいいか、と聞かれて、相手に合わせてついついコーラを頼んでしまう。また、マクドナルドなどファーストフードでも飲み放題の所は多いし、レストランでも店員が水のおかわりのようにじゃんじゃん継ぎ足しにくる。また、不思議とアメリカの食事に合うから困ったものだ(何が困ったんだか)。

日本では、高校くらいまではよく飲んでいたけども、それ以降はせいぜいファーストフードに行ったときに頼む程度。考えれば、アメリカに来てから1年も経っていないが、日本で飲んだ総量をはるかに超える量を飲んでいる気がするな。

健康には良くはないんだろうけど、なんとなくやめられない。
レシピは口が裂けてもいえないという極秘中の極秘だそうけど、やっぱ麻薬の一種なんだろうか。


2004年03月10日(水) ハイウェイパトロール / 客先はブロンド女性

今日はさすがに驚いた。
デトロイトのハイウェイを走っていると、横の車線をパトカーが越していく。そしてスピードを落として自分の車の横にぴったりつく。パトカーを見ると、ダイハードに出てきたような黒人の警官が明らかにこちらを睨みつける。慌ててメーターを見ると、75マイル(120キロ)。たかだか制限速度の5マイルオーバーだからスピードは問題ないはずなんだけどな(しかし、でこぼこ道でなんちゅう制限速度や)、何かやばい事したかな、と再度警官を見ると、なにやらこちらに叫んでいるが聞こえるわけがない。そのうち回転灯がついて、マイクで何か叫びだした。
駐在してからせっかく無違反で来たのに、やれやれ、と思って車を寄せながら、再度マイクでのメッセージを聞くと「危ないから地図を見ながら運転するなよ」と言っているようだ。
そういえば、初めての場所に行くことで地図を見ながらの運転だった。慌てて地図を座席の後ろに大げさに放り投げ(そこまでしなくてもよかったか)、OK!OK!と身振りでアピールすると、ものすごい勢いでパトカーは走り去った。 何もなくてよかったが、実にひやりとした瞬間だったな。

今日の午前中は、ドタキャンされた客先にあえて行く。
だめもとで会社前から電話を入れると、相手先は出てきた。しめた、と思い、今目の前にいるからちょっとだけでも会えないか、と言うと、快く了解。ドタキャンして罰が悪かったのか、あれこれと言い訳してきたけど、こっちも気にしてない。相手は40前くらいのブロンドのキャリアウーマンといったタイプで、爪もネイルアートがしてあってとても感じがよかった。デスクの周りには、いかにも、という感じで、旦那と子供の写真がずらり。
しかしどうでもいいが、ブロンド女性と日本人の男ほど不釣合いなものはないな、と面談中に思った。大きな目でじっとこちらを見て会話してくるのだが、こちらは全く男としては問題外という目で見られているな、と何故か勝手に思う。この妙な劣等感は、どこから来るんだろうか。もっとも、先方は初対面の日本人営業にそこまでの感覚すら抱いてないんだろうが。
まあ彼女とは、もちろん仕事上で色んな話が出来て収穫があったので、言われたとおりそのまま資料だけ渡して帰ってこなくてよかった、と思う。

午後は、取引先の日本からの出張者と合流して客先訪問。
その人は英語は話せないけど、技術者としてのベースがしっかりしているので、先方のエンジニアとも通じるものがあったようだ。そんな姿を見ると、いつも手に職のないこちらからみると、うらやましいなあ。

晩はそのまま日本食屋へ。
10ヶ月振りに日本酒を飲む。もう身体が受け付けないのか実にまずかった。単に安酒だったのか。
午後8時過ぎにホテルに戻って、何とも暇でしょうがない。


2004年03月09日(火) 空港での中国人 / 寿司をつまんで

今日も午後4時の便でデトロイトに出張。といっても、明朝のミーティングに備えての前日移動だから、比較的楽なものである。
ところが、空港に向かう直前に先方から連絡が入り、明朝は緊急で別件の用事が入った為ミーティングは延期、打ち合わせの書類だけ郵送しておいてくれ、という。まあこちらも新顔だしそれほど重要度の高い訪問ではないのでしょうがないか、と思うのだけど、既に飛行機もホテルも変更できずにとりあえずはデトロイトに向かう。
こういったドタキャンがたまにあるのが非常に辛い。幸い、午後には別件の用事があるために出張そのものは無駄にならないのが救いか。
断りをいれてきた客先には、「あなたの為にもう出張をセットしてある。だから書類は郵送ではなく、いずれにせよ直接会社まで届けにいく。不在ならばアシスタントにでも渡しておくので、質問があるならば別途連絡下さい」と、あくまで恩を売っておく。といっても、この手の話は日本でなら、悪いことさせたな、という印象を相手に与えることが出来るかもしれないが、こちらでは逆に、郵送でいいというのに無駄な動きをするやつだ、と捉えかねられないから、効果の程は分からないけども。 下手にこのキャンセルをボスに報告すると、代わりにあれしろこれしろとうるさいので、まあ午前中はホテルでゆっくりするか。

そうそう、空港でチェックインしていると、どっからどうみても中国人の団体がいた。もちろん観光ではなく、何かの視察団のようだ。その仕切り役みたいなオジサンが、チケットらしきものを片手に、本当に困った顔であたりをきょろきょろと見回していた。こちらと目が合った瞬間、同じアジア人、もしくは中国人と思ったのだろうか、険しい顔をして一目散に向かってくる。とっさに目をそらすが、もう遅かった。目の前にきてなにやら中国語で叫び散らす。英語で話してみるが分からないようだ。
昔覚えた片言の中国語で、「申し訳ないけど、中国語はさっぱり分からないんだ」と言うと、おじさんはそれまでの苦虫から一気に笑顔になって、「中国語分からない、中国語分からない」とこちらの言葉を復唱してから、なにやらまた一気に中国語で語りだした。
ここまできて自分のおろかさに気がつく。一体なんで中国語で回答してしまったのだろうか。
おっさんはチケットを見せてなにやら叫ぶ。見ると、シカゴ→ラスベガス便。カジノでも行くんだろうか。おそらくどこに行けばいいかという質問だと勝手に解釈して、チェックインゲートを指差すと、そのまま団体を引き連れて行ってしまった。
アメリカの空港職員はほとんどが無愛想極まりない。下手な英語でも理解しようとしないんだから、中国語なんて聞こうともせずに一方的にまくしたてられ、中国人の彼らも困っていただろう。中国こそ世界でナンバーワンと信じている国民だろうから、同じくナンバーワンだと思っているアメリカにきて色々戸惑いもあることだろう。

もっとも、アメリカに住んでいる中国人は、日本で起きているような中国人犯罪とは無縁のように見えるし、実際に日本ほど犯罪を起こしていないように思えるし聞いたこともない。日本がなめられているだけなのか。

デトロイトは雪。
レンタカーはカローラでがっくりしたが、このクラスにしては安定性は抜群。80マイルほど出すと明らかに米国車との違いが出てくるなあ。

夜は日本食屋のカウンターで1人で久々のサッポロビールを飲みながら寿司をつまむ。
ここは、元巨人の木田投手がデトロイトタイガース時代に良く来たらしい。
隣に座ったこれまた1人で現れたアメリカ人と話す。どうもアメリカのレストランは1人で入りづらくて、と言ってたが、同感。でもアメリカ人が寿司カウンターに座るというの厳しそうなもんだが。タバコの害についての調査会社で各地を転々と出張しているそうな。まじめなアメリカ人だった。

途中で日本人の留学生らしい女の子(というには、アメリカ風のけばけばしい化粧だったが)が1人カウンターの隅にきてなぜかグラスワインを飲んでいた。よっぽどそっちのが気になってしょうがなかったが、わざとらしく原書は読むわ、そのくせ携帯しながら化粧を始めるわで幻滅。 そのうちいなくなってしまった。

隣のアメリカ人と別れを告げてホテルに戻る。明日ものんびり。こんな出張もたまには結構である。


2004年03月08日(月) 白い巨塔 3巻

今日は風が強く、寒さもぶり返してきたようだ。
午前中にジムに行くが、いつもの8割程度の人数か。春はまだまだ。

今日は特に予定もなく、昨日納車したトラックのパーツ探しでもしようかと昼から車を走らせるが、自動車関係の店はほとんど日曜日が休みだった事に気がつき、何もせず帰宅。
スピルバーグ監督のアミステッドを途中まで見るが、話がややこしく眠くなり中断。それから日本から取り寄せてもらった「白い巨塔」4巻を読むがあまり気分が乗らない。ずるずるとなんとなく1日を過ごす。贅沢な1日のようで、無駄な1日になってしまったな。

「白い巨塔」といえば、出張の合間を縫って3巻を読み終えたが、財前教授がほんとうに嫌なやつになっていく。このままうまくいく訳はない、と思うけどもどうなるだろうか。
一方、小説に出てくる財前や鵜飼医学部長の微妙な言葉の使いまわし、さりげない形を装っての相手の追い込み方は、実社会でも参考になるな、と一瞬でも思ってしまった自分に嫌悪感を抱いた。医学会と同様、自分が仕事で携わる業界も旧態依然の体制であり、給料をもらっているという言い訳の元で、そんな中で何とかうまくやって生きていかねばならないことに、最近疑問を感じている。
自分だったら、財前五郎、それとも里見、どちらの人生を歩むべきなのだろうか。考えると答えが出ない。色々考えさせられる。

どうでもいいけど、日本のテレビドラマの財前は唐沢寿明だそうだけど、やっぱり織田裕二がぴったりという気がする。寂れた記憶しかないけども、唐沢はどちらかというと腹黒さとは無縁の里見のイメージなんだけどな。出張してきた子が、「このドラマ、すごくはやってますよ〜」なんて言ってたけど、原作を読むとますます気になるな。


2004年03月07日(日) 納車前の信じられない大トラブル

昼12時の東京行きフライトに間に合うように、今回の出張者を空港まで送り届ける。
26歳女性総合職。出張スケジュールは過密だったけども、アテンドしているこちらも気分が良かったな。やっぱり若い女性は理屈ぬきで得だ。これに実力をつければ怖いものなし。
こちらも不覚にも異国で丸5日間みっちり一緒にいたからか、結構好きになってしまった(おいおい)。やばいですな。いいところで帰国してくれたとほっとする。
といっても、また毎日のように仕事上、メールでやり取りすることになる。今回の経験を生かして、日本に戻っても頑張って欲しい。

午後からはDODGEディーラーにピックアップトラック(RAM 1500)の新車を取りに行く。
実はこのディーラーの担当と昨日かなりもめた。昨日の出張の帰り、納車にあたっての確認の電話を入れたところ、先週契約した金額は値引きしすぎたので後800ドルばかり上乗せしてくれ、と言う。
アメリカに来てから理不尽と思うことは数え切れないほどあったけど、この瞬間ほどそんな気持ちを強く持ったときはなかった。気がついたら、よくぞ英語でここまでまくしたてられるな、というほど担当を罵倒していた。一緒に車の中にいた米人があまりの剣幕に驚いたほど。

でも、それでも埒があかないので、
「どんな理由があるか知らないけど、一切そんな事は認めない。ミスがあったならそっちから電話してくるべきだろう。契約書もあるし前金だって払っている。その上で金額が合わないならば、そっちで負担する話だろ。客に向かってお願いする話じゃないだろ。」と、納得させるように話したつもりだが、相手は反省するどころか、「何でこちらで足が出た分を負担しなきゃならない?買うのはお前だろ。あの契約書だって仮のものだ。月が変わったら価格も変わるんだよ」と全く話にならない。
念のため言っておくが、先週末の時点で、金を借りるのに少し時間がかかる旨話をして、2週間ほどは待つのでその代わり前金500ドルと契約書のサインだけはしてくれ、と言われて同意したものである。

30分ほど怒鳴りあったが、最後にはもうどうにでもなれと、「弁護士に相談するから、そちらの意向が間違いない事を確認したい。責任者を出せ」と言うと、「責任者は席をはずしているので電話させる」という。もちらん知っている弁護士なんかいないし、相談するつもりもない。 程なくかかってきた電話を取ると、また例の担当者。「お前とは話したくない」と言うと、「さっきのは間違いだった。申し訳ない。」と打って変わって丁重な謝罪。
突然の変わりようでこちらも対応の仕方に迷ったが、ひとまず許す代わりに確実に車は押さえておくよう指示。なんだかんだいっても、大幅値引きの上に更に値切って、他店ではありえない価格のいい買い物だった。
こんな理不尽な事言ってくるくらい、この店も厳しい採算で契約に踏み込んだんだな、と勝手に納得した。

という訳で、何が起こるかわからないアメリカの自動車ディーラー。
(運が悪いだけなんだろうか)早めに車を引き取るべく、チェックを持参する。例のセールスマンが何事もなかったような笑顔で出迎える。だらだらと2時間あまりの長い諸手続きの後、ようやく納車。でもやっぱり腑に落ちないので、「昨日は非常に不快な思いをした。一言言いたいのでマネジャーを呼んでくれ」というと、「あれは全て自分のミス」とこちらの人間には珍しいコメント。これを聞いて、まあいいや、と思う。

3万ドルもするんだから、もっと気持ちよく買い物させてほしいものである。いや、何もトラブルがないだけでもいい。本当に普通なだけでいいんだけど。


2004年03月06日(土) 女性総合職アテンド 4

今朝は5時40分に出発。
車で3時間ほどの客先へ、昨日と同じく米人担当Rと一緒に3人で訪問。
客先に入る直前に、わざわざ客に言うべきではない事を確認する。彼女はあまり納得してないようだったが、とりあえず素直に聞いてくれた。言うべきでない、というよりも必死なあまりに会話の流れもなく単刀直入に切り出してしまうので、ちょっと警告をしただけの事(おおげさやな)。

面談は無事に終了してほっとしたが、なんと先方でプラントツアーをここでも企画してくれた。
自動車関係だけに非常に限られた人間にしか内部は見せてくれない会社なのだが、やっぱり若い女性がいると気難しいおじさんも心が緩むのだろうか。
ここまで丁重に対応されると、普段接している我々はなんだろうと思ってしまうな(←ずいぶん大人気ないな)。

バーガーキングでランチの後、初出張の全日程が終了した安堵感からか彼女も緊張が解け、3人でわいわいと馬鹿話ばかりして帰ってきて楽しかった。そういえば帰路途中、同行の米人は、奥さんが出産しそうだ、いうことになって途中から険しい顔になって帰途を急いでいたな。

夜はボスがおせっかいにも自宅に招待したいと言ってたけど、都合が悪くなりほっと一安心。まあ人の家は気を使うからな。代わりにダウンタウンに出てローリーズで名物のプライムリブを堪能。雰囲気もいいし、味もいける。年配の人にも抵抗感なく楽しめるのではないか。サラダやパンまでついて、しかもあの分厚い肉で30ドルは安い。
店を出てから散歩がてらにジョンハンコックセンターへ。シカゴ全貌の夜景が見渡せる94階のバーに行く。
大人のアメリカ人が語り合い非常に雰囲気はよいのだが、酒癖の悪いボスが一緒だったので遠慮したかったのだが。 案の定、酒が進むにつれまたあれやこれやと語りだして最悪となった。彼女もうっとおしそうに黙り込む。
11時まで飲んで店を出る。すっかりいい気分のオッサンは、赤ら顔で彼女をホテルまで送るという。普段はどんな客が来ても、必ず人に送迎をさせるくせに、これだから始末が悪い。

嫌ですよ、とこちらにささやく彼女に、申し訳ないながらもどうすることも出来ずに一人車で帰ってきた。まあ、おかしな話にはならないだろうけど、同じようなうんちくをホテルまでの約40分あまり聞かされてはかなわないか。
もう午前1時。この4日のハードスケジュールはすっかり疲れた。
何で無理して日記更新しているか不明・・・。


2004年03月05日(金) 女性総合職アテンド 3

朝から米人担当も引きつれ3人でデトロイトへ。
客先と日本食屋でランチ。先方のアメリカ人も女性の担当が混じっていたので、日本からの女性営業が珍しかったのか話がはずむ。何故か先方の米人は決まりきったように全員親子丼を注文。量が多いだけでかなりまずそうだったけど、当たり障りがないからだろうか。

その後、DIRECTOR自ら社内を丁寧に案内してくれる。
こちらには一回もそんなことしてもらった事ないのに、やはり若い女性営業が来ると対応が違うなあ。
これを、「女性だからって特別扱いしないで」なんてひねた思いを持たずに、十分メリットとして活用していってもらいたい。それにしても、社内でジムやシャワー、語学プライベートレッスン室まで完備されており、非常に立派な設備だった。

事前の打ち合わせで、彼女は一生懸命のあまりか、自分の知っていることを全部相手にぶつけて結論を急ぐような所があったので、相手の反応を見ながらのやりとりするようにと偉そうに指導。言わなくてもいい事をわざわざ言う必要はない、胸のうちに留めるという局面もある事が理解できただろうか。

日本ならば、「経験のない、しかも女性担当」という見方をされて多少の失言も、しゃあないな、と許容範囲かもしれないが、アメリカは女性だから、とか、経験不足だから、とか言う言い訳が通用しないことが多い。相手の真剣な態度を見て、今回の米人との面談はいい経験になったのではないだろうか。

午後5時のフライトで戻った後は、取引先のオヤジ2人と日本食。
これまた話の終わらないオヤジを前に本当に疲れた。10時30分解散。彼女をホテルに送って帰宅。

明日も朝5時40分にピックアップで客先訪問。
連日の過酷な日程だけども、駐在員も楽じゃないんだ、軽い気持ちで客先訪問してください、とこれからは言えないな、と少しでも認識してくれればいいのだけど。


2004年03月04日(木) 女性総合職アテンド 2

昨晩は女性総合職の子が出張に来たということで支店長のオヤジが張り切って、3人で高級ステーキハウスへ。分かりもしないくせに珍しくワインなんぞ注文して、1本あけた頃にはすっかりオヤジモードで店長が絶好調。 時差ぼけバリバリの女性をつかまえ、相手が聞いていようが聞いたいまいが、語る語る。もう最低最悪ですな。
こちとら、赴任以来何十回何百回うんざりするくらい聞いた話を繰り返す。もうとまらない止まらない。
女性も初出張で初対面だから、神妙に聞いているフリをしてたんだけど、可哀想だったよな。
まあ、駐在員は憧れだったようだけども、米国の支店長といえども新橋の居酒屋で飲んだくれたオヤジと何も変わらない事がよく分かったんじゃないか。 せっかく出張に来たんだから、こちらは色々彼女のこととか日本の状況とかの話を聞きたいのに、オッサンがしょうもない昔話を自慢してどうするんや。

帰り道でその子は「ワインと自分に酔ってましたね」なんて言ってたけど、その通りだな。
こんなオヤジにだけはなりたくない、と固く心に誓ってしまう。

今朝はホテルに午前6時50分にピックアップして2人で出張へ。
オマハまでのフライトの後に2時間のドライブで客先へ。その子の研修も含めての訪問、と事前に伝えてあったからか、工場長自らお出ましで丁寧に説明してくれた。感謝感謝。やっぱり、野郎が行くよりかははるかに場も和むし、先方も丁寧だった。 彼女は英語がペラペラなので、同行したこちらも非常に助かる。積極的に臆せずに質問して、非常によろしい。

戻ったのは午後9時前。リクエストでピザを食べる。
彼女は酒も飲めるし、男の話なんか振ってもサバサバしていて非常に付き合いやすい。

今回の出張で色んなものを感じ取って、これからの東京本社で仕事をする上で、少しでも多くこちらのイメージを持ちながら、一段深い考えで対応できるようになってもらえれば、と思う。明日も朝からデトロイト。


2004年03月03日(水) 女性総合職アテンド

今日は東京本社からの出張者を出迎えに空港へ。
ここまでならよくある話なのだが、出張者は入社4年目の女性総合職。今週は彼女と一緒に客先回り。

昨年まで人事にいたのだけど、得意の語学力をいかしたいとかで貿易に携わる部署へ異動してきた。
彼女は日本でこちらの仕事の受け手となってくれているので、毎日メールは何通もやり取りしているんだけど、実は会うのは初めて。 仕事上は利害関係があるので色々厳しいやりとりになるし、働きが物足りないと思って手厳しい事を言ったことも正直あるのだけど、一生懸命やってくれているので本当に有難い。まあ自分の入社4年目よりかははるかに頑張っているな、と思う。

女性だから、とか考えるのはどうかと思うし、仕事上で全く気にするつもりもないのだが、やっぱりオッサンのアテンドよりかは、はるかに心がわくわくしてしまう。
でも向こうから見ればこっちも30過ぎのオヤジな訳であるわけなんだが。久しぶりに日本のうら若き女性とお話が出来るという事で、この数日間であれこれセクハラ発言を連発してしまいそうだ、というより連発したいなあ。
いや〜、楽しみ楽しみ。(ほんまにオッサンやな)

と、そんな素振りは一切見せずに、真面目に色んな質問に答える初日であった。


2004年03月02日(火) アカデミー賞中継を見る / ディーラー再び

昨晩はオスカー授賞式の中継を見る。
司会のビリー・クリスタルは、ちょっと前ふりが長かったがなかなかの演出。13歳の子役を指して、「13年前に初めてオスカー授賞式の司会をした。大統領はブッシュだったし、経済は悪くなってたし、イラクとの戦争が終わったばかりだった。今とは全然違っていた」との皮肉が面白い。
期待の渡辺謙は残念だったけど、世界にその存在を知らしめた事だけでも意義があったのではないかと思う。形ある栄光は次の機会に。

全体的にロード・オブ・ザ・リング一色で飽き飽きした中で気になったのは、脚本賞のソフィア・コッポラ監督。確かゴッドファーザー3の娘役でデビューしたのではなかったか。
当時は親の七光だとか大根演技だとか言われていたが、監督となって認められるんだから、才能はあるんだろう。受賞作のLOST IN TRANSLATIONは舞台が日本であり、気になっていたのだが、DVDの価格がまだ20ドル弱。もう少し安くなるまで待つべきか(せこいなあ)。
そうそう、受賞前にノミネート作品の1シーンが数秒間写るんだけど、何と、男優が藤井隆(だったっけ?)の番組に出演しているシーンが選ばれてびっくりした。藤井隆も全米中に2度も放映されたんで、見ているこっちも驚いたが、何故そんなシーンがあるんだろうか。気になってしょうがないからやはりDVDを買うことにする。

アカデミー賞は、授賞式開始前から各社中継をしていたのだが、赤じゅうたんをニコール・キッドマンやアンジェリーナ・ジョリー、ジュリアン・ムーア、ナオミ・ワッツといった面々が、白やベージュを基調とした明るいドレス姿で次々と登場して実に華やか。ただ、やさしげな笑顔の裏には、この中では私が一番よ、絶対一番よ、というオーラがめらめら出ており、 こんな中で対等に張り合っていかねばならないとは日本の女優のアカデミー賞もまだまだ遠いな、と思わせた。(プライドだけの女優なら一杯いそうだけど)

今日は昼からボスとボルボのディーラーへ。
今度は会社の車。試乗なんかしてしまったもんだから、またユーゴスラビアから来たとかいうセールスマンもその上のマネジャーもうるさいうるさい。
今日は決めるつもりない、と繰り返すのに、子供が3人いて車が売れないと食っていけないだとか、どうでもいい御託を並べる。しかも肝心な価格交渉は定価からのスタートで、今日決めれば後500ドル、席を立つと、いやちょっとまて1000ドル引く、ときりがない。もううるさいので無視して帰ると雨の中をずぶ濡れで、車の前まで立ちはだかる。分かってないよな。
自動車大国アメリカで、日本の優秀なセールスと販売網、アフターサービスを導入すれば、絶対にはやること間違いないと思うんだけどな。


2004年03月01日(月) 会員制スーパー / マッチプレー

今日も昨日に引き続き、春を思わせる穏やかな日曜日。
気の早い兄ちゃんや姉ちゃん達が、早速オープンカーで街を走っていた。昼間は薄着でも問題ないのだが、午後5時をすぎるとまだまだ冷え込む。

朝からマッチプレー選手権決勝。ウッズとデービスラブ3世の一騎打ち。
さすがに2日連続の36ホールは、見ていても厳しそうだった。疲労もピークだろう。そんな中で集中力を途切れさせず優勝したウッズはさすがである。
日本人は丸山に加えて、伊沢、片山が出ていたようだが、新聞をみると3人とも1回戦で敗れたようだ。マッチプレーのような駆け引きが加わる勝負は、まだまだ日本人は弱い気がするんだが。

ゴルフといえば、数日前から天気予報でもこの週末の好転を報じていたため、実は支店長からゴルフに誘われていたんだった。でもかれこれ5ヶ月もクラブを握っていないし、教え魔のボスと2人のゴルフは遠慮願いたかったのが正直なところ。幸い、電話で確認したらまだ時期が早くゴルフ場がオープンしていなかったのでプレーは無理だった。「残念ですな」と心にもないことを言っておいて胸をなでおろす。
長く厳しい冬の影響なのか、なんだか週末に予定がある事がおっくうになってきたな。

午後から近所にある会員制スーパーのCOSTCOで買い物。
日本でも確か幕張あたりにあった気がしたが行った事ないな。アメリカでは、コストコではなく、コスコと言う。会社のおばちゃんの強い声があったようで法人会員になっているので、よく利用している。
いやあ、それにしても安い。
ペットボトルの水が35本(1本500ML)で4ドルちょっと。ビールも24本で10ドルちょい。今日は加えて、映画(DVD)を4本買って35ドル。サラダに入れたり食パンに挟むとうまいカナダのスモークサーモンも1.5キロ入って10ドルもしない。
食料品はもちろん、家具や電気製品、スポーツグッズ、洋服、薬局、インテリア、タイヤ交換サービス、そして自動車まで扱っているからすごいものだ。小売は少なくケースごと無造作に置いてあるんだけど、買いだめするアメリカ人の生活スタイルにあっているんじゃないだろうか。日本じゃ好評か知らないけども、コンビニや近所のスーパーで必要な時に必要なものを買うスタイルの日本にはどうかと思う。荷物が多いので駐車場もついていないと意味ないし。
レジで並んでいたら、チョコレートやらスナック菓子にバケツのようなアイスクリームを3つも4つも買っている大きなおばちゃんがいたけども、そんだけ食ってりゃそりゃ太るだろうが。

今日は午後7時30分からアカデミー賞の中継。
テレビは朝から盛り上がっている。まだ午後6時前だけど、レッドカーペットを踏みしめて会場入りする華やかなスターにインタビュー。興味はもちろん渡辺謙の助演男優賞受賞だけ。


Kyosuke