つれづれ日記
DiaryINDEXpastwill


2002年11月24日(日) ポオくん、少し持ち直す

3時に正門前に行ってみると餌場でM浦さんが数匹の猫たちに囲まれていた。早速、ハウスのところに行くとポオちゃんがちんまりと入っていた。ポオちゃんには抗生物質と療法食を缶詰フードで練ったものを特別に食べさせる。ポオは後脚が細く、ガニ股で歩くその後姿を見るとやはりかなり年をくっているように思われる。食後、何度かおしっこを試みるが数滴づつしか出ない。が、投薬を続けハウス内で暖かく寝ていれば回復するだろう。

10歳超のタビーとプリンスは今冬、丸々と太って毛艶もよく益々意気盛んだ。プリンスの頭のてっぺんの傷はカラスにつつかれたせいではないか。耳にも固まった血がこびりついている。タビーはバッファローを思わせる。猫たちには十分に給餌するが、食後の猫たちは寛いだ格好で三々五々、土と枯葉の上に座っている。

正門の方へ戻ろうとすると、犬を連れた女性がこちらを見ている。M浦さんが構内ではなく「山手スカイウォーク」の方へ行くよう手で合図すると「猫に餌をやりに来たんです」とその女性が言う。お仲間だ。近づいて名乗り「山手ネコロジー」パンフと私の名刺を渡す。同じ団地の人でみちよさんから私のことも聞いているという。

朝6時と午後4時、犬の散歩時に毎日給餌しているというが、お仲間になりませんか、と言うと、いきなり近隣住民がここの猫のために迷惑を被っているだの、犬が猫に襲われ引っかかれ、追いかけられたとまくし立てる。M浦さん思わず「じゃあ、ここを通らなければいい」と言ってしまった。するとその女性、カッカとして『公道なのだから通る権利がある・・云々』と更に声を張り上げる。猫がところ構わず糞をするのを何度も目撃しただのと何だか餌やりさんとも思えない発言。ところ構わずの糞なら断然犬だろう。餌場でも我々が掃除したこともある。

ここの猫に餌をやっているのは自分ひとりだと思っていたとのこと。違うと言っても、自分が来るととても飢えていて猫たちに囲まれるとこれまた切り口上に言う。1日に何度でも餌やりさんにはそういう素振りをする、と言うと気を悪くしたか、「じゃあ、ここの猫たちはもういいんですね?もうやりません!」とえらい剣幕だ。「プリンス猫階段」もいたち川沿いの猫にも給餌していると言うが、すべて自分ひとりだけが餌やり人だと思っているらしい。

いたち川沿いには猫たちが捨てられるので、そのあたりの住民が学院正門前に捨てに来るとか、車で捨てに来た人を目撃したとか、学院の生徒が猫を蹴飛ばしていたとか、プリプリ怒りながらその怒りを我々にぶつけてくる。何が何だかよく分からないが、同じ餌やり人ならもっと穏やかに話せないものか。

「もう、やりません!なんて言わずあげて下さい。猫たち可愛いでしょ?」と取り成すが、ブツブツ言いながら行ってしまった。

そこへワカメちゃんが慕っているT木氏が通りかかった。T木夫妻は単なる山手猫ウォッチャーだが、暖かい目で見てくれている。早速、遠くからだが猫ハウスをお見せする。

午後9時15分に小桃の餌場へ。小桃はいたが開けた缶詰を殆ど残して行ってしまった。新黒もガツガツしていない。帰ろうと上に上がると道路の向こうにスミオが現れた。勿論、道路を渡ってこちらにやって来てひっくり返る。小桃の残りを食べるかと思い、誘導する。まず水を飲んでいる。その間にそそくさと立ち去る。


2002年11月23日(土) 待望の猫ハウス設置!

そもそも「山手ネコロジー」の猫たちは☆☆学院の敷地内を根城にしている。猫たちが安心して給餌されたり暖かい寝場所を得るためにはどうしても学院側と交渉せざるを得ない。「山手ネコロジー」結成の由来のところにも書いたが、数年前、ボランティア団体が、学院側の協力を取り付けようと試みたが、トップの交替などでウヤムヤになってしまった経緯がある。

そのような失敗を繰り返さないためにも、新生「山手ネコロジー」としては実績を積み、先進例としての慶應義塾大学日吉校舎のホームレス猫たちの処遇を視察したりした。

そうして満を持して11月初、学院に対し「要望書」を提出し、「山手ネコロジー」メンバーの構内立ち入りと猫ハウス設置の許可を願い出た。添付資料として克明な「山手ネコロジー活動報告書」及び写真資料付きの「慶応義塾大学日吉校舎視察報告書」も提出。

勿論、その前に長年に渡るJ先生の根回し、たゆまぬ啓蒙努力がある。また、メンバーのM本氏が自宅近くの公園を清掃し、「山手ネコロジー」の餌場を毎日掃除しているのをM本氏の近隣に住む学院事務長がかねてより好感を持って眺めていたことも大きい。

こうしたメンバーの努力が実を結び、要望書提出後1週間で校長より基本的に、立ち入り、猫ハウス共にOKが出た。細かいことは事務長と教頭に相談しつつ決めることになったが、ポオちゃんの鼻風邪がひどく、少なくとも1個の猫ハウス設置は急務であることから、J先生が頑張ってくれてひとまず1個だけ目立たぬように設置することになった。

午後1番にJ先生の車で、M浦さんとともにDIYのアクトで小型の木製犬小屋を購入。早速、構内の目立たぬ場所に据え付けた。M浦さんによる連日の抗生物質投与で、ポオくんの鼻風邪は治っているようだ。初日なので、猫たちに入ってもらおうと奮発してカイロを15個ほどもハウスの床に敷き詰める。その上にベビー毛布を敷く。猫たちが入れ替わり立ち替わり出入りしている。ポオちゃんは暖かい猫ハウスがとても気に入ったようだ。早速入って寛いでいる。

集まった猫たちには食料を振舞う。3時半頃にはJ先生が立ち去る。どうもポオちゃんの様子が変だ。何度も何度もトイレの態勢を取っているが出ないようだ。4時半頃まで様子をみるが段々ひどくなってきた。M浦さんをその場に残し家に戻り犬山動物病院に電話してみる。すぐに連れて行きたいが、車が出払っている。「山手ネコロジー」のキャリーも車の中だ。

思案した末、うちのキャリーを持って山手に戻る。タクシーを呼び犬山動物病院へ行く。先客はミニチュア・ダックスフントだ。院長がポオの腹部を押し、ポオがフギャッと言ったと思ったら、診察台の上にオシッコが。血尿のようだ。スティックで検査するとまだそれほど重症ではなく、単なる膀胱炎らしい。冷えたからだろう。療法食を買い、サンプルも大量に頂く。

M浦さんは家猫のフク(ポパイの兄弟?)用に療法食を買う。私はトムが血尿を出した時に備えてバイトリルを買う。

我が家に電話したが、まだ家人は戻っていない。仕方なくまたタクシーを呼ぶ。正門前で降り、ポオをハウスに戻す。6時前だが陽はとっくに暮れているので猫たちが続々と集まってくる。食料の手持ちがもうない。もうすぐ他の餌やりさんたちが来るだろう。

ポオへの投薬などのため、明日午後3時にまた正門前でM浦さんと待ち合わせをし、左右に別れ、それぞれ戻る。

午後9時15分にはまた小桃への給餌に。小桃はおらず新黒だけが待っていた。どうやらY沢さんからたっぷりもらったらしい。新黒には家猫の食べ残しとカリカリを与える。水を替えていると小桃が伸びをしながら現れた。缶詰小をあげようとしたが、また行ってしまった。全然空腹ではないようだ。


2002年11月22日(金) 小桃はいなかった

9時15分出発。道路の上から見ると新黒がちんまり座って待っている。小桃は出て来ない。水はカラカラだが、カリカリの残りカスがあるからもう十分に給餌されて出て来ないのだろう。

欲張りの新黒は私が来るのを待っていたのだな。新黒の餌置き場はなめくじと団子虫でいっぱいだ。卓上ホウキで払って、そこに缶詰を空ける。今夜はスミオも来ない。ちょっと物足りないような気もするがそそくさと帰る。往復20分で済んだ。

今日午前11時45分ごろ、駅へ向かっていると、団地の2号棟の陰から茶白猫がさっと走り込んで来るのが見えた。アニーかバニーなのだろうか?ゴミ収集がまだ行われていなかったから、ゴミでも漁っていたのか?私の知らない飼い猫が何匹もいるからそういう猫のうちの1匹だったのかもしれない。


2002年11月21日(木) 今夜もスミオにみつかっちゃった

9時20分に家を出発。空気は暖かいが風がある。小桃の餌場、「駐車場+お墓」は崖下になっており風は当たらない。小桃はニャーニャー鳴いて餌をねだった割には食べ残している。おいしくない缶詰だからか。新黒の餌場は持参の卓上ホウキできれいに掃く。新黒はおいしそうに食べている。よしよし。小桃の残りも与える。学院前の道路にはダンプがエンジンをかけたまま停まっている。

今日は手早く済んだと思い、帰ろうと崖下から上がって来ると、道路を隔てたところにスミオが!数珠繋ぎになった車が通り過ぎるのを待ってスミオがこちら側に渡って来た。もうゴロゴロひっくり返っている。崖下に誘導し、缶詰小缶を開ける。スミオがゆっくりゆっくり上品に食べるのを見守りつつ、遠くを見ると、車が激しく往来する道路を突っ切って全身茶虎猫が駐車場の中に飛び込むのが見えた。

まさか茶々ではあるまいと思いながらも一応行ってみる。茶虎猫の影も形もないが、車の下から小桃が出て来た。小桃をもう一度餌場に誘導するが、スミオの食べ残した、おいしい缶詰には見向きもしない。新黒が待機しているので、彼が平らげるだろう。スミオは山手に戻って行った。私も帰ろうとすると道路の向こうからスミオと茶々が見つめている。慌てて立ち去る。

用事があってM浦さんに電話すると今日もかりんは「山手スカイウォーク」てっぺんの餌場にはいなかったそうだ。心配なので学院内の昨日の場所へこれから見に行くという。

J先生からのメールを引用する:

『★「かりん」ちゃんが、ほとんど毎日、T野先生から餌をもらい、事務所の真ん
前で寝そべっています!ハイちゃんもT野先生に餌をもらいますが、その後、私
の車にきて、またもらっています。スミオと喧嘩しているようです。

★「ポオ」くんが本当にひどい鼻風邪を引いていますね。昨日会いましたが、目
の前に太った小鳥が来ても、とろうとしませんね。』


2002年11月20日(水) 今日は水曜日なので

「山手ネコロジー」全体に私が給餌する日だ。9時に出なければならないのに、気が付いたらもう15分過ぎている。慌てて小桃の駐車場へ。小桃と新黒が待ちかねている。が、よく見るとM本氏が来たのか、カリカリのカスのようなものがあり団子虫となめくじが沢山たかっている。

スミオもやって来た。3匹に別々に缶詰をあげ、水を替える。急いで「山手猫階段」の餌場へ行ってみると、階段下でY沢さんとM浦さんが話している。M浦さんのカリカリの給餌はもう済んでいるとのこと。Y沢さんは来たばかり。ポオちゃんが今冬もひどい鼻風邪を引いているという。大くしゃみをして鼻水を派手に振り飛ばしているそうだ。カリカリは食べなかったとか。

粉末の抗生物質は常時、持参しているのでY沢さんのカリカリ入り缶詰の餌に混ぜてポオちゃんに食べさせる。他の猫たちにもY沢さんの大タッパー一杯の餌を与える。みんなよく太って腹部は横に張り出している。アニーやタビーなど、「張り出し横綱」だ。さくらが唸り始めたのでその方向を見るとゲンキがいた。ゲンキは超ハンサムなのに雌猫たちには総スカンを食らっている。

「かりん」が日曜日から姿を現さないといって松浦さんが心配している。あんなに我々に付きまとう懐っこい猫が3日も現れないのは変だ。どういう可能性があるか頭を捻って考えるが全く分からない。我々もここの猫たちの24時間がどうなっているのか、全然知らないのだ。彼らの生活時間のほんの一部しか知らない。

M浦さんは学院内を通ってかりんを捜しがてら帰るという。私は小桃の駐車場へステンレス容器を引き上げに行く。ゲンキが従いてきた。小桃は少し残している。ゲンキがそれを食べようとして闇に向かって唸っている。よく見ると新黒がいた。新黒は平然としている。きっと新黒の方が強いのだな。

スミオもやって来た。スミオはコロコロひっくり返って甘える。撫でて可愛がる。その様子を少し離れた場所から新黒がじーっと見つめている。新黒も威嚇ばかりしていないで、こういう様子を学習しないと。

12時近く、M浦さんから電話があり、学院内の道路上でかりんを見つけたという。いつもの餌場、「山手スカイウォーク」のてっぺんまで誘導し、缶詰とカリカリを与えると全部食べたそうだ。かなり空腹だった筈なのにどうしていつもの場所に居なかったのだろう。ハイシローの鼻に引っ掻き傷があり、かりんの鼻も引っかかれた痕があったというから、2匹でケンカでもしたのか?

学院北側の公園出口にはさっきまで「山手猫階段」の餌場に居たパークが戻っていたそうだ。やっぱりもともとは公園側の猫なのだ。M浦さんだけの時には出て来なかったのだ、缶詰おばさん(私)の声を聞きつけて姿を現した。M浦さんが差し出したカリカリの容器には見向きもせず、「缶詰よこせ!」とばかり待機していたが、あげないので元の居場所に戻っていたようだ。

山手猫のことではまだまだ一喜一憂は続く。


2002年11月19日(火) いつもと同じ

9時15分に家を出る。やはり暖かい。道路の上から覗いた時には猫の姿は見えなかったが、降り口にさしかかると小桃は飛び出して来るし新黒も待っている。団子虫となめくじが2箇所に固まっている。きっとY沢さんがそこに餌を置いたに違いない。水もきれい。小桃も太っているし新黒は勿論ガッチリした体格だ。

小桃は私が缶詰を開けるのも待てない風だ。容器に入れるや否やガツガツと食べ始める。新黒も待ちかねている。少なくとも2度目の食事なのに。新黒には缶詰1個の他に家猫の残り物も与える。

食べ終わった小桃は珍しく、新黒が食べている方へ寄って行き欲しそうな素振り。が、側までは行かず諦めてお墓の横で身繕いしている。いつもは食べ終わるとさっさと消えてしまうのに。まだ欲しいのかもしれないが身体つきからいって十分だ。

M浦さんの話だと小桃は子育てしていた時にはとても痩せていたそうだ。不妊手術も済ませ、子育てから解放された今では、十分な餌も貰えるし小柄ながらしっかりと固太りの身体になった。毛艶もとてもいい。

昨夜、正門前の道路に長々と置いてあった重機類はもうなかった。何だったのかな?明日は「山手ネコロジー」の餌場に行くのでよくチェックしてこよう。


2002年11月18日(月) 今夜は暖かい

午後9時15分きっかりに出るつもりが25分くらいになってしまった。慌てて小桃の餌場に向かうが途中で缶切りを忘れたことに気付いた。取りに戻り更に遅くなった。寒いかと思ってキルティングのコートを着て出たが、小さく往復しただけでもう暑い。

小桃も新黒も待ちかねていた。飛び出して来た小桃のお腹は膨らんでいるが、まず小桃のために缶詰を開ける。水容器に水はなく汚い葉っぱが底にへばりついている。水は後にして新黒にも缶詰を開ける。水を入れ替えたが小桃は飲もうとはせず餌容器に5分の1ほど残してさっさと行ってしまった。残りを新黒に与える。まだ欲しそうにしているのでカリカリを盛る。

スミオは来なかった。学院前の道路には重機の車が数台駐車している。何か工事をやっているようだ。もしかして職員寮の取り壊し?

今日は所要時間20分で済んだ。


2002年11月17日(日) 今日はスミオも

午後9時15分に家を出て小桃の駐車場に向かう。新黒だけが待っていたが、小桃もゆっくりと出て来た。水は汚れている。

まず小桃のために缶詰を開け、小桃専用のステンレス容器に中身を空ける。待ちかねて側で待機している新黒には、いつも通り階段であげることにする。容器が嫌いな新黒には、床にゴロゴロしている団子虫を払って中身を空ける。

それからおもむろに水容器を洗って水を入れ替える。(・_・;)…ん? 黒っぽい猫がやって来た。スミオだ。お腹を触ってみると十分膨らんでいるがカリカリをあげる。

せっせと食べていた小桃だが、満腹になったのか3分の1ほど残して行ってしまった。残りをスミオにあげる。自分の分を食べ終わった新黒が期待に燃えて待っている。カリカリをあげるが、少しだけ食べて残している。缶詰がいいようだ。

スミオはカリカリと缶詰をゆっくり、ゆっくり食べている。ゆっくりながら缶詰の方は全部食べてしまった。残念だったね、新黒。まだ空腹ならカリカリをお食べ。

スミオはまっすぐ水容器のところに行き静かに水を飲んでいる。すぐに私が動くと追って来て水が飲めないとかわいそうなので、しばらく待つ。スミオは立居振舞が上品で何事もゆっくりなのだ。大分飲んだと思われるころ、そーっと立ち去る。

が、やはりスミオは少し追ってきた。かりんのようにいつまでも従いて来るということはないが、スミオは態度がいじらしいのでファンも多いらしい。道路から下を覗くと、スミオが立ち去った後のカリカリを新黒が食べている。猫たちそれぞれ個性豊かで姿も性格も様々だ。あんなに態度の悪い新黒やパークでさえ、今までろくな目に遭ってこなかったんだな、と思うと可哀相でいとおしくなる。

スミオも毎日のように食べに来るかもしれないので3匹分の食料を用意することにしよう。いつも余分には持参しているのだが、もっとたっぷりにしよう。

小桃の駐車場は谷底のようになっているので広い割には風が当たらず、猫のためには立地条件が良いのかもしれない。


2002年11月16日(土) 小桃はもういなかった

今夜もやはり9時20分頃に家を出て小桃の駐車場へ行く。シ〜ンとしていて誰もいない。水はキレイになっている。きっとY沢さんが来たのだろう。新黒もいない。しばらく懐中電灯の光をサーチライトのようにグルグル回していると、どこから湧いて来たのか分からないが新黒が出て来た。既に食べたような顔をしているが、1缶開ける。

スミオも来ない。多分丁度、そのころ「山手猫階段」の餌場ではM浦さんがカリカリを与えていたことだろう。

M浦さんほどではないが、小桃の給餌に来たのに会えないと寂しい。が、待っていないということは既に貰って満足したということだから、複数人から給餌されている今の山手猫の状況は非常に喜ばしく恵まれていると言える。

「プリンス猫階段」のコロとノンにも複数の給餌人がつき、まことに喜ばしい。

もっと下のいたち川沿いの惨めな猫たちの噂もよく聞くが、やはりその子たちを気にかける複数の人々がいる。そちらはそのような人々にお任せしよう。


2002年11月15日(金) 困った、困った・・

午後9時15分に家を出発、小桃と新黒の給餌に行く。まず小桃の為に缶詰を開ける。新黒が側に来て催促している。少し離れた階段で団子虫の群れを払い、彼にも1缶開ける。水もきれいだったしY沢さんが来たようだ。

ふと見るとスミオが来ている。スミオには1缶余分に持っていた、おいしい缶詰を開ける。それほど空腹ではないようだ。食べ終わった小桃にも少しあげる。小桃は満腹になりその場を離れた。自分の分を食べ終わった新黒が待機しているので呼ぶと喜んでやってきて小桃の食べ残しをおいしそうに食べ始めた。

するとM浦さんがやって来た。猫たちを引き連れている。かりんがスミオの食べ残しをきれいに食べてしまった。小桃に会いたくて来たというがタッチの差で小桃は行ってしまった後だ。猫たちを連れ帰ってもらい私も慌ててその場を離れる。

が、かりんがどこまでも従いて来る。かなり遠くまで従いてきて民家の側で止まり、大声を張り上げて鳴き叫んでいる。仕方なく「山手猫階段」の方へ戻る。隙を見て帰りかけるが、かりんのみならずスミオまで従いてくる。ひっきりなしに通る車の直前を横切るので危ないことこの上ない。そういうことを3回繰り返し、仕方なく「山手猫階段」へ行く。集まる猫たちを振り切って「山手スカイウォーク」のてっぺんまでずんずん上る。

てっぺんには花子までいた。てっぺんから横道へ逸れる。「山手スカイウォーク」から離れるがアニー、バニー、タニー、かりん、花子の5匹が従いてくる。どこまでも従いてくるので、仕方なくまた戻る。Fマンション側まで戻ったところで、そのあたりを縄張りにしている太った三毛猫が怒って出て来た。花子がフェンスの内側に入ってしまっているので、出て来るまで待つ。

どうやってこの猫たちを撒こうか。途方にくれる。とにかく「山手スカイウォーク」に並行している道をM浦さんのLマンションの方向に向かって歩き出す。花子はもう従いてこず4匹が従いてくる。「山手スカイウォーク」北側上り口の植え込みに白っぽい猫がいる。ライトで照らすとニャン太だった。ニャン太は山手猫たちを通さない。私は彼の給餌人ではないのに、ニャン太は餌をねだる。仕方なくカリカリを与える。

ついて来た猫たちは、と振り向くと「山手スカイウォーク」に戻り、こちらを見ている。自分たちにはくれずにニャン太にだけ餌をあげた、と怒っているかも。ともかくニャン太のおかげでやっと猫たちを撒く事ができた。一時はどうなることかと思った。缶詰おばさんが、何やら袋を持っているのに缶詰をくれない筈はないと猫たちが思うのも無理はない。

Lマンションの敷地内に来たのでM浦さんちに寄ってコトの顛末を話していくことにする。ドアチャイムを鳴らすが応答がない。おかしいな。入浴中かな?と思いつつ3回鳴らす。息子さんが出て来て留守だと言う。ふ〜ん。こんな時間にどこへ行ったんだろ?帰りかかったところへ自転車で当のM浦さんが買い物から帰って来た。

M浦家に上がり込み、茶菓のもてなしを受けながらさっきの話をする。M浦さんには水曜日以外は小桃の駐車場へは来ないことを約束してもらう。彼女も猫たち、特にかりんがつきまとうので小桃への給餌に苦労したのだ。今日は彼女、小桃には会えなかったのだから収穫は全くなく私を帰れなくさせただけだった。花子がちゃんと帰っているか明日、よ〜く見ておいてくれるよう頼んだ。


2002年11月14日(木) 好意的に見守られる「山手ネコロジー」

午後9時前に電話がかかってきた。M浦さんの住む学院北側のLマンション、自治会の保健推進委員のK須さんからだった。M浦さんから「山手ネコロジー」活動のことを逐一聞いているそうで、以前ご寄付も頂いたことがある。

Lマンションでは去年、給餌マナーの悪い一部の住民への苦情が増えたことから、野良猫に餌をやらないように、とのきつい文言の張り紙が管理組合により張られたとかで、マンションの愛猫家たちは心を痛めていた。が、ご多分に洩れず各給餌人たちはそれぞれ孤立しており横の連絡が殆どなかった。

毛玉の誤認手術の結果、各号棟の給餌人の存在がはっきりし、横のつながりも出来てきた。その結果、未手術のLマンション猫はいないことが判明。そして「山手ネコロジー」猫もすべて手術済みとなっている。Lマンション猫、「山手ネコロジー」猫共に責任者がその健康維持、住民とのより良い共存に努めていることを、管理組合会合の席上、K須さんが力説してくれたそうだ。Lマンション4号棟は学院敷地内にめり込んだような格好で建っているので、Lマンション猫、「山手ネコロジー」猫と分けるまでもないのだが。

K須さんは役職柄、保健所にも頻繁に出入りしており、「山手ネコロジー」活動のことも報告して保健所の担当者に喜ばれたとか。保健所では学院内外のホームレス猫たちのことだけが把握できていなかったそうだ。

そういう話で盛り上がっていたので、小桃と新黒の給餌に行くのが9時半になってしまった。外は風もなく暖かい。小桃は車の下から出て来て待機している。新黒はいない。水容器は満タンだったが、ゴミが入り汚れている。Y沢さんはまだ来ていないようだ。持参した小桃専用のステンレス容器に缶詰を空ける。ムシャムシャとよく食べた。指で容器の真ん中にフードを寄せ、すっかり食べ切らせた。

缶詰大1缶、丸々食べて側の土を掘りおしっこをしている。帰ろうとすると従いて来る。隣の駐車場の車の下に入った。ふと見るとその車の下から何やら黒いものが出て来た。目をこらすと新黒ではないか。車の間に入り缶詰を開ける。おいしそうに食べ始めたのを見てその場を立ち去る。

小桃にしっかり食べさせることが出来たので、M浦さんも安心することだろう。


2002年11月13日(水) 1週間ぶりの給餌

夕方、M浦さんから電話がかかってきた。通常彼女は午後8時頃、学院北側の公園で黒猫ジジに給餌した後、家に戻り午後9時になって改めて出直す。「山手スカイウォーク」の北側上り口付近でニャン太にまず給餌。スカイウォークてっぺんで赤猫4兄弟とさくら、かりんに給餌した後、南側へ向かって階段を降り、餌場でみんなに給餌する。それから道路を渡って小桃の駐車場へ行くのだが、この時、数匹の猫たち、そしてバニーやかりんまでが従いて来るという。

小桃は新黒が側に居るだけでもいやなのに、猫たちが大挙してやって来るのに耐えられず逃げてしまうので、M浦さんの餌にはありつけない。困ったM浦さんは考えた末、「山手猫階段」の餌場での給餌の後、一旦「山手スカイウォーク」をてっぺんまで戻り、大回りをして小桃の駐車場へ通っていたそうだ。そういうことならば、と以前私がしていたように小桃と新黒だけにはあの駐車場で毎日給餌することを申し出た。

今日は水曜日なので、どのみち給餌に行く日だ。9時15分頃に餌場で落ち合う事にした。

久々に「プリンス猫階段」へ回ってみる。猫たちはいなかったが空の容器と水容器があった。

小桃の駐車場へ行くと小桃が鳴きながら車の下から飛び出して来た。新黒も待機している。まず小桃においしい缶詰を開ける。新黒も待ちきれず騒いでいる。鼻に皺を寄せて「フンガーッ!」と喚くのが催促のようだ。たまにはニャーとでも言ったらどうか。容器が嫌いな新黒にはきれいな階段でおいしい缶詰をあげる。

すると「こんばんわ!」と言いながらY沢さんがやって来た。彼はこのところ給餌に来る時間が早い。もう餌場での給餌は終ったとのこと。小桃はあっという間に1缶平らげてしまっている。Y沢さんのカリカリを足すが途中で行ってしまった。新黒も食べ終わり、お替りを待っている。小桃の食べ残しもあげる。

「山手猫階段」の餌場へ行ってみると、Y沢さんが暗闇の中で猫たちと遊んでいる。私の姿を見てゾロゾロと猫たちがまた集まって来た。まるで全然食べていないような素振りをしている。新聞紙を広げていると上の方からライトが見える。M浦さんより早く赤猫たちが駆け下りて来る。M浦さんと協力して缶詰を開ける。いつものようにY沢さんはお先に失礼だ。

全員集合している猫たちをよく見るとみんなデブデブに太っている。プリンスの太り方はお見事と言う外ない。数ヶ月前は痩せて体調が悪そうに見えたが今は絶好調。今日は尻尾をピョコピョコ振っていつもにも増して元気ハツラツだった。タビーもよく太っている。ハイシローとトニーが寛いでいると、まるで鏡餅に頭を乗っけたような姿だ。

パークも待機している。餌容器を持って近づくと相変わらず威嚇して逃げる。可愛げのないヤツだ。それでもお替りまでさせるが、もっと貰おうとしてかなかなか立ち去らない。

M浦さんと別れて帰途につくがゲンキがついて来る。そこへタクシーが通りかかりハラハラさせられる。

小桃の駐車場の隣の駐車場から小桃が鳴きながら出て来た。もう食べたのに。その駐車場の中で小桃にかまっているとゲンキが聞きつけてやって来た。ゲンキが大嫌いな小桃は車の下に入って唸っている。もうそのままにして帰って来た。

朝、小桃と花子はその駐車場に居ると、その真ん前の1号棟の人が言っていた。小桃は山手には居場所がなくなったのだろうか?そんな駐車場より山手の雑木林の中の方がずーっと安全なのに。夫のプリンスとも全く行動を共にしていないようだし。


2002年11月06日(水) すっかり初冬

8時半ごろから缶詰フードの用意をするが、缶切りで1個1個切るのはなかなか手間がかかる。今日は13個開け、タッパーに詰める。空き缶を洗って片付けていると9時を過ぎてしまった。まっすぐ小桃の駐車場へ行くが誰もいない。降りて行き水容器をチェックする。水はたっぷり入っており、餌のかけらが沈んでいる。もう給餌されたのに違いない。然し、カリカリ1かけらも落ちてはいなかった。

「山手猫階段」へ向かうが猫は1匹もいない。コロコロキャリーを担いで階段を上ろうとすると猫たちが階段にいるのが闇をすかして見えた。どうもみんな満腹のようだ。ライトを点け、新聞紙を広げると条件反射か、猫たちは給餌を待つ態勢に入った。コロンはいないが殆どの猫たちがいて、てっぺんの猫たちもアニーとタニーはいる。パークは来ていないが大方もうもらったのだろう。

新聞紙に缶詰フードを広げるとそこそこ食べ始めた。そこへ上からM浦さんがさくら、かりん、バニーを連れて降りて来た。バニーの傷はすっかりきれいになっている。後は毛が生えそろうのを待つだけだ。傷が治るにつれ、本来の甘えん坊に戻っている。ちょっとしゃがれた鳴き声を盛んにあげている。

見ると新黒が来ている。丸々太って何だか毛並みもきれいになっている。態度もゆったりしているようだ。一体どうしたんだろう?ガツガツ食べず、残している。しばらくすると悠然と立ち去った。M浦さんの話では、昨日、小桃の駐車場で新黒に1週間ぶりに会ったそうだ。全く痩せていないので、きっと他に餌場があるのだろう。

M浦さんともう1度、小桃の駐車場へ行こうとするとバニーとかりんがついて来た。後からハイシローもやって来た。ハイシローの肥満ぶりは目に余る。大体が顔も細く小さく、ほっそりとした体型であるべきなのだが、食べ過ぎで腹部が異様に横に張り出している。その割には身軽に飛び回っているが。

M浦さんの実家では甥が拾った犬が居て、不妊手術に8万円もかかったそうだ。今度は姪が捨て猫(赤ちゃん猫)を拾ってきて外飼いしているそうだが、3匹のうち1匹はメス猫で1度は流産したそうだ。不妊手術が急務だとみたM浦さんは2万円を手術代にと置いてきたそうだ。栃木の田舎だそうだが、それにしても手術代がベラボーに高いように思うが・・

往きには暑いように感じたのだが、帰りには寒気が身にしみた。今年は冬の訪れが早いとのことだが、外猫たちには辛い季節だ。


ネコロジーHP主催者 |HomePage