つれづれ日記
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2002年10月30日(水) 今日も給餌に

今日は水曜日なので、元々給餌に行く日だ。出かけたのは9時半を過ぎていた。小桃の駐車場へ行くと、昨日と同様小桃は飛び出して来たが余り食べない。しかもゲンキがやって来たので小桃はご機嫌斜めだ。水もきれいだし、カリカリも落ちている。Y沢さんが来たに違いない。

山手へ向かうとスミオや茶々、パンダなどが飛び出して来た。タビーとハイシローも。餌場まで上がって缶詰を開ける。いつものように新聞紙の上に缶詰フードを広げる。猫たちはまとわりついてくるが空腹ではないようだ。スミオも甘えていたがいつの間にかいなくなってしまった。電池を替えて明るくなった懐中電灯で照らしてみると、カリカリがたくさん落ちている。よくよく見ると缶詰も混じっている。この餌は間違いなくY沢さんのだ。水もいっぱい入っている。一昨日、M浦さんから留守中の給餌を頼まれたY沢さん、私より先にたっぷり与えてくれたようだ。

パークも既にもらったらしく出て来ない。プリンスのお腹を見ると丸々している。首の太さもすごい。みんな冬に向かって身体に脂肪を貯えているようだ。アニー、トニー、タニーは降りて来たがバニー、さくら、かりんが降りて来ない。「山手スカイウォーク」のてっぺんまで行くが、従いてきたアニー、トニー、タニーだけで他に誰もいない。しばらくウロウロしていたらバニー、さくら、かりんの3匹が踊りこんで来た。みんなよく食べた。Y沢さんの給餌時に下の餌場まで降りて来なかったとみえる。

持参のカメラでバニーの傷を写そうとするがバニーが動き回ってうまくいかない。しゃがんで食べている時には傷の部分がかくれてしまう。なんとか数枚写して「バニーの受難」と題してHPに載せた。傷の回りの毛も抜け落ちて非常に痛々しい。散々バニーを撫でて可愛がったが、てっぺんは寒い。さくらもかりんもとても甘える。アニーはもとより超甘えん坊だ。トニーもタニーも甘えてくるまでもう一息だ。プリンスも来ている。タビーもやって来た。適当なところでてっぺんを引き払う。

下の餌場までみんな従いて来た。茶々がやってきて余って餌を食べ始めた。その後バニーが残りの餌をぱくつく。すっかり満腹になるとバニーは昨日のようにさっさと階段を駆け上がって行ってしまった。以前はいつまでも餌場に居てつきまとっていたのに・・もしかしたら餌場の辺りで虐待を受けたのかもしれない。

ようやく店仕舞いして帰ろうとすると茶々が甘えてくる。今日は従いては来なかった。小桃の駐車場を覗くと小桃も新黒もおらず、餌は大量に余っていた。

今日も帰宅は11時を過ぎてしまった。


2002年10月29日(火) ご無沙汰ッ!

何と11日ぶりだ。その間の「山手ネコロジー」関係の出来事は、「出来事」にアップしてあるので大体のところは報告済み。市の助成金申請期日の関係から、バタバタと多くの猫たちに不妊・去勢手術を行った。それが22日のノンちゃん(「プリンス猫階段」)で一応全員終了ということになったので、ドッと疲れが出た。

やはり思った通り、新黒の捕獲が一番手間取った。捕獲器の中で大暴れした新黒は、翌日迎えに行くとすっかり観念して諦めきった表情でグッタリ捕獲器の中に横たわっていた。目の前でフラッシュを焚いて写真を撮ってもグロッキーになっており無表情。

小桃の駐車場で捕獲器の蓋を開けたが、入口にお尻を向けて隅っこで固まってしまっている。促すと気が付いてそろそろと外へ出た。餌には目もくれない。へっぴり腰のまま遠ざかり見えなくなってしまった。

それから3日間新黒は姿を現さなかったが、3日目に現れた時には全く以前通り。あんなに懐かない新黒でも出て来ないとなると心配になる。現れた時にはM浦さんも私も胸を撫で下ろした。

ノンちゃんは病気には感染しておらず妊娠もしていなかった。里子に、という案は犬山動物病院の院長によれば、懐かないので、よほど理解のある里親さんでなければ無理だとのこと。う〜ん、そうかもしれないなあ。

先週バニーが腕に怪我をしているのをM浦さんが発見。見るとかなり大きな切り傷のようだ。左前足内側なのでケンカやカラスの仕業とは思えない。鋭利な刃物で切りつけられたような感じだ。夏にポパイが脇腹を突き刺されていたが、同じ犯人による虐待の疑いが濃厚だ。

昨夜、M浦さんとY沢さんがライトを照らしてよく見たところ、傷はかなり深いようだとのこと。かさぶたが出来ると舐め取ってしまい、なかなか完治しない。

M浦さんが今日、明日と留守なので、9時40分頃、餌やりに出発する。小桃の駐車場へ行くと小桃が飛び出して来た。水も入っているし、カリカリが一粒残っている。一応缶詰フードを与える。新黒はいなかった。「山手猫階段」へ向かうがスミオは出て来ない。茶々とゲンキが出て来た。何匹かが降りて来たが、空腹ではなさそうだ。既にY沢さんが来た模様だ。水もたっぷり入っている。

このところ毎日来ているパークもウロウロしている。新聞を広げて缶詰フードを置くが人気がない。タビーもプリンスもいるが余り食べない。もっとおいしい缶詰なら食べようか、という雰囲気だ。

てっぺんの茶白猫4匹とさくらも降りて来た。かりんはさっきいたのにいなくなってしまった。珍しくハイシローがいない。コロンもいないが、もう満腹で行ってしまったのだろう。遅れてパンダがやって来て結構食べたが、トータルで缶詰9個分くらいの消費量だった。みんなが空腹のときには20個があっという間になくなるのだが。何と、パークまでが残している。それとも追い立てられたのか?

バニーの傷はなるほど深い。肉が見えて痛々しい。化膿しているようではなかったが、後で写真を撮ろうと思っていたらさっさと上の方へ行ってしまった。アニーとタニーが結構最後までいた。珍しくワカメも。

ゲンキが木に登って可愛いのでたくさん写真を撮る。スミオが車の下にもぐっているかもしれないので、職員寮への急坂に停めてある車の下を覗いてみたがスミオはいなかった。代わりにパンダがいた。

また小桃の駐車場へ行ってみるが新黒がやはりいない。さっき小桃にあげた缶詰フードもたくさん残っている。やはりみんなもう満腹だったのだ。幸せな猫たちメ!

一人だったので長居はしなかったつもりだが帰宅するともう11時だった。


2002年10月18日(金) スミオの食欲戻る・ニャン太ご帰還・「新黒」捕獲

今朝11時頃、J先生から電話があり、スミオは池のそばに居たが、やはり全然食べないという。では、スミオを見つけて犬山動物病院へ連れて行くことにした。M浦さんに連絡し、11時40分に正門前で落ち合うことにした。犬山動物病院に電話すると、なかなか出ない。院長が出てきて、今すぐは困る、午後にしてほしいと言う。あ、きっとニャン太の去勢手術の最中だったんだ。M浦家へ電話すると息子さんが出て来てお母さんはもう出た後だった。で、私も猫フードを少々持って出かける。

餌場には花子とハイシローが出て来た。カラスが餌を狙うので2匹が食べ終わるのを待って池の辺りでスミオを探し求めてみるがいない。職員駐車場へ行ってみるとトニーが鳴きながら出て来た。こんな時間にこんなところへも出没しているのか。ハイシローは我々の後を従いて回って他の猫たちにケンカを売っている。

トニーにもカリカリを与え、職員寮への急坂を降りて行くと、スミオが草むらから出て来た!そして缶詰を与えると食べるではないか!食べ方はゆっくりだが、小缶1個分くらい食べた。茶々も出て来た。ハイシローはスミオにあげた缶詰を横取りしようと虎視眈々だ。いつの間にかトニーも来ている。食べ終わったスミオは道路の真ん中で寛いでいたが、横の畑の方へ行きトイレを始めた。下痢だが、固形便もしている。先日のゲンキの食中毒時よりは遥かにマシだ。写真を撮っておく。

スミオが移動したので従いて行くと職員駐車場の方へ。陽が当たるので気持ちがいいようだ。一応持ち直したようなので、午後病院には連れて行かないことにする。餌場にはまだ花子がいる。缶詰の残りを与えていると、何とタニーが出て来た。もう餌はない。そこで私が家に取りに帰ることにした。

15分くらいして戻るとタニーはまだそこに居た。缶詰を与えているとポオが出て来た。ゲンキもだ。横取り魔のハイシローもさすがに満腹のようだ。花子、トニー、タニー、ポオ、ゲンキの5匹だけでも猫まみれに見えるようだ。通行人がじっと見るので誰かと思ったら同じマンションの知人だった。数年ぶりだが、犬や猫が好きなのだそうだ。PCはやらないというのでちと残念。「山手ネコロジー」の宣伝をしておいたが、HPを見れば一目瞭然、どんな活動なのかが分かるのに。

小桃の駐車場に行ってみたが昼間だからか小桃はいない。そこから「プリンス猫階段」へ行ってみる。コロちゃんがS内さんの車の前にちょこんと座っている。水は今朝までの雨で汚れてしまっている。M浦さん、さっき手持ちの水を全部捨ててしまい残念がっている。すると車の下からノンちゃんが甘え鳴きをしながら出て来た。缶詰を与えるとコロちゃんも「私が先よッ!」とでも主張するような感じで割り込んできた。2匹に与えるがコロちゃんはさほど食べない。

一方ノンちゃんはガツガツとよく食べた。お腹がぽんぽこりんになった。先月25日に見に来た時にはずい分ビクビクしていたが、S内さんが朝夕給餌してくれているおかげでずい分懐っこい猫に変身しているのには驚いた。撫でても全く平気だ。M浦さんが抱き上げようとするとさすがに嫌がった。尻尾を立ててすっかりリラックスしている。女の子であることがはっきり分かった。尻尾が中ほどで折れ曲がっていて先っぽがクルリと巻いている。S内さんがそのように言っていたが、今日初めてはっきり見た。この分なら捕獲は楽勝だ。犬山動物病院の都合で、この日曜か、月曜にということになるが、天気予報では月曜から雨になるらしい。困ったなあ。

帰宅すると2時半だった。J先生にスミオの無事を写真添付でメールする。

昨夜、去勢手術に持ち込んだニャン太のお迎えに行かねば。6時50分にM浦さん宅階段下まで車で迎えに行き、そのまま犬山動物病院へ。ニャン太はM浦さんの声を聞きつけて、診察室で大声をあげている。エイズ、白血病ともに陰性だった。よかった!

ニャン太は帰りの車の中でオシッコをした。車の座席にはペットシーツを敷いておいたので無事だったが、被せていたタオルケットにはたっぷり染み込んでいる。ニャン太を彼の餌場で放し、たっぷり給餌する。

その脚で「新黒」の捕獲に向かう。学院北側の公園でジジが待機しているのが見えた。M浦さんはジジに毎晩8時頃に給餌しているというので、それを済ませる。

まだ8時前だが小桃の駐車場には小桃も「新黒」もいた。小桃に給餌しようとすると「新黒」も勿論近寄ってきたが、小桃はそれを嫌がり、どうも「新黒」に対して怯えているようだ。すると鼻の引っ掻き傷は「新黒」にやられたのか?最初は小桃を立てて控えめに見えた「新黒」だが段々本性を現して餌を横取りし、あまつさえ小桃を引っ掻いて攻撃したのかもしれない。

まず小桃にだけ給餌するが、逃げて上に上がってしまうのでそこに容器を置いておく。大分離れたところに捕獲器を置き餌容器を入れ、鶏肉もセットする。「新黒」は警戒して入らない。それでは、と捕獲器本来の使い方を初めて試みようと、蓋を金具に引っ掛けて我々は捕獲器から離れる。(・_・;)…ん? 何もしないのに2度も勝手に閉まってしまう。

気を取り直し、セットし直す。離れて見ていると「新黒」はそーっと捕獲器の中に入り、餌容器の中身を食べ、金具の先に刺してある鶏肉には全く手を出さず、またそーっと出て行った。ダメだこりゃ。捕獲器の中じゃなく他の場所でくれろ、と「新黒」は催促する。こうなったら持久戦だ。今までのやり方で、私が蓋を操作する「てこ」を押さえておく。但し、お地蔵さんになったように微動だにしない。少しでも動くと「新黒」はサッと逃げてしまう。ものすごい警戒心だ。我々は完全に馬鹿にされている。

金網の上からM浦さんが少しづつ缶詰フードを落とし入れ、段々奥に落すようにする。大分入ったところで蓋を少しづつ閉めようとしたが感づかれてしまい、また後ずさった。そこで蓋を再び全開にし、次の機会を伺う。奥の容器の餌を食べようと後ろ足も中に入ったところで蓋を殆ど閉めてしまった。尻尾が完全に入ったことを見届けて蓋を閉める。M浦さんは大喜び。途端に「新黒」は大暴れだ。用意したシーツを被せ、犬山動物病院へと急ぐ。所要時間40分足らず。まずまずだろう。今までが呆気なさ過ぎた。野良は捕獲されても鳴かないというが本当だ。一声も出さない。時々ガサゴソと暴れている。

病院の診察台の上に乗せるとシーツにうっすらピンクの染みが見える。暴れて金網に体当たりし、少し鼻血を出したようだ。院長は「新黒」を見て「あー・・いろいろ病気を持っていそうですねえ・・最初にこの猫を連れてくればよかったのに・・山手の猫たちはこの猫とケンカして移ったのかも・・ボス猫ですか?」と言う。いやいやボス猫どころか、今年の2月に初めて遠慮がちに「山手猫階段」の餌場に現れたのだ。「プリンス猫階段」でも遠慮がちだった。それが最近は栄養状態も良くなりそれにつれて態度もデカくなってきた。明晩お迎えだが、明日もあんなに暴れるのだろうか?

スミオの症状を話し、下痢止めのシロップを頂いた。正門前に車を止めると猫たちが集まって来た。スミオもいる。まず彼に下痢止めを混ぜたおいしい缶詰を食べさせることにする。シロップを計量するためにいつもの餌場とは違って明るい階段下に新聞紙を広げ、缶詰を開ける。おいしくない缶詰なのでみんなあんまり食べないと思ったが終ってみれば、いつも通り茶白4兄弟がきれいに残飯整理をしている。昼間にもたっぷり食べたトニーとタニーもまたしっかり食べている。缶詰は14個開けた。今夜はパンダとコロンがいない。

M浦さんはゲンキを引き連れてもう一度小桃の駐車場を覗きに行くが、もう小桃は居なかったらしい。店仕舞いして解散する。帰宅すると午後10時を過ぎていた。全くもう「山手ネコロジー」まみれの1日だった。




2002年10月17日(木) ニャン太の捕獲

DIYのビッグサムのチラシで犬小屋の特売をしていることを知った。「山手ネコロジー」の要求が通れば、学院内の目立たぬ場所に、目立たぬように猫ハウスを設置したい。木製の犬小屋はどうかと思っている。その為の情報収集だ。

M浦さんに電話して一緒に行く事にする。その前に、PCをやらないM浦さんに「山手ネコロジー」のHPを見てもらいたいので来宅してもらうことにした。彼女はすぐに家を出て我が家に向かっていたところ、車で外から学院内へ戻って来たJ先生とぱったり出遭ったそうだ。2日間姿を消している小桃の消息を尋ねると、学院の先生が構内で見かけて餌をあげたそうだ。ひとまず安心する。

ビッグサムの犬小屋は一番小さいもので約6千円。なかなか感じが良い。写真だけ撮っておく。M浦さんの希望でその近くのスーパーにも行く。彼女を自宅近くで降ろし、帰宅すると4時過ぎだった。

6時頃、J先生から電話がかかってきた。学院の先生が5千円の寄付をしてくれたので届けたいと言う。寄付をしてくれた先生は、「猫は嫌いだが「山手ネコロジー」の活動を評価するので寄付する。猫にあげるのじゃない。」と言って大金をくれたそうだ。猫嫌いの人にさえ評価してもらえる「山手ネコロジー」の活動は大したものじゃないか!と自画自賛。

ニャン太の捕獲の為、「山手スカイウォーク」の北側上り口に6時40分にM浦さんと待ち合わせする。到着すると前方の草むらにニャン太が後ろ向きに座っているのが見える。M浦さんが現れると途端にニャーニャー派手に鳴きだした。いつものように捕獲器の蓋を持ち上げ、餌で中におびき寄せながら入ったらすぐに蓋をそっと閉める。しばらくは餌に夢中になっていたが、運悪く車が通りかかり逃げようとして初めて閉じ込められていることに気付いたようだ。途端に喚き始めてものすごくうるさい。すぐに車の座席に移し上からタオルケットを掛ける。こんなにうるさい猫は初めてだ。

犬山動物病院に運び、ニャン太の正面からの写真が殆どないので、写真を撮る。毎日給餌しているM浦さんだが、ニャン太が小さいと思い込んでいる。私には小型の猫だとは思えなかったが、やはり大きな顔に太い首をしている。明日夜、お迎えだ。

まだ7時過ぎだが、帰りに小桃の駐車場へ寄ってみた。小桃は車の下から飛び出して来た。缶詰をモリモリ食べる。ライトで照らして怪我などしていないが調べてみると、鼻の真ん中に引っ掻き傷がある。オス猫にでもやられたのか?ともあれ、出て来てくれてちゃんと食べたので一安心だ。

我々は駐車場へ車を置きに行き、M浦さんに「山手スカイウォーク」を通らずに帰れる道を教える。

夜10時過ぎ、M浦さんから電話があり、給餌から帰ってきたところだが、スミオが昨日夜、食事をしなかったが、今夜も出て来なかった。探しに行くと、職員寮への急坂に駐車している車の下に居た。2度引っ張り出して餌と水を与えたが食べようともせず、すぐまた車の下に戻ってしまう。とのこと。夕方スミオが出て来ないことをJ先生が気にしていたので、M浦さんに電話で先生にそのことを告げるように言っておいた。明朝先生がスミオを見て、必要と判断したなら私が病院へ連れて行くから、とも。


2002年10月16日(水) 給餌あれこれ

今日は犬山動物病院の休診日だが、電話してよいと院長に言われていたので6時過ぎに電話してみた。が、留守電になっていた。時間をずらせて電話すれば通じたかもしれないが、ニャン太の捕獲は明日に行うことにする。

今日はクタクタだが水曜日なので給餌に行く。8時すぎから缶詰の用意をする。17個分をタッパーに小分けにする。プルトップの缶詰も4個持参。そうこうしているうちに9時になった。出発。小桃の駐車場に近づくと、いつもは遠くから小桃が派手に鳴きながら飛び出して来るのに今日はやけに静かだ。下りて行くが、小桃も「新黒」もいない。振り向くとスミオがスルスルと下りてくるところだった。スミオの餌場はここではないので、「山手猫階段」へ向かう。スミオも道路を渡って来た。

すぐに猫たちが集まって来た。上の方から懐中電灯の灯りがユラユラしながら下りて来る。私もライトをオンにすると上から茶白4兄弟がドドドッと降りて来た。しまった。新聞紙を忘れた。M浦さん持参の容器をたくさん並べる。あまりおいしくない缶詰なので、既に満腹になっているらしい猫たちは小食だ。「新黒」はこちらに来ていた。相変わらず威嚇の構え。彼には我が家の猫たちの食べ残しも加え、たっぷり給餌する。公園茶も来ている。が、いつも通り、鼻に皺を寄せて威嚇する。全く可愛くないんだから。脚は悪いが太っていて、ほっぺたが垂れているような顔をしている。食べる時にはヨダレを垂らしている。お替りもあげ、サービス満点だ。「新黒」と公園茶は態度が全然可愛くないが、我々はせっせと給餌している。

タビーもプリンスも満腹のようだ。よく見ると全員すごく太ってきている。トニーやハイシローはお腹が横に張り出している。ゲンキはスマートだが、ガッチリと体格が良い。スミオは餌場に来なかった。こんなことなら小桃の駐車場でスミオにだけ給餌すればよかった。満腹なのか?今夜はワカメ、コロン母子もいない。女性陣はどうしたのだろう?

M浦さんと再び小桃の駐車場に行くが、やはりいない。昨日も小桃はおらず「新黒」しかいなかったそうだ。水容器も満タンで昨日のままの状態だった。カリカリが3粒ほど落ちている。誰かが給餌に来たとみえる。「新黒」がやって来て「ボク、もらっていない・・」ってな顔をしてスタンバイする。「新黒」にはさっきお替りもあげたからもういい。ゲンキを連れM浦さんは学院内を通って小桃たちを探しながら帰るという。私も家に向かいつつ下を覗くと、3度目をもらえなかった「新黒」が不満そうにいつまでも私を見送っていた。

「プリンス猫階段」へ回るがコロちゃんはいない。勿論ノンちゃんもいない。カリカリも残っている。水容器には葉っぱが浮いていたので水を替えておく。ニャン太の去勢手術が済めば、ノンちゃんの捕獲についてS内さんと打ち合わせをしなくては。

7号棟の前を通り、ノワールの餌場を通って帰る。このルートはノワールの思い出がいっぱいだ。ノワールが眠っているのではないかと思われる「猫の森」は最近木々が切り倒されて丸裸になっている。いろいろと複雑な思いが去来する。


2002年10月12日(土) 第4回「山手ネコロジー」会合開催

今朝は9時40分にM浦さんと正門前で待ち合わせた。ゲンキだけが元気に出て来ていた。下痢もすっかり治ったようでよかった。

今日の会合は幸せになったポパイもメンバーに見てもらいたいとのJ先生の希望で、お宅で開催することになった。マンションの5階だ。民間ながら公団のような南室3面の間取りで、ゆったりしている。優しそうなご主人、しっかりものの中2のお兄ちゃん、可愛い小5のお嬢ちゃんに迎えられる。ポパイはお嬢さんの部屋で、ぬいぐるみを枕にすっかり寛いでいる。そしてお嬢さんの後を従いて回っている。

先住猫のアメショー、コスモスちゃんもポパイの存在を全く気にせず自然体だ。我々に対してもお腹を見せて歓迎してくれた。この日のポパイやコスモスちゃんの写真は近日中にアップの予定。

会合の議題を確認し、学院側への要望書の草案を私が書くことになった。う〜ん、何とかなるだろう。それを提出後、学院長に会見を申し入れる。

「山手ネコロジー」のパンフの両面印刷が出来上がるのを待ちつつ、ご主人ご自慢の熱帯魚を観賞する。なかなか可愛らしい熱帯魚たちと珊瑚、いそぎんちゃく。

お昼過ぎに先生宅を辞し、DIYのアクトへ行く。猫ハウス替わりの犬小屋を見る。プラスティックのものは約4千円。木製は約7千円。猫フードは特売になっていなかったが、缶詰を少々買い入れる。M浦さんも猫砂などを買う。

ガストで昼食後、イタチ川沿いの母仔猫を偵察に行くことにする。それらしい黒の仔猫(5ヶ月くらいの大きさ)がいる。M浦さんが持っていたカリカリを与える。かなり警戒している。すぐ側に近隣の農家の人とおぼしきお婆さんがいたので、その猫のことを訊いてみる。やはり側の広い農家の主だった。一人暮らしなので警戒しているというが、段々打ち解けて、その母仔猫たちに勝手口で残り物をあげていることなどを話してくれた。敷地内に入ると茶虎猫が見えた。追って裏側に回ると斜面は竹薮になっており、小さな祠が見える。その中に黒猫と茶虎猫がいる。黒猫が2匹と茶虎猫が2匹ということか。こちらの名刺を渡し、農家の主、T田さんの電話番号も訊く。

まずは、「山手ネコロジー」猫の不妊・去勢手術を済ませてからだ。4匹分の助成金はない。それに懐いていない上、たくさんいるので捕獲は難航するだろう。少し様子を見てからにしよう。


2002年10月09日(水) ハイシローはFIV、FeLV共に陰性

ハイシローの去勢手術は6月23日に行った。その際に血液検査をされていたのだった。そのことをすっかり忘れていた。今日、書類をよくよく見てみるとハイシローの分もあり、FIV、FeLV共に陰性だった。その当時は当たり前とでも考えて印象に残らなかったのだろう。ポパイが陽性と分かり、青天の霹靂。それ以降の検査にのみ注目していた。6月以降に感染している可能性もあるが、ここはひとまず喜ぼう。

「山手ネコロジー」のメンバー、Y沢さんにはずい分長い間、会っていない。M浦さんとはよくそのことを話題にし、どうしたのかなあ、病気かなあ、と心配はするものの、これと言って緊急の用事もないので問い合わせるのをためらっていた。

今日午後、思いついてY沢さんにメールしてみた。すると早速M浦さんに連絡があった。今日、水曜日は私が缶詰をたっぷり持って餌やりに行く日だ。猫たちをスポイルしすぎないようにと、M浦さんともよく相談の上、週1回だけ行くことに決定したのだ。Y沢さんも私が毎日、猫たちを缶詰責めにしているのでは、と誤解し、余り来てくれなくなったのかも。

M浦さんもY沢さんもM本夫妻も、自分たちが行ってやらなければ、猫たちが飢えてしまう、との認識で(実際にはそうではないのだが愛情深い餌やりさんたちの心情はそうだ。)毎日通って来ていた。それなのに私が大量の缶詰を持ち込み、「山手ネコロジー」の餌やりの暗黙のルールをすっかり乱してしまった。反省している。然し、私を「たっぷり缶詰おばさん」だと認識してしまった猫たちは私がカリカリだけ持参しても承知しなくなってしまった。かくして缶詰パーティは週1回だけと相成った。

9時に家を出て小桃の駐車場へ。スミオとハイシローも来てしまったので、「新黒」も含め4匹に缶詰を与える。食べている猫たちをそのままにして「山手猫階段」の餌場へ向かう。もうM浦さんは到着していた。猫たち全員集合だ。新聞紙を広げてそこへ缶詰を空ける。ゲンキも出て来ている。M浦さんは昨日、ゲンキに下痢止めの錠剤を飲ませて引っ掻かれたそうだ。療法食の缶詰は食べず、普通の缶詰を食べるようになった。療法食はタビーに。

小桃の駐車場で給餌したスミオとハイシローが戻って来た。「新黒」までが来ている。そこへY沢さんの車がやって来た。猫たちが車の方へ駆け寄って行く。Y沢さんにも餌をたっぷりもらい猫たちはご満悦。Y沢さんとも「山手ネコロジー」について積もる話をする。外猫にはFIV感染猫が多いが、Y沢家の2匹の猫たち(メス済)も毎日、外へ出ているそうだ。これはかなりヤバイかも。上の方で諍う声がする。上がって行ってライトで照らすと、プリンスとタビーが睨みあっている。2匹とも10歳超の年寄りで、去勢手術をしたばかりだというのに・・

私がゲンキを捕まえて押さえつけ、M浦さんが錠剤を飲ませる。昨日は3回も吐き出されてしまったそうだ。今日は2人がかりなので、うまく行った。

Y沢さんも去り、餌場も片付けたが猫たちは立ち去らない。茂みに座っているプリンスの目やにを取りながら撫でると、もっと可愛がってもらいたくてプリンスは茂みから出て来た。一時、痩せて生彩がなかったプリンスだが、このところ良く食べ堂々たる体格を取り戻している。顔の大きさ、首の太さはどうだ。タビーもそうだが、ボスになりメス猫にモテるようなオス猫はやはり堂々たる体躯、顔つきをしているものだ。プリンスの太く固い首を撫でながらそう思った。

我々が小桃の駐車場へ向かおうとすると、「新黒」がハイエナ歩きで先を歩いている。駐車場へは他の猫はもう従いては来なかった。「新黒」はまるでずーっとそこで待っていたかのようにお墓の階段でスタンバイする。小桃は出て来ない。「新黒」にはカリカリをあげたが勿論食べない。

ゲンキの様子をもう一度見ようと正門前に戻ると、猫たちが集まって来る。これではいかんと、解散することにする。帰宅するとやはり11時近くになっている。


2002年10月08日(火) ゲンキはやはり食中毒の模様

朝9時前に学院正門前に着く。茶々が門の側にいて甘えてくる。ゲンキが昨夜居た場所を覗いてみるがいない。餌場に上がってキョロキョロしていると学院内の茂みで丸くなって寝ているトニーを見つけた。そこへ茶々が鳴きながら上がって来たのでトニーも目覚めた。

そこへM浦さんが上から階段を降りて来た。喋っていると、ゲンキがどこからか出て来た。おいしい缶詰を食べさせようとするが、やはり食べない。が、昨夜よりは大分回復しているようだ。匂いをかぎつけてポオまでが出て来た。茶々、ポオ、トニーに給餌する。

とにかくゲンキをキャリーに入れて犬山動物病院へ行く。院長に、どうも傷んだ生魚を食べたようだと話し、治療をお願いする。見た目はずい分元気になっているし体温も平熱だった。ついでなので血液検査もお願いする。オス猫は皮膚が固く首からはできず前足から採血する。そして点滴をしてもらった。ちょっと嫌がったがゲンキはおりこうだった。

5分待って出た結果は、FIV陽性、FeLV陰性だった。丁度1年ほど前、首輪をしたまま山手に紛れ込んできた美猫、ゲンキ。捨てられたのか、迷い込んできたのか。在山手歴も浅く、若いゲンキもFIV感染していたとは。しかも濃くはっきりと出て来た。ゲンキはよくケンカを売っていたので、感染猫に噛まれたのだろう。残念だ。

10歳超のハンサム・タビーもFIV陽性、FeLV陰性だった。これで正門近くの猫たち、スミオ、ハイシロー、茶々なども感染している可能性が高くなった。急にどうこうということはないが、現実を把握しておくことは必要だ。

タビーとゲンキを連れて正門前に戻る。雨が降り始めた。木陰でタビーに抗生物質入りの缶詰を食べさせようとしたが食べずに逃げて行ってしまった。ゲンキは少しだけ食べて、山の斜面でトイレを始める。ひどい水様便だ。嘔吐は収まり、下痢だけになったのかも。可哀相に。後は自然治癒を待つしかない。体力のあるゲンキで良かった。

次回の捕獲・搬入は院長の都合で16日以降になる。


2002年10月07日(月) ゲンキ不調

夜10時過ぎ、M浦さんがやって来た。M本氏が8時頃、餌やり散歩を終えてM浦さん宅へ懐中電灯を届けに来たそうだ。その際、ゲンキが出て来なかったと言っていたとか。その後、M浦さんが「山手猫階段」に来て餌やりを終えるころ、ゲンキが坂の方からヨロヨロとやって来て茂みの中に蹲ったそうだ。カリカリは全然食べないし、触ると怒るのでどうしたものか、見に来て欲しいと言う。

他の猫たちへの給餌は終っているというので、缶詰を3個とレトルトパック2個を持って駆けつける。正門前、工房側の石垣の上、植え込みの中にゲンキは丸くなっている。見た目にはどこも怪我などしていない。顔も普通だ。そっと触ってみても大丈夫。レトルトに抗生物質を混ぜて、鼻先に置くが全く食べようとしない。その時までには他の猫たちが多数集まって来ていた。もう食べ終わってはいるものの、缶詰おばさんの私の顔を見たら期待せずにはいられないようだ。術直後のプリンスもポオも来ている。

ゲンキは食べないので餌場まで上がって他の猫たちの為に手持ちの缶詰を開ける。プリンスの食欲はすごい。腎臓の具合が悪いというので、つい特別扱いしてしまう。撫でて可愛がっていると、プリンスはその特別扱いがわかるらしく他の猫たちに対し急に強気になっている。ガツガツ食べるタニーを威嚇している。柄がそっくりなタニーはプリンスの息子に違いないと私は思っているのだが、では母猫は?というと全くわからない。それらしいメス猫はいない。

もう一度ゲンキの様子を見に行く。向きを変えてやはり丸くなって目を閉じている。何か悪いものでも食べて腹具合が悪いような感じだ。よほど緊急ならこんな時間でも、犬山動物病院に電話して院長に無理を聞いてもらうことも考えたが、明朝まで待つことにした。

我々がそこに居るとまた猫たちが集まってくる。茶々はケンカともだちのゲンキの具合が悪いのが分かるのか、そばに来て心配そうに?している。
ハイシローとスミオが睨みあっている。スミオのようにおとなしい猫でも猫同士となると我々の知らぬところで派手にケンカしているかもしれない。
ハイシローは上手に木登りを始め、かなり高くまで上って遊んでいる。すごく身軽だ。不器用なゲンキは木登りが出来ない。猫は下りるのが苦手だがハイシローはうまいもんだ。スルスルと降りて来た。猫の木登り姿は可愛いなあ。

明朝9時に正門前に来てゲンキの様子を見ることにする。ハンサムタビーのお迎えがあることだし、必要ならその時に病院へつれて行く。


2002年10月06日(日) ポオのお迎え・ハンサムタビーの搬入

M浦さんと午後7時に正門前で待ち合わせ。丁度猫たちの夕食時間なので、全員集合だったが、ポオをお迎えに犬山動物病院へ。ポオはとってもおとなしい猫だが、さすがにムッとした感じで捕獲器の中に入っていた。我々の顔を見て安心したのか、盛んにニャーニャー鳴いて文句を言っている。

餌場に戻り、ポオに捕獲器の中で抗生物質入りの缶詰を給餌する。プリンスにも抗生物質入りの缶詰フードを与える。群がり寄る他の猫たちにはとりあえずカリカリを与えておく。ポオを捕獲器から出し、タビーをスプーン1杯の餌で釣って捕獲器の中へ導く。お尻を押して尻尾を挟まぬよう気をつけながら蓋を閉める。そこへM本氏が現れた。秋刀魚の身を持ってきたという。

我々はタビーを連れて犬山動物病院へ取って返す。「速いですねえ!」と院長は驚いている。20分ほどで引き返してきたことになる。院長の見立てではタビーの方がプリンスのように貧血気味ということもなく、調子がいいようだ。プリンスはもしかしたら15歳くらいかもしれない。タビーも10歳は越えていることは確かだが、はっきりした年齢は誰も知らない。タビーのお迎えは明後日の午前10時と決めた。

すぐに「山手猫階段」へ戻ったが、M本氏の姿はもうない。M浦さんがM本氏のためにと置いて行った懐中電灯がなくなっている。私のがあるので灯りは十分だ。見るとカリカリはずい分たくさん残っている。缶詰をたくさん開けてカリカリと混ぜて与えるが食いつきが悪い。M浦さんが茶白猫4匹とさくら、かりんを呼びに行く。新黒も来ている。みんなが食べていると、突然何かが降って来て猫どもが一瞬にして餌容器を蹴散らかして逃げてしまった。一体何が起こったのか???M浦さんと二人、呆然とする。多分ゲンキあたりが横っ飛びに降って来たのかもしれない。

散らばった餌を寄せ集めていると猫たちが三々五々戻って来た。プリンスは療法食の缶詰k/dをぺロリと平らげ、寛いでいる。今日はもう水の飲みすぎも頻尿もなく落ち着きを取り戻したようだ。
「新黒」はカリカリをうまく除けて缶詰の部分だけ食べている。猫たち、おいしいものは欲しいがカリカリはもういい、という感じだ。贅沢者め!

小桃の駐車場へ行くと小桃は出て来たがカリカリが殆どの餌なのでプイッとそっぽを向いている。「新黒」もいち早く戻っている。スミオがやって来たのでスミオにその餌を与える。おいしい餌なら吹いて他の猫を蹴散らす「新黒」だが、今日は「どうぞ」とでも言うように珍しくおっとりとした鷹揚な態度だ。

「新黒」の面白いブサイクなご面相をつくづく見て、M浦さんは「こんなブサイクな猫、もし家猫で、気立てがよいとしても可愛いと思う人がいるだろうか?」なんてひどいことを言っている。ちんまり座っていた時にお腹に白黒ダンダラ模様が出るのを見て「変な模様!」とも言っていた。3段腹のような模様だが、ま、いいではないか。「新黒」は歩く時も腰が落ちていてどことなくハイエナのように情けない歩き方をする。ブサイクであればあるほど、いじけていればいるほど、それまでの過酷な猫生が偲ばれて益々不憫だ。M浦さんも言いたい放題言ってはいるが、毎日「新黒」に十分に給餌して可愛がっている。

木曜日にニャン太の捕獲・搬入を予定しているので、その前にフロントラインの投与をしておきたい。M浦さんは投与したことがないと言うので、「山手スカイウォーク」北側に車を回す。7時前にM浦さんが与えたカリカリが少々残っている。が、M浦さんが呼ぶとニャ〜ンと鳴きながらすぐに現れた。M浦さんに押さえててもらい首の後ろにフロントラインを投与する。ゴロゴロ言いながらスリスリしてとても懐っこい。

M浦さんはさくらのことが気になり、もう一度「山手スカイウォーク」のてっぺんに行ってみるという。そこで解散。午後9時だった。


2002年10月05日(土) プリンスのお迎え・ポオを搬入

☆☆学院正門前でM浦さんと待ち合わせ、犬山動物病院へプリンスのお迎えに行く。プリンスは緊張の余りかおしっこをタラリタラリと漏らしている。正門前に車を止め、餌場を見ると幼児を多数引き連れた団体が「山手猫階段」を下りてくる。そこで、車の陰で捕獲器に入れたままプリンスに抗生物質入りの缶詰を給餌する。よく食べる。M浦さんが抱っこして餌場の水容器のところへ連れて行くとガバガバ、水を飲む。そしておしっこ。学院内の澱んだ池の水も飲んでいる。盛んにしゃがんでおしっこをするのでM浦さんが心配している。

ポオと花子が出て来て餌をねだる。おいしい缶詰をたらふく食べさせ、ポオを捕獲器の中に入れ再び犬山動物病院へ。僅かな間に院長は近所に往診に出かけてしまっていた。助手にポオをお願いして病院を出たところへ院長の車が。朝なので、ポオの手術を今夜してもらって明朝お迎えに来るつもりだったが、いくら朝でもたらふく食べさせていては今日手術するのは無理だという。そこで手術は明朝、お迎えは明晩ということになった。

正門前に戻ると、花子がニャーニャー鳴きながら車のところまで駆け寄って来た。今年1月、M浦さんと2人、花子を母猫、小桃と兄、太郎から引き離し、捕獲、不妊手術に持ち込んだことを本猫は深く恨んでおり、我々には餌だけはもらうものの決して懐こうとはしなかった。J先生に対してもそうだという。そのくせ通りすがりの猫好きでもなさそうな人々にはニャ〜と愛らしく鳴いて擦り寄って行ったりしているのだった。

それが今朝初めてニャーニャーと擦り寄って来たのでM浦さんは大喜び。今日の缶詰は特別おいしかったようだ。更に缶詰をあげると言って階段を上がって行った。我々はもうどうしようもない根っからの「猫バカ」だ。


2002年10月04日(金) プリンスの手術

今朝11時頃、犬山動物病院の院長から電話がかかってきた。プリンスの手術を行おうとしているところなのだと言う。血液検査の結果、FIV陽性、腎臓の具合も良くないそうだ。本猫の為には手術をしない方が良いが、他の猫たちの為にはした方が良いとのこと。他の猫の為というのは、未手術だとまだまだ他の猫とケンカをして噛み付きFIVに感染させたり、生殖能力もあるので未手術のメスを妊娠させる可能性もまだまだある。

院長には5分ほど待ってもらうことにして一応、J先生に連絡を取る。コトの次第を話し、やはり手術をしてもらうことを確認する。

プリンスとタビー、この2匹の高齢猫の去勢手術については、我々も頭を悩ませた。少し前に院長にメールで相談したところ、一般論として次のような返信が寄せられた。
『外見上特に異常はみられなくても腎臓病や白血病にかかっていることもあり、手術によって寿命が短くなることもあります。ただ、すべての手術にいえることですがそのメリット、デメリットを考えたうえで決めてください。たとえば、エイズ、白血病に感染している猫が他の猫に病気が移す心配があるときは、少々リスクがあっても手術したほうが良いと思います。この件につきましては、管理されている方の考え方も違うので一概にはしたほうがいいとは言い切れないと思います。』

またJ先生は所属しているオーストラリアの動物愛護団体、RSPCAにメールで問い合わせ以下のような返信を得ている。
【I have consulted our National President who advises that it is not too old:

"The answer is no. This is an old claim that has no veterinary medical
foundation. An animal can be desexed at any age from 4 weeks to near
death without ill effect. For various medical problems very old males
are frequently desexed.

The only limiting issue is whether the animal is an anaesthteic risk or not. Nowadays there are perfectly good pre operative screens available which can identify that risk. It is rarely used by clients unless the animal is already not too well."】

大意は、「動物(この場合、猫)は生後4週間から死の間近まで去勢出来、何の問題もない。それどころか、医学上の様々な理由から非常に高齢のオスがしばしば去勢されている。唯一問題となる点は、その個体が麻酔によりショックを起こす体質かどうかということだ。今日では、手術前にそういう体質かどうか鑑定する事の出来る完璧な遮壁スクリーンがある。が、それを使用するのは、その個体が既に大変具合の悪い状態にある時に限られる。」

日・豪のドクターズ・アドバイスを根拠に、我々は手術を受けさせることを選択した。明朝、迎えに行く。頑張れ!プリンス!


2002年10月03日(木) プリンスの捕獲

台風21号もあっという間に去り青空が戻って来た。天候不順のため長らく中断していた「山手ネコロジー」猫の手術・検査目的の捕獲を再開することにした。10月に入り、秋の陽はつるべ落とし。午後6時にはもう真っ暗だ。7時過ぎには猫を搬入したいと言って犬山動物病院に電話すると、院長は多分獣医師会に会合でもあるのか、帰りは遅くなるという。

餌用の鶏肉を茹でてしまっていたM浦さんは今夜、決行したいと言う。そこで午後10時半に学院正門前で待ち合わせた。懐中電灯を忘れたので、いつもの餌場ではなく、明るい階段下で給餌、捕獲を行うことにした。昨日と違って猫たちは空腹なのか、ワカメ、コロンを除き全員集合。毎夜は会わないプリンスが来ている。犬山動物病院では1匹づつ捕獲器に入れて搬入して欲しいと言っているのでプリンスを捕まえることにした。

鶏肉を入れたトレイでプリンスをつって捕獲器内に入ってもらう。お尻を押してそっと蓋を閉める。上から鶏肉やカリカリを振り入れる。プリンスが夢中になって食べている間に、新聞紙を広げ他の猫たちに給餌する。食べ終わったプリンスが捕獲器から出ようと暴れ始めた。そこでシーツで捕獲器をすっぽり包んでしまうとおとなしくなった。

小桃の駐車場へも行き、小桃と「新黒」にたっぷり缶詰を与える。戻ってくると猫たち、まだまだ空腹で缶詰はとっくになくなり、カリカリを食べている。今夜はもうここには戻ってこないつもりで、猫たちが食べ終わるのを見守る。M浦さんが持参した500grくらいのカリカリはすっかりなくなってしまった。

そこへカップルが通りかかり、猫たちの集団を見て歓声をあげる。どうも猫好きらしいので話し掛けてみる。学院内からワカメが従いて来たという。なるほど、いつの間にかワカメが来ている。「山手ネコロジー」の宣伝をし、メールアドレスなどの交換をする。

プリンスをずい分待たせてしまった。出発だ。もう11時14分になっている。犬山動物病院に着くと、「プリンス、おしっこした!」とM浦さんが大声をあげている。アッ!車のシートも少々濡れている。次回からはゴミ袋やペットシーツを敷かないと。今までうっかりしていた。

我々が騒いでいると病院の内部に明かりが点き院長が顔を覗かせた。プリンスが10歳を越えていることは告げておいたが、一目見て院長は血色が悪いと言う。プリンスの写真を撮り、お願いして病院を出る。院長にはまた期限切れだがまだまだ有効なフロントラインを10個頂いた。有り難い。個装のフロントラインは1個千円もするのだ。


2002年10月02日(水) 変死猫の身元

変死していた猫は「山手ネコロジー」の花子ではないかという、一昨日のJ先生のメールに対し、花子はピンピンしていると返信しておいたところ、今日またメールが入った。

『花子ちゃんは無事で良かった...と安心したところ、「猫の死体がない」と言っていた先生が、今朝「やっぱりいたよ、猫ちゃん」と言いました。直接見た人に聞いたら、なんと土曜日に見つけたそうです。早速友達と見に行きましたが、腐敗がひどく、何色の猫だったかもわかりません。毛が少しも残っていない、虫の大群に食われていて、哀れな姿です。軍手などを持っていきましたが、皮膚の下にガスが溜まっていて、触れない状態です。

ちゃんと埋葬できなくても、せめて山手猫かどうか知りたいので、見つけた人に猫の名簿を見せました。色からすれば、コロンちゃんではないかということですが、さくらちゃんの可能性もあります。見つけた人の話によると、以前カラスが群でモグラやたぬきを殺したそうですので、今回もカラスではないかという話です。外猫は毎日雨風に耐えるだけではなく、こんな悲惨な死に方をしなければならないなんて、悲しすぎますね。本当に心配は絶えません。

また、新顔ではなく、恐らく飼い猫だろうと思いますが、生徒寮(バザー会場)の近くにポパイやM浦さんのフクちゃんによく似た猫がいました。健康そうで、人に慣れているようですが、その猫ご存知ですか。

ワカメちゃんは今朝、職員寮の方から上がってきたそうです。雨宿りの場になっていると思います。取り壊しはあの子たちがいなくなってからにしてもらいたいですね。』

・・・・・・・・・・・
それに対する私の返信:
【その推定「カラスに殺され猫」は、コロンでもさくらでもありません。2匹とも
元気にしています。

J先生からのメールを見てすぐにM浦さんに電話したところ、彼女はその変死猫がワカメとハンサム・タビーの娘、「チビトラ」ではないかと心配していました。チビトラはタビーと同じ柄で小柄で太っています。以前、M浦さんが不妊手術を受けさせましたが、父親のハンサム・タビーに追いかけられて、それがいやで、学生寮の方へテリトリーを移してしまったそうです。

そこでは多分、職員のK下さんと言う人に餌をもらっているのではないかとM浦さんは言っていました。
今年の春頃、6号棟のS木さんと私が学院内を通っていると、学生寮のあたりの茂みから鳴き声が聞こえました。探すと、ハンサム柄のコロコロ太った懐っこい猫が出てきました。余りにも懐っこいので、捨て猫かと思い、そこからM浦さんに電話してみました。それはチビトラではないかと言ってM浦さんはすぐに駆けつけてきました。やっぱりチビトラでした。

さっきM浦さんと待ち合わせて餌やりに行きました。M浦さんは夕刻、2度ばかり、チビトラの姿を求めて、学生寮のあたりへ行ってきたそうですが、最近、滅多に会わないので、今日も会えなかったそうです。

が、J先生が変死猫を見た人に「山手ネコロジー」猫名簿を見せたところコロンやさくらに似てると言ったとのこと。チビトラだったのなら、むしろ花子やハンサムタビーに似ていると言うでしょう。

学生寮や、公園あたりの三毛猫ということなら、下半身を引き摺っている猫がいるそうです。M浦さんやM本さんは知っていますが、私は見たことがありません。下半身をひきずりながらも、すごく速く走るそうです。

チビトラや下半身不随猫の動静は、K下さんならきっと知ってるでしょう、ということでした。ただ、チビトラという名前ではないかも知れませんがM浦さんが手術を受けさせたハンサム・タビーと同じ柄のメス猫と言えばきっと分かる筈とのこと。チビトラや下半身不随猫が元気にしているとなると別の猫ですね。

いずれにしろ、我々の「山手ネコロジー」の猫ではありません。

・・・・・・・・・・
学生寮の近くにいた、ポパイやM浦さんちのフクに似た猫というのは、おそらく「ニャン太」のことだろうとM浦さんは言っていました。
http://members15.tsukaeru.net/necology/nyanta.htm
この写真は、1週間ぶりにボロボロになって出て来たところを撮ったのでひどいご面相になっていますが、その後、すぐに回復し、とても元気なきれいな猫になっています。まあまあ懐っこいです。あのあたりの、白地の白黒猫といえばニャン太でしょうね。ニャン太も近日中に捕獲・手術の予定です。

明日ポオちゃんともう1匹を捕獲して犬山動物病院へ搬入の予定です。
正門前でM浦さんと待ち合わせています。

ワカメの行動範囲も広いですね。
夜はもう全然餌場に出て来なくなりました。どうしたんでしょうね。
寂しがっていたM浦さんは夕方、学院内で久しぶりにワカメに会えたといって喜んでいました。ワカメたち多数のメス猫を手術に持ち込み、術後1週間自宅で預かったので、いつまでも愛着があるようです。有り難いですね。

ということで、学生寮あたりの猫で行方不明になっている猫がいないか、K下さんに尋ねたら、様子が分かると思います。

いろいろ心配が絶えませんが、気を取り直して頑張っていきましょう。】


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