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2005年04月28日(木) 野菜のように?

今日は朝から本当に気持ちが落ち込んでしまっていました。なんともいいようのない不安感が私包んでいました。朝から涙して、でも、リハーサルまでには気持ちが落ち着くかもしれない、と泣きながら車を走らせ学校へ。10時ころには到着し、ウォームアップをしてから11時にピアニストに会うはずだったけれど、結局リハーサルの直前まで車のなかで泣いていました。

ピアニストは今日のリハーサルはキャンセルしてもいいよ、と言ってくれましたが、途中涙しながらも、なんとかリハーサルを終えました。リハーサルの最後に日曜日に彼の先生とのコーチングに来て欲しいといわれると、またしても私の気持ちはとても不安定になりました。

日曜日は私にとって唯一の休日。だらだらしてもいいし、練習をしてもいいし、外出していいし、誰にも会わずにいてもいい。先週もセクショナルで日曜日がなくなっってしまった(たった2,3時間のことだけれど、今の私にとっては一大事)のに、今度はあなたに私の休日を奪われようとしている。大袈裟だけれど、本当にそんな気持ちになり、本当にとても辛くなってしまいました。

考えさせて欲しいとだけ言って、リハーサルを去り、過呼吸のような状態になりながら、今日のオーケストラのリハーサルは休ませてもらおうかと指揮者の先生を探しに行く途中で通りかかった私の先生のオフィスのドアが開き、先生が出てきました。「どうしたんですか?さあ、入って」

そのまま泣き崩れてしまいました。日曜日のいリハーサルの件は話しませんでしたが、今朝抱いていた、自分の演奏に対する漠然とした不安のようなものを打ち明けました。「大丈夫ですよ。あなたは何があっても弾き続けますから。ただね、今のあなたには時間が必要なんですよ」話している間に少し気持ちが落ち着き、今度は指揮者の先生のオフィスへ。

「今日のリハーサルなのですが、できたら行こうと思いますが…、行きたいのですが…、行けないかもしれないので…」とまた過呼吸のような状態になり泣き崩れてしまいました。「少し一緒に歩きましょうか」先生のオフィスで少し座らせてもらい、落ち着いたところで散歩にでました。

「たまにはね、休まないといけないんですよ。たまにはね野菜のようになって何もしない日をつくるんです。次の日に動けるようにね」

その後、結局オーケストラのリハーサルにも出席し、とりあえず一日を終えました。(5/1/2005)


2005年04月24日(日) セクショナルリハーサル

とうとうセクショナルの日が来てしまいました。でも、今日は少し落ち着いて一日を過ごすことができたような気がします。みんなとの約束の6時に学校へ着き、良いリハーサルができました。8時で終え、みんなを帰した後、遅れて来た二人のために私は30分ほど延長してセクショナルを続けてあげました。このようなサービスは必要なのでしょうが、これも私なのでしょう。
(5/1/2005)


2005年04月23日(土) ようやくの理解

事故もあり、明日のセクショナルリハーサルのことを思うと、とても辛くなって正常でいられず、堰を切ったかのように夜になると泣き出してしまいました。これまでも何度もなんとかドクターやカウンセラーのところに行きたいという希望を夫に話してきましたが、受け入れてもらえませんでした。でも、今日は自分でもかなり辛く、本当にそうしなければいけないような気がして、再度、夫に泣きながら自分の気持ちを訴えたところ、ようやく理解を示してくれました。(5/1/2005)


2005年04月22日(金) 運転する気になれないけれど

昨日の事故のせいで、運転をする気になれません。
けれども、今日は演奏のクラスでベートーベンを弾くように言われていましたので、持ち前の責任感とでもいいましょうか、でがんばって学校へ行き、ベートーベンを演奏し、帰宅。無事に一日を終えられたことに感謝しています。
(5/1/2005)


2005年04月21日(木) 事故

夜10時ころ、友人のNちゃんとオーケストラのリハーサルの後に夕食に出た帰りに交通事故に巻き込まれてしまいました。私を含めた車4台が玉突きのような状態でぶつかりあってしまったのです。

止まろうとして思い切りブレーキを踏んだにも関わらず、たまたまその道路の反対車線で工事が行われていたために、Dirtが散乱していたのでしょう、ブレーキが全く効かない。ブレーキを踏んだまま数メータースリップをし、目の前ですでにぶつかり合っている車の後方に軽く突進してしまいました。

幸いにも4台の運転者4人全員、無傷。警察も来ましたが、これはかなりマイナーなアクシデント、とのことで、ポリスリポートを取らずに終わってしまいました。私の運転していた車もへこみなどもなく、スクラッチを数箇所に受けただけでした。

今週の火曜日に言い渡されたオーケストラのセクショナルリハーサルによりかなりのストレスを受けている私。その上にこのようなことになってしまい、動揺しています。(5/1/2005)


2005年04月15日(金) 「書くために書きたい生活を守る」

今週も終わろうとしています。

先週、C Quartet が大学にいてくださったときと雰囲気が違った一週間でした。月曜日に大学へ行ったときに、彼らがすでにもうここにはいないことを感ずると、なんとなくおかしな感じがしたくらい、彼らが大学にいてくださったときにはかなり活気があったように思います。私自身も高揚していたのでしょう。何かを失ったような感覚は数日続きました。

私は弦楽四重奏をやめ、オーケストラもスタンドパートナーを変えていただくことができました。すると、ストレスがかなり軽減されたのでしょう、世界が全く違って見えます。リハーサルのときも楽しくてついはしゃいでしまうし、と同時に今になって、ふとそれを見た以前のスタンドパートナーはどう思うだろうか、少し落ち着かなければ、などと思ったりもしました。

フォーレは相変わらず同じピアニストと続けていますが、他のストレスが減った分うまくHandleできるようになっているように思います。彼もがんばっていますし、お互いにある程度は認め合わなければならないことはわかっているので、そうするようにはしています。

リサイタルも秋以降に延期しましたし、当面の目標はオーディション。この地域のオーケストラのオーディションを受けることにしたのです。以前に少し離れた地域のオーディションを受けたことがあります。もう3年くらい前になるのでしょうか?そのときには周囲の演奏にある意味で圧倒されたところもありました。プロとして活躍されている方々も受けに来るなか、私のような彼らに比べると経験の浅い人間が彼らと同じ土俵に立つということはとても勇気の要ることですが、いろいろな経験を経て、やはり自分を大切にするためにも自分に余計な負担のかからない場所に自らが行かなければならないような気がしましたし、自分もそういう場所にいきたいと感じていることをオーディションに行くことで表現することも悪くないかな、と思っています。

課題のなかには3年前に勉強したものと重複するものもあり、ある意味で自分の成長を確認できるいい機会にもなっています。かなりの倍率なので、受かることはないと思いますが、与えられた課題のなかで自分の技術と音楽性の極限を目指してみたい。協奏曲や室内楽とは全く別の世界。気分転換にも良いような気がするので、ちょっとがんばってみようと思っています。

ここで気をつけなければならないのが、練習をしすぎないこと。最近、父が送ってくれたビデオのなかに日本の「情熱大陸」という番組が入っていました。私はこの番組が好きでときどき録画をして送ってもらうようにしているのですが、今回みることができたのは作家の角田光代さんの回でした。

そのなかで、確か、「書くために書きたい生活を守る」というラインがあったように思います。角田さんの仕事時間は午前7時半から午後5時まで。残業はなし。書きつづけるために、書きたいという気持ちを持続させるために、仕事をする時間とそうでない時間(生活の時間)をバランスよくきちんと確保するようにしていらっしゃるのだと私は理解しています。

これはとても賢いStrategyのように思います。私はというと、やりたいと思うと身体の悲鳴を無視してまで続けてしまいます。大好きな食べ物を口にするとついついもどしてしまうまで口に運んでしまう。(笑)年齢的なことも考えると、私はもっと自分を大切にしなければなりません。長く続けていきたいのだから。

オーディションまで7週間。身体に負担のない程度の練習時間内でいかに仕上げるか。今回はオーディションの結果よりも、こういうことを勉強するいい機会として向き合っていきたいと思います。


2005年04月08日(金) C. Quartet in Residence:マスタークラス(Faure)

昨日はとてもよく眠ることができたせいか、今日はとても気分が良い。
というか、ものがよく見える、頭がはっきりする。
ようやく久しぶりに普通の状態に戻れたような、そんな感じです。

11時頃学校に着いて、ウォームアップ兼練習。
12時すぎにマスタークラス会場で簡単なリハーサル。
1時からマスタークラス。私は3番目。聴いている間にやはり手が冷たくなっていくので、一度退出してウォームアップをもう一度。オクターヴなどの音程が気になってしまったが、今となってはある程度開きなおるしかない。(笑)

2時15分くらいかな?に私(たち)の番がやってきました。1,2楽章両方を弾く予定でいたけれど、時間が押しているので、とりあえず1楽章だけ弾くように指示をされました。冒頭はやはりなかなか難しい。すぐにその場の音響などに反応しつつ、長い山あり谷ありのフレーズを美しく、多彩なカラーをもってうたいあげるためにはやはり何度も場数を踏み、慣れていくしかないような気がする。ピアニストは2度ほど途中で手が止まってしまい、少しびっくりしましたが、そういうアクシデントも経験がないよりはあったほうがよい、と考えとにかく音楽をCarryすることに集中しました。

Recapitulationの前で「時間がないので」と演奏を止められました。まずいただけた言葉は「とてもよくできています」。とても安心しました。これまで常に問題になっていたバランスについては私はもう少しPresentな状態で弾き、ピアニストはもっと音量をコントロールすることが必要とのアドバイスをいただけました。今日もマスタークラスということなので、頂いた提案にはすぐに反応し、私はその場ですべて変化させることができました。

C Qartet内にはお二人の奏者がいるわけで、マスタークラスもお二人によって進められて行きました。ひとつ興味深かったのがビブラートについて。S氏が「ここはもっとビブラートをつかってもいいかもしれませんね」というと「No、No、Don't Encourage That」とC氏。私はどちらかというとC氏のアプローチ、音は基本的には弓でつくるもの、ビブラートは補助的なものであって、それに頼り過ぎない、という姿勢が好き。後で録音を聞いてみてもその姿勢が正しいことは明らかのように思われました。過去にもいろいろなマスタークラスやいろいろな先生からの指導を受けましたが、多くの人は何かが足りないと思うと必ずすぐに「ビブラートを」とおっしゃいます。なかには「全ての音にビブラートを」という方も。けれども、それはかなり安易な解決法のような気がします。というか、それでは解決にならないような気がします。

結局2楽章は弾けずに終わりましたが、私自身は気持ちよく演奏できましたし、よく弾けたと思いました。最後にももう一度C氏から「とてもよくできました」とのお言葉をいただけました。演奏を終え席に戻ると、私の先生が歩み寄って来てくださって、「とてもよかったですよ。昨日のレッスンでDiscussuした弓の変えもとてもスムーズでしたし、トーンもフレーズも素晴らしかった」といってくださいました。本当によかった。

マスタ−クラスの終わりにはS氏と歓談することができました。基本的には奏法についてでしたが、とくに新しい情報が入ってきたということはありませんでしたが、知っていることの確認ができよかったと思っています。歓談の途中でも私の先生が加わってきてくださって、「今日は彼女はとてもよく弾きましたよ」などと言ってくださいました。嬉しい。


2005年04月07日(木) C. Quartet in Residence:オープンリハーサル

今日は午前中にピアニストの先生のところへ行ってフォーレを弾き、その後私の先生のところでもう一度演奏をし、午後はオーケストラ。そして、その後にカルテットのオープンリハーサル、という予定でした。

昨日はあまりよく眠れず、とてもしんどいなかこのスケジュールでしたので、オープンリハーサルは途中で失礼しようかと考えていましたが、やはり現役のプロのカルテット。途中で退出する気がうせるほど魅力的な時間がそこにはありました。

やはりファーストヴァイオリンはある程度Dominateする必要があるようです。もちろん、このカルテットはCさんの名前がついているようなカルテットですから、というのもあるのかもしれませんが。でも、とにかくみなさんとてもよく聴き合っている。そしてよく反応している。そうし合うことによって、ある程度みなさんが自由にうたえているようになっているような気がしました。リハーサルではハイドン、、ラヴェル、バルトーク、そして今も生きていらっしゃるShurmannというかたの作品が取り上げられました。

このリハーサルの終わりにもまた歓談の機会があったので、今日はヴィオラの方とお話をしてみました。ひとつ気になっていたこと。私たちが月曜日にドビュッシーを演奏したときにその方から「重い」というコメントが飛び出し、と同時に私たちの間でもリハーサル中に同じ言葉が使われていた(感じられていた)ので、それがどこからきていたのか、という疑問を投げかけてみたいと思いました。疑問というか、それについては私自身が処理できることではないような気がしていたのだけれど、その方はどう考えていらっしゃるのか、ちょっと伺ってみたかったのです。すると「私たちのラヴェルが参考になったかしら?かなり軽く弾いているでしょう?ドビュッシーの場合はいろいろな音というか、効果音のようなものがあるでしょう、そういったものにどうアプローチするかが大切ですよね」会話のなかでLa Merなどのオーケストラ作品もとびだし、やはり皆さん弦楽四重奏奏者ではあるけれど、専門だけにとらわれず、いろいろなLiteratureをよくご存知なのだ、と改めて知ることができました。そして、私たちのドビュッシーの「重さ」はやはりメロディーを弾いている私には解決の術がなく、海のようなサポートからきていたということも確信しました。(笑)

今日は友人のパーカッション奏者Nちゃんをこのリハーサルに誘いました。帰りにお茶でもという話になりそうでしたが、「昨日、あまり眠れなかったので疲れているの」と駐車場でお別れしました。オープンリハーサルが終わり、帰宅したのは夜10時近く。かなり疲れているし、今日はよく眠れそう。


2005年04月04日(月) C. Quartet in Residence: 弦楽四重奏マスタークラス(Beethoven-op.59/Debussy)

いよいよイギリスからCカルテットがやってきました。

今日から一週間、彼らは私たちの大学でマスタークラスやレクチャー、オープンリハーサル、演奏会を行います。

その一週間の幕開けが今日のマスタークラス。私の弦楽四重奏団だけが2時間にわたるマスタークラスを受講。プログラムはベートーベン-ラズモフスキー第3番より1、2楽章、そしてドビュッシーの1楽章。

私は体調があまり思わしくなく、ウイルスにより唇を腫らしながらの演奏でした。これまでいろいろと悩みましたが、私たちの弦楽四重奏も今日で終わり、ということを念頭にある程度は私の好きなように弾かせて頂き(笑)、とてもうまくいきました。ベートーベンの1楽章を弾き終わると、「いいですね。では次の楽章へ」などと言っていただけたくらい。(もちろん、その後、すぐに1楽章のDetailについていろいろなアドバイスを頂きましたが。(笑))

マスタークラスで何が一番おもしろいかというと、講師によって受講者の演奏ががらりと変わること。聴衆はそういうことをある程度期待しているという意識のもと、またこういう場ではそうするのが理想的だということが分かっているので、私は与えられた指示を素直に受け入れ、その場でいろいろな風に変化をさせてみることができました。もちろん、技術的にかなり安定していないとそうすることも難しいですし、変化させるのがなかなか難しい部分もありましたが、全体的には私はとてもよく反応できたと思います。

講師のファーストヴァイオリンのCさんは私の演奏にとても好意的で、ある個所において、突然全く別のストロークを使って弾くという提案にもすぐに応えることができた私に、あるときには親指をたてて「とてもいいですよ」と客席から合図を送ってくださいました。とても嬉しかったです。

今日のマスタークラスを経て、私は私が考えていたことはかなり正しかったということを知ることができました。このような経験が積み重なることによって自信につながるのでしょう。

マスタークラスは夜7時から9時まででしたが、ドビュッシーを終えたころにはもうすでに夜の9時半を回っていました。彼らの多くの経験から得たものを惜しみなく私たちに分け与えてくださったこと、心から感謝しています。


2005年04月01日(金) 筆記試験合格

本当はまだ春休みなのだけれど、翌週からのスケジュールのことを考えるとリハーサルを入れてしまいました。やはりピアニストの彼とのリハーサルはあまり楽しくない。でも、しばらく心身を休めることができたので、リハーサル後に以前ほど落ち込むことはなく、それに関してはよかったな、と思います。

ひとつ、良い知らせ。それはこの間受けたComprehensive Examに合格したこと。今日、大学院から正式な通知を受け、ほっと安堵に包まれました。これでひとつは心配の種が消えました。まだまだ実技試験にOral Examもあるけれど、今日は何も心配せずに心のなかでこの合格を祝いたいと思います。


けい |MAIL

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