| 2002年06月17日(月) |
◆(続)極真・ペタス選手の骨折事故 |
引き続き、ペタス選手の骨折事故について述べたいと思います。
■ ヤフーの掲示板/格闘技に入り、タイトル・KIの中に「ニコラス!!脛!!」のトピが立ててあります。そこで今回の事故のスロー再生が見られます。どうも…凄まじいですね。
http://members.tripod.co.jp/fukifiki/archive/k-1-2_stereo_1200kbps_20020602.avi
気になりまして、さらに雑誌、「格闘技通信7・8」を購入し、私なりに検証してみます。尚、このトピには、もう1件の脛骨骨折事故の映像もあります。
2件共、右のローキック攻撃に対して、左膝を合わせた瞬間に折れています。しかし、構えと受けた部位は異なります。別件のものは左対構えの左膝受け。今回のはちょっと特殊のようで、攻者は左、守者は右の開き構えから、まるで膝蹴りをするかのような、受けというよりは攻撃でした。
2R1分ですから…かなり、狙っていたフシがあります。その点、対構えでの事故は、結果…タイミング良く折れたという感じです。
■ プロ野球を観戦していると外人選手が三振し、悔しがって、バットを膝でいとも簡単に「ボキッ!」と折る場面を目にします。全くあれと同じです。今回は…。つまり、グリップに近い細い部分を大腿骨頭の一番骨量がある部位にあてがって、瞬発力を加えたのとです。その際、バットを持つ手は広くして梃子を働かせます。
自分の膝ではイヤ?なので、バット二本で実験したら分かると思います。片方のバットの中ほどを手に持ち、もう片方の太い部分を逆にして持ち、グリップ部近くと太い部位をぶつけ合ったとしたら…分かるでしょう!?
写真で見ると、ペタス選手の右下段回し蹴りに対して、相手選手はちょっと左足を引いて力を貯め、さらに速く、膝頭を低く下腿骨頭部に当たらないようにしてぶつけています。単に膝を上げるだけだと腓骨頭や膝関節部をやられるのでしょう。
■ 相手/セルゲイ・グール選手のコメントです。
Q:避けようとしたのではなく、自分から膝を出したのですか?
A:はい。ビデオにも映っていると思いますけど、イグナショフ選手のトレーナーであるアンドレイ・グリジン(チヌックジム)に教わりました。(原文ママ)
私が疑問でならないのは、極真会館はあれほど試合経験を蓄積しているのに、なぜペタス選手がこうも簡単に、危険な合わせ技を決められてしまったのかという点です。過去に事例が無ければ別ですが…そうでもないようですし…盲点だったのでしょうか…?
最近でも、前回のK1でホースト選手、アーツ選手共に中足骨を骨折しています。ようするに誰でも、骨量の多い部位/特に肘、膝に骨量が少ない部位を当てれば折れるということですね。
■ 他山の石としましょう。少林寺拳法では(剛法の)受けの失敗で腕を骨折した事例/有段者を2件知っています。
以前、武専の指導に行っていた時、ある拳士が右手にギブスをしていました。「どうしたのですか?」と尋ねたら、法形“払い受け段突き”の際、受けがまずくて折りましたという件。
もう1件は法形“下段返し飛びニ連蹴り”を受けた際、上段の蹴りで右受け手を折った件。どちらも尺骨の手首寄りだと思います。蹴りに対しての受けは、特に尺骨、及び手指を骨折しやすいので充分に注意が必要です。
受けられて折る場合、打撃系徒手格闘技/少林寺拳法では足指、甲の骨が多いでしょう。かくいう私も、左足の二指を骨折したことがあります。その頃は若かった?ので、割り箸にセロテープをはって固定していたら治ってしまいました…。
昔、拳士同士でボクシングをしていてボディフックを肘受けされ、「グチュ!」と音がして、親指を複雑骨折した件も聞いています。
最近、恐いと思うのは“蹴り天一”で、逆突き、逆回し蹴りを受ける際、あまりに危険な受けをしている場合があるのでヒヤヒヤしています。上腕骨を骨折しなければ良いがと心配です。あの法形は二段科目から外すべきと考えます…。
|