| 2002年05月16日(木) |
◆K1・中量級世界大会観戦 |
4月27日に行われた同世界大会/TBS放映は面白かったです。なんですか「ムエタイのヒクソン(?)」と言われるくらいに強い、ガオラン・カウイチット選手(23)・タイ=が出るとのことで期待して見ました。
■ この大会で驚いたことがありました。それは試合前、ヒクソン選手が参加選手8人の戦いぶりのビデオで見て、誰が勝ち名乗りを上げるかを予想したのです。大方の声は、ガオラン選手が優勝するという中、Aブロックは優勝したアルバート・クラウス選手(21)・オランダと、Bブロックからはガオラン選手を差し置いて“手から稲妻を出す男”と恐れられる張選手の名前を上げたのです。その理由として、「この試合は3R制という短期決戦なので、パンチ力が強い選手が有利と思う。特に、(中国散打チャンピオン)張選手は大変危険な選手だ」(要旨)と言い、予言したのでした。
まあ、張選手は一回戦、ガオラン選手に判定で敗れてしまいしたが、そのガオラン選手をクラウス選手は予想通りIR、パンチの連打であっけなくKO。これには驚きました…。解説していた元WBAライト級世界チャンピオンの畑山隆則氏も、「ガオラン選手はアゴがあまり強そうでないので、クラウス選手、行けそうな感じがするんですけれども…」とコメントした直後のあっという間のKO劇でした。
強者は強者を知る…。たいした洞察力と観察力です。敵の得意技とか弱点を見抜けるんですね。だから「百戦(四百戦?)して危うからず!」なのでしょうね…。
■ 後、気が付いたことを述べます。小比類巻選手は一回戦、アンディ・フグの直弟子と言われる選手と対戦し、IR、ボディーへのカウンター左膝蹴りでKOしましたが…崩れ落ちる選手にとどめを刺す如くに突進し、手を着いている選手に蹴りを放ちました。真にフェアーではない不快な行為でした。彼は過去のビデオでも同じシーンがあります。本人曰く「格闘技はスポーツではない!」とのことですが、それとルールの順守ということは別次元の話でしょう。さらに驚いたのは石井和義氏/KIプロモーター・正道会館館長のコメントで、
「とどめを刺す。この気持ちがイイんですよ。本当はダメなんですけれど、やはり相手を殺すつもりで、というのは言葉悪いですけど、本当に行ってますから…」(放送ママ)と肯定する発言があったことです。
少林寺拳法とは明らかに感性が違いますね…。倒された選手にしたって石井氏にしてみれば、同じKI傘下の選手でしょう。駄目押しの、しかも反則の攻撃が無抵抗の選手に入って怪我をしても、心配ではないんですかね。それと、他の選手が真似をしたらどうするのでしょう…。
■ 印象的な場面。2回戦準決勝、クラウス選手VS魔裟斗選手のダウンシーン。肘が浮いた横拳の魔裟斗選手の左ストレートと、肘をしっかり締めたクラウス選手の縦拳の左ストレートとの相打ちでした。肘が浮いた分、相手の入り身を許し、クラウス選手の体がスルリと拳と共に向かいます。魔裟斗選手の拳は虚しく空を切り、対して体重の乗った拳が魔裟斗選手のアゴに炸裂したのでした。
クラウス選手は決勝戦の対戦でも曲と直の突きを巧みに使い分け、ガオラン選手を粉砕しました。後日の談話でガオラン選手、今度はムエタイルールでの再戦を希望していました。
ルールが違えば、その時は勝つでしょうね…。
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