■貴方はイザという時、少林寺拳法/活人拳が使えますか？
□１．野球の選手は打率三割を超えると好打者です。実に十球中、七球はアウトが許される世界です。しかし、武道はそうは行きません。アウトは死を意味するのです。ですから、命のやり取りをしていた当時の武術は、現在の我々が想像する以上に攻守に関して、一打必中の心構えだったのでしょう。
さて、武芸百般ということで、少林寺拳法の他に柔道、空手、ボクシングと習って、それが様々な場面で、果たして使いこなせるものでしょうか？ 相撲の力士が面白いことを言います。対戦相手に対して作戦を練る時、突いて行こうか、組んで行こうか、あるいは突いてから組ん出行こうかと、立ち合時の両極の作戦の選択に悩むのだそうです。
つまり、突き押し・剛法と四つ組み・柔法とでは、身体は瞬間的、同時的に機能しない様なのです。それで立ち合いに迷い、実力を発揮出来ずにアッサリ土俵を割る場面を良く観ます。
□２．まあ、打撃系の人でも剛法から組み合えば、投げを知っている者は出すでしょうから、この例より、ボクシング、空手と経験した場合が判りやすいでしょう。あるいは柔道とレスリング等ですか。
イザという場面で対処する際、人間はどちらの技が出るのでしょう。答えは、一番修練した技が最初に出るものなのです。それが、上の言葉の意味です。
最近「プライド」という格闘興行で、打撃系と組み技系選手(寝技系と言うべきか…)の激突を興味深く観ています。中には打撃ＯＫ、組み技ＯＫなどという器用/オールラウンドな選手もいます。しかし注意して観ると、どちらかに得意の重心を置いているのは間違い無いようです。
□３．さて、この項の本意は「無意識」の話です。再び相撲から、「立ち合って相手とぶつかる瞬間は、頭の世界では無い」と、二代目若乃花が言っています。また、少林寺拳法ではシゴキはあまり見ません(？)が、相撲では、何度も何度も“ぶつかり稽古”をしてフラフラになり、意識が朦朧となって出す技が本当の技だと言います。
力士は皆その様に稽古しているのですから、結局、両極の作戦に迷っても、最後は自分の一番得意な型/突き押しか、四つ相撲に拠って立ち合うべきなのです。一瞬の迷いに力が減殺されてしまうのでしょう。
迷わなければ、対戦様式は大きく分けて二法。自分が四つで行くなら、四つ組み対四つ組み、四つ組み対突き押しだけであるのに、迷えば、四つ組みか、突き押しかとすれば、対戦様式が四法になってしまいます。この選択肢の増大が益々(一瞬の)判断を誤らせます。
相撲は、数ある格闘技の中で特に瞬発性が求められるので、白刃の勝負との共通性が感じられます。ボクシングではワンパンチはまれですし、他の武道競技でも大体は三本勝負です。もっとも、相撲も十五日間ありますが…。
□４．では、剛柔を修める少林寺拳法はどうなるのでしょう。現在の様式では分解的で統合的/協調的では無いように思えます。まず、一瞬の躊躇を呼ぶのは、（人を殺傷するや、否や？）という自問でしょうが、“面突き”や“金的強打蹴り”ではどうでしょう？ では殺傷しないようにコントロールする？ そこにも、すでに一瞬の遅れが生じましょう。
また、剛柔一体の特色/制圧が表現されていません。以前、審判講習会で本部の乱捕り講習を見ましたが、蹴り技を取って、相手を叩きつけていました。ヘッドガード着用とはいえ、頭部の打ち所が悪ければ、殺傷しかねない拳技と思いました。改善するように要望しましたが、果たして届いたでしょうか…。
大前提の話は今は置きます。例えば左中段か一字構えを取って、対構えです。どうでしょう、直線攻撃/順逆突きと順逆蹴りの四本で良いですから、貴方の一番得意な受け反撃技がありますか？ 面突き、金的蹴り不可です。その技全ては、倒して固めまで連携していますか？
□５．乱捕りという概念ではなく、応用という概念で行う、護身技法習得方法一案です。乱捕りは、まだまだ早い！
�〆限亶修┐�ら、四本の直線攻撃を、まずやり易い法形で受けらせる。次反撃。
�∩蠎蠅�右に構えても受けられる。次反撃。この段階で、本筋、無理筋、裏表を理解させます。当然、突きは三日月打ち、蹴りは水月蹴り上げを基本とします。
また、Ａ、自分から声を発して、その攻撃をしてもらう。 Ｂ、相手が声を発して、その攻撃をしてもらう。 Ｃ、無声で攻撃をしてもらう。などの段階修練法があります。スピードはレベル/個人差によります。
��左対構えから、曲線攻撃に対しての四本を同様に行う。
�ち蠎蠅�右に構えても受けられる。
以下、拳による二連突き、突き蹴りによる二連攻撃、蹴り突きの二連攻撃を習得。三連攻撃は二連攻撃に突き、蹴りが一つ加わったものですから、二連までの基本を充分に習得する。ここまでで、初二段レベルですか…。
なお、五花拳はかなり早い段階から指導します。その為に、内受け→半月受け→半月掛け手受けの練習も必要です。
また、龍王拳と剛法の関わりも早い段階から指導します。例えば、片手十字抜きは相手の突きを半月受けして崩す動作と共通点がありますし、片手寄り抜きは、打ち上げ受け段突きと共通点があります。ただし、これは上級者向け。三段以上です。
□６．次に、上級となって、五花拳の習得を� 銑い陵徇里嚢圓ぁ⊇海蟾況發紡个垢訶櫃靴慮Φ罎盥圓い泙后�左右の問題に関しては、護身の前提であれば、反対は上級者から、一般的な法形修練であれば、初級から左右を行うのは当然です。
そうやって好きな受け、得意な受け(は身体が良く吸収します）の練習を日々重ね、無意識に活人拳のレパートリーを増やして行くのです。
おおよそ、このような要領で、習い覚えた一手を習得して行きます。また後述します。
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