| 2001年11月21日(水) |
■順突き、逆突きを考える! |
■ 突きについて考えてみましょう
□1.突きの実験をします。開足中段に構え、正中線の下に縦に線を引きます。そしてミットを正面に構えてもらい、左足を一歩踏み込んで左拳で順突き、右足を一歩踏み込んで左拳逆突きをしてみます。
同じ左の突きでも、両者の踏み込み足が違う事に気が付くでしょう。
□2.順突きは、最短速度を意識して打てば足がラインに向かい、避けながらという意識なら、ラインより左外側に足が進みます。
一方、逆突きはどちらをイメージしても、足はラインより右側に進み、踏む事がありません。つまり、左中段構えからの順突きと、右中段構えからの逆突きでは、突き手は同じでも足の進行方向に違いがあるのです。
なお、左中段構えからの右逆突きは、“足はラインより左側に進み、踏む事がありません”となります。
□3.我は構えを変えないのに、彼/相手が構えを代えた時、対処法が同じではありません。特に我左、彼右の開き構えから、彼が左構えに布陣を変えた時は注意が必要です。
素速い順手、順足が本筋(表、ないしは正面)を狙うからです。さらに順突きが曲線突き/鈎突きや振り突きになれば、一層、自分の正面に食い込んで来るので危険となります。
構えを変えない/開き構えからでも、差し替え順突きをされると、同じ手でも逆突きとは前足の進行方向が異なるので、面食らいます。この辺、攻者からすれば、虚実を用いたことになります…。
□4.一方、左対構えからの右逆突きには、顔面の正面より右半分は極めて襲われにくいのです。顔面の左半分から裏/左側頭にかけて、襲われる危険性が大となります。
このことは反対に、我左、彼右の開き構えからの曲線突きを含む逆突きは、強力な突きが本筋(表、ないしは正面)を狙うので、危険ということになります。
ここで、面白いことがあります。上記実験で空手のように足先をやや内側にし、肩腰を回さない横拳からのねじ突きで突くと、順逆どちらも、足先はラインを踏んで突けます。
この突き方は正面を狙いやすいのです。しかし、自分の顔面も相手の正面にさらすことになります。
□5.前回、蹴りを主に、身体運動/操作について述べましたが、突きは蹴りほど、前後、左右、回旋、開閉、肩腰の上下など、特に相性の悪いものは無い様です。全方向的に可能です。
蹴りを捨ててしまえば、かなりな前屈姿勢からでも出来ます。もっとも、その為には若干足幅が広くなるようです。金的の問題が出て来ます。
少林寺拳法では前屈や前傾して突く事はあまりしません。蹴りにつなぐ連撃が出辛くなるし、相手から蹴り上げが入り易いからです。
□6.内受けは直線突きを意識した受けで、直線的です。一方、対天一の(外)半月受けは曲線的な受けです。
つまり、素早い突き攻撃が直線的であるか、曲線的/気味であるか瞬時に判断できるものではありませんが、直曲、両用に対応しようとするのがこの受けと考えられます。明らかに強い曲線突きには、押し受けで対処します。
これまで、白蓮拳燕返しは内受けからの段突きとして来ましたが、これは(内)半月受けが正解ですね…。でしたら、三日月返し、水月返し、千鳥返しすべてに整合性が出て来ます。
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