空虚。
しずく。



 雨。私。

飛び出していた。

いられなかった。いたくなかった。

大丈夫じゃ、なかった。

雨は、やまない。

**************

宛てもなく、歩いていた。

私は、パジャマのままだった。

裸足だった。

雨が、どんどん服を濡らしていく。

身体が、冷えていく。

飛び出す前に、胸のポケットに入れた、カッター。

刃を、少し出した。


近くの公園まで、来た。

入ろうとして、やめる。

走った。

へたり込んだ。

息もあがらない。身体も疲れない。

曇った眼鏡が邪魔で、外した。

泣きたかった。

涙は、出なかった。

カッターで、頬を切った。

「代わり。」

笑った。

『風邪引くよ。』

「いいよ。」

濡れた服が、身体に纏わりつく。

体温が、奪われる。

指先は、真っ白だった。


雨の道。

何もない。

ただ、雨音がうるさいだけ。

『帰ろう?』

「嫌。」

意識を、失いかける。

足を地に踏ん張り、止まった。

瞳を閉じる。

大嫌いな、雨。

でも、いい。

何も、見えない。

「止まないね。」

もう、笑えなかった。

2002年06月30日(日)
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