空虚。
しずく。



 無題 七。

夜、「八つ墓村」を見た。

狂った人間の所業は面白い。そう思った。

泣いていた赤ん坊に日本刀を突き刺していた。

「ぴぎゃ」と泣いて、赤ん坊は死んだ。

私は笑った。

刀で切られて捩り飛んだ首が転がった。

また、笑った。


桜吹雪の中を駆け抜ける狂人は美しかった。

悲鳴と、散乱する死体も、綺麗だった。


真夜中、「黒い太陽七三一」を見た。

様々な実験はとても興味深かった。

歴史として勉強する側ら、趣味としても楽しめた。


女の悲鳴はうるさいと思った。

肛門から飛び出した内臓と糞は汚いと思った。

生体解剖中の血が妙に赤かった。


見終わった。夜が明けていた。

寝た。


起きた。


昨夜を思い出した。

恐怖も、嫌悪も感じなかった。

ただ、見ていた。

もう、少し、忘れかけていた。


・・・なんだったら、残せるんだろう?


夜になった。

する事がなかったから腕を切った。

気持ち悪い腕だ。紅い線が一杯走っている。


ため息をついた。

自分が何を感じているのか解からない。


死んでいるわけじゃない。

生きていると認識しているわけでもない。


ぶよぶよとした不透明な粘膜のようなものが、

身体の周りを覆っているような感じがする。


それに嫌悪はしないが。

「何故だろう」という気にはなる。

知った所で、何の解決にもならないけれど。


・・・仕方ない。また、腕でも切ろう。

2002年06月21日(金)
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