空虚。
しずく。



 ホタル。

"時を止めて 君の笑顔が"
"胸の砂地に 侵み込んでいくよ"
"甘い言葉 耳に溶かして"
"僕のすべてを汚して欲しい"
"正しい物はこれじゃなくても"
"忘れたくない 鮮やかで短い幻"

"それは幻"

(ホタル/スピッツ)


店でこれを見つけた時、一瞬だけ躊躇った。
一度だけしか聞いた事がない。
だけど、耳に残って離れなかった曲。

それは、あの人が歌っていた曲だから。


すべて、終わらせるつもりだった。
整理などつけられもしないくせに、しようとしてた。
やっぱり出来なかった。

想いは。
変わらない。
変わってくれなかった。

だから、凍らせた。
どんな炎でも溶けないように。

だけど、少しずつ、何かが溶かしていく。
その度に血を流して、もう一度凍らせて。


きっとこの曲を聴けば、また浮かんでくるだろう。

顔の見えないあの人との想い出が。

そして、溶けた氷の狭間から、また、何かが見える。


泣けない私はどうするかな。
また、腕でも切るのかな?・・・逃げるために。


再生ボタンを、押す。
頭の中に響く、あの人の声。

涙の流れる、一歩手前。

「・・・―――――」

久しぶりに、名を呼んで。

空を、・・・見上げた。



歌に失くした感情を乗せ。

詩人のように仰々しい言葉で自己を表し。

いつまでも愚かな想いに捕らわれる。


まるで、それが"生の理由"だと言わんばかりに。


私に、生きる理由などないのにな。


2002年05月24日(金)
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