空虚。
しずく。



 ループ。

行き着く場所はいつも同じ。
考える事は、かつて一度思い悩んだ事。
浮かぶのは何度と見た幻覚。

いっそ気が狂ってしまえれば。

そう思い、何度笑ったんだろう。


それをさせてくれないのは・・・"義務感"という、鎖。


する事がないから、腕を切った。
当たり前のように血は流れたけれど。
それには、意味がない。

する事を思い巡らせた。
何もなかった。
また、腕を切った。

それは、暇つぶし。


壁に寄りかかって、座る。

何も考えていない。何も考えられない。

側のカッターを投げる。
綺麗な放物線を描いて、布団の上に落ちた。
携帯電話のデータを消していく。
何故か、叩き壊したい衝動に襲われた。

床に、落とす。

画面は、あの人の―――


下から、誰かの呼ぶ声が聞こえる。

呼んでいるのは、"弟"

データを引き出して、"姉"をセットアップする。

下に降りると、"母"に話し掛けられる。

今度は、"娘"


用事が終わった。
部屋に戻る。

何のデータもなくなる。

音楽にあわせて、声をだす。"歌う"


愛を謳った歌に、自分を重ね、
痛みを謳った歌に、苦笑した。


終わらない。

「終われない」

終わらせたい。

「終わらせられない」

ループ。

2002年05月10日(金)
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