空虚。
しずく。



 心理学。

始めは、人の役に立ちたかったんだ。
私みたいな人を、救いたい。って。

・・・そんな偽善を、抱いていたんだ。

あの人を救うどころか、
傷つけることしか出来ない私に。

人なんか救えるはずもなかったのにね。


自傷行為が始まってから、
以前にもまして書物を読むようになった。

青年心理学、臨床心理学、
心理、と名のつくものは何でも読んだ。

精神世界、こころ、宗教に関するものまで。


それは、日に日に見えなくなっていく自分の存在を、

何とか繋ぎとめようと、足掻いていたからかもしれない。


本から得た知識はとても役に立つものだった。

医者じゃないから正確な判断は出来ないけれど、
大体、自分がどんな状態かというのは解かるようになった。

でも、それだけだ。

私は、自分を癒せなかった。

知識はあくまで知識に過ぎなかった。

結果、私は自分の状態を認識しながら、
止めることも、癒すこともせずに、ゆっくり、病んで行った。


今になって、要らない記憶がよみがえる。

「臨床心理士になるよ。
 私みたいな人を、癒したい。」

・・・ははっ、ガキの戯言を。


本当、何やってんだろね、私・・・。

2002年04月13日(土)
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