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■ 手錠。
支柱に鎖を通し、手首に錠をかける。 手首に走るおぞましい感覚に、笑う。 金属の冷たい感触で、これなら・・・、 他人に触れられたら一体どうなるんだろうな。
金属の触れ合う音がする。 冷たいこの感触が、 よく解からない気分をもたらす。 これは、何だ? かつて感じた・・・、
懐かしく、 おぞましく、 泣き叫んだ?
・・・、 それにしても、 間抜けな格好だ。 自分で自分を拘束するなんて。
なんとなく、 変態。 と口にしてみる。 別にこれに快楽を感じるわけじゃないが。
ふと、手元にあったカッターを遠くに投げた。
"切れない刃は要らないんだ。"
癇に障る。 過剰な反応を示すこの手首。 一体何があったって言うんだよ。 私は何も知らないのに。
ここまでくるともう、"他人"だ。 この中に"私"など存在していないんだ。
ああ、解からない。 まるで迷路だ、この中は。 無数の鏡が映し出すのは、私、か?
・・・ここは、暗いよな。 光が射し込んだことすらない。 そう、君の愛する"あの人"すら照らせない。
いつまで瞳を逸らすんだ。 光を宿さなくても構わない。 受け入れなくてもいい。 ただ、拒むな。
見ろよ。 これを。
作り上げたのは、お前だ。
この闇をはらせるのは、"私"しかいないんだよ。
2002年03月15日(金)
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